税務調査に強い税理士|立会いを依頼すべき5つの理由

公開日:2019年05月25日
最終更新日:2022年06月29日

この記事のポイント

  • 税務調査の連絡がきたら、税理士にすぐに相談することが大切。
  • 税理士の立会いがあるか否かで、結果が大きく変わることがある。
  • 税理士と事前にしっかり準備を行えば、税務調査は恐れるものではない。

 

税務調査は、税務署員が納税者から申告された申告内容について調査を行い、調査から問題点が見つかった場合には、税法に従った申告や納税に改めさせるために行われます。

税務調査の連絡がきたら、まずはすぐに顧問税理士に連絡をしましょう。顧問税理士はいない場合には、税務調査から立ち会ってもらえる税理士を探して、連絡をとりましょう。税理士の立会いがあるか否かで、税務調査の結果が大きく変わることがあるからです。

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税務調査とは

税務調査というと、映画やドラマのように、ある日突然国税庁の調査官が大勢でやってくるシーンを思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、映画やドラマの税務調査は、国税庁の強制調査捜査の場合であり、中小企業の場合には、このような捜査はまず行われません。

中小企業の場合にやってくるのは、国税庁ではなく税務署の調査官であり、行われるのは強制調査ではなく「任意調査」で、通常はまず電話で連絡がきます。

任意調査とは、その文字の通り納税者の同意を得てから調査が行われる調査ですが、任意だからといって調査を拒絶してしまうと、かえって「怪しい」と疑われてしまいます。

したがって、税務調査から連絡がきたら、まずその場で調査日時などを決定せず「税理士に立ち会ってもらうので、税理士の都合を聞いて折り返し連絡します」と返答して下さい。そして、すぐに顧問税理士に連絡をしてください。
顧問税理士がいない場合には、税務調査から立ち会ってくれる税理士を探しましょう。

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もし調査官から「来週、調査に行きたい」と言われても、「税理士と連絡をとるので、待ってください」と答えればOKです。税理士と日程調整がつかなければ1~2週間日程を伸ばしてもらうことは十分可能です。

(1) 税務調査の目的

税務調査の目的は、納税者が提出された申告の内容が事実に基づき正しく作成されたものか否かを確認することです。簡単に言えば、脱税や税務上の誤りが発見して、追徴課税を行うことです。
税務調査がなかったら、税金をごまかす人と真面目に申告納税している人で、不公平が生じてしまいます。そして、それを放置していれば申告納税制度は崩れてしまいます。
その意味で、税務調査はやらざるを得ない調査ということができます。

(2) 税務調査は増えている?

最近「税務調査が増えた」という声が聞かれるようになりました。
それでは、実際に税務調査は増えているのでしょうか。
国税庁の発表によると、平成30年には法人税等について9万9,000件について実地調査を実施したとされています。これは、前年対比101.3%なのでやや増加していることが分かります。

主な取り組みとしてあげられているのは、海外取引を行っている法人に対する税務調査です。海外の取引先への手数料を水増し計上するなどの不正計算を行うケースについては積極的な調査が行われ、申告漏れ所得金額が大きく増加しているのが分かります。

また、事業を行っているにもかかわらず申告をしていない法人に対する税務調査も増加していることが分かります。

参照:国税庁「平成30事務年度法人税等の調査事績の概要」

(3) 税務調査の主な流れを知っておこう

税務調査は、通常以下のような流れで行われます。

① 調査対象会社の選定
税務署の調査官が調査対象会社を選定します。

② 調査の連絡
調査官が、調査会社もしくは顧問税理士に電話で調査を行う旨の連絡をします。

③ 調査実施
調査官が、会社に来て調査を実施します。

④ 問題点の説明
問題点があった時には、それについて説明し、修正すべき点を確定させます。

⑤ 税務調査
問題点があった時には修正申告書を提出して追加納税をします。
問題点がなかった場合には、「調査結果について問題とすべき事項はなく適正な申告であった」という申告是認通知書を発行してもらうこともできます。

(4) なぜ税務調査対象になったのか

税務調査と聞くと、「疑われているのか」と良くないイメージを持つ人もいるでしょう。
しかし、税務調査は何も疑われているから行われているわけではなく、申告内容に不明点があった場合にその不明点を明確にするために行われているだけ、という場合もあります。
調査対象会社を選定する基準については、税務署で公表されているわけではありませんので「○○の会社が調査対象となる」とか「○年ごとに調査の対象となる」と基準を示すことはできませんが、毎年のように調査対象に選ばれる会社もあれば、10年以上全く調査が来ない会社もあります。

一般的には、3年ごとに調査対象とされるといわれていますが、調査官の人数も限られているので、申告書の金額に何らかの問題点がある会社や、前回の調査で重大な修正事項があった会社が重点的に行われる傾向があります。

税務調査の連絡がくると「なぜ、うちが選ばれたのか」と不安になるものですが、選定基準は非公開であり、調査官の判断に委ねられています。

(5) 税務調査当日の流れは?

