最低賃金とは|確認方法と注意すべきポイント

公開日:2019年05月01日
最終更新日:2020年02月12日

目次

  1. 最低賃金とは
    • 最低賃金の適用範囲
    • 基本は地域別賃金
    • 支店が都道府県をまたぐ場合の対処法
  2. 最低賃金の確認方法
    • 時給に換算する
    • 最低賃金に含まれない賃金
  3. 知っておきたい賃金のルール
    • 賃金支払いの5原則
    • 割増賃金の支払方法
    • 賃金台帳の管理方法
  4. まとめ
    • 社会保険労務士をお探しの方
    • あわせて読みたい

労働者の賃金は「最低賃金法」で定められた最低賃金額以上でなければなりません。最低賃金は、毎年秋頃に改訂されますので、毎年見直す必要があるので、注意しましょう。
最低賃金を下回ると、刑事罰として罰金を支払わなければならないこともあります。

最低賃金とは

最低賃金制度とは、「最低賃金法」という国が賃金の最低額を定めた法律にもとづいて規定された制度で、会社が従業員に支払う賃金は、その最低賃金額以上の賃金でなければならないとする制度です。
この最低賃金には、「地域別最低賃金」と「産業別(特定)最低賃金」の2種類があります。

最低賃金の適用範囲

最低賃金は、原則として正社員だけでなく、パートタイマーやアルバイトを含めたすべての従業員に適用されます。
仮に会社と従業員との間で合意があったとしても、法律で定められた最低賃金額より低い賃金額は設定できません。たとえ従業員と雇用契約を締結したとしてもその賃金設定は無効となり、法律によって「最低賃金度同額の賃金を定めた」とみなされることになります。

ただし、試用期間中の授業員や簡易な業務に従事する従業員、職業訓練を受けている従業員、断続的労働に就く従業員、精神または身体の障害によって著しく労働能力の低い従業員については、事前に許可を受けることで最低賃金の減額が認められることもあります

基本は地域別賃金

最低賃金には、「地域別最低賃金」と「産業別(特定)最低賃金」の2種類があり、基本は地域別賃金です。ただし、両方に該当する場合には、どちらか高い方が適用されます。

この最低賃金額は毎年10月頃改訂されますが、全国的にゆるやかに上昇傾向にあります。もし最低賃金額ぎりぎりに給与額を設定しているような場合には、毎年賃金額を見直す必要があります。
たとえば、東京都の場合には、平成14年度の最低賃金は708円でしたが、平成30年には985円まで上昇しています。

参照:厚生労働省「平成14年度から平成29年度までの地域別最低賃金改定状況」

支店が都道府県をまたぐ場合の対処法

会社に本店や支店があり、所在地が都道府県をまたぐ場合には、本店や支店の所在地の都道府県の最低賃金が適用されます。
なお、派遣社員の場合には、派遣元の所在地の最低賃金が適用されます。

最低賃金の確認方法

従業員に支払う賃金額が最低賃金になっているかどうかは次の方法で計算します。

時給に換算する

最低賃金は1時間あたりの時給で定められています。したがって、月給制や日給制の場合には、時給に換算して確認します。
また、出来高制の場合にもその月の総労働時間から時間給を求めて確認します。

①時給制の場合:
時間給と最低賃金を比較

②日給制の場合
日給を1日の所定労働時間で割った額と最低賃金を比較

③月給制の場合
1年間の賃金を年間の平均所定労働時間で割った額と最低賃金を比較

④出来高制の場合
出来高給を月総労働時間で割った額と最低賃金を比較

最低賃金に含まれない賃金

最低賃金の対象となる賃金は、「通常の勤務によって支払われる通常の賃金です。したがって、時間外割増賃金・休日割増賃金・深夜労働割増賃金・通勤手当・家族手当・臨時に支払われる賃金などは割増賃金の対象とはなりません。

最低賃金の対象となる賃金 最低賃金の対象とならない賃金
通常の勤務によって支払われる通常の賃金 時間外割増賃金・休日割増賃金・深夜労働割増賃金
通勤手当
家族手当
臨時に支払われる賃金

知っておきたい賃金のルール

これまで最低賃金のルールについてご紹介してきましたが、給与計算を行い従業員に賃金を支払う際には、他にも知っておくべき賃金のルールがあります。

賃金支払いの5原則

「賃金支払いの5原則」とは、賃金を支払う方法についての原則です。
賃金は、①直接本人に②その全額を③通貨で④一定の期日に定めて⑤月に1回以上支払わなければなりません。

①直接本人に
賃金は従業員本人に直接支払わなければなりません。ただし、授業員本人が病気などの理由で賃金を受け取れない時には、配偶者や子に支払うこともできます。

②全額を支払う
賃金は全額を支払わなければなりません。
ただし、所得税、住民税、社会保険料、労使協定によって決められた財形貯蓄などは控除することができます。

③通貨で支払う
賃金は通貨で支払うのが原則です。
ただし、従業員の同意があった時には従業員の預貯金口座に振り込むことができます。

④一定の期日に支払う
賃金は毎月一定の期日に定めて支払わなければなりません。

⑤月に1回以上支払う
賃金は、毎月1回以上支払わなければなりません。
なお、賞与や退職金などは除きます。

割増賃金の支払方法

労働時間の上限は、1日8時間、1週40時間と決められています。そして、この労働時間を超えて働かせた場合には、割増賃金を支払う必要があります。なお、割増賃金の支払いは、休日や深夜の時間帯に働かせた場合も必要です。

「残業代の計算|時間単価、実労働時間、割増率の計算方法」を読む

賃金台帳の管理方法

会社は、従業員に賃金を支払ったら、賃金台帳に記載する必要があります。
賃金台帳には、従業員に賃金を支払うごとに労働者ごとに、労働日数、労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数となどについて記入します。
この賃金台帳は、事業場ごとに作成し、最後に記入した日から3年間保管することが義務付けられています。

まとめ

以上、最低賃金の確認方法と注意すべきポイント、賃金を支払う際に知っておきたい知識などについてご紹介しました。
従業員に支払う賃金は、会社が自由に決めることができますが、賃金額には最低賃金の基準がありますので、この基準を上回るように賃金額を決める必要があります。
会社と従業員との間で合意したといっても、法律で定められた最低賃金額より低い場合には、賃金設定は無効となりますし、過去2年にさかのぼって差額を支払わなければならなくなったり、刑事罰として罰金刑に課せられたりする場合もありますので、注意しましょう。

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あわせて読みたい

給与計算の担当者が知っておきたい知識については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。

給与計算をする担当者が知っておくべき賃金に関する法律

給与計算とは|5つのステップと6つの注意点

残業代の計算|時間単価、実労働時間、割増率の計算方法

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