振替休日と代休の違い・割増賃金の有無を分かりやすく解説

公開日:2019年12月17日
最終更新日:2019年12月17日

目次

  1. 振替休日と代休
    • 振替休日とは
    • 代休とは
  2. 振替休日と代休の注意点
    • (1)割増賃金の有無
    • (2)休日労働扱いになるのは
  3. 休日・休暇の原則を知っておこう
    • (1)法定休日とその他の休日
    • (2)法定休暇とその他の休暇
  4. まとめ

この記事のポイント

  • 「振替休日」とは、事前に休日の変更を指定すること
  • 「代休」とは、事後に休日を指定すること。
  • 振替休日と代休は、意味に違いがある他、要件も異なる。

 

休日出勤した後に、別の日を代わりに休日とすることがあります。
この休日は、「代休」とか「振替休日(振休)」と呼ばれ、混同しているケースが多くみられますが、代休と振替休日は大きな違いがありますので、注意が必要です。

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振替休日と代休

代休と振替休日を「休日出勤した代わりに別の日を休みにする」という意味で混同して使っているケースがありますが、この2つの意味は違います。

振替休日:事前に休日の変更を指定すること
代休:事後に休日を指定すること

また、振替休日の場合には給料に変更はなく、通常の給料を支払えば済みますが、代休の場合には、割増賃金を支払う必要があります。

このように、振替休日と代休は、大きな違いがある他、要件などについても以下のような違いがあります。

振替休日 代休
意味 事前に休日を他の勤務日と交換すること 休日労働や長時間労働をさせた代償として、事後に他の労働日を休日を指定すること
要件等 就業規則に規定する必要がある
できるだけ近い日を特定する
振替は前日までに振替日を特定する
特にないが、制度として行う場合には、就業規則に記載する必要がある
日の指定 あらかじめ事業主が指定する 事業主、従業員どちらが指定してもよい
割増賃金 同一週内で振り替えた場合には、割増賃金は必要ない
ただし、週をまたがった場合には、割増賃金が必要となることがある

週をまたがって振り替えた結果、週の法定労働時間を超えた場合
休日労働に対する割増賃金が必要となる

振替休日とは

振替休日とは、事前に休日を他の勤務日と交換することをいいます。

たとえば、事前に休日である日曜日と労働日である水曜日を入れ替えて、水曜日を労働日とするようなケースです。

このような振替休日が認められるためには、以下の4つの要件を満たす必要があります。

①就業規則に振替休日の規定を設ける
②振替日は事前に特定する
③1週1日または4週4日の休日を確保したうえで、振替休日を決める
④遅くとも、前日の勤務時間終了までに通知する

振替休日の場合には、休日を他の勤務日と交換しているだけなので、休日労働扱いにはならず、出勤した日がたとえ法定休日であっても、割増賃金の対象とはなりません。
ただし、休日を翌週に振り替えた結果、休日出勤した週の総労働時間が法定労働時間(40時間)を超えることになった場合には、超えた部分の労働時間について、時間外労働に対する割増賃金の対象となります。
また、振替休日については、あらかじめ就業規則に規定しておく必要があります。

代休とは

代休とは、休日に労働をさせた代わりにその後に休日を与えることです。
たとえば、「日曜に出勤したので、代わりに今度の金曜日を休みにする」というようなケースです。

したがって、後で休日を与えたとしても、休日労働をさせたことに変わりはなく、それが法定休日であった場合には、割増賃金を支払う必要があります。
なぜなら、振替のように事前に指示をしたわけではなく、日曜日は休日のままであり、金曜日は労働日のままだからです。

また、代休は義務ではありませんが、代休を与えない結果として1週40時間の法定労働時間を超えてしまうような場合には、法定時間外労働の割増賃金の支払いが必要となります。
また、法定休日の労働には、当然に36協定の締結も必要となります。

たとえば、日給1万円の人が休日出勤をした場合には、1万3,500円を支払うことになりますが、代休を取得した日に相殺されるので、マイナス1万円となり、割増賃金部分の3,500円を支払うことになります。

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振替休日と代休の注意点

これまでご紹介したように、振替休日と代休は、割増賃金の有無や就業規則の規定などについて、違いがあります。
ここで、再度振替休日と代休の違いや注意点についてまとめておきましょう。

(1)割増賃金の有無

法定休日に労働させる場合には、それが振替休日か代休かで割増賃金の有無が変わります。
振替休日では、就業規則に規定を設けたうえで、出勤簿などに振り替えた日を記録し、代休でも出勤簿などに記録を残します。また、振替休日でも1週間の労働時間が40時間を超えた場合には、その超えた部分については法定時間外労働となりますので、割増賃金の対象となります。

(2)休日労働扱いになるのは

社員旅行が休日労働扱いになるか否かですが、もしその社員旅行中に研修やミーティングなどの会社の業務上必要な行事が含まれていれば、休日労働になります。
ただし、単なる慰安旅行で、遊びで行くような場合には休日労働とはみなされません。

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休日・休暇の原則を知っておこう

労働時間と休日を正しく管理するためには、代休と振替休日の違い以外にも、「法定休日とその他の休日の違い」や、「法定休暇とその他の休暇の違い」などについて知っておく必要があります。

(1)法定休日とその他の休日

法定休日
法定休日とは、「週1日」または「4週で4日」と法律で定められた休日をいいます。
法律上は、この休日があれば足りますが、「週40時間」の法定労働時間を達成するためには不足することがあることから、実際には週休2日制が普及していることになります。

休日労働をさせる場合には、事前に36協定を締結して労働基準監督署に届け出る必要がありますが、この場合の「休日」とは、法定休日のことをいいます。

その他の休日
祝日や年末年始、夏季休暇は法律で定めた休日ではなく、会社が自由に定めることができます。このように会社が自由に定めることができる休日を「法定外休日」「所定休日」などと呼ばれています。

(2)法定休暇とその他の休暇

休日は、「はじめから労働義務のない日」のことを言うのに対して、休暇とは、労働義務のある日に労働義務が免除される日のことをいいます。

法定休暇
法律で義務づけられた休暇のことを法定休暇といい、以下の種類があります。
以下の法定休暇のうち、賃金が支払われる休暇は有給休暇だけで、それ以外の休暇については、支払い義務はなく会社が休暇の種類ごとに決めることになります。

①年次有給休暇
②産前産後
③生理休暇
④通院休暇
⑤育児休業
⑥介護休業
⑦子の看護休暇
⑧介護休暇

その他の休暇
法定休暇以外の休暇を設けるか否かは、会社の自由です。
法定休暇以外の休暇は、法定外休暇、任意休暇などと呼ばれています。
主な法定外休暇としては、以下のようなものがあります。
これらの休暇についても、休暇の種類や対象者の範囲、休暇日数、有給か無給かの取扱については、就業規則で定めることになります。

①結婚休暇
②本人および妻の出産休暇
③リフレッシュ休暇
④永年勤続休暇
⑤ボランティア休暇

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まとめ

以上、代休と振替休日の違いや休日と休暇の意味などについてご紹介しました。
代休と振替休日は、混同しているケースが多くなりますが、両者には大きな違いがありますので、人事担当者が違いを理解しておくことが大切であるのはもちろん、就業規則の規定や、従業員への説明、出勤簿の管理などについて、注意をするようにしましょう。
また、必要に応じて社会保険労務士に相談し、後々のトラブルを避けるような対策を行うことをおすすめします。
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