つみたてNISA|一般(新)NISAとの違いは?2024年からどう変わる?

公開日:2019年04月13日
最終更新日:2022年05月02日

この記事のポイント

  • つみたてNISAとは、少額からの長期&積立&分散投資できる非課税制度。
  • つみたてNISAの新規投資額は、毎年40万円が上限。
  • つみたてNISAの非課税期間は、最長20年間。

 

つみたてNISAとは、投資初心者などで数多くある投資商品からどれを選べばいいのか分からない人に、選ばれやすいしくみの少額投資非課税制度です。

つみたてNISAは、もともと非課税で運用できる新規の買い付けは2038年まででしたが、この期間が5年間延長され、2042年までとなりました。

つみたてNISAとは

つみたてNISAとは、平成30年(2018年)にスタートした、つみたてタイプのNISAです。
日本に居住する20歳以上の人が対象で、非課税枠の上限は40万と従来のいわゆる「一般NISA」と比較すると少額であるかわりに、最長20年という長期運用をすることができるので投資ビギナー向けの制度として注目されています。
つみたてNISAの主な特徴は、以下の5つです。

① 20歳以上で日本に住む人なら加入できる
日本に居住する20歳以上が対象です。

②口座は1人1口座と決まっています。
特定口座(上場株式等の売買で発生した1年間の損益を計算してくれる金融機関の口座)と異なり、複数の金融機関に口座開設手続きを行うことはできません。

③非課税枠の上限は1年で40万円
新規投資額は毎年40万円が上限です。「一般NISA」の非課税枠が年間120万円(2024年からは122万円)であることと比較すると少額ではありますが、最長20年という長期で運用することができます。

④非課税期間は20年
非課税期間は20年です。非課税の年間投資額は40万円なので、40万円×20年の最大800万円まで非課税で運用することができます。

⑤つみたてNISAと一般NISAは、併用不可
つみたてNISAは、一般NISAと併用することはできません。
ただし、一般NISAからつみたてNISAに変更することは可能です。

⑥口座開設できるのは、2018年から20年間
口座を開設できるのは2038年まででしたが、5年間延長され2042年までとなりました。

非課税対象は、長期の積立・分散投資に適した公募株式投資信託、ETF(上場投資信託)などで、投資ビギナーにはおすすめの制度が整っています。比較的安全・有利な方法でコツコツと無理なく老後資金を作りたいという人に向いている制度ということができます。

(1)つみたてNISAと一般NISAの違い

一般NISAとは、平成26年(2014年)にスタートしたNISA(少額投資非課税制度)は、英国での投資非課税制度であるISAを参考に作られた制度です。日本版ISAということから「NISA(ニーサ)」と名付けられました(以下、「一般NISA」)。
一般NISAは、非課税枠が大きく年間上限120万円まで非課税で投資をすることができ、非課税期間は5年となっています。
一般NISAは2024年から新NISAとなり、枠が「2階建て」になります。1階は「積立枠」で金融庁が認めた優良投資信託に限られます。

これに対して「つみたてNISA」は、非課税枠が大きく年間上限40万円までと一般NISAと比較すると少額ですが、非課税投資期間は20年と長いことが特徴です。
なお、「一般NISA」と「つみたてNISA」は併用することができずどちらかを選ぶ必要があります。

(2)つみたてNISAとジュニアNISAの違い

「ジュニアNISA」とは、平成28年(2016年)にスタートした0歳~19歳(成年年齢の引き下げに伴い、2023年は、0歳~17歳)のためのNISAです。

未成年者本人の名義による専用口座で、1年間に80万円まで非課税で投資をすることができ、非課税期間は「一般NISA」と同じく5年です。運用は、未成年者本人ではなく親権者などが代理で行うことから、親や祖父母が子や孫のための進学資金などを有利に運用したいというケースで活用されています。
なお、ジュニアNISAの投資可能期間は、2023年12月31までで、以降は廃止予定です。
2024年以降は、ジュニアNISAで新規購入ができなくなります。

(3)2024年からつみたてNISAはどう変わる?

つみたてNISAは、従来は非課税で運用できる新規の買い付けは2038年まででしたが、これが5年間延長され2042年までとなりました。
非課税期間が20年間であることや、投資できる商品が限定されていることといった運用方法に変更はありません。すでにつみたてNISAを始めている人にとっては特段の影響はないでしょう。

つみたてNISA つみたてNISA
2024年以降
非課税保有期間 20年間 20年間
年間非課税枠 40万円 40万円
投資可能商品 長期・積立・分散投資に適した
一定の投資信託
(金融庁へ届出が必要)
長期・積立・分散投資に適した
一定の投資信託
(金融庁へ届出が必要)
買付方法 積立投資のみ 積立投資のみ
払出し制限 なし なし

(4)つみたてNISAのメリット

つみたてNISAは、非課税投資期間は20年と長いことから、「無理なく子どもの教育資金を貯めたい」という人や、「無理なくリタイア後の資金づくりをしたい」という人に向いている制度です。
そもそもNISAという制度は、「個人が将来に必要なお金を自分でつくっていくため」に、政府が導入した制度です。だからこそ、運用益がまるごと非課税になるなど数々の優遇を受けることができるのです。せっかくのお得な新制度ですから、ぜひ上手に活用したいものです。

NISAの最大のメリットが、運用益つまり儲かった金額がそのまま非課税となる、という点です。たとえばNISA以外の口座で10万円の利益を出したとしても、約20%が税金として差し引かれてしまうので、手元には8万円しか残りません。
しかし、これがNISAの口座なら運用益は非課税なので、10万円がそのまま手元に残ることになるのです。
とくに、つみたてNISAは少額からスタートすることができるので、投資ビギナーでも安心です。

(5)つみたてNISAのデメリット

メリットの多いつみたてNISAにも注意すべき点はあります。
つみたてNISAのデメリットは、損益通算・繰越控除ができないという点です。通常、複数の証券口座で取引があれば、1年間の利益と損失を相殺する「損益通算」をすることが可能です。

しかし、NISA口座では、そもそも利益も損失もないとみなされるので、この損益通算をすることができません。したがって、損失を3年にわたって繰越し利益と相殺する「繰越控除」を利用することもできません。

また、40万円の非課税枠のうち10万円を未使用だったとしても、その未使用分を翌年に持越すことはできません。また、一度使用した非課税枠は商品を売却しても復活させることはできません。

これらの注意点を理解してから、つみたてNISAをスタートしましょう。

まとめ

つみたてNISAの特徴やメリット・デメリット、つみたてNISAの2024年からの変更点についてご紹介しました。
ただ銀行の口座に預金していても、ただでさえ少ない預金の利息からさらに税金が引かれるだけです。
NISAでは、預金や国債など元本保証の金融機関に投資することはできませんが、公社債など元本割れのリスクが比較的少なく安定的に分配金を得られるものを選んで、定期預金代わりに活用することを検討されてはいかがでしょうか。

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