源泉徴収票の見方|項目別チェックポイント

公開日:2019年06月04日
最終更新日:2019年09月06日

目次

  1. 源泉徴収票とは
    • そもそも「年末調整」とは
    • 見る前に知っておきたい納税額の計算方法
  2. 源泉徴収票の見方
    • 支払金額
    • 給与所得控除後の金額
    • 所得控除の額の合計額
    • 源泉徴収税額
  3. 2020年から適用される改正事項
    • 給与所得控除の改正
    • 基礎控除の改正
    • 所得金額調整控除の創設
  4. まとめ

この源泉徴収票は、従業員に渡されるほか、税務署や市区町村にも提出されます。
ここでは、会社からもらった源泉徴収票のどこをチェックするべきなのか、自分が支払った税金がどのように計算されているかご紹介します。

源泉徴収票とは

源泉徴収票とは、会社が年末調整を行う際に作成する書類で「会社が従業員に1年間いくら給料を支払って、いくら税金を徴収したか」が記載されている「法定調書」のひとつです。
年末調整では源泉徴収票と給与支払報告書(内容はほぼ同じ)を作成します。源泉徴収票は本人に交付するほか、税務署に提出することもあります。
原則として、毎年1月には勤務先から従業員に交付されます。受け取っていない場合には、すぐに会社に請求しましょう。

そもそも「年末調整」とは

会社や個人事業主などの給与支払者は、1月から12月までに従業員に支払った給与をもとに年末調整を行います。

年末調整とは、年間の所得税を確定し、月々の合計天引額と精算する作業です。
所得税は毎月天引きされていますが、この時天引きされる所得税は、実は仮の金額にもとづくものです。したがって、徴収されている税金も仮の金額に基づいて徴収されているので、実際の納税額より多く徴収されていたり少なく徴収されていたりします。
そこで、「この過不足について、年末に帳尻を合わせましょう」というのが、年末調整の作業です。

そして、この年末調整のあとには源泉徴収票を作成し、従業員に提出するほか、従業員の住んでいる市区町村(※市区町村に提出する場合には『給与支払報告書』というほぼ同じ書式の報告書となる)に提出しなければならないことになっています。市区町村に提出された「給与支払報告書」は、翌年に課税される住民税の計算に使用されます。

なお、以下に該当する従業員は、源泉徴収票が税務署にも提出されています。

【税務署にも提出する必要がある人】
・年末調整をした人で、給与等が500万円を超えた人(役員は150万円)
・退職者で、給与等が250万円を超えた人
・給与等が2,000万円超のため、確定申告をする人

見る前に知っておきたい納税額の計算方法

源泉徴収票の見方を知る前に欠かせないのが、「そもそもサラリーマンの税額は、どのように計算されているのか」という点です。
そこで、まずサラリーマンの所得税額がどのように計算されるかを理解しておきましょう。

所得税は会社から従業員に支払われた「収入」に対して直接税金が課税されるわけではありません。収入から給与所得や所得控除を差し引いた額に、給与の額ごとに決まった税率を掛けた額が所得税額となります。

【サラリーマンの所得税額の計算方法】
①所得税額=(収入-給与所得控除-所得控除)×税率-税額控除(該当者のみ)
②所得税率(%)×復興特別所得税102.1%

※復興特別所得税とは、東日本大震災の復興に必要な財源を確保するために、納税者すべてが負担します。平成25年(2013年)に新設された税金で、2037年まで実施されます。
復興特別所得税は、課税所得にさらに2.1%上乗せされます。

源泉徴収票の見方

会社から源泉徴収票をもらっても、じっくりチェックしたことがある人は、あまりいないようです。
しかし、自分が1年間にいくら給与をもらったのか、そしてそこからいくら税金が徴収されたのかを知ることは大変重要なことです。
ここでは、会社からもらった源泉徴収票の見方についてご紹介します。

支払金額

まずは支払金額の欄です。

支払金額の欄には、その年の1月から12月中に支払いの確定した給与等の総額が記載されています。つまり、先ほどの計算式のうち「収入」に当たる部分がこの支払金額の欄に記載されています。

所得税額=(収入-給与所得控除-所得控除)×税率-税額控除(該当者のみ)

源泉徴収票を作成した時点でまだ未払いのものがある時には、その未払い額がカッコ内に併記されています。

給与所得控除後の金額

「給与所得控除後の金額」には、「支払金額」から「給与所得控除額」を差し引いた金額が記載されています。

所得税額=(収入-給与所得控除-所得控除)×税率-税額控除(該当者のみ)

給与所得控除とは、給与収入の額に対して一定の金額を差し引く仕組みです。
サラリーマンは、個人事業主などのように必要経費が認められないことから、それに類するものとして「給与所得控除」という控除枠が設けられているのです。
給与所得控除額は、年間の収入によって金額が変わります。また、給与所得の上限額が適用される給与収入は、平成29年(2017年)から収入が1,000万円超となり、この場合の控除額が220万円に引き下げられました。
なお、2020年からは給与所得控除額は一律10万円引き下げられる予定となっています(※改正事項については、後述します)。

