確定申告書Aとは|確定申告書Bとの違いと記入方法(図入り)

公開日:2019年12月25日
最終更新日:2020年03月11日

目次

  1. 確定申告とは
    • 確定申告書AとBの違い
  2. 確定申告が必要な人
    • 個人事業主
    • 一部のサラリーマン
  3. 確定申告書Aの基本
    • 第一表
    • 第二表
    • その他
  4. 確定申告書の流れ
    • (1)源泉徴収票のチェックポイント
    • (2)第二表を記入する
    • (3)第一表の作成
  5. まとめ
    • 会計ソフトの活用
    • 税理士をお探しの方

確定申告書にはAとBがあります。
確定申告書Bは汎用版なので誰でも使うことができますが、確定申告書Aは申告する所得が給与所得(サラリーマン)や公的年金、雑所得(原稿料や印税など)、一時所得(競馬や競輪の払戻金など)などの人が使うことが多く、申告する所得の種類によって使い分けをするのが一般的です。
サラリーマンや年金受給者は確定申告書Aの方が使いやすく、個人事業主や不動産収入がある人は確定申告書Bを使います。

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確定申告とは

確定申告とは、個人や法人が納税すべき税額を税務署に申告する手続きのことです。
サラリーマンは、原則として勤務先の会社が申告・納税を行ってくれるので自分で確定申告をする必要はありません。
ただしサラリーマンでも確定申告が必要な人がいますし、申告することで税金が戻ってくる人もいます。
また、個人事業主は自分で税額を計算し、申告・納税をしなければなりません。

確定申告書AとBの違い

確定申告書には、AとBがあり、申告する内容に応じて、使用する申告書は異なります。
確定申告書Aも確定申告書Bもどちらも第一表、第二表があり、記入の流れなどは同じです。
確定申告書Bは、汎用版なので、誰でも使用することができますが、サラリーマンや年金受給者は確定申告書Aの方が項目数も少ないので使いやすいでしょう。

個人事業主や不動産得がある人は、収入と経費の内訳を記載する収支内訳書も作成します。第三表から第五表は全員が提出するわけではなく、必要に応じて使用します。
申告書AとBは自分で選択しなければならず、収支内訳書などの書類を必要に応じて組み合わせて使用することになります。

必要書類の例

・個人事業主
収支内訳書

・医療費控除を受ける人
医療費の明細書

・不動産売却による利益を申告する人
譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)

・住宅ローン控除を受ける人
(特定増改築等)住宅借入金特別控除額の計算明細書

・所得20万円を超える副業をした人
源泉徴収票・支払調書
所得の内訳書(第二表に書ききれない場合)

なお、確定申告に必要な書類や持ち物については、以下の記事で詳しくご紹介しています。あわせてご覧ください。

「確定申告の持ち物は?申告書以外に何が必要?」を読む

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確定申告が必要な人

確定申告は、すべての人が行う必要はありません。
サラリーマンの場合には、原則として勤務先で源泉徴収を行い年末調整で税額を清算します。つまり、会社が従業員に代わって申告・納税をしてくれるので、自分自身で確定申告をする必要はありません。
ただし、一部のサラリーマンは確定申告が必要ですし、確定申告をすることで税金が戻ってくることもあります。

「会社員でも確定申告が必要な人・申告しないと損する人」を読む

個人事業主

個人事業主の場合には、1年間の利益を確定して自分で税額を決定し納税しなければなりませんので、確定申告をする必要があります。
確定申告には、青色申告と白色申告があり、どちらかを選択しなければなりません。
白色申告は、「簡易式簿記」という家計簿をつける程度の簿記方式で申告することができますが、青色申告の場合には、「複式簿記」という複雑な簿記方式で申告を行なわなければなりません。
ただし、「クラウド会計ソフトfreee」を使えば、簿記の知識はほとんど必要なく経理作業を行うことができますので、複雑な複式簿記でも簡易簿記とそれほど変わらず簡単に帳簿づけを行うことができます。

青色申告には、青色申告特別控除(最大65万円)、青色事業者専従者給与、純損失の3年繰越など、節税効果の高いさまざまな特例がありますので、ぜひ青色申告で確定申告を行なうことをおすすめします。
なお、青色申告の際には、確定申告書Bを使います。

