公開日:2019年11月28日
最終更新日:2023年10月29日
フランチャイズは、独立・起業するうえで多くのメリットのあるビジネススタイルではありますが、いくつかの注意すべき点があることも事実です。
この記事では、フランチャイズの基礎知識やメリット、デメリットについてご紹介します。
フランチャイズ(Franchise)とは、本来は人や会社などに特権を与えるという意味の英単語です。特権を与える者を「フランチャイザー(本部)」といい、特権を与えられるものを「フランチャイジー(加盟店)」といいます。
フランチャイズに加盟する人・法人(加盟店)、本部、親企業が、加盟店に商号・商標とともにお店の看板、確立されたサービスシステムや商品を使う権利を与え、その対価として加盟店は加盟金とロイヤリティを本部に支払います。
このようなビジネススタイルを「フランチャイズビジネス」といいます。
本部(フランチャイザー)は、これまでの数多くの経験に基づいて得たノウハウや流通(商号・商標などを使用する権利、開発した商品やサービスを提供する権利、営業上のノウハウなど)を構築してパッケージにします。これらを総称してフランチャイズパッケージと呼びます。
本部(フランチャイザー)が加盟店(フランチャイジー)に与えるフランチャイズパッケージは、本部の方針によって異なりますが、主に次の3つを挙げることができます。
①本部の商号、商標、看板、サービスマーク、チェーン名称を使用する権利 ②本部が開発した商品やサービスを使用し、経営上のノウハウを提供される権利 ③本部が継続的に行う指導や援助を受ける権利 |
---|
つまりフランチャイズ本部は、契約後も加盟店に対して多方面から継続的にサポートを行います。
具体的には、本部の担当者はスーパーバイザーとしてマネジメントやマーケティング面で情報提供やアドバイスを行います。
具体的にフランチャイズ契約を締結する際には、フランチャイズの用語について正しく理解しておく必要があります。
ここでは、フランチャイズに関連する主な用語をご紹介します。
フランチャイザー フランチャイズ本部のこと。 商標、ノウハウ、サービスマークなどを所有し、フライチャイジーに使用許諾を与える事業者。 フランチャイジー フランチャイズパッケージ フランチャイズチェーン 加盟金 ロイヤリティ スーパーバイザー |
フランチャイズとは、いわば成功モデルのパッケージを買うことです。
ブランド力もあり、開業後も本部のサポートがあるので安心できますし、個人で開業するよりもはるかに少ないリスクで独立することが可能です。
フランチャイズの最大の魅力が、ブランド力があるということでしょう。
消費者としては、知っているブランドであれば安心感を持つことができますので、利用しやすくなります。このブランド力を活用することで、経営未経験者や業界知識がない方でもスピード感かつ安定的な経営を行うことが可能となるわけです。
フランチャイズ契約の締結時には、加盟料を支払う必要があります。
加盟料は個々のフランチャイズによって異なりますが、数百万円~数千万円単位に及ぶケースも少なくありません。
しかしフランチャイズは、個人事業主などと比較するとはるかに信用度は高く、銀行からの融資が受けやすくなります。
フランチャイザーから経営上のノウハウを提供してもらえるというのも、フランチャイズのメリットのひとつです。
このノウハウのなかには、以下のような内容が含まれます。
・教育・訓練プログラム ・経営、運営のサポート ・広告、セールスプロモーション ・店舗立ち上げのノウハウ・サポート ・資材、原料の仕入れ ・メニュー、サービス内容のノウハウ ・マーケティング、情報提供 |
消費者を飽きさせない商品を開発し続けていくのは大変難しいことです。しかし、フランチャイズはこれまでのノウハウをもとに消費者のニーズに合わせた商品開発を行っていくことができます。
さらに、これまでの実績をもとに、店舗経営、人材育成などさまざまな面でノウハウを提供してもらうことができます。また、物件開発や家賃交渉などを行ってくれることもあります。
また、フランチャイズは資本力がありますので、テレビなどのマスメディアを使った大規模なPRを行うことができます。
つまり、フランチャイズ本部が長年かけて培ってきたノウハウを、最大限活用しながら、経営者としてビジネスを展開していくことができるのです。
独立・起業の方法としてフランチャイズを検討する場合には、フランチャイズはメリットばかりがあるわけではありません。
したがって、フランチャイズビジネスを始める時には、フランチャイズのデメリットを知っておくことが必要です。
フランチャイズの加盟店は、本部に加盟料とロイヤリティを支払う必要があります。
ロイヤリティの額は、それぞれの本部によって異なりますが、一般期には売上の3~5%です。
たとえば、ドトールコーヒーの場合、加盟するためには以下の加盟金、出店準備金などを支払う必要があります。
チェーン加盟金:150万円 (別途消費税) 出店準備金:1店舗につき150万円 (別途消費税) 加盟保証金:150万円 出店保証金:1店舗につき150万円 研修費:1名につき 20万円(別途消費税) 設計管理料:110万円+(契約坪数-10坪)×4万円(別途消費税) 参照:ドトールコーヒー |
加盟金とロイヤリティについてはそれぞれの本部の方針にもよりますが、利益が思うように上がらないときでも、ロイヤリティの支払いが発生することもあり、これが大きな負担となる場合があります。
フランチャイズでは、ほとんどのことがマニュアル化されています。フランチャイズ本部が決めたユニフォームを着て、フランチャイズ本部が決めた手順やルールに従って、サービスや商品を提供しながら運営しなければなりません。したがって、自身で起業した場合と比較すると自由にできる部分はかなり少なくなります。
たとえば、自分のオリジナル商品を開発することもできなくなります。
また、フランチャイズ本部は多くの場合で離職後一定期間は同業種で起業できないという契約上の縛りをかけています。
これもフランチャイズのデメリットといえるでしょう。
同じチェーン店で問題が起きると、それが自分の店舗にも影響が出ることがあります。
記憶に新しいところでは、ある外食チェーン店のアルバイトが、勤務中に店の施設でふざけて遊んでいるところを撮影しそれがSNSで拡散され、多大な影響を被った事件がありました。
このように他店で起きたトラブルでも、命取りとなってしまうのが食品業界です。食品業界以外でも、介護施設や塾などではイメージダウンにつながることもあるでしょう。
消費者からみれば、フランチャイズの店舗はどこも見た目は一緒なので、同じように見られてしまうのです。
以上、フランチャイズで独立することのメリット・デメリットについてご紹介しました。これまでご紹介したように、フランチャイズは「ブランド力がある」「資金調達しやすい」など多くのメリットがありますが、自分の好きなようにビジネスをすることはできませんし、ロイヤリティの支払も必要です。
また、店舗のデザインや商品の開発も思うように行うことができません。
自分が行いたいビジネス・目指す生き方・働き方なども十分に検討したうえで、納得のいくフランチャイズ選びをするようにしましょう。
freee税理士検索では数多くの事務所の中から、フランチャイズの加盟や、その他の起業について相談できる税理士を検索することができます。
また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。
税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。
フランチャイズについて相談できる税理士をさがす
監修:「クラウド会計ソフト freee会計」
クラウド会計ソフトの「クラウド会計ソフト freee会計」が、税務や経理などで使えるお役立ち情報をご提供します。
「クラウド会計ソフト freee会計」は、毎日の経理作業を最小限で終わらせることができるクラウド型会計ソフトです。疑問点や不明点は、freee税理士検索で税理士を検索し、フランチャイズによる開業について相談することができます。