売上原価の計算|棚卸資産の登録と仕訳

公開日:2019年08月02日
最終更新日:2019年08月02日

目次

  1. 棚卸とは
    • 棚卸作業とは
  2. 棚卸資産と売上原価
    • なぜ売上原価=今年の仕入ではないのか
    • 棚卸資産の計算方法はさまざま
  3. 棚卸資産の仕訳と会計ソフトの活用
    • 売上原価は自動で計算できる
  4. まとめ
    • 税理士をお探しの場合
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この記事のポイント

  • 当期の仕入高(売上原価)を確定させるために、決算で当期の棚卸資産を数える必要である。
  • 棚卸資産を数えて1年間の売上を得るためにかかった売上原価を確定させ「1年間の儲け」を把握する。
  • 会計ソフトを活用すれば、売上原価は自動で計算することができる。

 

小売業や製造業など、仕入がある業種では、当期に仕入れた商品が当期中にすべて売れるとは限りません。期末にはまだ売れていない商品があるものです。そこで、決算時には、かならず実地棚卸を行い、この残っている商品の数を確認します。
これは、当期の売上に対応した仕入を計算するために行う作業です。

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棚卸とは

棚卸とは、今年1年間の取引の結果、手元にある商品(在庫)の量を確認する作業のことをいいます。そして、棚卸によって在庫を金額に換算したものが「棚卸資産」です。
棚卸資産は、翌年度以降の取引で売上となるものですから、今年の必要経費とすることができません。
そこで、当期の仕入高(売上原価)を確定させるために、決算で当期の棚卸資産を数える必要が出てくるわけです。
そして、棚卸資産を数えて1年間の売上を得るためにかかった売上原価を確定させることで、「1年間の儲け」を把握します。

この棚卸資産は、税務調査の対象となった時に最も目を付けられやすい科目のひとつです。したがって、正確な棚卸資産に計算するためにも正確に在庫を計算する必要があります。

棚卸作業とは

棚卸作業では、原則として実際の商品の数を一つひとつ数えていきます。
この作業を「実地棚卸」といいます。
確認を行う時には、数量はもちろん、品名や型番、商品に傷や汚れがないかも確認します。
そして、棚卸資産の集計結果を棚卸集計表にまとめていきます。
その結果が当期の期末商品棚卸高(在庫金額)となります。期末商品棚卸高は、「商品の数量×仕入単価」の計算式で求めます。
棚卸資産の金額には、破損や傷などの商品の状態を加味して、販売可能かどうかも確認します。そして、棚卸表と帳簿を照らし合わせて、帳簿を修正します。

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棚卸資産と売上原価

1年間の売上を得るためにかかった「売上原価」は、年初にあった商品と今年仕入れた商品の金額を合計して、年末の棚卸資産の金額を差し引いて計算します。
前期末の在庫と当期の仕入の合計金額から、翌期以降に販売予定の当期末の在庫の金額を差し引くことで、正確な売上原価を計算することができます。

売上原価=期末商品棚卸高(前期末の在庫の繰越分)+仕入(当期に仕入れた商品)-期末在庫棚卸高(当期末の在庫の金額)

なぜ売上原価=今年の仕入ではないのか

決算日で帳簿を締めた時点の「仕入高」には、翌期に販売する予定の商品在庫分も含まれています。そこで、当期の売上高に対応した仕入高(決算で確定させたい売上原価)を求めるためには、調整計算が必要となるのです。

棚卸資産の計算方法はさまざま

棚卸資産の金額は「数量×単価」で決まりますが、仕入の金額はいつも同じであるとは限りません。しかし、一つひとつの商品について「いついくらで仕入れたか」「それがいついくらで売れたか」を突き合わせて個別に管理するのは困難です。
そこで、棚卸資産の計算方法にはいくつもの種類があり、自社に適した方法で選ぶことができます。

青色申告なら、「低価法」を選ぶこともできます。
低価法とは、他の方法で算出した額と年度末の時点の時価とを比較して、低い方の額を棚卸資産として計上できるしくみです。

計算方法を決めたら、事前に税務署に届出をする必要があります。
届出をしなかった場合には、自動的に最終仕入原価法を採用することができます。
どの計算方法が適しているかは、税理士に相談してアドバイスを受けることをおすすめします。

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棚卸資産の仕訳と会計ソフトの活用

これまでご紹介したように、棚卸では、期首時点の棚卸資産を加えて、実地棚卸で計算した期末時点の棚卸資産を差し引く計算をします。
そして、決算整理仕訳では、期首商品棚卸高と期末商品棚卸高を計上し、当期の売上原価を確定させることになります。

たとえば、当期の仕入高1,500万円、期首商品棚卸高300万円、棚卸で期末商品棚卸高が280万円だった場合には、以下のような作業を行います。

①「残高試算表」の借方に、当期に仕入れた商品の仕入高を記入。
②「決算整理」の借方に、期首商品棚卸高を記入。
③「決算整理」の貸方に期末商品棚卸高を記入。
④損益計算書の借方に、計算した売上原価を記入。

売上原価は自動で計算できる

会計ソフトfreeeでは、「在庫棚卸」機能から、月末または決算期末に残っている商品残高を登録することで、売上原価の算出が自動でできるようになっています。
商品以外にも「原材料」「仕掛品」「半製品」など選択することもでき、登録した棚卸資産は、棚卸一覧として一覧表示されます。

そして、前期末の棚卸資産金額を売上原価に計上し、当期末の棚卸資産金額は売上原価からマイナス計上されます。

番号 金額 内容
700,000 期首「商品」の金額「700,000」を売上原価に加算
500,000 1月末棚卸の金額「500,000」を売上原価から控除
-200,000 2月末棚卸と1月末棚卸の戻しの差額は 300,000 − 500,000 = -200,000
在庫額が2月中に減少したため売上原価の加算
-300,000 2月末棚卸の金額「300,000」の戻し分、売上原価の加算

会計ソフトfreee【法人】棚卸資産の残高を登録する(在庫棚卸)」

「原材料」「仕掛品」「半製品」の各勘定科目については、それぞれ振替先の勘定科目を相手勘定とした振替仕訳が自動生成されます。

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まとめ

以上、棚卸作業の内容や、売上原価の計算方法、仕訳の仕方などについてご紹介しました。棚卸資産は、税務調査でもっともチェックされるポイントのひとつであり、正確に計算し計上することが必要です。
また、破損した商品など、通常の金額で売ることができない場合には、処分可能価額によって金額を調整することになりますが、適切な処分可能価額の判断は慎重に行う必要があります。事前に税理士に相談して、アドバイスを求め、決めたほうがよいでしょう。

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