会社設立費用はいくら?節約する方法は?

公開日:2022年11月28日
最終更新日:2023年10月17日

この記事のポイント

  • 会社を設立するためには、登録免許税(最低15万円)が必要。
  • 株式会社の場合には、公証人手数料がかかる。
  • 設立費用だけでなく、名刺やネット代、事務所固定費も必要。

 

会社法施行によって最低資本金の規制が廃止されたことから、資本金1円が認められたり、電子認証ができるようになったりしたことで、会社設立のための費用も少なくて済むようになりました。
しかし、それでも登録免許税や定款認証手数料など、会社設立にはさまざまな費用がかかります。
また設立費用だけでなく、会社の印鑑作成費用や名刺・封筒の作成費用、インターネット関連費用なども別途検討する必要があります。

会社の設立費用

会社を設立するためには、法務局に登記をしなければなりません。
まずは定款を作成して認証を受け、法人の印鑑をつくり、発起人の通帳に資本金を払込み、株式会社設立登記申請書を作成し、登記申請を行います。

会社を設立するうえで必要となる主な費用は、以下のとおりです。

①出資者(発起人)、取締役の印鑑証明書の取得
…印鑑証明書の発行手数料

②定款の認証費用
…定款認証手数料
※合同会社の場合には、定款認証手数料は不要
収入印紙代
※紙の定款の場合)

③法人の印鑑作成
…印鑑作成費用

④発起人の通帳に資本金の払込み
…資本金

⑤登記書類の作成と登記申請
…登録免許税

⑥名刺や封筒の作成代、事務所固定費など

(1)発起人等の印鑑証明書の手数料

設立時に出資する人を「発起人」といい、発起人は、会社の株主となります。
定款認証と登記申請の際には、発起人と取締役になる人の印鑑証明書が必要となりますので、まず発起人、取締役の印鑑証明書を取得します。
印鑑証明書の手数料は、1通300円程度かかります(オンライン請求だと少し安くなります)。
印鑑証明書は、設立後に必要となることがありますので、2~3通取得しておいた方がよいでしょう。

(2)定款認証手数料・印紙代(紙の定款の場合)

定款とは、事業の目的や資本金の額、機関設計、事業年度など会社のルールを記載したものです。
定款は会社を設立する時に作成したものを、その後ずっと使用することになります。定款の内容に変更があった場合には、定款に変更事項を追記していきます。
定款を作成したら、発起人全員に押印してもらって、公証役場で公証人にその定款の内容が適切であることを認証してもらいます。
これを「定款認証」といい、3通作成して持参します(公証役場保存用・会社保存用・登記用)。
株式会社の場合には、認証手数料として資本金の額に応じて以下の費用がかかります。
合同会社の場合には、認証手数料は不要です。
また、株式会社の場合には、定款謄本手数料としてページ数×250円が必要となります(通常は2,000円程度です)。

定款認証手数料

株式会社 合同会社
資本金100万円未満の株式会社 3万円 不要(0円)
資本金100万円~300万円未満の株式会社 4万円
資本金300万円以上の株式会社 5万円

電子定款は印紙代が不要
電子定款の場合には、定款は電子ファイルで保存され「文書」には該当しないため、課税対象外となり印紙代は不要となりますので、設立費用を節約することができます。
ただし、自分で電子認証をすると初期費用がかかりますので、「freee会社設立」を利用して定款作成をするのがおすすめです。会社名や事業目的など、必要項目を入力するだけで自動的に定款を作ることができますし、不明点はコンシェルジュに質問することもできます。
専門家が0.5万円で電子定款を作成しますので、自分で電子認証を受けるより安価で済みます。
各種キャンペーンで無料となることもありますので、ぜひご活用ください。

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(3)会社の印鑑作成費用

登記をする際には、会社の実印を登録する必要があります。
そこで、法人の印鑑を作成します。

登記・設立後の業務に必要な印鑑は、実印・銀行印・角印の3本です。

実印
法人の設立登記書類に押印するために必要です。また、設立後の契約書類への押印などにも必要となります。

銀行印
銀行印と実印を兼用しているケースもありますが、持ち歩くことが多いため、セキュリティ上は実印とは別に作成しておくことをおすすめします。銀行印は、銀行の届出などで利用します。