一部のサラリーマン

サラリーマンは原則として勤務先の会社で申告・納税をしてくれるので確定申告をする必要はありませんが、2カ所以上から給与をもらっている人や、副業による所得が20万円を超える人、給与の収入が2,000万円を超えている人は、確定申告をする必要があります。

また、住宅ローンを組んでマイホームを購入した人や、年間の医療費が10万円を超える人、ふるさと納税などの寄付をした人、台風や地震、火災、盗難などの被害に遭った人は、確定申告をすれば税金が戻ってくることがあります。

サラリーマンでも、副業(事業所得になるもの)がある人や、アパートやマンションなどの賃料などの不動産所得がある人は青色申告ができますが、この時税金の計算は給与所得とは別に扱いますので注意しましょう。

サラリーマンが医療費控除や住宅ローン控除を受ける場合には、確定申告書Aを使います。申告書Bより項目が少なく、記入するうえで迷うことがないというメリットがあります。

「年末調整しているサラリーマンで確定申告が必要な場合、した方がいい場合」を読む

「副業の税金|税金はどう計算する?確定申告は必要?」を読む

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確定申告書Aの基本

これまでご紹介したように、確定申告書の基本は、第一表と第二表です。それぞれ2枚つづり(提出用・控え用)となっています。

用紙は、1月半ばころになると最寄りの税務署や申告センターでもらうことができます。
郵送してもらうこともできますし、国税庁のホームページからダウンロードすることもできます。
参照:国税庁「申告書用紙」

第一表

確定申告書は第二表から書き始めるのが原則です。
第一表には、第二表から自分の申告に必要な該当項目を抜粋して転記していきます。
第一表は、上から順番に記入していけば完成するつくりになっています。
ここでは、第一表の大まかな項目の意味を理解しておきましょう。

①収入と所得を記入
②所得から差し引ける控除額を記入
③本来の所得税額を計算
④本来の所得税額から税額控除額等を差し引く
⑤所得税および復興特別所得税の額を計算
⑥源泉徴収税額を記入し、納税額を計算
⑦延納の申し出や還付金の振込口座などを記入

第二表

確定申告書は第二表から書き始めるのが原則です。第二表では、所得や所得控除の内訳などを記入します。
第二表には、所得の内訳や住民税に関すること、配偶者控除や生命保険料控除といった所得控除について記入します。したがって、これらの所得や出費が分かる書類(源泉徴収票や控除証明書など)をもとに転記したり計算したりします。

なお、第二表は主に第一表の内訳を記入する書類ですが、第一表と第二表は、記入欄の頭にある丸文字が対応しているので、迷わず記入することができます。

①所得の内訳
②雑所得の内訳
③住民税に関する事項
④所得から差し引かれる金額に関する事項

その他

給与所得や雑所得、事業所得などは、合計して税金を計算します(総合課税)。
しかし、株取引やFXなどの金融商品の利益や、山林の伐採または譲渡所得などの山林所得は、他の所得と区分して計算を行います(分離課税)。
分離課税となる時には、申告書第三表(分離課税用)も必要になります。

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確定申告書の流れ

確定申告書は、手順通りに進めればそれほど迷うことなくスムーズに記入することができます。
なお、注意すべきは「所得」と「収入」の違いです。
収入は、サラリーマンの場合の給料とボーナスを足した額であり、個人事業主の場合は1年間に入ってくるお金のことです。
そして、所得とはその収入から必要経費(サラリーマンは給与所得控除)を引いた金額のことです。

収入-必要経費(給与所得控除)=所得

収入と所得を間違って記入してしまうと、税額が増えてしまったりするので十分注意して下さい。

(1)源泉徴収票のチェックポイント

サラリーマンが確定申告を行なう際には、前もって年末調整でもらう給与所得の源泉徴収票を用意しておきましょう。

支払金額
1年間に受けた給与の総額(年収)
申告書第一表「収入金額等」の「給与」の欄・第二表「所得の内訳」の「収入金額」の欄に記入します。

給与所得控除後の金額
給与所得となる金額
申告書第一表「所得金額」の「給与」の欄に記入します。

源泉徴収税額
会社ですでに支払った税金の額
申告書第二表「所得の内訳」の「源泉徴収税額」欄に記入します。

(2)第二表を記入する

これまでご紹介したように、確定申告書は第二表から書き始めます。

①所得の内訳
給与所得や雑所得など、1年間の収入と所得を記載します。
複数の会社から所得がある場合には、源泉徴収票などを見ながら、それぞれの会社ごとの所得の内訳を記入します。

