記帳代行をすべき5つのケースとは

公開日:2019年05月29日
最終更新日:2022年04月10日

この記事のポイント

  • 記帳代行をすると、本業に専念することができる。
  • 選任の経理担当を雇用するよりも、コストダウンすることが可能。
  • とくに簿記の知識がない場合には、税理士に記帳代行を依頼した方が、ミスがない。

 

経理事務は、事業を行う上で最も大切な「会社のお金を循環させる」ための作業です。しかし、「起業したてで、何から始めればよいか分からない」「本業で忙しく、とても経理作業まで手が回らず、いつも決算前は大変だ」というケースも多いでしょう。
だからと言って、独自に経理担当を雇用すると、それだけランニングコストがかかることになり、このコストが中小企業や個人事業主の方にとっては大きな負担となるものです。

このような経理に関する悩みを解消するための一つの方法が「記帳代行サービス」です。

記帳代行とは

記帳代行とは、帳簿(伝票や仕訳帳、現金出納帳、預金出納帳など)の作成業務を代行するサービスのことです。最終的には、貸借対照表、損益計算書を作成するために行われます。
事業を行っているうえでは、、領収書や請求書の管理、会計ソフトへの入力作業といった作業を日々行わなければなりません。
記帳代行サービスは、「起業したばかりで、経理作業に手が回らない」というケースや、「経理事務を担当する担当がいない場合」といったケースでよく利用されています。

(1)記帳はなぜ必要か

事業を行ううえで最も大切なのは、お金です。
たとえ決算上赤字でも現金があれば会社は倒産しませんが、いくら黒字でも現金がなければ、会社はあっという間に倒産してしまいます。

そして経理とは、この最も大切なお金の「流れ」を把握するために行うものであり、そのために必要なのが記帳作業です。
「いつ」「どこで」「どの商品(サービス)が」「どのくらいの量」「誰に販売されているか」「代金は回収できているか」などといった取引の状況を把握して分析し、問題点を改善しながら、いかに売上をアップさせていくかという視点を持つことは、事業を行う上で、欠かせないポイントですが、その視点を持つためには記帳作業が欠かせません。

(2)税理士に記帳代行を依頼するメリット①

事業で得るお金は、事業の循環を通じて生まれます。
ここでいう「事業の循環」とは、商品やサービスの販売であり、回収であり、仕入の支払であり、諸経費の支払いです。
よい商品やサービスを提供することももちろん大切ですが、経営者が会社を存続させていくためには、この循環を知り、お金の流れを途切れさせないための視点と努力が重要です。
そしてこの循環を知るためには、経理についての正しい知識や活用方法を知ることが必要ですが、目の前の記帳作業で手一杯となり、活用までできていないケースは実に多いものです。
その点、税理士に記帳代行を依頼すれば、正しく記帳作業が行われるのはもちろん、経理の本来の目的である事業の循環に必要な施策までアドバイスをしてもらうことができます。

(3)税理士に記帳代行を依頼するメリット②

自社の経営を軌道に乗せようとする場合には、何とか売上をアップさせようと思いがちですが、売上が上がっても手元に現金がなければ会社は成り立ちません。
もちろん売上がアップすることは大切ですが、会社を継続するうえで着目すべきは売上だけではなく「削減すべき経費が何か」です。
経費を削減することができれば、売上のアップはそのまま利益に直結します。
簡単に言えば、「入金」以上に「出金」が増えなければ、お金は手元に残るということです。
そして、削減すべき経費を知るために欠かせないのが、経理業務ということになります。
税理士に記帳代行を依頼し、削減すべき経理が明確になれば、それだけ利益を確保することが可能となります。

記帳代行を利用すべき5つのケース

経理業務の重要性が分かっても、特に起業したばかりの経営者の場合には、どうしても時間をとれないという場合が多いでしょう。また、記帳や給与計算については経理の専門知識を有する社員を雇う必要があり、それだけコストがかかります。
現在は、クラウド会計ソフト(※後述)を活用すれば、記帳業務はほぼ自動化することができるので、それほど経理作業に時間がかかるわけではありませんが、より必要最小限の作業に抑えたいという場合には、記帳業務を丸ごとアウトソースする「記帳代行」を利用するのがおすすめです。

現在ビジネスのトレンドはアウトソーシング化で、財務・経理だけでなくマーケティングや人事といった分野でもアウトソーシング化が進んでいます。

「財務・経理業務」や「税務業務」は、アメリカでのアウトソーシング率も高く日本でも今後ますますアウトソーシング化が進んでいくものと思われます。

「アウトソーシング先をどこにすべきか」についてですが、安いコストで単に経理作業だけ任せたいという場合なら、一般企業系のなかから選ぶのもよいでしょう。
ただし、税理士に依頼した方が、当然ミスもありませんし、通常の経理業務から給与計算、決算書の作成、税務申告、節税対策の提案まで引き受けてくれることもあります。
また、資金繰りや中長期計画など、経営に関するアドバイスも欲しいという場合にも、税理士に記帳代行を依頼すればその税理士が事業の状態を把握しているので、適切かつタイムリーなアドバイスをもらうことが期待できます。

(1)簿記の知識がないケース

簿記の知識が十分でないケースでは、ミスを防ぐためにも、また税務調査の対象にならないためにも、税理士に記帳代行や経理指導を依頼した方がよいでしょう。
これまで述べてきた通り、経理業務の主な仕事は、会社のお金の出入りを管理しお金の循環を把握することです。
クラウド会計ソフトを活用すれば、簿記の知識はそれほどなくても記帳業務を行うことができますが、それでも簿記の基本的な知識や試算表・精算表の作成の流れを理解するのは事業を成長させるためにも必要となってきます。
したがって、「仕訳作業といっても何をすればいいか分からない」「勘定科目の意味が分からない」など、簿記の知識が全くない場合には、税理士に記帳代行を依頼することをおすすめします。その後会社の成長度合いに応じて自計化を目指し、税理士の経営サポートなどを受けるのがよいでしょう。

