印紙の金額と印紙を貼るべき文書・契約書

公開日:2019年12月07日
最終更新日:2021年10月21日

目次

  1. 印紙とは
    • (1)印紙が必要な文書(課税文書)とは
    • (2)印紙税額一覧表
    • (3)印紙税を負担する「納税義務者」は誰か
  2. 印紙の基本知識
    • (1)印紙の有無を判断するポイント
    • (2)印紙の「消印」の方法
    • (3)印紙を間違えて貼ってしまったら?
    • (4)印紙を貼らなかったらどうなる?
  3. まとめ
    • 印紙税について相談できる税理士をさがす

この記事のポイント

  • 印紙(収入印紙)とは、契約書などを作成する時に貼る証票のこと。
  • 課税文書に貼り消印することで印紙税納付をする。
  • すべての文書に印紙が必要なわけではなく、印紙が必要な文書(課税文書)は規定されている。

 

「印紙を貼るべきか」「印紙を貼る場合には、印紙の金額はいくらなのか」などは、「文書の内容が課税文書なのか」、「文書に記載されている金額はいくらか」などによって異なります。また、契約書の種類によっても印紙税の額が異なります。

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印紙とは

印紙(収入印紙)とは、契約書などを作成する時に貼る証票で、印紙税を納付するために必要となります。
印紙税とは、「文書」を課税物件とする税金で、契約書や領収書などの課税文書を作成する時には、書類に印紙を貼って、印紙税を納めなければなりません。
印紙は、郵便局や郵便切手販売所などで売っています。印紙を購入したら、課税文書に貼り消印することで印紙税納付をすることになります。
この時貼るべき印紙の額は、文書の種類や記載金額によって異なります。

(1)印紙が必要な文書(課税文書)とは

印紙は、印紙税を納付するために必要な証票で、印紙税とは、「文書」を課税物件とする税金です。
ただし、文書であればいつでも課税対象となるわけではなく、印紙税法では、さまざまな文書のなかでも特に20種類の文書を「課税文書」として定めています。