税務調査は、作成された帳簿や決算書を確認する作業が行われます。必要に応じて請求書や領収書の提示を求められますので、事前にしっかり準備をしておきましょう。

ロッカーや机を、次から次へと開けていく…などの抜き打ち的な調査はまずありませんが、「このロッカーの中を見せてください」と言われる可能性は十分ありますので、書類などはきちんと整理しておきましょう。

(6) 税務調査が終わった後の流れ

問題点があった時には、その旨を指摘されるので、その都度検討します。
税務調査をした結果、何も問題点が発見されないケースも、もちろんあります。
税理士と協議をした結果、指摘された問題点を認める場合には、修正申告書を提出して追加納税をします。納税は、税務署の指示に従って行います。
問題点がなかった場合には、「調査結果について問題とすべき事項はなく適正な申告であった」という申告是認通知書を発行してもらうことができます。

税理士に立会いを依頼すべき5つの理由

「税務調査と言っても、経理作業も正確に行っているし、きちんと申告をしているのだから、特に問題は起こらないだろう」と考える人がほとんどだと思いますが、税務調査当日になってみると、なかなか冷静に対応することができないものです。
しかし、税理士と事前にしっかりと準備したうえで当日を迎えれば、毅然とした態度で税務署に対応することができるようにあります。
また、税理士と事前に打ち合わせをしておけば、当日はどのような書類が必要なのか、当日どのような質問がされるのかについてもアドバイスをしてもらうことができます。

(1) 税務調査前にしっかり準備ができる

税務調査では、思いもかけない要求をされることがあります。
「この領収書は、どういう目的で誰と一緒に飲食したのか」と何カ月も前の飲食代の領収書について質問されることもありますし、「個人の預金通帳を見せてくれ」と言われることもあります。また、取引先の情報について細かく質問されることもあります。
しかし、証票類をきちんと整理し、税理士とシミュレーションを行っておけば当日に堂々と対応することができます。

また、税務調査は、法人税や所得税だけでなく、相続税についても行われます。
相続税についての税務調査では、入院中の様子や、故人の趣味、交友関係まで聞かれることがあります。当日そのような質問をいきなりされると、「どうしてそんなことまで聞かれなくてはいけないのか」と憤慨し、調査官と対立してしまうケースもあります。
しかし、税理士に事前に「入院中の質問がされるのは、○○の意図があってのことだから、このように回答すればよい」「趣味について質問されるのは、○○の意味で聞いているのだから、そのまま冷静に回答すればよい」とアドバイスを受けていれば、当日冷静に対応することができます。

(2) 税務署の間で調整してもらえる

税理士がいれば、調査当日に調査官に対してまず、訪問目的をしっかり聞いてくれるはずです。相手の訪問目的が明確になれば、調査官は訪問目的以外の調査をすることができなくなるからです。
また、税務調査当日の調査(実地調査)は、「すべてその場で終らせること」が原則です。
したがって、当日に「○○社の契約書を見せてください」「この日の領収書の説明をしてください」という質問がきても、税理士が税務署との間でうまく調整をしてくれれば、調査官は「この会社は、問題ないのかな」と思い始めて、あまりしつこく質問をしてくることはなく、スムーズに税務調査が終わることもあります。

(3) 無茶ない要求を拒絶してくれる

税理士がいれば、税務署との間に立ち、無茶な要求をきっぱりとはねのけてもらうことができます。
たとえば「寝室のタンスの中に通帳があるなら、そのタンスの中を見せてください」と言われても「今は、法人の税務調査であって個人の税務調査ではないはずです。『寝室の中の通帳を持ってきてください』と対応すれば済むはずです。」ときっぱり断ってくれるはずです。

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(4) 態度の悪い調査官に注意してくれる

調査官はほとんどが礼儀正しい方ばかりですが、なかには残念ながら態度の悪い調査官はいます。
税理士が立会いをしていない調査では、素人である納税者を相手に威圧的で横柄な態度をとる調査官もいます。
しかし、納税者がいくら調査に協力的でなくても、人として礼儀を欠いているようであれば、厳重に注意してもかまわないのです。
税理士が立会いをしていれば、その調査官に対し、態度や言動を改めるように厳重に注意してくれます。また、税務署長などに対して文書等で講義をして、その調査官の態度を改めさせることもできます。

(5) 税理士がいるか否かで結果が変わる

税務調査では、税理士の力量次第で結果が大きく差が出ることはありません。
しかし、税理士の立会いがあるか否かでは、税務調査の結果が大きく変わることはよくあることです。
税理士は、調査の流れを熟知していますので、どこで何を聞かれるのか理解し必要に応じてフォローをしてくれます。また、税法の枠の中だけでなく、総合的な判断から税務署に反論をしてくれます。

ただし、明らかな税法上の誤りがあったり、法定帳簿書類が提示できなかったり、明らかな所得隠しがあったりする場合には「それでも税務署に正当性を主張してくれ」と税理士に依頼することはできません。
もしこのような事情がある場合には、事前に税理士に包み隠さず打ち明けて、必要な準備をしておくことをおすすめします。

まとめ

以上、税務調査で税理士に立会いを依頼すべき5つの理由についてご紹介しました。
税務調査の連絡がくると、やましいことが何もなくても不安になるものです。
しかし、税理士と事前にしっかり準備を行い当日に備えれば、調査はスムーズに進むものです。当日は相手の質問に対して、簡潔に必要なことだけ答えるように心がけ、あとは税理士に任せることができます。

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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」

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