助成金の公募から受給までの流れ

公開日:2018年08月01日
最終更新日:2020年01月12日

目次

  1. 助成金とは
    • 助成金と補助金の違い
  2. 助成金の種類
    • トライアル雇用助成金
    • 特定求職者雇用開発助成金
    • キャリアアップ助成金
    • 人材開発支援助成金
    • 65歳超雇用推進助成金
    • 両立支援助成金
  3. 助成金申請から受給まで
    • 申請する際の前提条件
    • 助成金の申請
  4. まとめ
    • あわせて読みたい

この記事のポイント

  • 助成金とは、主に厚生労働省が実施している返済不要の交付金のこと。
  • 人を雇用した時、雇用を維持した時、失業者が自立した時などに受給できる。
  • 助成金は、申請の形式要件を満たしていれば、原則として交付が認められる。

 

助成金とは、主に厚生労働省が実施している返済不要の資金のことをいいます。
経済産業省が実施している助成金もありますが、名称が助成金となっているだけで、内容が研究開発を目的としていて、実質補助金と同視できるものも多いので、ここでは厚生労働省が実施している助成金をご紹介します。

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助成金とは

助成金とは、主に厚生労働省が実施している返済不要の交付金です。
人を雇用した時、雇用を維持した時、失業者が自立した時、労働環境を改善した時などに受給することができます。

助成金は通年で公募が行われているので、いつでも申請することが可能ですし再提出をすることも可能です。受給できる助成金があれば、ぜひ活用しましょう。

助成金と補助金の違い

助成金と補助金はどちらも返済不要な交付金ですが、さまざまな点で違いがあります。

・助成金は「申請型」
補助金は、公募期間中に申請書類を提出し、審査を経て交付が決定される「公募型」ですが、助成金は、申請の形式要件を満たしていれば、原則として交付が認められる「申請型」となりますので、高い確率で受給することができます。

・財源が違う
補助金の財源は、国民から徴収した税金ですが、助成金の財源は従業員の雇用保険料です。従業員を雇用している会社であれば、どこでも加入しているので、予算の変動が少なく安定した財源といえます。

・申請期間
補助金は、公募期間が決まっていて、公募開始から締め切りまで数週間~1カ月程度と短くなっています。一方、助成金は通年行っていていつでも申請することができます。また、再提出することも可能です。
ただし、それぞれの助成金で予算枠が決まっているので、一定期間で締め切られることもあります。

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助成金の種類

厚生労働省が実施する助成金は、雇用の安定と労働環境の改善を目的とした制度が中心で、50種類ほど用意されています。
従業員を新規で雇用したり、従業員を教育したり、障害者や高齢者を雇用したりした時に受給することができます。
内容や条件は毎年のように変更されますので、ここでは変更が少ない助成金についてご紹介します。詳細については必ず厚生労働省のホームページで確認するようにしてください。

トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金は、「一般トライアルコース」「障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース」「若年・女性建設労働者トライアルコース」があります。

一般トライアルコース
未経験の仕事に就く人や、数年安定した仕事に就いていない人など、就職が困難な求職者を、試行雇用(3カ月など)で採用した場合に受給できる助成金です。
対象者1人あたりの支給額は最大5万円(最長3カ月)です。
平成31年4月以降、対象者に「①ニートやフリーター等で45歳未満の人」「②生活困窮者」が追加されたことで、「就労経験のない職業に就くことを希望する人」「学校卒業後3年以内で、卒業後、安定した職業に就いていない人」は対象区分が廃止されました。

参照:厚生労働省「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」

障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース
障害者の早期就職の実現のための助成金です。
障害者を原則3カ月試行雇用することで、その適性や能力を見極めて、継続雇用できるようにすることを目的とした助成金です。
精神障害者を雇用する場合には、月額最大8万円を3カ月、月額最大4万円を3カ月受給することができます。それ以外の場合には、月額最大4万円を最長3カ月受給することができます。

対象労働者は、以下の①と②の両方に該当する必要があります。

①継続雇用する労働者としての雇入れを希望している者であって、障害者トライアル雇用制度を理解した上で、障害者トライアル雇用による雇入れについても希望している者

②障害者雇用促進法に規定する障害者のうち、次のア~エのいずれかに該当する者
ア)紹介日において就労の経験のない職業に就くことを希望する者
イ)紹介日前2年以内に、離職が2回以上または転職が2回以上ある者
ウ)紹介日前において離職している期間が6カ月を超えている者
エ)重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者

なお、雇入れの条件は、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れることと、障害者トライアル雇用等の期間について、雇用保険被保険者資格取得の届出を行うことが必要です。

