事業再生

事業再生について知る

事業再生とは

事業再生とは、経営不振に陥っている企業の事業を再建して経営の健全化を図ることを目的とし、さまざまな施策を行うことをいいます。

事業再生については国としてもさまざまな支援体制を行っていますが、その背景としては、リーマンショックによる世界的な経済不況のなか、中小企業の倒産を防ぐために施行された「中小企業金融円滑化法」が2013年に終了したことも一因として挙げられています。

「中小企業金融円滑化法」とは、金融機関が中小企業や住宅ローンの借り手の申込みに対し、返済条件の変更について柔軟に対応するよう努力義務を定めた法律です。
金融庁は、「円滑化法が終了しても、金融機関が引き続き円滑な資金供給や貸付条件の変更等に努めるべきということは、今後も何ら変わらない」としていますが、中小企業を取り巻く経済状況はますます厳しく、事業再生の支援を求める中小企業は多いことに変わりはないというのが実情です。

こうした経緯を受けて、国は中小企業の再生を支援するさまざまな施策を設けています。代表的な対策としては、税理士、会計士や弁護士、中小企業診断士などの認定支援機関による「経営改善計画の策定支援」や、全国の中小企業再生支援協議会に専門家を派遣し中小企業の経営改善をめざす「再生支援協議会の強化」、企業再生支援機構を改組した「地域経済活性化支援機構による事業再生等」などがあります。

たとえば、中小企業再生支援協議会では、中小企業の再生に向けたさまざまな取り組みを支援しており、都道府県ごとに設置されていて、中小企業診断士や税理士等による支援チームが再生計画の策定支援や関係金融機関との調整などのサポートを行っています。

中小企業庁「経営サポート「収益力改善・再生支援・再チャレンジ支援」」

事業再生の方法

経営者のなかには、事業再生のノウハウがないなどの理由から事業再生を前向きに検討しない人もいますが、経営者には従業員に対する責任があります。それに、自社が倒産すれば、取引先が連鎖倒産するケースもあるかもしれません。

もちろん、さまざまな方法を検討した結果、事業譲渡や会社分割、会社の清算がベストだと判断されるケースもあるでしょう。しかし、まず主眼として検討すべきはやはり「事業再生」です。

実際、専門家にアドバイスを受ければ、事業再生は十分可能なケースが多いものです。会社を清算するのではなく債務の一部免除や弁済期の繰延などを行いながら、収益力・競争力のある事業を再生し、経営改善できるケースは多々あるのです。

事業再生の方法は、大きく法的整理と私的整理に分けることができます。
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法的整理
法的整理とは、端的に言えば裁判所を通して会社整理を行うことです。
会社更生法による法的整理は、時間と費用がかかることから主に大起業で利用されます。裁判所の任命した管財人の下で手続きが勧められることになり、代表取締役などの経営者は退任する必要があります。

民事再生法法的整理とは、裁判所に再生手続きの申立てを行い、進められる再生手続きです。原則的に現経営者が手続きを進めるという点で、管財人が手続きを進める「法的整理(会社更生法)」と異なります。

私的整理
債務者と債権者の話し合いなどの方法で、再生手続きを進める方法です。
法的整理のように多数決によって、少数者の権利が変更または制限されることはありません。
法的整理と比較すると、迅速かつ低廉に進められるというメリットのほか、私的整理が成功すれば取引先との取引を維持することができ、顧客に引き続きサービスを行いながら、経営を継続することもできるというメリットがあります。
私的整理については、平成13年の政府の「緊急経済対策」を受け結成された「私的整理に関するガイドライン研究会」による私的整理に関するガイドラインが公表されています。
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事業再生においては、まずは私的整理を目指すべきで、法的整理は最後の手段にすべきです。私的整理を進める過程で、どうしても債権者の協力が得られず競売など法的手段に備える必要が生じた時には、民事再生法を検討することになります。

税理士選びを事業再生から学ぶ

税理士に依頼するメリット

事業を再生させるためには、まず「事業再生計画」を作成することが重要であり、事業再生に精通している税理士にはこの「事業再生計画」の策定を依頼することができます。

なお、正常債権に分類されている企業の「事業計画」と、不良債権に分類されている企業の「事業再生計画」は根本的に違います。

「事業計画」ではあえてリスクをとるケースもありますが、「事業再生計画」ではリスクではなく実現可能性を求めるべきです。金融機関に事業再生の協力を求めるならば、「事業計画」ではなく「事業再生計画」を作成しなければなりません。

事業再生について豊富なノウハウを持つ税理士は、キャッシュ・フローを検討し損益計算書(P/L)を確認したうえで、実現可能性が高い「事業再生計画」を提案することを重視します。

税理士の作成する「事業再生計画」が成功する確率が高いのは、「事業計画」と「事業再生計画」の違いを熟知していること、そし損益計算書(P/L)の緻密な分析と実現可能性の重視によるものといえるでしょう。

税理士によるサポート

税理士は、決算申告等の業務だけでなく、資金繰りの悪化、債務超過、過剰債務など、中小企業の抱える問題をさまざまな手法で支援します。

事業再生においては、過去と現在の経営成績、財政状態を正しく表す財務諸表に基づいて経営者とともに将来の事業(再生)計画を作成します。
この時、体裁の良い立派な計画書を作成しても意味はなく、確実性・信頼性が高く、内容に説得力がある計画書が必要となります。
債権者や金融機関にとっては、体裁よりも正しい情報に基づいた実現可能な計画であることが何よりも重要であり、税理士もこの点を熟知したうえで計画書を作成します。

さらに、事業再生に関する交渉や手続きも、経営者が単独で行うことは困難で、税理士のサポートが欠かせません。細かい質問の答えに窮した時に、専門家である税理士の支援があれば経営者にとってこれほど頼もしいことはありませんし、金融機関にとっても数値の正確性が担保された回答を期待できるからです。

税理士のサポートを受けるためには、そのサポートに対する報酬が発生しますが、経営者にとってはそれを上回る価値があるのは言うまでもありません。また、税理士にとっては大切な関与先を守るという意味で意義のある業務でありますし、正当な報酬を受ける新たなビジネスチャンスともなります。経営者、税理士の双方にとって、プラス効果が期待されるというわけです。

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また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるのであわせてご利用ください。

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事業再生に強い税理士を探す

事業再生の方法は、資産譲渡・事業譲渡・会社分割・会社譲渡など、さまざまな方法がありますが、
いずれの方法によって事業再生を実現すべきかについては、個々のケースによって異なります。
たとえば、資産譲渡・事業譲渡・会社分割では、株主総会の特別決議が必要になりますし、事業譲渡では債権者の承諾が不可欠です。
それぞれの内容、メリット・デメリットを検討し、必要な対策を確認するためにも、まずは税理士に相談することをおすすめします。

下記から探すことができるので、検索してお問い合わせしてみてはいかがでしょうか?

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