これらの課税文書は、契約書や領収書は、経済的な取引の結果作成される文書であることから、「税金を負担するべき」と判断されて、課税されることとされています。

(2)印紙税額一覧表

これらの課税文書は、「○号文書」と呼ばれていて、以下のように規定されています。

番号 文書の種類 記載された契約金額 印紙税額
1号 1 不動産、鉱業権、無体財産権、船舶若しくは航空機又は営業の譲渡に関する契約書
(注) 無体財産権とは、特許権、実用新案権、商標権、意匠権、回路配置利用権、育成者権、商号及び著作権をいいます。
(例) 不動産売買契約書、不動産交換契約書、不動産売渡証書など
2 地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書
(例) 土地賃貸借契約書、土地賃料変更契約書など
3 消費貸借に関する契約書
(例)金銭借用証書、金銭消費貸借契約書など
4 運送に関する契約書
(注) 運送に関する契約書には、傭船契約書を含み、乗車券、乗船券、航空券及び送り状は含まれません。
(例) 運送契約書、貨物運送引受書など
1万円未満 非課税
1万円以上10万円以下 200円
10万円を超え50万円以下 400円
50万円を超え100万円以下 1千円
100万円を超え500万円以下 2千円
500万円を超え1千万円以下 1万円
1千万円を超え5千万円以下 2万円
5千万円を超え1億円以下 6万円
1億円を超え5億円以下 10万円
5億円を超え10億円以下 20万円
10億円を超え50億円以下 40万円
50億円超 60万円
契約金額の記載のないもの 200円
上記の1に該当する「不動産の譲渡に関する契約書」のうち、平成9年4月1日から令和4年3月31日までの間に作成されるものについては、契約書の作成年月日及び記載された契約金額に応じ、右欄のとおり印紙税額が軽減されています。
(注) 契約金額の記載のないものの印紙税額は、本則どおり200円。
1万円未満 非課税
50万円以下のもの 200円
50万円を超え100万円以下 500円
100万円を超え500万円以下 1千円
500万円を超え1千万円以下 5千円
1千万円を超え5千万円以下 1万円
5千万円を超え1億円以下 3万円
1億円を超え5億円以下 6万円
5億円を超え10億円以下 16万円
10億円を超え50億円以下 32万円
50億円超 48万円
2号 請負に関する契約書 100万円以下 200円
100万円を超え200万円以下 400円
200万円を超え300万円以下 1千円
300万円を超え500万円以下 2千円
500万円を超え1千万円以下 1万円
1千万円を超え5千万円以下 2万円
5千万円を超え1億円以下 6万円
1億円を超え5億円以下 10万円
5億円を超え10億円以下 20万円
10億円を超え50億円以下 40万円
50億円超 60万円
上記の「請負に関する契約書」のうち、建設業法第2条第1項に規定する建設工事の請負に係る契約に基づき作成されるもので、平成9年4月1日から令和4年3月31日までの間に作成されるものについては、契約書の作成年月日及び記載された契約金額に応じ、右欄のとおり印紙税額が軽減されています。
(注) 契約金額の記載のないものの印紙税額は、本則どおり200円。
200万円以下 200円
200万円を超え300万円以下 500円
300万円を超え500万円以下 1千円
500万円を超え1千万円以下 5千円
1千万円を超え5千万円以下 1万円
5千万円を超え1億円以下 3万円
1億円を超え5億円以下 6万円
5億円を超え10億円以下 16万円
10億円を超え50億円以下 32万円
50億円超 48万円
3号 約束手形・為替手形 10万円未満 非課税
10万円以上100万円以下 200円
100万円を超え200万円以下 400円
200万円を超え300万円以下 600円
300万円を超え500万円以下 1千円
500万円を超え1千万円以下 2千円
1千万円を超え2千万円以下 4千円
2千万円を超え3千万円以下 6千円
3千万円を超え5千万円以下 1万円
5千万円を超え1億円以下 2万円
1億円を超え2億円以下 4万円
2億円を超え3億円以下 6万円
3億円を超え5億円以下 10万円
5億円を超え10億円以下 15万円
10億円超 20万円
①一覧払のもの、②金融機関相互間のもの、③外国通貨で金額を表示したもの、④非居住者円表示のもの、⑤円建銀行引受手形 200円
4号 株券、出資証券、社債券、投資信託等の受益証券 500万円以下 200円
500万円を超え1千万円以下 1千円
1千万円を超え5千万円以下 2千円
5千万円を超え1億円以下 1万円
1億円超 2万円
5号 合併契約書または吸収分割契約書等 4万円
6号 定款 4万円
7号 継続的取引の基本契約書
(契約期間が3か月以内で、かつ、更新の定めのないものは除く)
4千円
8号 預貯金証書 200円
9号 倉荷証券、船荷証券、複合運送証券
(注) 法定記載事項の一部を欠く証書で類似の効用があるものを含む。
200円
10号 保険証券 200円
11号 信用状 200円
12号 信託行為に関する契約書
(注) 信託証書を含む。
200円
13号 債務の保証に関する契約書
(注) 主たる債務の契約書に併記するものは除きます。
200円
(非課税文書:身元保証ニ関スル法律に定める身元保証に関する契約書)
14号 金銭又は有価証券の寄託に関する契約書 200円
15号 債権譲渡又は債務引受けに関する契約書 記載された契約金額が1万円未満 非課税
記載された契約金額が1万円以上 200円
契約金額の記載のないもの  200円
16号 配当金領収証、配当金振込通知書 記載された配当金額が3千円未満 非課税
記載された配当金額が3千円以上 200円
配当金額の記載のないもの 200円
17号 1・売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書
(注)売上代金とは、資産を譲渡することによる対価、資産を使用させること(権利を設定することを含みます。)による対価及び役務を提供することによる対価をいい、手付けを含む。
・株券等の譲渡代金、保険料、公社債及び預貯金
100万円以下のもの 200円
100万円を超え200万円以下 400円
200万円を超え300万円以下 600円
300万円を超え500万円以下 1千円
500万円を超え1千万円以下 2千円
1千万円を超え2千万円以下 4千円
2千万円を超え3千万円以下 6千円
3千万円を超え5千万円以下 1万円
5千万円を超え1億円以下 2万円
1億円を超え 2億円以下 4万円
2億円を超え 3億円以下 6万円
3億円を超え 5億円以下 10万円
5億円を超え 10億円以下 15万円
 10億円超 20万円
受取金額の記載のないもの 200円
2売上代金以外の金銭又は有価証券の受取書
(例) 借入金の受取書、保険金の受取書、損害賠償金の受取書、補償金の受取書、返還金の受取書など
200円
18号 預金通帳、貯金通帳、信託通帳、掛金通帳、保険
料通帳
1年ごとに200円
19号 消費貸借通帳、請負通帳、有価証券の預り通帳、
金銭の受取通帳などの通帳
(注)18に該当する通帳を除きます。
1年ごとに400円
20号 判 取 帳 1年ごとに4千円

 
 
参照:国税庁「印紙税額の一覧表(令和2年4月現在)」

したがって、契約書であれば、常に印紙が必要となるわけではなく、これらの課税文書に該当する場合だけ、印紙が必要になります。
たとえば、「委任契約書」は課税文書に該当しないので印紙は必要ありません。

