純資産とは|貸借対照表での見方・分析方法

公開日:2019年12月04日
最終更新日:2019年12月04日

目次

  1. 純資産とは
    • そもそも、貸借対照表とは
    • 貸借対照表の5つのブロックのバランスはどう見る?
    • 改めて純資産の中身のバランスも見てみよう
  2. 純資産から見る「自己資本比率」とは
    • 純資産から見る「自己資本利益率」とは
    • 純資産から見る「債務超過」とは
    • クラウド会計の導入
  3. まとめ
    • 税理士をお探しの方

この記事のポイント

  • 「純資産」とは、貸借対照表に表示される項目のこと。
  • 「純資産」とは、株主からの出資等と、過去からの利益の蓄積が表示される。
  • 純資産の部は、大きく「株主資本」と「株主資本以外」の2つに区分される。

 

「純資産」とは、貸借対照表に表示される項目のことで、株主からの出資等と、過去からの利益の蓄積が表示されます。
この資金は、誰かに返済する必要がないものであるため「自己資本」と呼ばれます。

純資産を見る時には、その総額ではなく、資本金と資本剰余金、利益剰余金とに区分して分析することが大切です。

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純資産とは

純資産とは、貸借対照表の右側に表示される項目で、株主から出資してもらった事業の元手と過去から蓄積された利益が計上されている項目です。

純資産の部は、大きく「株主資本」「株主資本以外」の2つに区分されています。
さらに「株主資本」は「資本金」「資本剰余金」「利益剰余金」「自己株式」に区分されます。
なお、「株主資本以外の各項目」は、「評価・換算差額等」および「新株予約権」に区分されますが、「自己株式」や「評価・換算差額等」および「新株予約権」は、中小企業ではあまり使用しない項目なので、この記事での説明は省略します。

そもそも、貸借対照表とは

純資産は、貸借対照表の右側に表示されます。

貸借対照表とは、会社の財政状態をあらわす書類で、左側に「流動資産」「固定資産」が表示されます。これらは、会社が所有する財産が示されていて、会社を経営する立場から見ると「事業のために使っている資産」をあらわしていることになります。

そして貸借対照表の右側には、「流動負債」「固定負債」「純資産」が表示されます。
これらは、その資産を入手するためにどのような方法で資金を調達したかが示されています。

右側と左側の合計値は必ず一致することから、貸借対照表はバランスシート(B/S)と呼ばれています。

「貸借対照表(B/S)とは|構造・ルール・見方・ポイントまとめ」を読む

貸借対照表の5つのブロックのバランスはどう見る?

貸借対照表は、会社の財政状態をあらわすもので、貸借対照表を見ることで「その会社が健全な状態か」を判断することができます。
先程ご紹介したように貸借対照表は5つのブロックに区分することができますが、その5つのブロックのバランスを見ることで、会社のおおよその状態を把握することができます。
①流動資産>流動負債
r流動資産とは、現金や預金など、1年以内に現金化できる資産のことをいいます。一方流動負債とは主に1年以内に支払う負債のことをいいます。
したがって、流動資産が流動負債より大きければ大きいほど、余裕のある会社です。

②固定資産<固定負債+純資産
固定資産とは、現金化するのに1年以上かかる資産のことをいいます。
一方、固定負債とは、1年を超えた時期に支払う負債のことです。
固定資産が、固定負債+純資産より小さいということは、「固定資産」を、安定した資金である「固定負債」と返す必要のない「純資産」の範囲内で購入したことを示しています。もし、「固定資産」の方が大きいと、それは短期で返済しなければならない「流動負債」の資金を使っているということになり、不安定な財務状態をあらわしているといえます。

改めて純資産の中身のバランスも見てみよう

それでは、純資産に注目することで何が分かるかを見ていきましょう。
これまでご紹介してきたように、純資産の部には、株主から出資してもらった事業の元手と、過去から蓄積された利益が計上されています。
そして、純資産の部を構成する主なものに、「資本金」「資本剰余金」「利益剰余金」があります。

