個人事業主の節税対策|経費を増やして税金を減らす11の方法

公開日:2019年06月01日
最終更新日:2019年10月10日

目次

  1. 個人事業主が確定申告で払う税金
    • 基本は確定申告をすればOK
  2. 個人事業主の節税対策
    • (1)青色申告の承認は必ず受ける
    • (2)事業に関わるものはすべて必要経費に
    • (3)光熱費・家賃は按分で経費に
    • (4)消費税や固定資産税は経費になる
    • (5)短期前払費用の特例の活用
    • (6)少額減価償却資産の特例の活用
    • (7)生命保険・介護医療保険・個人年金に加入する
    • (8)小規模企業共済への加入
    • (9)経営セーフティ共済への加入
    • (10) ideco(イデコ)への加入
    • (11)ふるさと納税の活用
  3. 個人事業主の節税サポート
    • 会計ソフトを活用しよう
    • 税理士をみつけて相談しよう

個人事業主の所得税は、1年間の利益を確定してから自分で納税額を計算し、税務署に確定申告をしなければなりません。
そして、その結果をもとに住民税や事業税の金額が決まります。

これらの税金は、さまざまな節税対策を行うことで、大幅に税額を軽くすることができます。

ここでご紹介する節税対策を行うか否かで、税額が10万~100万以上も変わることがありますので、活用できそうな対策はすべて行うようにしましょう。

個人事業主が確定申告で払う税金

確定申告とは、1月1日から12月31日までの収入と支出の結果を、翌年の2月16日から3月15日の間に申告し、1年間の所得と税金を税務署に申告・納税する制度です。

個人事業主が払う主な税金は、所得税・事業税・住民税・消費税の4つです。
この他事業の内容によっては、他に登録免許税、固定資産税がかかることもあります。

・所得税
その年の所得に対して課税される税金です。
所得税を納付するためには、確定申告を行なう必要があります。

・消費税
商品やサービスの提供を受けた時にその対価にかかる税金を消費者が負担する税金です。
消費税はすべての事業主が納付するわけではなく、原則として、前々年度の売上が1,000万円を超える場合に納税する税金です。
所得税と同様に自分で税額を計算して、税務署に申告・納税します。

・住民税
自分が住んでいる自治体に対して納める税金です。
都道府県民税と市区町村民税があります。
前年の所得に応じて自治体が住民税を決定します。
確定申告の情報をもとに、各自治体で税額が計算され、通知がきた場合に、納税します。

・事業税
営業している都道府県に納める税金で、事業税がかかる業種は法律で決められていて、業種によって税率が異なります。
事業所得(青色申告控除前)が290万円超の場合に課税されます。
事業税は、都道府県税事務所から通知がきた場合に、納税します。

参照:東京都主税局「個人事業税」

基本は確定申告をすればOK

税金は、種類によって税金の納め方が異なります。
所得税や消費税は、自分で確定申告を行なう必要がありますが、住民税と事業税は、確定申告をすれば、その情報をもとに各自治体で税額を計算してくれます。そして各自治体から郵送される納付書に従って納税をします。

「個人事業主の経理と税金|知っておくべき経理の基礎と帳簿づけ」を読む

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個人事業主の節税対策

個人事業主の税金は、さまざまな節税対策を行うことによって、税負担を軽くすることができます。同じ収入でも支払う税金が10万円~100万円以上変わることもあります。

個人事業主の場合は、収入(売上高など)から必要経費を差し引いた金額が「事業所得」として課税されます。所得税や住民税は、この所得の額を減らすことによって税額を安くすることができます。つまり、必要経費を多く計上し所得の額を減らせれば減らせるほど、それだけ納める税額を軽くすることができるというわけです。

(1)青色申告の承認は必ず受ける

個人事業主の節税対策の第一歩が「青色申告の承認を受けること」です。
確定申告には、青色申告と白色申告があります。
青色申告とは、複式簿記による記帳を行い、損益計算書と賃借対照表といった決算書を作成する確定申告の方法でで、白色申告より作成する書類が多くはなりますが、メリットがたくさんあり、その節税効果は絶大です。

たとえば、青色申告で確定申告を行なうと65万円の特別控除を受けることができます。
一方、白色申告だと10万円の控除がされるのみです。

また、青色申告なら家族従業員に給与を支払った場合、その給与が適正水準であればすべてを経費とすることができます。しかし、白色申告では専従者控除として配偶者で86万円、その他の親族は50万円までしか控除されません。

その他にも、赤字が出たら来期以降の黒字と相殺して税金を減らせる「繰越控除」が適用されたり、30万円未満の備品を購入した場合に一度に必要経費にすることができたりなど、青色申告のメリットは数多くあり、細かく数えると50以上の節税メリットがあると言われています。
青色申告で確定申告をするだけで、「税金が安くなる特典」を受けることができますので、確定申告はぜひ青色申告で行うようにしましょう。