参照:国税庁「給与所得控除」

所得控除の額の合計額

「所得控除の額の合計額」の欄には、年末調整を行った人だけ給与所得控除後の給与等から控除した所得控除の合計額を記載します。

所得税額=(収入-給与所得控除-所得控除)×税率-税額控除(該当者のみ)

所得控除とは、「所得金額から控除(差し引く)できる金額」のことで、全部で14種類あります。
所得金額から一定額を差し引くことができれば、それだけ課税対象額が減ることになりますので、税金を安くすることができます。

所得控除には、①社会保険料控除、②小規模企業共済等掛金控除、③生命保険料控除、④地震保険料控除、⑤障害者控除、⑥寡婦(寡夫)控除、⑦勤労学生控除、⑧配偶者控除、⑨配偶者特別控除、⑩扶養控除、⑪基礎控除⑫雑損控除⑬医療費控除⑭寄付金控除の14種類があります。

このうち⑫雑損控除⑬医療費控除⑭寄付金控除については、会社で年末調整をしてもらうことができないので、自分で確定申告をしないと損をしてしまいます。確定申告をすれば、その分の税金が戻ってくるので、かならず確定申告をするようにしましょう。

⑫雑損控除⑬医療費控除⑭寄付金控除の確定申告の方法については、以下の記事をご覧ください。

「雑損控除とは|確定申告をして節税しよう」を読む

「医療費控除とは|平成29年の改正点・控除額の計算方法など」を読む

「寄付金控除とは|控除額と控除を受けるための提出書類」を読む

源泉徴収税額

「源泉徴収税額」には、源泉所得税及び復興特別所得税の合計額が記載されています。
つまり、この欄に納税した税金の額が記載されていることになります。

年末調整後の税額、つまり還付を受けた場合にはその額も合計した税額が表示されています。

なお、年末調整していない場合には源泉徴収されていた金額の合計額が記載されることになります。

「年末調整の還付金をもらうための条件とは?」を読む

2020年から適用される改正事項

2020年から、給与所得控除の額が一律10万円ずつ引き下げられ、基礎控除の額が一律引き上げられることになりました。
また、扶養配偶者や扶養親族の要件も見直されることになりました。
この改正によって、納税額が増える(所得が減る)方もいますので、どの点が改正されるのかについて、理解しておきましょう。

給与所得控除の改正

2020年から、給与所得控除が一律10万円ずつ引き下げられることになりました。
例えば、収入が162万5000円以下の場合、これまでの給与所得控除額は65万円でしたが、改正後は55万円となります。
給与所得控除とは、給与収入の額に対して一定の金額を差し引く仕組みなので、65万円から55万円に改正されたことで、年収850万円以上のサラリーマンの場合には、増税となる可能性が高くなりました。ただし、年収850万円以下については、後述する「基礎控除の改正」によって調整をされるので、増税はされません。

参照:国税庁「平成32年(2020年)分から適用される源泉所得税に関する主な改正事項」

基礎控除の改正

2020年から、基礎控除額が10万円引き上げられることになりました。
基礎控除とは、誰でも無条件で受けられる控除で、これまでは一律38万円で所得制限はありませんでしたが、所得金額によって控除額が変わることになりました。また、所得が2,500万円を超える人は基礎控除の適用はできないことになりました。

参照:国税庁「平成32年(2020年)分から適用される源泉所得税に関する主な改正事項」

所得金額調整控除の創設

2020年より「所得金額調整控除」という制度が創設されることになりました。
給与所得控除と基礎控除の改正によって給与収入が850万円を超える給与所得者は、増税される見込みとなりましたが、この制度によって、給与収入が850万円を超える人のうち、生計を一にする22歳以下の扶養親族がいる人や特別障害者控除の対象となる配偶者・扶養親族がいる人については、年末調整において給与所得から所定の金額が差し引かれることで、前述した給与所得控除の見直しによる税負担増が相殺されることとなりました。

まとめ

  • 「支払調書」とは、税務署に提出する「法定調書」のひとつ。
  • 「給与所得の源泉徴収票」や、「不動産の使用料等の支払調書」などさまざまな種類がある。
  • 支払の明細を記載して税務署に提出することが義務づけられている。

以上、源泉徴収票の見方についてご紹介しました。
2020年以降、一部のサラリーマンについては増税される可能性が高くなっています。
しかし、医療費控除や寄付控除などの所得控除をもれなく適用したり、税金から直接差し引くことができる「税額控除」を上手に利用したりすれば、サラリーマンの税負担を軽くすることができます。

以下では、サラリーマンが実践できる8つの節税術をご紹介します。併せてご覧ください。

「サラリーマンが実践できる8つの節税術」を読む

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