企業経営においては、従業員は「人財」と表現されるほど重要な存在です。
そして、この人財を有効に活用するためには、適切な労務管理とマネジメントが非常に重要です。
人材と企業は、長期的な価値を高めていくという目標に向かって、共同で投資をしていくべき存在です。
労務人事の仕事は、会社の事業計画に従業員の業務・能力を結びつけ、最大限に活用し業績に反映することです。
そして人事・労務コンサルとは、適切な労務管理や人材マネジメントを行うために、経営者・従業員の意識改革を行いながら人事評価の見直し、労働環境の改善を行ったり、労務トラブルを未然に防ぐための管理体制を構築したりする業務を行うコンサルタントをいいます。
残業代の未払い、不当解雇、雇い止め、パワハラ、セクハラなどの労働トラブルが万が一発生すれば、損害賠償請求されることがあります。最悪のケースでは、会社の経営の存続の危機にまで及び倒産という事例も少なくなくありません。実際「労務倒産」という言葉が存在するほどです。
まず、使用者(会社など)は、労働者が職場において安全に労務に従事できる職場を整備しなければならないという義務を負っており、労働者にケガや病気などの損害が生じて、会社の安全配慮義務違反が認定された場合には、会社は債務不履行責任(民法415条)や不法行為(民法709条)、使用者責任(民法715条)に基づく損害賠償責任を負います。
また、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律」が成立し、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」が改正されたことで、職場におけるパワーハラスメント防止対策が事業主に義務づけられることになりました(中小事業は2022年4月1日から義務化)。
厚生労働省「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました」
労働トラブルを未然に防ぐために、労働時間や賃金等の基本的な労働条件を定めた就業規則を作成したり、毎年のように改正されている労働基準法、労働契約法など諸法令に基づき、法令遵守の管理体制を構築したりすることが大切です。
会社経営に欠かせないものとして、ヒト・モノ・カネと言われます。
従業員が納得できる管理や評価を行わないと、従業員が本来の能力を十分に発揮できないうえに、不平不満や批判が出てしまうリスクがあります。
したがって、適切な人事評価を行うことは、会社の生産性にも関わる重要な課題といえるのです。
人事マネジメントの大切な目的は、従業員の活用と育成ですが、そのうえで、一人ひとりがどうすれば活用できるかこれからどう成長するべきかを検討し、異動・配置・仕事のアサイン等を考えなければなりません。
人事マネジメントを適切に行い、従業員を有効に活用し育成しなければ、企業の成長は期待できないと行っても過言ではないのです。
人事労務は会社の売り上げには直結しないと思われがちですが、実は人事労務を改良することは、会社という体内に流れる血液の循環を良くし、企業の成長促進に直結します。
「人事評価が不満」という理由で大切な人材を失わないためにも、適切な評価制度を作成し社員への意識調査から改革していく必要があります。
人事評価の対象は、まずは仕事の結果ですが、そのほかにも行動や個人的特性を加味することも重要です。
また、OJTによる人材育成を科学的根拠のあるものにしていくだけで、社内の人材の能力は飛躍的に向上することがあります。
また、労働トラブルも増加傾向にあるなかではサービス残業、解雇の問題などの労働トラブル防止のためには、十分な監視体制の整備することも必要となります。
採用・教育・人員配置・昇格降格等などの「人事管理」、保険・待遇・福利厚生・職場環境等の「労務管理」を整備することは、企業にとって不可欠な「人」という資源を管理・活用するための重要な要素なのです。
社会保険労務士に相談すれば、人事評価制度の導入や労務管理の整備はもちろん、トラブルを未然に防止するための雇用契約書や就業規則、給与規定の作成、従業員の募集および採用などまでサポートしてもらうことができます。
社会保険労務士(社労士)は、労働保険・社会保険・年金を専門とするスペシャリストとして、目標管理、評価制度、賃金制度の構築といった人事に関する体制を構築したり、コンプライアンス対策、労働紛争未然防止策などの労務から、従業員の入退社手続きなどさまざまな業務をサポートしてくれます。
社会保険労務士に依頼できる労務・人事の主な仕事としては、以下のような業務があります。
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会社設立時
労働保険新規手続き
社会保険新規手続き
社内規定の整備
雇用契約書の作成・改定
就業規則の作成・改定
給与規定の作成・改定
人事評価制度の導入
評価制度の選定、構築
研修制度の活用
従業員の募集・採用
募集条件の設定
面接時の確認事項の選定
雇用契約の締結
従業員の入退社時の手続き
雇用保険加入手続き
社会保険加入手続き
雇用保険喪失手続き
社会保険喪失手続き
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労務コンサル(給与規定/就業規則作成など)
「就業規則」とは、従業員に対して労働条件を明示し、職場内での遵守すべき規律を規定するものです。
就業規則は、常時10人以上の従業員を雇用する場合は労働基準監督署への届出が必要となります。
最大限人材を活用して企業を発展させるためには、個々の企業の状況に合わせて最適な就業規則を作成することが重要です。
「給与規定」とは、基本給、手当、賞与、退職金などを規定するものです。
給与規定は就業規則の一部として定められることがありますが、就業規則○条として「給与に関しては別に給与規定に定める」として別規定にすることもできます。
人事コンサル(評価制度策定など)
評価制度は、会社の経営理念や従業員に期待する行動指針に基づいて作成する必要があります。
人事評価の結果を、的確に昇格、昇給、賞与に反映させる仕組みを作らなければ、評価制度が機能せず、結果的に達成感や使命感を持ちにくい状態となってしまい、業績に影響を与えかねません。
評価制度を策定目的は、単に社員の賃金や賞与を決めるためだけのものではなく、社員のモチベーションを向上し業務効率化のためのシステムを構築することです。
労務リスク対応(労基署対応など)
会社は、多くの人が集まった「組織」なので、さまざまなトラブルが発生するリスクがあります。このようなトラブルを防止するためには、会社のコミュニケーションを円滑に行うことが重要です。
コミュニケーションを円滑に行うためには、労働協約や労使協定の締結はもちろんですが、労使間での日常的な情報交換も重視する必要があります。
そのためには、セミナーや研修会を実施することが有効な場合もあります。
下記から探すことができるので、検索してお問い合わせしてみてはいかがでしょうか?