「青色申告のメリット・デメリット・確定申告スケジュール」を読む

(2)事業に関わるものはすべて必要経費に

前述したとおり、所得税や住民税の税額は、所得の額によって決まります。
したがって、必要経費を多く計上し所得の額を減らすことが税額を減らすことにつながります。したがって、事業に関わるものはもれなく必要経費として計上しましょう。

必要経費とは、収入を得るために必要となるお金のことです。
大きなものとしては、仕入や人件費などがありますが、仕事で使う文房具や取引先との飲食代、交通費なども必要経費として計上することができます。

必要経費がたくさん計上すれば、その分税金を少なくすることができますので、面倒がらずに帳簿づけを行なうようにしましょう。

帳簿をつける際には「どの勘定科目に仕訳をすればいいだろう」と迷うこともあるでしょう。
勘定科目に関しては、基本的な知識は必要ですが、選択する細かい区分は自分で決めても構いません。
例えば、コピー用紙などを「消耗品費」として計上しても「事務用品費」として計上しても、税額に影響することはありませんし、その点を税務署に指摘されることもありません。
ただし、帳簿をつける際には「○○は消耗品費に仕訳する」「○○は事務用品費に仕訳する」とルールを決めておくことが大切です。何にどれだけ使ったのかが分からないと、帳簿が不正確なものになってしまいますし、後から見て経費削減について検討することもできなくなります。

なお、「クラウド会計ソフトfreee」を利用すれば、面倒な仕訳作業をほぼ自動化することも可能です。一度勘定科目を選択すれば、次回からは自動で勘定科目の候補を提示してくれますし、クレジットカードやネットバンキングと連携すれば、取引がそのまま自動で仕訳されます。

「クラウド会計freeeで行う個人事業主の確定申告」を読む

(3)光熱費・家賃は按分で経費に

個人事業主の方には、自宅兼事務所というケースも多いと思いますが、その場合には、家賃や水道光熱費を実際に仕事で使っている面積や時間で按分して、事業の経費とすることができます。
例えば、2LDK・50㎡の賃貸マンションのうち、15㎡の一部屋を仕事場として使っているのであれば、家賃を按分して30%分を「地代家賃」として経費とすることができます。
礼金や仲介手数料、共益費も経費とすることができますが、敷金は経費とはなりません。

キッチンやトイレなども、使用割合して按分して経費として計上して構いません。
持ち家で事業をする場合も、返済中のローンの元本以外は経費とすることができますが、ローンの元本は経費とすることができませんので、注意して下さい。
なお、住宅ローン控除を受けている場合には、事業用割合が床面積の2分の1を超えると、適用を受けられなくなります。

(4)消費税や固定資産税は経費になる

個人事業主が納めるべき主な税金は、所得税・事業税・住民税・消費税の4つですが、その他にも事業内容によって、固定資産税や自動車税、印紙税などがかかることもあります。
これらの税金のうち、事業にかかわるものは必要経費とすることができます。
固定資産税など、個人と事業にかかわっている税金の場合には、家賃や光熱費と同じように按分して事業用の割合を必要経費にすることができます。
税金を必要経費と手計上する場合には、「租税公課」という勘定科目を使います。
ただし、所得税や住民税、相続税などは、個人に対する税金なので、経費とすることはできません。

(5)短期前払費用の特例の活用

インターネットのレンタルサーバー料金など、継続的なサービスの提供を受ける契約で、数カ月分あるいは1年分の代金をまとめて支払う場合があります。
「前払費用」というのは、翌期の経費の前払いなので、原則的には当期の必要経費としては参入できません。しかし、一定の要件を満たした前払費用については、当期の必要経費として計上することができます。 (短期前払費用の特例)

前払いした費用を当期の必要経費として認められるには、以下全ての要件を満たす必要があります。

①年払いに関する記載のある契約書があること
②継続的な役務提供であること(単発の役務の提供については「前渡金」)
③実際に料金を支払っていること
④支払った日から1年以内の役務提供を受けること
⑤支払い方法や経理の方法を継続すること
(一度年払いにすると毎年継続して同じ計上方法をとる必要がある)
⑥売上に対応する費用については、認められないということ

上記の要件にもあるとおり、前払費用として計上する場合には、「支払い方法や経理の方法を継続すること」が要件となります。「今年は余裕があったけど、来期以降はまた月払いとしよう」など、ころころと計上方法を変更することはできません。
したがって、来期以降も同様の支払い方ができるかどうか、資金繰りについて確認してから利用するようにしましょう。

(6)少額減価償却資産の特例の活用

パソコンやプリンターなど、単価が10万円以上するものは、長期間利用できる「固定資産」とみなされて、減価償却という方法で、数年に分割して必要経費にしていくことになり、支払いは1度に済ませた場合でも、その金額をその年中に必要経費とすることはできません。
しかし、青色申告で確定申告をすれば、30万円未満の固定資産について、一度に必要経費とする優遇措置を受けることができます(平成32年(2020年)3月31日まで ※延長の可能性あり)。

