公開日:2019年07月05日
最終更新日:2021年12月03日
住宅借入金等特別控除申告書とは、住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」)を受けたい時に必要となる申告書です。
住宅ローン控除の適用を受けるためには、給与所得者(サラリーマンなど)もはじめて控除を受ける年には確定申告が必要で、2年目以降は必要書類を提出すれば年末調整によって控除を受けることができます。
住宅借入金等特別控除申告書とは、年末調整の際に住宅ローン控除の適用を受けたい従業員が提出する申告書です。
サラリーマンは原則として確定申告をする必要はありませんが、住宅ローン控除を受けようとする最初の年には確定申告をする必要があります。翌年からは年末調整で引き続き控除を受けることができます。
※個人事業主などは、2年目以降も確定申告をする必要があります。
居住者等が、自身が住むために一定の居住用家屋の新築・取得をした場合、その新築、取得等のために返済期間10年以上の一定の借入金等をした時には、住み始めた年以降10年間、所得税額からその年の12月31日の住宅借入金等の残高に応じて計算された住宅借入金等特別控除を受けることができます。
※平成19年1月1日から平成20年12月31日までに居住の用に供した時には15年間を選択することができます。 バリアフリー改修促進税制等を選択した時には5年間、消費税等の税率が10%である住宅を取得等した場合で、令和元年10月1日から令和4年12月31日までの間に居住の用に供した時は13年間となります。 |
住宅借入金等特別控除を受けるためには、以下の要件を満たしている必要があります。
新築住宅の場合
①住宅の床面積が50㎡以上(登記事項証明書上)であり、床面積の1/2以上の部分が居住用であること。 |
中古住宅の場合
①住宅の床面積が50㎡以上(登記事項証明書上)であり、床面積の1/2以上の部分が居住用であること。 |
住宅借入金等特別控除は、入居を開始した年等によって控除期間や控除額が異なります。
一般の場合
住宅の取得等で特別特例取得または特例特別特例取得に該当する個人が、令和3年1月1日から令和4年12月31日までの間に自己の居住の用に供した場合も対象となります。 参照:国税庁「一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」 認定住宅の場合
住宅の取得等で特別特例取得または特例特別特例取得に該当する個人が、令和3年1月1日から令和4年12月31日までの間に自己の居住の用に供した場合も対象となります。 参照:国税庁「認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」 特定取得とは、住宅の取得等の対価に含まれる消費税等の税率が8%または10%である場合をいいます。 |
住宅ローン控除の適用を受けるためには、サラリーマンも1年目は税務署で確定申告をしなければなりません。2年目以降は勤務先の年末調整で控除を受けることができます。
サラリーマンは、入居した最初の年には自分で確定申告をする必要があります。
夫婦共有名義でマイホームを取得した時には、それぞれが住宅ローン控除を受けることができます。ただし、夫と妻がそれぞれ別に住宅ローンを組み、それぞれの収入から住宅ローンを返済していることが条件です。
転勤になって単身赴任をする時でも、生計を一にする家族が引き続きマイホームに住んでいれば、住宅ローン控除を受けることができます。
ただし、家族全員で引越しをした時には、再度居住をするまで控除を受けることはできません。
確定申告にあたっては、以下の書類が必要です。揃っていないと申告書を受け付けてもらえませんので注意しましょう。
新築住宅の時
中古住宅の時
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給与所得者は、1年目に確定申告をした場合、2年目以降は以下の書類を勤務先に提出することで、年末調整により控除を受けることができます。
・給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書(税務署から送付) ・年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書(税務署から送付) ・住宅取得資金に係る借入金等の年末残高証明書(金融機関が送付) |
住宅借入金等特別控除申告書は、金融機関から発行される「年末残高証明書」をもとに記入します。
年末残高証明書は、10月上旬から中旬にかけて、各金融機関から郵送されます。
手元にない場合には、本人の名前と住所が確認できる公的な書類を持参すれば再発行してもらうこともできます。各金融機関に問合せてみましょう。
参照:国税庁「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書の記載例」
①用紙の下部分に「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」とあります。これは1年目の確定申告をもとに情報が印字されてあります。
「下のロ」「下のホ」「下のハ」「下のへ」は、ここを見ながら転記してください。
「取得対価の額に係る借入金等の年末残高」については、①欄と②欄のいずれか少ない金額を転記します。
④欄の金額に、③欄の割合をかけた金額を記載します。
通常、③欄は100%なので、通常は④欄と⑤欄は同じ金額となります。
※⑥~⑩欄、⑫⑬欄は「増改築」の際に記入が必要な項目となります。
⑪欄「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算の基礎となる借入金等の年末残高」に、⑤の金額を転記します。⑭欄「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額」には、⑪の金額に1%をかけて記入します。100円未満は切り捨てます。
「年間所得の見積額」には、年収ではなく年間の所得、つまり源泉徴収後の金額を記入することに注意してください。
前年度の源泉徴収票があれば、「給与所得控除後の金額」を転記すればOKです。
この欄は、住宅ローン控除は、年間所得が3,000万円以下の場合に受けられるという要件があることから記入が必要となるのですが「見積額」なので正確でなくても構いません。
夫婦など連帯債務者がある場合には、「連帯債務による住宅借入均等の年末残高」の欄に記入します。金融機関から送付される年末残高証明書の額を記入してください。2社以上の場合は、残額を合算して記入します。
freee人事労務「【年末調整】2年目からの住宅ローン控除申請の書類の書き方(記入例つき)」
以上、「住宅借入金等特別控除申告書」の確認ポイントや記入事例についてご紹介しました。住宅ローン控除は、適用を受ける要件が細かく、また居住した年によって控除額が異なるため、確認する際にはこれらの点についてよく確認して従業員に指導をする必要があります。
「freee人事労務」では、電卓で計算する心配がなく、「住宅借入金等特別控除(住宅ローンがある方)を申告する」にチェックを入れ居住開始の年月日・住宅借入金等年末残高・住宅借入金等特別控除区分などを入力するだけで、控除申告書を簡単に作成することができます。
freee人事労務「管理者が従業員の申告内容を入力する – 住宅ローン」
これまでご紹介してきたように、住宅借入金等特別控除を受けるためにはサラリーマンも初めの年には確定申告が必要ですし、個人事業主は毎年確定申告を行わなければなりません。
住宅借入金等特別控除の適用を受けるための手続きや必要な書類について、不明点等がある場合には、個人の確定申告について相談できる税理士にサポートを依頼してみましょう。
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税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。