事前確定届出給与とは|定期同額給与との違い

公開日:2019年12月04日
最終更新日:2019年12月04日

目次

  1. 事前確定届出給与とは
    • 定期同額給与との違い
    • 利益連動給与との違い
  2. 事前確定届出給与を損金に算入するための要件
    • 事前確定届出給与の株主総会議事録記載例
    • 事前確定届出給与の税務署への提出期限
  3. まとめ
    • 税理士をお探しの方

この記事のポイント

  • 事前確定届出給与とは、事前に税務署に届出をして支払う給与。
  • 事前確定届出給与については、損金算入することができる。
  • 一方、「定期同額給与」は1カ月以内の期間ごとに支給される給与で1年間ずっと毎月払い続ける給与。

 

「事前確定届出給与」とは、役員に対して所定の時季に確定額を支給する旨を定めて、その規定に基づいて支給する給与のことをいいます。

「事前確定届出給与」とする時には、事前に税務署に提出しなければなりません。

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事前確定届出給与とは

事前確定届出給与とは、役員に対して所定の時期に所定の金額を支払うという旨を定めて、事前に税務署に届出をして支払う給与のことをいいます。

たとえば、非常勤の役員や会計参与に年に数回だけ報酬を支払ったり賞与を支払ったりするケースがあります。しかしこれらの者に対して毎月の支給が行われていないからといって、支払った報酬や賞与を損金不算入(経費とすることができない)とするのは、現実的ではありません。
そこで、たとえ年に数回の報酬や賞与であったとしても、その報酬や賞与が予め決定しているのであれば、利益調整に利用される懸念もないだろうということで、「税務署に事前に届出をしておけば、経費としてもいいよ」、という制度が、事前確定届出給与ということになります。
つまり、非常勤の役員や会計参与に対する報酬や賞与について、この届出を提出しておけば、その報酬や賞与を損金(経費)にすることができるのです。

損金にできるというメリットはありますが、赤字になってもその金額を支払わなければならず、また事業年度ごとに提出しなければならないなどのデメリットもあり、実際に利用している法人はあまり多くありません。

定期同額給与との違い

事前確定届出給与は、前述の通り税務署に事前に届け出なければならない賞与でした。
これに対して「定期同額給与」とは、定期同額給与は、1カ月以内の期間ごとに支給される給与のことで、かつ議事録で決めた金額を1年間ずっと毎月払い続ける給与のことです。
すなわち、定期同額給与は毎月支払われる役員給与である必要があります。
この定期同額給与は、事前に税務署に届け出る必要はなく役員報酬を経費とすることができます。
なお、役員報酬は、法人税法によって原則として年に1度しか変更できないこととなっています。また、変更できる時期も決まっていて、「決算後3カ月間」です。金額を変更する時には、株主総会議事録や取締役会議事録を作成する必要があります。

利益連動給与との違い

「利益連動給与」とは、利益に連動して役員報酬を支払い、その金額を経費とできる給与のことです。
ただし、この方法は非常に厳しい条件があります。まず同族会社には認められませんし、その支給金額をどのように算定したのかについても事前に設定する必要があります。
事務手続きが負担になることから、中小企業ではあまり利用されていません。

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事前確定届出給与を損金に算入するための要件

事前確定届出給与については、損金算入することができますが、事前確定届出給与を損金算入するためには、株主総会で決議して議事録を作成し、一定事項を記載した届出を期限までに所轄の税務署に届け出なければなりません。
また、事前確定届出給与の届出は、適用を受けようとする事業年度ごとに提出する必要があります。
また、届出を提出するとその事業年度が赤字になっても規定された時期にその金額を支払わなければなりませんし、届出した時期と金額が完全に一致しなければなりません。

事前確定届出給与の株主総会議事録記載例

事前確定届出給与は、株主総会等の決議により決定する必要があります。
株主総会で決議したら、以下のような議事録を作成します。

事前確定届出給与の税務署への提出期限

事前確定届出給与の届出の期限は、「事前確定届出給与を定めた株主総会等の決議をした日」または「職務の執行を開始する日」のいずれか早い方から1か月を経過する日もしくは、「会計期間開始日から4カ月を経過する日」のうち、いずれか早い日です。

「職務の執行を開始する日」とは、その役員がいつから就任するかなどさまざまな事情によって考慮します。
たとえば、定時株主総会で新規に役員に選任されて、その日に就任した人および定時株主総会の開催日に現に役員である人の場合には、当該定時株主総会の開催日が「職務の執行を開始する日」に該当します。

なお、会社によっては株主総会では役員給与の総額のみ決定して、各自の報酬額は取締役会で決定するとしている場合があります。この場合には、取締役会の決議が「株主総会等の決議をした日」に該当するため、届出期限について注意する必要があります。

また、新規に設立した会社の場合には、「その設立した日以降2カ月を経過する日」が提出期限となります。

届出事由 届出期限
本則 次の①と②のうち、いずれか早い日
① 次のいずれか早い方から1カ月を経過する日までの期間
 ア:事前確定届出給与を定めた株主総会等の決議をした日
 イ:職務の遂行を開始する日

② 会計期間開始の日から4カ月を経過する日

新設法人 その設立の日以降2カ月を経過する日
臨時改定事由 次の③と④のうち、いずれか早い日
③ 本則①の届出期限

④ 臨時改定事由が生じた日から1カ月を経過する日

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まとめ

以上、事前確定届出給与についてご紹介しました。
事前確定届出給与は、非常勤の役員や会計参与に対する報酬や賞与を損金に算入することができるメリットのある制度ですが、提出すればたとえ赤字であってもその時期にその金額を支払わなければならず、また提出期限や要件などが必要なことから、利用する場合には、注意が必要です。
給与については、会社を設立した時に社長である自分への給与をいくらに設定すればよいか、従業員を雇用した場合給与額をいくらに設定すればよいかなど、迷うことも多いものです。

「できる限り個人にお金を残したい」と給与を高く設定するケースもありますが、給与を高く設定すれば、あわせて社会保険料の額が高くなることになりますし、会社に利益が少ないと取引が難しくなることもあります。

かといって、社長の給与を低く抑え過ぎてしまうと、クレジットカードを作るのが難しくなったり、ローンが組めなくなったりといったデメリットもあります。

税理士などの専門家に相談して、試算表を一緒に検討してもらって、給与の額を決めるようにしましょう。

税理士をお探しの方

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