寄附金とは|範囲は?損金算入限度額は?

公開日:2019年12月02日
最終更新日:2022年07月29日

この記事のポイント

  • 寄附金とは、会社の営業活動と直接関係なく支出されたもの。
  • 寄附金は、税務上全額を損金算入することが認められていない。
  • 寄附金は、税務では現実に支払うまで寄附金として認識されない。

 

寄附金として処理するのは、事業の遂行に関連のない支出で、しかも相手方に対してなんらの反対給付を求めない金銭または物品の供与です。
寄附金は、税務上いくつかに区分され、それぞれ取り扱いが異なります。
また、寄附金は税務上全額を損金算入することが認められていません。

寄附金とは

寄附金とは、事業に直接関係のない団体などに、見返りを求めずに行う金銭の供与、資産の贈与などを行った時に使用する勘定科目です。
なお、名称については「寄附金」ではなく「拠出金」と呼ばれる場合も、寄附金に含まれます。どのような名称で行うのかは関係ありません。
金銭以外の資産を贈与した場合、経済的利益の供与をした場合には、その贈与時の価額あるいは経済的利益を供与した時の価額が寄附金の額となります。

(1)寄附金の分類

税法上、寄附金の分類は以下に区分されています。

区分 内容 取扱い
国または地方公共団体に対する寄附金 国や地方公共団体(都道府県や市区町村)に対して直接の寄附。公立大学に対する寄附金も該当する。 全額損金算入
指定寄附金 公益を目的とする事業を行う法人や団体に対する寄附金のうち、広く一般に募集されることと、教育または科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で、緊急を要するものに充てられることが確実であるという2つの要件を満たすと認められるものとして、財務大臣が指定した寄附金。 全額損金算入
特定公益増進法人等に対する寄附金 公共法人、公益法人等のうち、教育または科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与する法人に対する寄附金 一般の寄附金とは別枠で損金算入
一般の寄附金 上記以外の寄附金 損金算入限度額あり

(2)寄附金と交際費の違い

交際費とは、取引先など事業に関係する者に対する接待、贈答などの行為のために支出する費用です。
たとえば、寄附先が取引先であったり事業に関係があったりする場合には、「寄附金」ではなく、「交際費」となります。これらは何らかの見返りのある支出とみなされるからです。
一方、寄附金とは金銭や物品その他経済的利益の贈与または無償の供与をいいます。
したがって、金銭や物品などを贈与した場合には、それが寄附金となるのか交際費となるのかについては、個々の実態をよく検討したうえで判定する必要があります。
また、低廉譲渡についても注意が必要です。
一般的に見て明らかに定額で譲渡を行った場合でも、譲渡時の価額と時価との差額が寄附金となります。
たとえば、社外の人に時価よりも安く不動産等を売り渡した場合や、逆に時価よりも高く購入した場合、無利息・定理で金銭を貸し付けた場合も、通常の取引による価額、利息との差額が寄附金として認定されることがあります。
また、会社の商品を社外の人に無償で提供し、それは事業とは直接関係なく、さらに宣伝のためといった合理的な理由がない場合には、寄附金と判断されることがあります。

また、子会社の整理費用や被災者に対する災害義援金は、損失や費用の額として損金の額に算入されます。

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(3)寄附金の損金算入は制限される

寄附金は、税法では全額を損金として認められません。
なぜなら、寄附金はもともと相手から直接何らの見返りもない贈与、すなわち一方的な支出です。
しかし、そもそも法人(一定の特定された法人を除く)とは、営利を追求することを大前提としています。
寄附金は「見返りを求めていない支出」であり、営利を追求するために必要な支出とはいえません。支払ったことで、直接的な収益を生み出すものとは言えないわけです。
つまり寄附金は、会社の営業活動と直接関係なく支出され、必要経費としての性格が薄く損金性が薄いことから、寄附金の性質に応じて損金にできる範囲を定めているのです。

(4)寄附金の損金算入限度額・損金不算入額の計算

寄附金の損金算入限度額は、以下の計算式で計算します。

損金算入限度額={(当該事業年度の所得金額+損金経理の寄附金額)×2.5/100+(期末資本金額+期末資本金積立額)×2.5/100}×1/2

寄附金の損金不算入額は、以下の計算式で計算します。

寄附金の損金不算入額=損金経理の寄附金額-損金算入限度額―特定公益増進法人等に対する損金算入限度額-指定寄附金等の額

(5)寄附金の損金算入時期

寄附金は、実際に金銭等によって支出した時にはじめてその支出があったものと認識されます。つまり、その支出があるまでの間はなかったものとされます。
したがって、未払計上や手形の振出しによる寄附金のうち、未決済である場合には、損金に算入することができません。
また、法人が利益の処分といて経理処理をした寄附金については、国等に対す一方、仮払寄附金を計上している場合には、計上した期の損金とすることができます。

寄附金の仕訳例

寄附金を支出する場合には、どのように処理したかによって、その取扱いが変わってきます。

(1)国に寄附した

国に100万円寄附をしたときには、以下のように仕訳をすれば、その全額が損金として認められます。

借方 貸方
寄附金 1,000,000 現金 1,000,000

(2)国への寄附金を仮払計上した

以下のように仮払計上した場合には、申告書別表四において、仮払寄附金認定損100万円を減算することができます。

借方 貸方
仮払金 1,000,000 現金 1,000,000

(3)国への寄附金を未払計上した

なお、国に対して100万円寄附することは決まったものの、支払が遅れて決算を迎え、未払金と計上した場合には、その全額100万円が損金にはなりません。

借方 貸方
未払金 1,000,000 現金 1,000,000

この100万円は、その後現実に支払った事業年度で申告書別表四において、未払寄附金認容として減算することになります。

まとめ

以上、寄附金の意味や範囲、損金算入限度額や仕訳例についてご紹介しました。
寄附金は損金の額に算入するのが原則ですが、事業関連性に乏しい支出であるという理由から、一定の損金算入制限が設けられています。
何が寄附金に該当するかの判断は難しく、会社の経理上、寄附金以外の名目で行った支出が、税法上の寄附金とみなされて、損金算入が制限されてしまうこともあります。
不明点がある場合には、税理士などに確認し適切な処理を行うようにしましょう。

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