損金とは|損金にならない7つの事例と損金になるもの一覧

公開日:2019年12月07日
最終更新日:2019年12月07日

目次

  1. 損金とは
    • 損金と費用は一致しないことがある
  2. 費用=損金とならない7つの事例
    • (1)役員報酬・賞与
    • (2)交際費・寄付金
    • (3)税金
    • (4)減価償却費
    • (5)期ズレ
    • (6)引当金繰入
    • (7)評価損
  3. 費用=損金となるもの一覧
    • 損金となる勘定科目一覧
  4. まとめ
    • 税理士をお探しの方

この記事のポイント

  • 損金と費用はほとんど一致するが、一致しないこともある。
  • 費用が損金となるか否かの判断は、取引の実態も併せて判断される。
  • 役員報酬・賞与、交際費、税金などが損金とならないこともあるので注意が必要。

 

法人税の所得金額(税額を求める際のもととなる税務上の利益)は、会計上の利益に一定の調整をして計算します。
会計上の利益は、収益から費用を引いて計算しますが、税務上は益金から損金を引いて計算します。
そして、会計上の収益費用と税務上の益金損金は、会計と税務の目的の違いから一致しないことがあります。

損金とは

「損金」とは、資本等の取引によるものを除き、法人の資産の減少の原因となる原価や費用、損失などの額をいいます。
一方「益金」とは、資本等の取引によるものを除き、法人の資産を増加させる収益の額のことをいいます。

損金と費用は一致しないことがある

会計上の利益は、収益から費用を引いて計算し、税務上は益金から損金を引いて計算しますので、会計の費用と税務の損金は一致することがほとんどです。しかし、なかには会計と税務の目的の違いから一致しないことがあります。
費用が損金となるか否かの判断は、領収書や請求書に記載されているタイトルや、会計上の勘定科目ではなく、取引の実態も併せて判断されるからです。

費用=損金とならない7つの事例

費用=損金とならないものは、取引の実態から判断されますが、ここでは不一致が生じる代表的な7つの事例についてご紹介します。

(1)役員報酬・賞与

役員報酬・賞与は、通常損金に算入されます。
しかし、役員報酬が損金となる場合には、「毎月同額でなければならない」などの要件を満たしている必要があります。

役員報酬は社長自身が自分で給与を決めることができるので、たとえば期末近くになって「今年は利益が出たから、その分社長の報酬や賞与を出そう」などということもできてしまいます。
しかし、このように役員報酬や賞与の額を自由に変えることができると、法人税の負担を不当に免れることもできてしまうので、税法上のルールが厳しく定められていて、要件を満たしていない場合には損金とすることができなくなります。

「事前確定届出給与とは|定期同額給与との違い」を読む

(2)交際費・寄付金

交際費とは、取引先との取引を円滑に行うための接待や贈答などにかかる支出のことをいいます。そして、寄付金とは、事業と直接関係のない団体等に見返りを求めずにする金銭や経済的利益のことをいいます(寄付先が事業と関係する場合には、交際費となる場合があります)。
税務上、交際費も寄付金も一定額までは損金となりますが、限度額を超えたところからは損金とならない損金算入限度額が定められています。
上限なく交際費や寄付金の損金算入を認めてしまうと、多額の交際費や寄付金を計上して不当に税負担を免れる可能性があるためです。

(3)税金

税金には、損金になるものとならないものがあります。
法人税や住民税、延滞税や加算税などのペナルティは損金にはなりません。
損金となるものは、法人事業税、所得税、酒税、固定資産税、不動産取得税などです。
損金になる税金・ならない税金

損金になる税金 損金にならない税金
法人事業税
所得税
地価税
酒税
利子税
事業所税
固定資産税
不動産取得税
自動車税
ゴルフ場利用税
軽油取引税
法人税
法人住民税
所得税(法人税から控除または還付)
延滞税や加算税などのペナルティ

これらのほかにも、法人が納付する税金はいくつもありますが、税法上「損金とならないもの」は限定的に列挙されているので、この記載がない場合には、損金とすることができます。