参照:厚生労働省「障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース」

建設事業主等に対する助成金(旧建設労働者確保育成助成金)
若年者または女性を、建設技能労働者として一定期間試行雇用することで受給できますが、(1)から(13)まで分けられていて、そのコースごとに定められた措置を実施することが必要です。若年・女性建設労働者トライアルコースは、1人あたり月額最大4万円(最長3カ月間)が支給され、雇用管理制度助成コースは整備助成として、第1回は57万円、第2回に85.5万円が助成されるなど、個々のコースによって女性学が異なります。

トライアル雇用助成金
(1)若年・女性建設労働者トライアルコース

人材確保等支援助成金
(2)雇用管理制度助成コース(建設分野)(整備助成)
(3)雇用管理制度助成コース(建設分野)(登録基幹技能者の処遇向上支援助成)
(4)若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)(事業主経費助成)
(5)若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)(事業主団体経費助成)
(6)若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)(推進活動経費助成)
(7)作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)(作業員宿舎等経費助成)
(8)作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)(女性専用作業員施設設置経費助成)
(9)作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)(訓練施設等設置経費助成)

人材開発支援助成金 (10)建設労働者認定訓練コース(経費助成)
(11)建設労働者認定訓練コース(賃金助成)
(12)建設労働者技能実習コース(経費助成)
(13)建設労働者技能実習コース(賃金助成)

参照:厚生労働省「建設事業主等に対する助成金」

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金は、特定就職困難者コース、生涯現役コース、被災者雇用開発コース、障害者初回雇用コース、長期不安定雇用者雇用開発コースなどの種類があります。

障害者初回雇用コース
障害者雇用促進法により、障害者を雇用する義務がある中小企業が、初めて障害者を雇用し、法定雇用率を達成した場合に支給されます。支給額は、120万円です。受給するためには、支給申請時点で、雇用する常用労働者数が45.5人~300人の事業主であることや、1人目の支給対象者の雇入れの日の前日までの過去3年間に、対象労働者について雇用実績がない事業主であることなどの要件を満たす必要があります。

参照:厚生労働省「障害者初回雇用コース」

生涯現役コース
雇入れ日の満年齢が65歳以上の離職者を、ハローワーク等の紹介により、1年以上雇用することが確実な場合に支給されます。支給額は、対象労働者の類型と企業規模に応じて異なります。短時間労働者以外の者の支給額は、70万円(助成対象期間1年)です。

参照:厚生労働省「特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)」

安定雇用実現コース
安定雇用実現コースは、就職氷河期に正規雇用の機会を逃したこと等により、十分なキャリア形成がなされず、正規雇用に就くことが困難な方を支援することを目的とした助成金で、不安定雇用を繰り返す人を正規で雇用し、就労環境を提供した人に支給されます。
6カ月ごとに2期に分けて支給されますが、支給額は、大企業と中小企業で異なります。

参照:厚生労働省「特定求職者雇用開発助成金(安定雇用実現コース)」

特定就職困難者コース
高年齢者、障害者、母子家庭の母など、就職が困難な人を雇用すると支給されます。
支給額は、大企業と中小企業で異なります。また、高年齢者、母子家庭の母など誰を雇用したかでも異なります。

参照:厚生労働省「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」

その他、「発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース」「3年以内既卒者等採用定着コース」などがあります。支給要件や支給額については変更されることも多いため、厚生労働省のホームページで確認したり、社会保険労務士に相談したりすることをおすすめします。
参照:厚生労働省「事業主の方のための雇用関係助成金」

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キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、正社員化コース、賃金規定等共通化コースなどがあります。
有期契約労働者等に、教育訓練を実施した時などに支給されます。

参照:厚生労働省「キャリアアップ助成金」

①正社員化コース
有期契約労働者等の正規雇用労働者・多様な正社員等への転換等について助成されます。
就業規則または労働契約その他これに準じるものに規定して制度に基づいて、パートや派遣労働者を正社員または無期雇用に転換したり、そのための計画書を作成しその計画に沿った取り組みを行ったりした時に支給されます。なお、就業規則等に基づく正社員等へ転換後は6カ月の賃金の支払いが必要で、転換前と比較して5%以上賃金が増額している必要があります。

