起業支援&経営サポートをまとめて解説

公開日:2023年02月15日
最終更新日:2023年10月17日

この記事のポイント

  • 全国の市区町村、商工会議所、金融機関など、多くの企業支援制度が設けられている。
  • 自治体が民間の創業支援事業者と連携して、起業支援セミナーを開催している場合もある。
  • 起業支援として、創業資金や創業後の事業資金を調達できる制度もある。

 

起業を予定していても、「資金調達の目途がつかない」「事業イメージが固まっていない」「起業することに不安がある」など、さまざまな理由で踏み出せない人も多いのではないでしょうか。

しかし、これらの悩みを1人で抱え込んでいても、そこから先に進むのは難しいものです。ましてや、事業の具体的な内容を固めたりビジネスモデルを組み立てたりするのは、もっと大変でしょう。

しかし、考えがまとまるまで待っていたり、起業資金が貯まるのを待っていたりすると、それはそれでビジネスチャンスを逃がしてしまうかもしれません。
そこでここでは、「起業を希望しているものの、どのように準備を進めていけばよいのか分からない」という方向けの、さまざまな起業支援制度をご紹介します。

起業する際の支援制度

平成26年に施行された産業競争力強化法では、地域の創業を促進させるための施策として、創業支援のために市区町村が民間事業者と連携して行う取り組みを、国が支援するというスキームが掲げられています。
そして、このスキームを実施するために、全国の市区町村、商工会議所、金融機関などは、さまざまな創業相談や創業セミナーを実施しています。
また、相談やセミナーの他にも、起業希望者や起業準備者に対して、さまざまな支援を行い、スムーズに企業へ進めるための支援制度も数多く用意されています。

(1)J-Net21(中小機構)

J-Net21(中小企業ビジネス支援サイト)は、中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営するサイトです。
小規模事業者や中小企業を初め、創業予定者に対して、業界のさまざまな情報や公的機関の支援情報、そして多くの事例を提供しています。
業種別開業ガイドや業種ごとの収支計画なども掲載されていて、起業時に必要となる事業計画書の作成にも役立てることができます。

参照:中小企業基盤整備機構「J-Net21」

(2)創業融資(日本政策金融公庫)

日本政策金融公庫では、これから新たに事業を始める人や事業を開始して間もない人向けに、無担保・無保証人による「新創業融資制度」を設けています。
制度の種類はさまざまで、一例として以下のようなものがあります。

・新規開業資金
新たに事業を始める方またはおおむね事業開始後7年以内の方が対象

参照:日本政策金融公庫「新規開業資金」

・新創業融資制度
新たに事業を始める方、または事業開始後で税務申告を2期終えていない方向けの無担保無保証人の融資制度

参照:日本政策金融公庫「新創業融資制度」

日本政策金融公庫では、これらの融資制度以外にも、これから創業を考えているという人向けに、創業の手引、情報提供も行っています。

参照:日本政策金融公庫「創業支援」

(3)政府系9機関によるPlus One

Plus One(プラスワン)とは、NEDOを含む政府系16機関は、スタートアップ支援を目的とした制度で、スタートアップからの相談に対応するワンストップで対応する窓口を設置しています。
「政府機関の支援策を活用することを検討している」、「起業について誰に相談すればいいか分からない」という相談に広く対応し、政府機関などへの紹介を一元的に行ない、必要な支援を広く受けやすくなることを目指しています。

参照:経済産業省「スタートアップ支援機関プラットフォーム「Plus」に7機関が参加しました」

(4)地方創生起業支援事業

内閣府地方創生推進事務局では、地方での起業や東京圏からUIJターンにより起業・就業をする人に支援金を支給する地方公共団体の取り組みを支援する制度として、起業支援金や移住支援金の制度を設けています。
地域の課題に取り組む観点を持った起業については、都道府県が選定する執行団体が、伴走支援を受けられるうえに、起業等に必要な経費の2分の1の補助が受けられるなどの支援を受けることができます。

参照:内閣官房|地方創生「地方創生 ふるさと求人・移住支援金・起業支援金」

(5)創業助成金(東京都中小企業振興公社)

公益財団法人東京都中小企業振興公社では、都内で創業を目指す人で一定の要件を該当する場合、または創業して5年未満の中小企業者等を対象として、必要な経費の一部を助成する制度を設けています。
東京都中小企業振興公社では、このほかにも、商店会起業・承継支援事業や、若手・女性リーダー応援プログラム助成事業など、さまざまな支援制度を設けているほか、さまざまなセミナーも開催されています。
また、交流機会の提供や課題解決に向けたマッチングなどの支援を受けることもできます。

