年末調整しているサラリーマンで確定申告が必要な場合、した方がいい場合

公開日:2019年03月16日
最終更新日:2019年04月04日

目次

  1. 給与所得者で確定申告をする義務がある場合
    • ①給与の年間収入が2,000万円を超える人
    • ②給与以外の副業で20万円以上の所得がある人
    • ③2カ所以上から給与を受けている人
  2. 給与所得者で、確定申告をした方がいい場合
    • 結婚した場合(扶養控除)
    • 医療費の支払いが、年間10万円を超えた人(医療費控除)
    • 子供ができた場合(医療費控除・扶養控除)
    • 住宅ローンを組んだ人
    • 寄付(ふるさと納税など)をした人(寄付金控除)
    • 災害や盗難で資産に損害を受けた場合(雑損控除)
    • 1年の途中で中途退職した人
  3. 給与所得者が確定申告で提出する書類
    • 確定申告書A 第一表
    • 確定申告書A 第ニ表
  4. まとめ

この記事のポイント

  • サラリーマンでも確定申告をしなければならないケースもある
  • サラリーマンでも確定申告をしなければ損をしてしまうことがある
  • 確定申告書は「A」が使いやすい

 

サラリーマンなどの給与所得者は、通常は自分で所得税や住民税を納めることはありません。なぜなら、サラリーマンなどの給与所得者が支払わなければならない税金は、毎月給料から源泉徴収され、勤務先の会社が代わりに納めてくれているからです。
しかし、なかには確定申告をしなければならないサラリーマンや、確定申告をした方が得するサラリーマンもいます。

ここでは、年末調整をしているサラリーマンでも確定申告が必要な場合や、確定申告をした方が得するケースについてご紹介します。

給与所得者で確定申告をする義務がある場合

サラリーマンなどの給与所得者は、通常は自分で確定申告をする必要はありません。

なぜなら、勤務先の会社が、従業員の給料や賞与から税金(所得税・住民税)と社会保険料を徴収し、税務署や、市区町村、年金事務所に納めているからです。
これらの計算や手続きは、会社がすべて行うので、サラリーマンなどの給与所得者は自営業者や個人事業主などと違い、通常は確定申告をする必要はありません。

しかし、①給与の年間収入が2,000万円を超える人、②給与以外の副業で20万円以上の所得がある人、③2カ所以上から給与を受けている人については、確定申告をしなければならず、確定申告をしないとペナルティが科せられることがありますので、注意が必要です。

①給与の年間収入が2,000万円を超える人

年間収入が2,000万円を超える給与所得者は、会社で年末調整が行われないので、自分で確定申告をしなければなりません。
年末調整で通常行われる社会保険料控除や配偶者控除、扶養控除などの計算がされていないことから、確定申告をすれば、税金が還付になるケースの方が多いでしょう。

なお、後述する「給与以外の副業で20万円以上の所得がある人」では、20万円以下の副収入は確定申告不要と説明していますが、給与の年間収入が2,000万円を超える人で確定申告をする場合には、たとえ20万円以下の副業でもすべての所得を申告しなければならなくなります。
ただし、利子所得や上場株式の少額配当など、一部の所得については申告する必要はありません。

②給与以外の副業で20万円以上の所得がある人

給与以外の副業で20万円以上の所得がある人は、確定申告をする必要があります。
確定申告をする場合には、まず副業の「所得の区分」を確認する必要があります。
税法では、収入の内容によって所得を10種類に区分して、所得の計算方法を所得の種類ごとに決めているからです。

「所得の種類は10種類-税金のかかり方も異なる」を読む

副業による「所得の区分」は、支払元の会社などから送られてくる源泉徴収票や支払調書などで確認することができます。

雑所得の場合には、収入を得るためにかかった経費を計算して自分で雑所得の計算をする必要があります。必要経費などを差し引いた所得が20万円以下だった場合には、確定申告をする必要はありません。

また、副収入が確定申告をしないことを選択した配当所得の場合や、「源泉徴収あり」の特定口座における上場株式の譲渡所得で確定申告をしないことを選択した場合には、確定申告をする必要はありません。

③2カ所以上から給与を受けている人

副業による所得が「給与所得」である場合には、「2カ所以上から給与を受けている人」に該当します。この場合には、副業の給与を合算して給与所得を計算し直す必要があります。
扶養控除などの所得控除については、年末調整が住んでいるので、源泉徴収票に記載された「所得控除の額の合計額」をそのまま転記すればOKです。

給与所得者で、確定申告をした方がいい場合

サラリーマンなどの給与所得者でも、子どもができた時や結婚した時、医療費を多く支払った時などは、確定申告をしないと損する場合があります。
サラリーマンの場合には、各種控除は会社が年末調整してくれるので、原則として自分で確定申告をする必要はありませんが、①雑損控除、②医療費控除、③寄付金控除の3つは会社が年末調整してくれないので、自分で確定申告をする必要があります。
確定申告をすれば、所得税が戻ってきますので、忘れずに確定申告をするようにしましょう。