①資本金
資本金は、会社を設立した時や増資をした時の株式発行などによって株主から集めた資金等のうち、会社が資本金とした部分をあらわしています。
資本金は、「株主からこれだけのお金を集めることができる」という過去の実績をあらわす数値のことで「会社の現在の価値をあらわす数値」ではありません。
したがって、資本金の額が大きくてもそれは過去の数値なので、安定しているとは限りません。「資本金が大きい」=「安定しているよい会社」とは限らないことに注意しましょう。

②資本剰余金
会社を設立した時や、増資で株主から集めた資金のうち、資本金とされなかった部分の金額です。

③利益剰余金
利益剰余金は、会社が設立されてから現在までの儲けから、税金や配当金を差し引いた利益の蓄積です。
したがって、利益剰余金からは、「会社の長期的な収益力」が分かります。

したがって、純資産の中身である「資本金」「資本剰余金」「利益剰余金」を見る時には、「利益剰余金」が多い方がよいということになります。
純資産を見る時には、中身の細かい項目の資本金や利益剰余金の額を細かく見ることがポイントとなります。

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純資産から見る「自己資本比率」とは

自己資本比率とは、資産の部の金額の合計である、総資産に占める純資産の割合をあらわします。

自己資本比率(%)=自己資本/総資産×100

負債より純資産の金額が大きいほど、自己資本比率は高くなります。自己資本比率が高いということは、金融機関などからの借入金以外の方法で資金を調達していることになりますから、倒産しにくいといえることになります。

会社経営において、負債と純資産のバランスは大変重要ですが、「自己資本が大きい」=「経営が安定している」というわけではありません。どの程度のバランスをとっていれば理想的なのかは、業種によって異なりますので、一概に言うことはできません。ただ、上場会社を参考にすれば、最適でも自己資本比率が30%を超えていることが1つの目安といわれています。

純資産から見る「自己資本利益率」とは

自己資本利益率とは、株主資本利益率あるいはROEと呼ばれるもので、自己資本のうち当期純利益の占める割合をいいます。

自己資本利益率(%)=当期純利益/純資産×100

当期純利益とは、損益計算書の1番下に表示される税引き後の最終利益のことです。
当期純利益は、一部を配当として株主に分配押し、残りは利益剰余金として蓄積されます。蓄積された利益は、長期的に見れば会社の株式の価値を高める効果がありますので、自己資本利益率は、企業の収益力と成長を示しているということになります。

純資産から見る「債務超過」とは

純資産の部と負債の部を細かくみると、その会社が債務超過の状態であるか否かも把握することができます。
貸借対照表は、左側の資産の部と右側の負債、純資産の部のバランスによって成り立っていますが、経営が悪化すると負債額が大きくなり、左側の資産の総額を超えてしまう場合があります。これを債務超過といいます。
このような債務超過とは、実質的には経営破たんしたと同じ状態で、非常に深刻な状況であるといえることになります。

クラウド会計の導入

クラウド会計ソフトの導入すると、経理、記帳業務等の効率化を大幅にアップすることができますし、自社の財務状況をリアルタイムで把握できます。
財務状況は、さまざまな視点から分析されたレポートで確認することができるので、財務状況が「見える化」され、その結果を活かして改善するための対策も検討することができるのです。
くわしくは以下の記事で説明しているので、あわせてご覧ください。

「クラウド会計で企業の経理を「見える化」するメリット」を読む

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まとめ

以上、純資産の意味や貸借対照表での見方、純資産の中身の分析方法についてご紹介しました。
純資産の額が多ければ多いほど会社は安定しているといえますが、会社を経営するうえでは、借入金は必要不可欠なものであり、会社経営に必要なお金をすべて自己資本で賄うことは、会社の規模が大きくなればなるほど難しくなります。

会社を経営するうえでは、負債と純資産の数値を常に把握し、上手にバランスをとることが大切です。

日頃から顧問税理士とコミュニケーションをとり、決算書のコンサルティングなどを依頼して、自社の状況を常に把握するようにしましょう。

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