耐用年数とは|適用する際の注意点・手順を分かりやすく

公開日:2019年11月01日
最終更新日:2021年07月20日

目次

  1. 耐用年数とは
    • 耐用年数を適用する際のポイント
    • 耐用年数の適用手順
    • 中古資産の耐用年数
  2. 耐用年数の適用方法
    • 建物
    • 建物附属設備
    • 構築物
    • 船舶
    • 航空機
    • 車両及び運搬具
    • 工具
    • 器具及び備品
  3. 減価償却の方法
    • 減価償却の計算方法
  4. まとめ
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この記事のポイント

  • 耐用年数とは簡単にいうと「その資産の使用可能期間」のこと。
  • たとえば、耐用年数が5年なら5年にわたって減価償却費を計上する。
  • 使用方法など、資産の程度が異なれば耐用年数も違ってくる。

 


事業に使う資産のうち、長期間にわたって使用するものは固定資産に分けられます。
この固定資産のうち、年月が経つにつれて劣化したり性能が落ちたりして、その価値が減っていく固定資産は、耐用年数にしたがって毎年一定額や一定の割合で資産価値を差し引いていく計上する必要があります。

ここでは、この減価償却する際に用いる「耐用年数」についてご紹介します。

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耐用年数とは

事業に使う固定資産のうち減価償却していく資産を減価償却資産といいます。
そして、耐用年数とは簡単にいうと「その資産の使用可能とい込まれる期間」のことです。

減価償却資産は、使用することで物理的な損耗が発生し経済的に減価し、やがて本来の効用を喪失することになるので、使用開始から効用喪失までの期間を耐用年数として、その年数に応じて少しずつ費用にしていきます。

耐用年数に応じて経費にしていくことを減価償却といい、その年度の経費にできる部分を減価償却費といいます。減価償却は耐用年数にわたって行うので、耐用年数は「償却期間」と言われることもあります。

たとえば、耐用年数が5年なら、5年にわたって減価償却費を計上していきます。
同じ取得価額の資産でも、耐用年数が短ければ毎年の減価償却費は多くなりますし、耐用年数が長ければ毎年の減価償却費は少なくなるということになります。

耐用年数は、通常の維持補修を行うことを前提として、普通の作業条件によって使用されることを前提として、税務上「法定耐用年数」を規定しています。
したがって、同じ資産であっても耐用年数は必ずしも同一ではなく、使用方法などの程度が異なれば耐用年数も違ってきます。

耐用年数を適用する際のポイント

耐用年数を適用する場合には、まず減価償却資産の耐用年数を確認して適用する必要がありますが、この時以下のポイントに注意することが必要です。

①一物一用途による原則
同一種類の減価償却資産で構造が同じでも、その用途によって異なる耐用年数を定めている場合があります。

②資本的支出後の耐用年数
大がかりな修繕をして資産の使用可能年数が伸びた場合には、その出費は「資本的支出」となり、修繕費として処理をすることはできません。
この資本的支出は固定資産として取り扱い、減価償却をして少しずつ経費として計上します。修繕費は全額がその年の経費となる点が大きく違います。

③貸与資産の耐用年数
耐用年数は、その資産の用途を考慮して決定されます。
減価償却資産を他に貸し付けている時には、特に貸付業用としての用途区分が定められているものを除いて、その貸付先の用途によって判定します。

耐用年数の適用手順

耐用年数を適用する時には、以下の手順に沿って確認します。

①まず減価償却資産に該当するか
減価償却資産に該当するためには、時の経過によって価値が減少し事業に使用している必要があります。
したがって、土地や電話加入権など価値が減少しないものは、減価償却資産に該当しません。

②所有権移転リース資産に該当するか
リース期間定額法によって減価償却を行います。

③取得価額が10万円未満であるか
取得価額が10万円未満であり事業のために使用する資産については、一括で損金処理をします。

④使用可能期間が1年未満であるか
使用可能期間が1年未満であり事業のために使用する資産については、一括で損金処理をします。

⑤取得価額が20万円未満であるか
中小企業の場合、取得価額が20万円未満である場合、税務上3年間で損金とすることができます。

中古資産の耐用年数

中古資産は、それまで他の誰かに使われてきた資産です。したがって当然資産としての価値は減っていますし残りの使用可能な期間も短くなります。
そこで、中古資産の耐用年数は、中古資産用の耐用年数を見積もって適用していくことになります。

使用可能な期間(耐用年数)が短いということは、それだけ減価償却費も多くなります。つまり、中古資産の方が早い年数で多額の経費を計上できることになります。

ただし、中古資産を改良して、その改良費が中古資産の取得価額の50%を超える場合や、新品価格の50%を超える資本的支出を行った場合には、中古資産用に見積もった耐用年数を使うことができなくなります。その場合には法定耐用年数を使っていきます。

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耐用年数の適用方法

税法では、固定資産の種類、構造、利用方法などによって、車両なら6年、パソコンなら4年というように、それぞれの固定資産の耐用年数を規定しています。

建物

建物の耐用年数は、「鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造のもの」「れんが造、石造又はブロック造のもの」「金属造のもの」など、その主要骨格が主にどのような構造によって構成されているかで決まります。そして、さらに細目の区分にしたがって、該当する耐用年数を適用します。