参照:厚生労働省「正社員化コース」

②賃金規定等改定コース
有期契約労働者等の賃金規定等を改定した場合に助成されます。すべて又は一部の有期契約労働者などの基本給の賃金規定等を、増額改定した場合に支給されます。
③健康診断制度コース
有期契約労働者等に対し、労働安全衛生法上義務づけられている健康診断以外の一定の健康診断制度を新たに規定し、適用した場合に助成されます。
「法定外の健康診断制度」を新たに規定して、4人以上に実施した場合に支給されます。
④賃金規定等共通化コース
有期契約労働者等に関して、正規雇用労働者と共通の職務等に応じた賃金規定等を新たに設け、適用した場合に助成されます。
有期契約労働者等と正社員との共通の賃金規定等を新規に規定・適用した場合に支給されます。
⑤諸手当制度共通化コース
有期契約労働者等に関して、正規雇用労働者と共通の諸手当に関する制度を新たに設け、適用した場合に助成されます。
対象となる有期契約労働者等1人あたり、1.5万円(大企業の場合には、1.2万円)支給されます。※該当要件によって加算されることもあります。
⑥選択的適用拡大導入時処遇改善コース
労使合意に基づき社会保険の適用拡大の措置を講じ、新たに被保険者とした有期契約労働者等の基本給を増額した場合に助成されます。
基本給の増額割合に応じて、支給額は異なります。
⑦短時間労働者労働時間延長コース
短時間労働者の週所定労働時間を5時間以上延長し、当該労働者が新たに社会保険適用となった場合に助成されます。労働時間によって支給額は異なります。

参照:厚生労働省「キャリアアップ助成金」

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、特定訓練コース、一般訓練コースなどがあります。

特定訓練コース
正社員の若年労働者に、職業能力開発促進センター等が実施する在職者訓練(高度職業訓練)、事業分野別指針に定められた事項に関する訓練や講習を行った場合に支給されます。

参照:厚生労働省「特定訓練コース」

一般訓練コース
労働者のキャリア形成を効果的に促進するため、職業訓練の計画書を作成し、その訓練を実施したい場合に助成されます。訓練にかかった経費や、訓練期間中の賃金に一部が助成されます。

参照:厚生労働省「一般訓練コース」

そのほか、教育訓練休暇付与コースや建設労働者認定君R年コースなどがあります。

65歳超雇用推進助成金

定年を65歳以上に引き上げた会社に対して、助成するものです。
定年制度を廃止した際にも助成されます。

参照:厚生労働省「65歳超雇用推進助成金」

その他、高齢者が働きやすい雇用環境の整備を行った会社に支給される「高年齢者雇用環境整備支援コース」などもあります。

両立支援助成金

従業員が仕事と家庭の両立をしやすいよう取り組みをした時に支給される助成金です。
「出生時両立支援コース」「介護離職防止支援コース」などがあります。

参照:厚生労働省「両立支援助成金」

出生時両立支援コース
男性従業員が育児休業を取得する場合に支給されます。
介護離職防止支援コース
介護休業を取得したり、働きながら介護を行うなど、仕事と介護の両立が可能となるよう、勤務制度を整備するなどの取り組みを行った会社に支給されます。
育児休業等支援コース
育児休業を取得、職場復帰する場合に助成されます。

参照:厚生労働省「仕事と家庭の両立支援に取り組む事業主等のみなさまへ」

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助成金申請から受給まで

助成金は、会社が受給条件を満たしていれば、高い確率で受給することができます。
しかし、助成金は国の制度なので、義務づけられた社内制度が未整備の場合には、当然支給されません。
受給条件を満たしていない場合や書面での説明が不十分な場合には、申請時に窓口で指摘してもらうことができます。また、社会保険労務士に相談すれば、要件の確認や申請書類の作成までサポートをしてもらうことができます。

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申請する際の前提条件

助成金を受け取るために必要な要件は、個々の助成金によって異なりますが、前提条件として、以下の社内制度については最低限整備しておく必要があります。

①週20時間以上働く人に対する雇用保険の加入が義務づけられています。
②株式会社であれば、社会保険への加入していること
③授業員を10人以上雇用している場合には、就業規則を作成し届出を行っていること

その他、労働保険料を滞納なく納めていること、全従業員分の法定三帳簿(労働者名簿、出勤簿またはタイムカード、賃金台帳または給与明細書」があることなどの労務管理ができているかも、確認する必要があります。

助成金の申請

助成金の申請は、助成金によって異なりますが、新規雇用や制度の導入によって受給できる助成金は、事前に届出をしたり計画書を作成したりする必要があります。
申請前に雇用したり制度を導入したりすると、申請自体ができなくなってしまうこともありますので注意しましょう。

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まとめ

以上、助成金の意味や補助金との違い、助成金の種類についてご紹介しました。
社会保険労務士や税理士に相談すれば、補助金や助成金を申請するための前提条件が整備されているか確認することができますし、助成金の申請手続きまでサポートをしてもらうこともできます。
前述したとおり、助成金の内容は毎年のように変更されますし、必要書類や手続きが変更されることもありますので、早めに相談することをおすすめします。

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