事業再生

事業再生について知る

事業再生とは

事業再生とは、経営不振に陥っている企業の事業を再建して経営の健全化を図ることを目的として、さまざまな施策を行うことをいいます。

事業再生については、国としてもさまざまな支援体制を行っていて、代表的な対策としては、税理士、会計士や弁護士、中小企業診断士などの認定支援機関による「経営改善計画の策定支援」や、全国の中小企業再生支援協議会に専門家を派遣し3,000社以上の経営改善をめざす「再生支援協議会の強化」、企業再生支援機構を改組した「地域経済活性化支援機構による事業再生等」などがあります。

事業再生支援施策を強化している背景としては、リーマンショックによる世界的な経済不況のなか、中小企業の倒産を防ぐために施行された「中小企業金融円滑化法」が2013年に終了したことも一因として挙げられています。

「中小企業金融円滑化法」とは、金融機関が中小企業や住宅ローンの借り手の申込みに対し、返済条件の変更について柔軟に対応するよう努力義務を定めた法律です。
金融庁は、「円滑化法が終了しても金融機関が引き続き円滑な資金供給や貸付条件の変更等に努めるべきということは、今後も何ら変わらない」としていますが、中小企業を取り巻く経済状況はますます厳しく、事業再生の支援を求める中小企業は多いことに変わりはなく、そのような状況を受けて、国がさまざまな施策を行っているのです。

事業再生の必要性

経営者のなかには、「後継者がいない」という理由や、事業再生のノウハウがないなどの理由から、事業再生を前向きに検討しない人もいます。

○金融庁「抜本的な事業再生への課題について」
しかし、それではその会社で働いている従業員に対して無責任と言わざるを得ませんし、自社が倒産すれば、取引先が連鎖倒産するケースもあるかもしれません。

もちろん、さまざまな方法を検討した結果、事業譲渡や会社分割、会社の清算がベストだと判断されることもあるでしょう。しかし、まず主眼として検討すべきはやはり「事業再生」のはずです。

実際、専門家にアドバイスを受ければ、事業再生は十分可能なケースが多いです。
例えば、会社を清算するのではなく債務の一部免除や弁済期の繰延などを行いながら、収益力・競争力のある事業を再生し、経営危機の企業を救うことが可能なケースもあります。

事業再生の方法は、大きく法的整理と私的整理に分けることができます。


○法的整理(会社更生法)
会社更生法による再建の手法で、時間と費用がかかることから、主に大起業で利用されます。裁判所の任命した管財人の下で手続きが勧められることになり、代表取締役などの経営者は、退任する必要があります。


○法的整理(民事再生法)
裁判所に再生手続きの申立てを行い、進められる再生手続きです。
原則的に現経営者が手続きを進めるという点で、管財人が手続きを進める「法的整理(会社更生法)」と異なります。


○私的整理
債務者と債権者の話し合いなどの方法で、再生手続きを進める方法です。
私的整理が成功すれば、取引先との取引を維持することができますし、顧客に引き続きサービスを行いながら、経営を継続することもできます。
私的整理については、平成13年の政府の「緊急経済対策」を受け結成された「私的整理に関するガイドライン研究会」による私的整理に関するガイドラインが公表されています。


事業再生においては、まずは私的整理を目指すべきで、法的整理は最後の手段にすべきではありますが、最終的な手段としては、法的な事業再生も選択肢のひとつとして検討する可能性はあります。

税理士選びを事業再生から学ぶ

事業再生について税理士に依頼するメリット

事業を再生させるためには、まず事業再生計画を作成することが重要です。
事業再生計画を作成するためには、まずキャッシュ・フローを検討することが必要で、その際重視すべきなのが、損益計算書(P/L)です。

事業再生について豊富なノウハウを持つ税理士は、この損益計算書(P/L)を分析・モニタリングし、事業再生計画を作成します。

税理士は、損益計算書(P/L)を緻密に分析・モニタリングしたうえで、実現可能性が高い計画を提案することを重視します。
事業計画ではあえてリスクをとるケースもありますが、事業再生計画ではリスクではなく実現可能性を求めるべきケースがほとんどだからです。
税理士の作成する事業再生計画が成功する確率が高いのは、このような緻密な分析と実現可能性の重視によるものです。

税理士による事業再生サポート

税理士は、資金繰りの悪化、債務超過、過剰債務など、中小企業の抱える問題をさまざまな手法で支援します。
依頼を受けたら、まず過去の経営実績、賃借対照表を精査し、税務上の繰越損失等を明白にしたうえで、再生か清算かの方針を決定します。
そして具体的な検討材料として、再生計画案と精算賃借対照表を作成します。場合によっては再生計画を裁判所に申立て、弁護士などの他士業と連携しながら、サポートを行うこともあります。

また、自力で再生することが困難な状況と判断した場合には、スポンサー企業を見つけてその支援を受けたり自社の売却も検討したりすることもあります。
たとえば、「事業再生M&A」という手法では、スポンサー企業が、その会社の事業を継続させ、それによって得られる将来の利益を原資として、スポンサーが投資し、債権者への弁済金を支払うことで事業を再生させることができます。

ただし、負債を抱えた企業をそのまま買収する企業を見つけることは困難ですし、事業再生M&Aを実現するためには、豊富なノウハウを持つ綿密なスキームの策定・分析、契約書・手続書類等の関係書類の作成、経営陣の法的責任の分析・助言など、時間をかけて計画を作成し実行することが必要になります。

事業再生に強い税理士を探す

事業再生の方法は、資産譲渡・事業譲渡・会社分割・会社譲渡など、さまざまな方法がありますが、
いずれの方法によって事業再生を実現すべきかについては、個々のケースによって異なります。
たとえば、資産譲渡・事業譲渡・会社分割では、株主総会の特別決議が必要になりますし、事業譲渡では債権者の承諾が不可欠です。
それぞれの内容、メリット・デメリットを検討し、必要な対策を確認するためにも、まずは税理士に相談することをおすすめします。

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