たとえば、鉄筋コンクリート造のマンションの1階店舗部分の一部を取得してカフェを開業した場合、このマンションの主な用途は住宅ですが、区分所有について耐用年数を判定する場合には、区分所有の用途に応じてその耐用年数を適用することになります。
したがって、「鉄筋コンクリート造のもの」の「飲食店用~」の34年もしくは41年を適用することになります。

建物附属設備

建物付属設備は、建物に固着されたもので、その建物の使用価値を増加するもの、またはその建物を使用するうえで必要とされるものです。
たとえば、冷房・暖房設備、エレベーターやエスカレーターなどの設備です。
建物の付属設備は、原則として建物本体とは区分して耐用年数を適用することになりますが、木造・合成樹脂または木骨モルタル造の建物の付属設備については、建物と一括して建物の耐用年数を適用することができます。

たとえば、2階建ての建物の階段部分にエレベーターを設置した場合には、その建物の使用価値を高めるものであることから、「建物付属設備」となり、耐用年数は17年となります。

構築物

構築物とは、橋、桟橋、岸壁、軌道、貯水池、行動、煙突その他土地に定着する土木設備または工作物のことをいいます。
構築物については、まずその用途によって耐用年数を判定します。用途別に耐用年数が定められていないものについては、構造によって適用すべき耐用年数を判定します。

たとえば、工場内に金属製の標識を設置した場合には、「構築物」の「金属造のもの」に記載がないので、「その他のもの」の耐用年数である45年を適用することになります。

船舶

船舶の耐用年数は、船舶法第4条から第19条までの適用を受ける船舶と、これらの規定の適用を受けない船舶とに大別されます。
船舶法第4条から第19条までの適用を受ける船舶は、その用途によって漁船、輸送船など、船舶の大きさによって区分されています。

航空機

航空機の耐用年数は、「飛行機」と「その他のもの」に区分され、さらに金属製か、そうでないかによっても区分されます。

たとえば、広告宣伝のための飛行船は、航空機には該当しますが飛行機には該当しません。したがって、「航空機」の「その他のもの」の「その他のもの」に該当しますので、耐用年数は5年となります。

車両及び運搬具

車両及び運搬具は、「鉄道用又は軌道用車両」「特殊車両」「運送事業用、貸自動車用又は自動車教習所用の車両及び運搬具」に区分されます。また、それぞれ細目で小型車、自転車、フォークリフト、トロッコなどに区分されます。

たとえば、自動車教習所の所有する教習用の自動車については、「車両及び運搬具」の「~自動車教習所用の車両」の耐用年数が適用されることになります。

また、ゴルフコースのオートカートは「車両及び運搬具」の「前掲のもの以外のもの」のうち「その他のもの」の「自走能力を有するもの」に該当し、耐用年数は7年となります。

工具

工具とは、作業する人の補助的な機能道具のことで、測定工具や検査工具、ロールなどに区分されます。作業工具のレンチ、スパナ、ドライバー、万力、ハンマー、電気ドライバー、シャベル、スコップ、つるはし、石工道具、しゅんせつ用カッターなどは、「工具」の「前掲のもの以外のもの」に該当します。

器具及び備品

税法上の器具及び備品とは、社旗通念上、器具及び備品と認められるものとおおむね同じですが、具体的に電気機器、ガス機器、事務機器、通信機器など構造又は用途によって1から11まで耐用年数が定められています。

減価償却の方法

減価償却の方法は、資産の金額によって異なります。
20万円以上の資産は減価償却資産として耐用年数に沿って分割して費用にします。
10万円以上20万円未満のものは、通常の減価償却資産とするか一括償却資産(3年で均等に償却する)か、選択することができます。
10万円以下の資産は、減価償却資産の対象外で、取得時に全額を費用として計上することができます。

また、中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成18年4月1日から令和4年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。

参照:国税庁「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」

減価償却の計算方法

減価償却の計算方法は、毎年一定の金額を償却する「定額法」と毎年一定の割合で償却する「定率法」の2種類があります。

定額法は、1年目から耐用年数の最後の問いまで定額で償却するので、償却費用は毎年同額です。一方、定率法は1年目の負担額がもっとも大きくだんだん小さくなります。

建物などは定額法に限定されますが、そのほかは固定資産ごとに定額法か定率法か選ぶことができるので、初期の費用負担などを考えて選択するようにしましょう。
会社の場合には、早く償却できる定率法が一般的です。

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まとめ

以上、耐用年数の意味や減価償却の方法、計算方法などについてご紹介しました。
固定資産を購入して、その固定資産が減価償却資産に該当する時には、取得価額がいくらなのか、その固定資産の耐用年数は何年かなどを確認し、減価償却をどの耐用年数を適用すればよいのかを確認する必要があります。

どの耐用年数を適用すればよいのか、計算方法は定額法と定率法のどちらを用いればよいのかについては、税理士に確認することをおすすめします。

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