②雑所得・配当所得・一時所得に関する事項
雑所得とは、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料などの所得です。
配当所得とは、法人から受ける剰余金の配当、投資信託の収益の分配などによる所得です。一時所得とは、生命保険の満期保険金(一時金)、損害保険の満期返戻金、解約返戻金、賞金、懸賞当選金、競馬や競輪の払戻金、遺失物拾得の報労金などによる所得です。
これらの所得がある人のみ、記入します。

③住民税に関する事項
16歳未満の扶養親族がいる場合に、その扶養親族の氏名・マイナンバー(個人番号)・続柄・生年月日・別居の場合の住所を記入します。

④所得から差し引かれる金額に関する事項
社会保険料控除や生命保険料控除に関する事項を記入します。
控除証明書から、転記します。
雑損控除、医療費控除、寄付金控除の3つは、会社で年末調整をしてくれないので、自分で申告しないと損をします。
※ただし、ふるさと納税のワンストップ特例制度を利用している人は、確定申告をする必要はありません。

(3)第一表の作成

第二表を記入したら、第一表の作成です。
第二表はおもに第一表の内訳に相当しますので、第二表の内容を見ながら、第一表の該当事項を順番に記入していきます。

上記①から⑥までの流れを、計算式にまとめると、以下のようになります。

①収入と所得を記入
「収入」とは、個人事業主なら売上金額、サラリーマンなら源泉所得税や社会保険料を差し引く前の給与額をいいます。
「所得」とは、収入から必要経費(サラリーマンの場合は給与所得控除額)を差し引いたものです。

②所得から差し引く控除額を記入
「所得控除」とは、一定の条件を満たしていれば所得から差し引くことができ、課税されないものをいいます。所得控除は全部で14種類あり、適用される控除の種類、金額が多ければ多いほど節税効果があります。
サラリーマンは会社で年末調整をしてくれますが、雑損控除、医療費控除、寄付金控除は自分で確定申告をする必要があります。
原則として、会社からもらった源泉徴収票から各数字を転記して、雑損控除、医療費控除、寄付金控除が該当する場合には、その旨を記入します。

「税額を減らす!14種類ある所得控除控除を受けられる人と控除額」を読む

③本来の所得税額を計算
①で計算した「所得の合計」から、②で計算した「所得控除の合計」を差し引き、「課税される所得金額」」を算出します。それに税率(金額によって異なります)をかけて、本来の所得税額を求めます。

所得税の税率は、課税所得ごとに税率が異なります。

参照:国税庁「所得税の税率」

④税額控除額等を差し引く
税額から直接差し引いて税額を減らすことができる「税額控除(住宅ローン控除など
が該当する場合には、その旨を記入します。
税額控除は、所得控除より節税効果が大きいので、忘れずに記入するようにしましょう。

⑤所得税・復興特別所得税を計算
所得税・復興特別所得税を計算します。
2037年までは、所得税に加えて復興特別所得税もあわせて申告します。
復興特別所得税の金額は、所得税額から直接差し引ける配当控除、(特定増改築等)住宅借入金特別控除、政党等寄付金等特別控除、住宅耐震改修特別控除などを差し引いたあと、基準所得税(再差引所得税額)に対して、2.1%を掛けた額となります。
復興特別所得税額と再差引所得税額を合計したものを「所得税及び復興特別所得税の額」欄に記入しましょう。

⑥源泉徴収税額を記入し納税額を計算
⑤で計算した「所得税及び復興特別所得税の額」から、すでに徴収されている「源泉徴収税額」を差し引いた金額が納税額または、還付金となります。

⑦延納の申し出や還付金の振込先口座など
税金が戻ってくる場合には、自分の銀行口座などの情報を記入します。

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まとめ

以上、確定申告書AとBの違い、申告書の記入の流れについてご紹介しました。
自分が適用される所得控除や税額控除が分からない人や、自分の所得が何かわからない人は、税務署や税理士に相談するとよいでしょう。
なお、確定申告書Bの作成方法については、173確定申告書Bの作成方法(記入例付)でも詳しくご紹介しています。あわせてご覧ください。

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