角印
会社設立後に、請求書や見積書に押印する際に必要となります。

(4)登録免許税

株式会社設立登記申請書を作成し、本店となる場所の管轄法務局に登記の申請をします。
登記の際には、登録免許税が必要です。
登録免許税の額は、資本金の1,000分の7です。ただし、最低額は株式会社の場合が15万円、合同会社の場合は6万円が必要です。
したがって、株式会社の登録免許税は15万円以上、合同会社の登録免許税は6万円以上かかることになります。

ちなみに、登記申請をした日が会社設立日となります。日付にこだわりがある場合には、その日に提出できるよう、準備を進めておきます。
登記完了までは、1週間程度かかります。

会社設立の費用:まとめ

・印鑑証明書:1通300円程度(2~3通取得しておく)
・定款認証手数料:3万円~(合同会社は不要)
・定款謄本手数料:2,000円程度(合同会社は不要)
・定款認証印紙代:4万円(紙の定款の場合)
・法人の印鑑の作成費用:1万円~5万円
・登録免許税:株式会社:15万円~、合同会社:6万円~

(5)名刺や封筒等の作成費用

名刺や封筒を作成します。
最近は、特殊な加工やこだわった用紙を使用した名刺が増えていますが、ロゴやデザインで工夫をするだけでも、他の名刺とは違った印象を相手に与えることができます。
名刺は、100枚1,000円程度~、封筒は1,000部で1万円程度~で作成できるケースが多く、枚数が多いほど1枚当たりの値段を安くすることができます。

(6)事務所設置費用

事務所設置費用とは、事務所や店舗を借りるための保証金や前家賃、机、パソコン、キャビネットなどを購入するための資金です。
文具やライトなどはすでに持っているものを活用し、なるべく開業資金を抑えるように工夫しながら、必要なものをリストアップします。
業種によっては、許認可手続きの費用がかかることもありますので、忘れずにリストアップしておきます。

(7)インターネット関連費用

ホームページの作成費用やクラウドサービス利用料は、プランなどによってさまざまです。
小規模な事業者であれば、ワードプレスというサイト構築のシステムを使って、自分でホームページを作ることができます。htmlなどの知識を一から学ぶより、はるかに簡単に安価でホームページを作ることができます。
ただし、ホームページは作ったらそれで集客できるわけではなく、売上につなげるためには、ユーザーと直接アクションを促せるしくみや連絡がとれるしくみ、そしてSNSの活用などの工夫が大切です。
開業当初は余裕がないケースが多いと思いますが、ゆくゆくは、このような運用のための経費が必要になるということも視野に入れておくべきでしょう。

(8)事務所固定費

事務所固定費とは、店舗や事務所の家賃、光熱費、通信費、人件費など、毎月もしくは定期的に発生する支出で、売上に関係なくかかる費用を固定費といいます。

一方商品の仕入代金や外注費など、在庫状況を見て調整できるものを変動費といいます。固定費を抑えると、資金に余裕が生まれ、変動費の上下に対応しやすくなります。
したがって会社設立当初は、毎月もしくは定期的に発生する支出をなるべく抑えることができるよう、設定するのがおすすめです。

賃貸オフィスを借りる場合には、家賃や管理費、通勤交通費や光熱費など、それなりの出費が発生しますので、収支計画を綿密に立てておくことをおすすめします。

自宅オフィスなら出費を抑えることができるのはもちろん、賃貸物件であれば、家賃の一部を損金算入することができるというメリットもあります。

最近は、バーチャルオフィスを利用するケースも増えています。
通常のオフィスを借りるより格安ですし、郵便物の転送や電話対応まで行ってくれるプランもあります。ただし、なかには会社の本店登記ができないケースもありますし、許認可が必要な業種の場合には、バーチャルオフィス不可の場合もありますので、事前によく確認する必要があります。

まとめ

会社設立費用としては、登録免許税や定款認証の際の費用がかかりますが、会社を設立する際には、そのほかにも印鑑作成費用や事務所設置費用など、さまざまな費用が発生します。
会社設立直後は、売上が上がらないのに出費が続くという状態になりがちです。運転資金は、いわば事業の血液ともいえるもので、血の流れが滞れば事業はたちまち立ち行かなくなってしまいます。
なるべく設立関連の費用を抑え、運転資金を多く確保してからスタートすることをおすすめします。

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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」

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