以下では、サラリーマンでも確定申告をしないと損する主なケースについてご紹介します。

結婚した場合(扶養控除)

サラリーマンは、通常、配偶者控除については、年末調整されます。
しかし、年末調整後に結婚した場合には配偶者控除されていないので、確定申告をしないと損をしてしまいます。
なお、ここでいう配偶者には、内縁・事実婚の相手は含まれません。

医療費の支払いが、年間10万円を超えた人(医療費控除)

自分や家族の医療費を10万円超支払った人は、医療費控除の適用を受けることができます。
ただし、医療費控除といっても、病院に支払った費用のすべてが控除の対象となるわけではありません。治療に関係のない日常利用の眼鏡代や、補聴器、コンタクトレンズなどは医療費控除が認められません。

「医療費控除の確定申告に必要な計算方法と還付を受けるための手続きとは」を読む

子供ができた場合(医療費控除・扶養控除)

妊娠・出産時にかかった医療費は、医療費控除の対象となります。
妊娠中の定期検診や検査費用、通院のための公共機関の交通費や、やむを得ない時のタクシー代金などは医療費控除の対象となり、医療費が10万円を超えた時には、医療費控除を受けることができます。

住宅ローンを組んだ人

すべての住宅ローンが対象となるわけではありませんが、返済期間が10年以上で建物を購入するため(または建築するため)に、金融機関でローンを組んだ人は、住宅ローン控除を受けることができます。
親からの借入金や、返済期間が10年未満の場合には、住宅ローン控除の対象とはなりません。

寄付(ふるさと納税など)をした人(寄付金控除)

ふるさと納税などで、寄付を行った人の場合には、寄付金控除の適用を受けることができます。しかし、「寄付すればするだけ税金が安くなる」というわけではありません。
寄付金控除の対象となる寄付は限定されていますし、寄付金控除額は上限があります。

なお、ふるさと納税でワンストップ特例制度を利用した場合には、確定申告をする必要はありません。

「ふるさと納税の確定申告|確定申告の方法と申告用紙の書き方まとめ」を読む

災害や盗難で資産に損害を受けた場合(雑損控除)

台風・地震といった突発的な災害や、横領・盗難などによって損害を受けた場合には、所定の金額を所得から控除することができます。
この控除を「雑損控除」といいます。

なお、災害によって受けた損害金額については、災害減免法の適用を受けることができます。損害額が大きい時には、雑損控除の方が得するケースが多いようですが、必要となる条件がありますし、計算方法が複雑なので、詳細については税理士に相談するとよいでしょう。

1年の途中で中途退職した人

1年の途中で中途退職した人で、再就職をしていなければ、年末調整を受けていないので、確定申告をすることで、所得税が戻ってくる可能性があります。

1年の途中で中途退職した後、転職した場合には、新しい会社で前の会社の給料を合算して年末調整をしてもらうことができるので、通常は確定申告をする必要はありません。

しかし、再就職をした場合でも、前の会社の源泉徴収票を提出しないと年末調整は行われません。その場合には、自分で確定申告をしなければなりません。
前の会社から源泉徴収票を受け取っていない人は、早めに請求をするようにしましょう。

給与所得者が確定申告で提出する書類

給与所得者が確定申告で提出する書類は、確定申告書Aの第一表と第二表です。
それぞれのケースによって、記入すべき欄は異なります。

確定申告書A 第一表

① 収入金額や所得について、記入します。
② 該当する所得控除(配偶者控除や医療費控除、寄付金控除など)について、すべて記入します。
③ 課税される所得金額と、本来の所得税額を記入します。
④ 本来の所得税額から、税額控除等(住宅ローン控除、外国税額控除など)を差し引いた額を記入します。
⑤ 所得税額およぎ復興特別税額を記入します。
⑥ 納税額または還付額(税金が戻ってくる場合)を記入します。

確定申告書A 第ニ表

第二表は、おもに第一表の内訳に相当します。
所得の内訳は、寄付をした先、雑損控除の内容などについて記入します。

まとめ

以上、サラリーマンでも確定申告をしなければならないケース、確定申告をしないと損をしてしまうケースについてご紹介しました。
サラリーマンの税金の手続きは、従業員に代わって会社が行っているため、「自ら納税する」という意識がなく、それにともない「節税する」という意識も希薄になりがちですが、サラリーマンでも確定申告をすることで、節税効果が期待できたり、税金が戻ってきたりすることがあります。
サラリーマンが実践できる8つの節税術で紹介しているので併せてご覧ください。

サラリーマンが実践できる8つの節税術

確定申告のみ対応にノウハウを持つ税理士を探す

地域から確定申告のみ対応に実績がある税理士を探す

より細かいカテゴリから税理士を探す

人気記事

タグ一覧

業種

その他

PageTop