公開日:2019年12月13日
最終更新日:2022年07月26日
現金出納帳とは、現金の出入りがあった時に入力する帳簿で、家庭のお金の出入りを記録する家計簿のようなものです。
主に事業用の金庫やレジから出し入れした金額と帳簿の残高が一致しているかどうかを確認するために作成します。
現金出納帳は、日常的にこまめに入力作業が必要な帳簿であり、もっとも出番の多い帳簿ということができます。
この記事では、この現金出納帳の意味や管理法、会計ソフトを活用するメリットなどについてご紹介します。
現金出納帳とは、現金の出入りがあった時にその内容を入力する帳簿です。帳簿はいくつも種類がありますが、現金出納帳はそのなかのひとつで、日々の現金の出入りと帳簿の残高が一致しているかを確認するために作成する帳簿であり、ちょうど、家庭のお金の出入りを記録する家計簿に似ています。
現金出納帳は、事業用の金庫やレジから出し入れした金額と帳簿の残高が一致しているかどうかを確認するために作成します。
金額の大きな出し入れは、通常銀行振り込みで行いますが、交通費の精算や事務用品などの消耗品の清算といった金額の少ない出し入れは現金で管理することが多いものです。
そこで、現金の入出金を記録するために入金伝票や出金伝票を起票し、現金出納帳などの帳簿に記載します。現金は頻繁に出し入れをするので、できればそのつど領収書などの記載を確認し、帳簿の残高と実際の現金の残高が合っているかを確認します。
帳簿はいくつも種類がありますが、現金出納帳は、そのなかのひとつで、日々の現金の出入りと帳簿の残高が一致しているかを確認するために作成する帳簿です。
事業を行ううえでは、「事務用品の購入」「仕入代金の支払い」「預金をおろす」など日々、何かと現金が動くものです。この現金の動きを記録するのが現金出納帳です。
たとえば、現金を支払う時には「いつ、何のために、どこに、いくら支払ったのか」という内容を記載します。また、現金が入金した時は「いつ、何のために、どこから、いくらお金が入金されたのか」を記載します。
入金 売上代金(現金のほか、小切手や郵便為替も含む)、現金の引き出し、従業員の出張旅費の仮払いを清算したことによって戻ってきたお金 出金 |
現金のやりとりは、領収書などをもとにして行いますが、領収書をため込んでしまうと「何に使ったものか」といった記憶が頼りになるので、できるだけその日のうちに入力を済ませてしまいましょう。
現金出納帳には、日付、項目、摘要、入金、出金、残高を記入します。
①日付
お金の入金・支払いがあった日付を記入する項目です。日付順に記入していき、同じ日に収入や支出があった場合、それぞれ別の欄に記入します。
②項目
取引を分類する「勘定科目」を記入します。
勘定科目とは、収入や支出などお金がどこから入ってきて、どのような費用になるのかを把握するためのもので、「交通費」「光熱費」「雑費」「交際費」「租税公課」などがあります。
③摘要
収入・支出の具体的な内容を記入します。
勘定科目「事務用品費」であれば、摘要欄には「コピー用紙購入」など詳細を記入します。銀行に入金、引き出した時にも、「○○銀行へ入金・□□銀行より出金」と記載します。
④入金・出金の額
入金・出金した金額を記載します。
⑤差引残高
現金出納帳は、現金残高を必ず記入します。そして、その日のうちに実際の現金と付き合わせます。
現金出納帳は、数多くある帳簿のひとつです。
そこで、現金出納帳以外の帳簿の名前と意味も知っておきましょう。
帳簿には、簿記の基礎となる「主要簿」と、その主要簿の記録を補うための「補助簿」があります。
主要簿は、総勘定元帳と仕訳帳で、現金の動きや残高、増減した取引の内容が示されます。そして、この主要簿をもとに貸借対照表・損益決算書といった決算書が作成されます。
補助簿は多くの種類がありますが、すべてを作成する必要はなく、各会社で必要に応じた補助簿を決定します。デザイナーやライターなど、仕入が必要ない仕事なら買掛帳を作成する必要はありませんし、掛け取引を行わず完全に現金商売の場合には、売掛帳や買掛帳の必要はありません。
帳簿の名前 | 内容 |
---|---|
現金出納帳 | 現金の動きを管理するための帳簿。日付、取引内容、入金や出勤の金額と現金の残高を記録するための帳簿。 |
預金出納帳 | 銀行預金の動きを管理するための帳簿。日付、取引内容、預入金額や引き出し額、残高などを記録するための帳簿。 |
売掛金台帳 | 受取手形の動きを管理するための帳簿。手形の振出日や番号、相手先名や振出人名、期日や金額等を記載する。 |
買掛金台帳 | 買掛金の動きを管理するための帳簿。仕入先ごとに仕入れの発生と代金の回収を記録し、未回収の残高が常に分かるようにしておく。 |
固定資産台帳 | 固定資産を管理するための帳簿。資産の名称や購入年月日、耐用年数減価償却の履歴などを記録する。 |
有価証券資産台帳 | 有価証券の銘柄ごとに取得価額、所有数などを管理するための帳簿。有価証券の購入、売却なの履歴などを記録する。 |
現金出納帳は、事業用の金庫やレジで現金の出入りがあったとき(現金売上が入った、売掛金を現金で回収した、現金を引き出して事業用の金庫や財布に加えた)といった場合に使用します。
事業用の金庫やレジから出し入れした金額と、その残金が合っているかを確認することで、現金の動きを正確に把握することができますし、現金の残高を確認することで不正などのリスクを回避することができます。
現金出納帳の作成が必要な理由の1つは、「現金の取引を正確に把握し可視化できる」という点です。