(2)取引の数が膨大なケース

日々の取引数が多い会社も、経理代行を依頼するメリットは大きいでしょう。
「クラウド会計ソフト freee会計」を活用すれば、日々の記帳業務はほぼ自動化することができますが、取引の数が多くその確認作業をするだけでも大変というケースがあります。
会計のプロではない人が1時間かかるような確認作業でも、経理のプロである税理士なら、それほど時間がかからずしかも正確にチェックすることができます。当然ミスもありません。

(3)本業に時間をかけたいケース

起業したばかりの時は、時間がいくらあっても足りません。1人で何役もこなさなければ、事業がまわらないこともあります。
そこでまずは本業に集中できるように、記帳等の経理作業はすべて税理士に任せ、その後、会社の状況に合わせて効率的な「freee会計」の導入等をサポートしてもらう方法もよいでしょう。
「freee会計」へのデータ入力、試算表の作成、決算書の作成、給与計算や給与明細書の作成、資金繰り表の作成、決算申告、税務調査対応…税理士であれば、これらすべての業務を依頼することができます。

また、税理士に依頼することで経営状況を随時説明してもらうことができますし、経営状況を把握する上で必須となる「数字の見方」について、一から分かりやすく教えてもらうことができます。

(4)節税対策を行いたいケース

節税対策をしっかり行って手元資金を充実させたいという場合も、税理士に記帳代行を依頼するメリットは大きいといえます。
節税対策は決算前に慌てて行っても、それほど効果は期待できません。
しかし税理士に記帳代行を依頼していれば、経営状況をリアルタイムで把握されているので、最適な時期に最適な節税対策を提案してもらうことができます。
また、現在行っている節税対策について改善点がある場合には、その点について指摘してもらうことができますし、その実施についてもサポートしてもらうことができます。

▶ 法人の節税について相談できる税理士を探す

(5)決算までワンストップで依頼したいケース

領収書や請求書の整理をため込んでしまい、毎年、決算・申告の時期になると憂うつだ…という経営者は多いのではないでしょうか。領収書を溜め込んでしまっては、記帳だけでもひと苦労というところでしょう。
税理士に記帳代行を依頼すれば、領収書を溜め込んでしまう心配はありませんし、決算・申告の時期にもいくつかの事項について確認をするだけで済みます。
「経理業務にかける工数を、限りなくゼロにできる」…これが経理代行の最大のメリットです。

▶ 個人の確定申告について相談できる税理士を探す

▶ 法人の決算について相談できる税理士を探す

記帳代行とあわせて検討したい経理の効率化

ここまでは、事業で利益を出し続けるためには、経理業務がいかに大切かということと、記帳代行を依頼するメリットを述べてきました。
会社の生産性を高めるためには、経理業務を極力省力化することが大切ですが、経理業務を省力化するための方法としては、記帳代行を依頼する方法の他に、「クラウド会計ソフト freee会計を活用する」「経理指導を受ける」などの方法もあります。

▶ 経理・記帳業務について相談できる税理士を探す

(1)クラウド会計ソフトの活用

「freee会計」とは、データやソフトウェアを自分のパソコンではなく、インターネット上で保存・利用する会計ソフトのことです。
ID、パスワードがあれば、いつでもすぐに利用することができるので、スタッフや税理士とも会計データをリアルタイムで情報共有ができるようになります。
また、簿記の知識がなくても簡単に記帳することができますし、請求書の発行や入金管理、領収書の発行、決算・申告までトータルで管理することができるようになります。

「freee会計」は自動仕訳機能がついていて、過去の入力履歴から仕訳候補を予測して表示してくれます。また、初めて入力する場合でも入力した文字から科目名を自動的に推理し表示してくれるので、仕訳作業で迷うことがありません。
銀行口座やクレジットカードと連携すれば、口座やカードの明細情報をそのまま仕訳データとして取り込めるので、入力時間を大幅に削減することができます。
さらに、現預金残高や試算表、収支計画や入力履歴が分かりやすいデータでまとまっていて、いつでも経営状況を把握することができます。

(2)税理士に経理指導を受け、自計化を目指す

経理代行を利用すれば、経理担当者は税理士が作成した帳簿類を確認するだけで済みますので、時間と労力を大幅に削減することができます。
しかし、もし経理担当者がすでにいる場合や、ゆくゆくは自計化を目指したいのであれば、税理士に経理指導を受けるのもおすすめです。
経理指導を受けることで、「数字に強い経営者」を目指すことができますし、毎年作成する決算書について税理士から適宜カウンセリングを受けることができれば、会社の強みと弱み、これから目指す方向性を明確にすることができます。

まとめ

以上、経理業務の重要性、記帳代行を依頼するメリット、記帳代行を依頼した方がよいケースなどについてご紹介してきました。
税理士に経理代行を依頼する場合でも経理指導を受ける場合でも、まずは会社の現在の状況を知ってもらうことが大切ですが、その他にも「毎月経理や税務の監査をしてほしい」「経営計画の策定までコンサルティングをお願いしたい」など、希望をはっきりさせておくことが非常に重要です。
自社の状況に応じて税理士を上手に活用することは、会社をさらに成長させる第一歩となるのではないでしょうか。

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経理・記帳について相談したい方は、freee税理士検索をご活用ください。

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また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。

税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。

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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」

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