(4)減価償却費

固定資産を購入した場合には、原則としてその全額を購入した事業年度の費用としないで、資産の種類ごとに決められた「耐用年数」に応じて、毎期少しずつ費用化することになっています。

しかし会社独自の償却ルールや国際会計基準などを採用している場合には、会計と税務で違いが出ることがあります。

たとえば、100万円の固定資産を会社独自の償却ルールによって2年で償却し、100万円÷2の50万円を減価償却費として計上したとします。しかし、一方で税務上の耐用年数は5年であったとすると、償却限度額は100万円÷5の20万円ということになります。
その場合には、償却限度額を超えた部分である50万円-20万円=30万円については、損金にはならないということになります。

(5)期ズレ

支払が、期をまたいでしまう場合には、会計上期末に未払金を計上し、当期の費用として処理します。
しかし、この費用が税務上の「損金」に該当するか否かは、個々の事情によって検討する必要があります。
損金となるためには、①債務が成立している②具体的に給付をすべき原因となる事実がある③金額を合理的に算定できるという3つの要件を満たしていることが必要であり、これらの要件を満たしていない場合には、損金とすることができません。

(6)引当金繰入

引当金とは、将来発生する費用のうち、当期に帰属する金額の見積もりを出し、その概算額を当期の費用として計上するものです。

会計上の引当金は、「貸倒引当金」「賞与引当金」などさまざまなものがありますが、税務上は、引当金のような概算経費を損金とするケースはごく一部しか認められていません。また、要件や計算方法も厳しく定められています。

「貸倒引当金って何?計算方法や節税効果を解説
」を読む

(7)評価損

物価変動や経済状況の変化によって、棚卸資産や固定資産などが、取得した当初より評価が下がった時には、会計上「評価損」を計上することがあります。しかし、これがそのまま税務上損金と認められるのはごく一部であり、災害等による損傷であれば認められますが、それ以外はほとんど損金と認められません。

費用=損金となるもの一覧

前述したとおり、費用と損金が不一致になる場合もありますが、不一致になるケースはあまりなく、一致することの方がほとんどです。
ここでは、費用=損金と認められるものを勘定科目別にご紹介します。

損金となる勘定科目一覧

勘定科目とは、事業を行うために使用した費用を振り分ける時に使用する項目のことで、広告宣伝費・会議費などさまざまな勘定科目に振り分けて経費を帳簿に記入します。
このように取引を、勘定科目を使って振り分ける作業を「仕訳」といいます。

勘定科目 内容
広告宣伝費 ホームページやパンフレット、看板などの宣伝
会議費 打ち合わせの会議費、飲食代など
旅費交通費 電車、タクシー、バス代など
通信費 電話代、切手代、インターネット利用代、宅配代金など
新聞図書費 新聞、雑誌代など
保険料 生命保険や損害保険の保険料
地代家賃 会社や店舗、事務所や駐車場の賃借料
水道光熱費 電気代、水道代、ガス代など
修繕費 資産の修繕費用
事務用品費 文房具などの事務用品の購入費用
販売促進費 販売を促進し、売上を増やすために支出する費用
外注費 外部業者への業務委託料
教育研修費 業務上必要となる技術や知識を得るための費用や研修に参加するための費用
研究開発費 新技術や新製品を発見するために行う研究費や市場開拓等の開発費用
雑費 他の勘定科目に当てはまらない少額の費用

まとめ

以上、損金の意味と損金になるもの、ならないものについてご紹介しました。
費用がそのまま損金とすることができないにも関わらず、損金として計上してしまうと、税務署から問合せがくることがあります。

正確に経理処理を行い、適切な節税対策を行うためにも、法人の経理作業や申告などは、税理士の指導を受けることをおすすめします。

税理士をお探しの方

税理士検索freeeでは2,000以上の事務所の中から損金にできる経費、損金にできない経費について相談できる税理士を検索することができます。
また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。

税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。
記帳指導(自計化)に強い税理士を探す

記帳指導(自計化)にノウハウを持つ税理士を探す

地域から記帳指導(自計化)に実績がある税理士を探す

より細かいカテゴリから税理士を探す

人気記事

タグ一覧

業種

その他

PageTop