(3)印紙税を負担する「納税義務者」は誰か

契約を締結する時、印紙を負担すべき「納税義務者」は誰かということが問題になることがあります。
この時、「印紙税は、お金をもらう方(受託側)が負担するもの」と思っている人がいますが、印紙税法では、納税義務者(印紙をの購入費を負担すべき人)は、「課税文書を作成した人」としています。
そして、課税文書の内容について複数人が協議し共同して作成した場合には、「その複数人が連帯して納税する」と規定されていて、「どちらか一方の当事者が全額負担してもいいし、両当事者で分担してもいい」ということになります。
ただし、契約は受託側が下の立場になるわけではなく、両当事者が対等の立場で締結するものですから、実務上は印紙税も両当事者で折半するべきでしょう。

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印紙の基本知識

印紙は、「印紙税」という税金を納めるために添付します。
課税文書であるにもかかわらず収入印紙を貼り忘れたり、印紙を貼っても消印を忘れたりすると、過怠税がかかってしまいますので、注意しましょう。

(1)印紙の有無を判断するポイント

印紙を貼るべきか否かを判断するポイントは、「課税文書であるか否か」です。
ただし、課税文書であるか否か、何号文書になるのかといった判断は、契約書のタイトルではなくその文書の内容で判断します。
たとえば、2号文書は請負に関する契約書ですが、請負契約であるか否かは、民法の請負契約の要件に該当するかどうかで判断されます。

民法632条 請負
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

つまり、契約書のタイトルが「請負契約書」となっていなくても、その中に「仕事の完成」とそれに対する「報酬の支払い」についての記述があり、両当事者がその記述について合意している場合には、その契約書は課税文書であり2号文書に該当することになります。

したがって、「業務委託契約書」というタイトルの契約書であっても、「仕事の完成」とそれに対する「報酬の支払い」についての記述があり、両当事者がそれに合意している場合には、その業務委託契約書は2号文書であり、印紙を貼る必要があります。

また、「保守契約」も一般的には「請負契約」に該当すると解釈されています。
それは、保守するために行う行為が、「正しい状態を維持しているかどうかを確認する」という「仕事の完成」を目的としていると解釈されるからです。

したがって、この場合も「保守契約書」というタイトルの契約書であっても、その内容は請負契約となり2号文書に該当するので、印紙を貼る必要があります。

(2)印紙の「消印」の方法

印紙税の納付は、印紙を課税文書に貼り、消印することで完了します。
消印は、その印紙が使用済であって、再使用できないことを明示するために行います。
したがって、消印をする際には、押印が印紙にかかるようにします。

消印の方法としては、「文書の作成者または代理人、使用人、その他の従業者の印象または署名」と定められていて、複数人が共同して課税文書を作成した場合には、その全員による消印でもいいですし、そのなかの1人の消印でもよいとされています。

消印は、契約書の効力に関係するわけではなく「再使用できないことを明示」するために行われるものだからです。

しかし、企業間の契約書では、契約印や契印、訂正印は、代表印を使うことになっているので、あえて「印紙の消印だけ代表印を使わない」などとする必要もありません。代表印で消印をすればよいでしょう。
また、単に「印」と表示したり斜線を引いたりしてもそれは印章や署名には当たりませんから、消印したことにはなりません。

参照:国税庁「印紙の消印の方法」

(3)印紙を間違えて貼ってしまったら?

印紙を貼らなくてもいい文書に貼ってしまったり、決められた金額以上の印紙を貼ってしまったりした場合には、税務署にその旨を申告すれば印紙税が戻ってきます。
その場合には、税務署に間違えて印紙を貼ってしまった文書を提示して、「印紙税過誤納確認申請書」に必要事項を記入し、納税地の税務署長に提出する必要があります。

参照:国税庁「誤って納付した印紙税の還付」

(4)印紙を貼らなかったらどうなる?

印紙を貼らなければならない課税文書に、印紙が貼っていないことが判明した場合には、その印紙税額とその額の2倍の合計金額の過怠税がかかります。
また、印紙を貼っていてもそれに消印を忘れた場合には、やはり印紙の額面相当額の過怠税がかかってしまうので、注意しましょう。

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まとめ

以上、印紙の金額や課税文書などについてご紹介しました。
なお、東日本大震災により被害を受けられた方が作成する契約書等に係る印紙税の非課税措置がとられています。
また、一部の印紙税について軽減税率が採用されることがあります。
印紙を貼るべきか、印紙を貼る場合にはいくらの収入印紙を貼ればよいのかについては、差文書によって異なりますので、念のため税理士に相談することをおすすめします。

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