現金売上が入った、売掛金を現金で回収した、預金を引き出して事業用の倉庫や財布に加えた、など日常では現金の出入りが頻繁にあります。
このように、どこでいつ、どのように入出金があったのかを記録することは、事業を行ううえで正確な数値を判断するために欠かせません。
毎月のお金の出入りを把握すれば、たとえば「お金が多めに出ていく週が1カ月のうちいつ頃なのか」といった傾向をつかみやすくなり資金繰りに役立てることも可能となります。
現金出納帳の作成が必要なもう1つの理由が、不正なお金の使い込みを防止できるという点です。残高と金庫やレジの現金の有り高は一致しなければなりませんので、現金出納帳と実際の現金の額を毎日チェックすれば、不正行為のリスクを回避することができます。
現金出納帳があれば、万が一現金残高と帳簿の数字が合わない場合に追跡する材料となります。
現金管理は、必ずリスクがついて回るものですので、リスク回避をするための対策は非常に大切です。
言うまでもありませんが、現金残高管理は、大変重要です。
必ず1日の終わりに実際の現金と付き合わせ、取引を始める前の現金残高と1日分の入金・出金の合計をプラスマイナスした金額が、最終現金残高と一致していることが必要です。
ルールに従って作成すれば現金残高が合わないということはありませんが、どうしても入出金の金額が合わない場合には、いったん「現金過不足」という勘定科目に入れます。そして、金額が合わない理由が分かった時点で修正します。
ただし、これは緊急事態のやむを得ない対処法です。
担当者が勝手に判断して、「現金過不足」の勘定科目に入れればよいというわけではなく、必ず上司の了承を得たうえで行うよう徹底しておく必要があります。
日々管理が必要な現金出納業務を効率的に管理をしたい方は、クラウド会計ソフト「freee会計」の活用がおすすめです。
「freee会計」は、「この取引はどの勘定科目に仕訳をすればよいのか」といった場合でも、直感的に作業できるよう工夫されています。
現金出納帳の代わりとして活用することができる「現預金レポート」を自動作成されますし、他の帳簿まで自動で作成されます。
さらに「freee会計」はネットバンキングやクレジットカードを同期することにより、明細が自動反映され
取り込んだ明細は、「freee会計」の「自動で経理」という機能によって、各帳簿に反映されるため簡単に帳簿付けできます。とくに現金取引が少ない場合は効率よく経理作業を行うことができます。
「freee会計」は、レポート機能が充実していて、さまざまレポートを活用して経営状態を分析することができます。
このレポート機能も、ネットバンキングやクレジットカードを同期することで、自動反映されます。
レポートの種類 | 使い方のアイディア |
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収益レポート |
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費用レポート |
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損益レポート |
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売掛レポート |
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買掛レポート |
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現預金レポート |
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資金繰りレポート |
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集計表 |
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現金出納帳は、毎日の現金のやりとりを発生順に記録していく帳簿です。
支払のつど領収書を受け取って、その内容を入力します。
現金の支払いを減らせば記入する回数も減りますので、クレジットカードなどを利用して支払いをすればミスも減ります。
さらに、会計ソフトとクレジットカードを連携させれば、会計ソフトに「水道光熱費 摘要:東京電力 9月21日 9,000円」といった数字が自動で記帳され、その登録は次回から自動化することもできるので、入力作業の負担を大きく軽減することができます。
手作業が減ることで入力ミスや確認作業を削減できるというメリットもあります。
クラウド会計ソフトfreee会計「銀行口座・クレジットカードとの同期のメリットや流れ」
事業の内容によっては現金出納帳以外にも作成すべき帳簿がありますので、自社の場合にはどの帳簿を作成しなければならないのかについては、税理士のアドバイスに従いましょう。
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税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。
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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」
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