参照:国税庁「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」

(7)生命保険・介護医療保険・個人年金に加入する

生命保険や介護医療保険、個人年金などに加入すると、一定額を所得から控除することができます。
生命保険料控除の額は、平成24年(2012年)より前か後かで控除額が異なります。

契約の締結日が平成23年12月31日までの旧契約の控除額は上限10万円、新契約の控除額は上限12万円です。
旧契約と新契約の両方を契約している場合には、①旧制度のみ、②新制度のみ、③旧制度と新制度の併用、のいずれかを選択することができます。

なお、地震保険料の控除額の計算方法は、以下のとおりです。

(8)小規模企業共済への加入

小規模企業共済」とは、個人事業主などを対象とした個人事業主の退職金のような制度です。
小規模企業共済に加入して支払った掛金月額は、1,000円から70,000円までの範囲内ですが、その全額を控除することができます。
最高で月70,000円ということは、70,000円×12カ月=84万円もの控除を受けることができます。
また、前払いをした場合には、向こう1年以内のものであれば控除することができるので、最高で168万円の所得控除を受けることができます。

参照:中小機構「小規模企業共済」

(9)経営セーフティ共済への加入

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)に加入すると、掛金は損金(法人の場合)または必要経費(個人事業主の場合)に算入できるという税制優遇制度です。
掛金月額は5,000円~20万円まで自由に選ぶことができて、途中で増額・減額できます。
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は、取引先事業者が倒産した際に中小企業や個人事業主が連鎖倒産したり経営難に陥ったりすることを防ぐための共済制度で、取引先事業者が倒産した際には、無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入れることができます。

参照:中小機構「経営セーフティ共済」

(10) ideco(イデコ)への加入

iDeCo-イデコ(個人型確定拠出年金)とは、簡単に言うと自分のための年金を自分で積み立てる制度です。平成29年(2017年)の改正により、原則として20歳以上60歳未満の国民年金・厚生年金加入者なら誰でも加入することができるようになりました。

掛金を払いながら預金や投資信託などで運用し、その運用益が非課税になるばかりでなく、掛金が全額まるごと所得控除の対象となります。

積立時の掛金については、毎年所得税と住民税が軽減されますし、利益が出てもその利益に税金はかかりません。また、受取時にも一定額まで無税となる大変メリットのある制度です。



iDeCo(イデコ)|個人型確定拠出年金を知識ゼロから理解する

iDeCo(イデコ)|個人型確定拠出年金の年末調整と確定申告

(11)ふるさと納税の活用

ふるさと納税とは、都道府県や市区町村に対する寄付で、寄付先から特産品をもらうことができます。

寄付した金額は寄付金控除として申告することができ、所得税と住民税を軽減することができます(ワンストップ特例制度を利用した場合は、同額の住民税が軽減されますが、これはサラリーマンなどが利用する制度で、個人事業主は利用することはできません)。
寄付金の控除額は、(①寄付した金額 or②総所得金額×40%)-2,000円で計算します。
つまり、ふるさと納税は寄付した全額のすべてを納税額から差し引けるわけではなく、ふるさと納税として寄付金控除を受ける対象となる納付額は、その人の総所得金額の40%が上限です。

「ふるさと納税とは|控除上限額はいくらか」を読む

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個人事業主の節税サポート

これまでご紹介してきたように、個人事業主は多くの節税対策を行うことができます。
しかし、節税対策のために必要経費を計上するためには、日々の取引をこつこつと記帳することが必要です。また、事業の状況や個々の事情によって、とるべき対策は異なります。
したがって、しっかりと節税対策を行いたい場合には、会計ソフトを上手に活用しながら、税理士のサポートを受けることをおすすめします。

会計ソフトを活用しよう

「クラウド会計ソフトfreee」は、個人事業主の確定申告から、日々の売上把握、コスト管理、売掛買掛管理といった経理業務を簡単に行うことができる会計ソフトです。
面倒な仕訳作業をほぼ自動化することも可能ですし、クレジットカードやネットバンキングと連携すれば、取引がそのまま自動で仕訳されるので、日々の経理作業をほぼ自動化することも可能です。
確定申告の際にも、いくつかの項目を確認するだけで申告に必要な書類は自動で作成することができます。
確定申告作業のせいで本業をセーブする必要はなくなり、さまざまなレポー機能によって、経営状況もはっきりと見えるようになります。

税理士をみつけて相談しよう

税理士に相談すれば、現在の取引状況から利益のシミュレーションを実施し、予想される納税額を計算し、数ある節税対策方法のうち最適なものを提案してもらうことができます。
節税対策は、確定申告の前に慌てて行うより、中長期の計画を立ててじっくり取り組む方が、効果があります。
「前年の確定申告で予想外の税金だった」「売上が伸びているので、もっと節税対策を行いたい」という場合には、早めに税理士のアドバイスを受けてみましょう。

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