参照:東京都創業NET「融資・助成制度」

(6)自治体の制度融資

制度融資とは、新規の創業資金や創業後の事業資金を円滑に調達できるように、地方自治体・信用保証協会・民間金融機関の3者が協調して資金を供給する制度です。
条件や内容は、自治体や制度によって異なりますが、創業の際の利率や保証料を補助してくれる場合もあります。
また、自治体によっては独自の制度を運用している場合があります。各自治体のホームページで紹介されています。

参照:東京都創業NET「東京都中小企業制度融資」

(7)創業支援センター(商工会議所)

全国の商工会議所では、さまざまな専門家を相談員として窓口に配置し、創業者に対する支援を行っています。
「創業・起業するための手続き」や「創業時に使える公的融資制度」などのアドバイスを受けることができるほか、創業・起業セミナーや創業塾、創業者交流会などが開催されています。
東京商工会議所と東京信用保証協会との提携融資制度「創業支援融資保証制度」などの支援制度も設けられています。

参照:東京商工会議所「創業支援・起業支援」

(8)認定特定創業支援事業

産業競争力強化法によって、自治体が民間の創業支援事業者(地域金融機関、NPO法人、商工会議所・商工会など)と連携し、ワンストップ相談窓口の設置、創業セミナーなどを開催しています。
認定特定創業支援事業では、創業者の経営、財務、人材育成、販路開拓など、事業を行う上で必要となる知識習得を目的として、継続的に行う創業支援のとりくみを「特定創業支援事業」として、本支援を受けた創業者には、登録免許税の軽減措置、信用保証枠の拡大などの支援を受けることができます。

参照:中小企業庁「産業競争力強化法に基づく認定を受けた 市区町村別の創業支援等事業計画の概要」

(9)よろず支援拠点

中小企業基盤整備機構のよろず支援拠点とは、国が全国に設置した無料の経営相談所です。 47都道府県に設置されており、中小企業、小規模事業者を対象としていますが、創業相談についても対応しており、未経験の分野への創業や創業時のコスト負担軽減など、創業に関するさまざまな悩みに対応しています。
参照:中小企業基盤整備機構「よろず支援拠点」

(10)創業時の手続き・税務相談(税理士)

相性のよい税理士は、設立後の経営者の頼もしいパートナーとなってもらうことができます。

法人として事業をスタートさせるためには、法人設立の登記などの手続きが必要となります。
そして、その際には事業年度や資本金の額など、さまざまな事項について決めなければなりません。そして、この事業年度や資本金の額によって、会社を設立後の納税額が大きく変わってくることがあります。
さらに、資本金の準備や設立費用の準備も必要となりますし、個人事業主としてすでに事業を行っている場合には、法人成りに伴う資産の引き継ぎも必要です。
そして、これらの設立に伴う手続き、税務に関するサポートをすべて行ってくれるのが、税理士です。税理士のなかには、行政書士や司法書士などの資格を有しており、設立手続きからすべて対応してくれるケースもあります。
また、設立後には税務署への届出が必要となりますし、経理作業も必要となりますし、資金繰りや売上計画、節税対策も考えていかなければなりません。これらの手順についてもサポートを受けることができます。

顧問税理士の報酬は、何をどこまで依頼するかによってさまざまです。
帳簿の入力を自分で行うか、税理士が行うか、そして売上規模はどのくらいかによって異なります。
ただし、経理担当を雇うことを考えれば、税理士に依頼して報酬を支払う方が、安価で済むことが多く、さらに正確で適切な経理作業を行うことができます。

 

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まとめ

新しい技術、サービスには、その周辺に想像がつかないビジネスチャンスがたくさんあります。
いざ起業を考えると「リスクがある」「不安だ」という想いが先走ってしまうことがありますが、どのようなビジネスにもリスクはつきものです。
万全の準備を調えて事業を始めたところで、事業を始めないと見えてこないものがあり、大きな課題に向き合わなければならないケースも多々あります。
起業について不安を抱え続けるよりも、まずは、この記事でご紹介したようなさまざまな支援制度を活用し、多くの専門家、経験者のアドバイスやサポートを受けながら、あなたの起業への想いを実現させるための第一歩としてみてはいかがでしょうか。

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税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。

 

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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」

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