公開日:2019年11月26日
最終更新日:2022年07月26日
仕事上、自動車を取得しなければならないケースは多いものですが、自動車を「取得」「所有」「利用」「走行」すると、それぞれの場面でさまざまな税金がかかります。
これらの税金について考慮しないまま購入してしまうと、「思ったより税金がかかり、結局手放すことになった」ということになりかねません。
そこでこの記事では、自動車を所有するとかかるさまざまな税金についてご紹介します。
自動車を取得した時には、自動車税環境性能割(自動車取得税は廃止)が課税され、その後自動車を所有すると自動車税種別割(自動車税から名称変更)が課税されます。車検時や車両番号の指定を受ける時には、自動車重量税がかかります
また、自動車を走行させれば石油ガス税、揮発油税地方揮発油税など、さまざまな税金が課されることになります。
取得 | 所有 | 利用 | 走行 | |
---|---|---|---|---|
ガソリン車 | 自動車税 環境性能割 |
自動車税 種別割 |
自動車重量税 | 揮発油税 地方揮発油税 |
ディーゼル車 | 軽油引取税 | |||
LPG車 | 石油ガス税 | |||
軽自動車 | 軽自動車税 環境性能割 |
軽自動車税 種別割 |
揮発油税 地方揮発油税 |
普通自動車を取得した時には、自動車税環境性能割が課税されます。
「自動車税環境性能割」は、令和元年9月まで適用となっている自動車取得税に代わって、令和元年10月から導入された税制です。
自動車税環境性能割は、特殊自動車を除く自動車を取得した時に課税される都道県税です。
取得価額に税率を掛けて、税額を計算します。
取得価額(1,000円未満切り捨て)×税率=税額(100円未満切り捨て) |
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自動車取得税であった際と同様、取得価額が50万円以下は免税されます。燃費性能の良い車は税負担が軽くなり、燃費性能の悪い車は税負担が重くなります。
自家用乗用車については令和2年から燃費基準値より20%以上燃費性の良いものは非課税となり、10%以上燃費性能の良いものは税率1%、令和2年度の燃費基準値を満たすものは税率2%といった詳細な要件が規定されています。
税額は、車検や用途(自家用、営業用)、燃費によって決められています。電気自動車や優れた燃費効率者は非課税です。
乗用車は、車種と重量によって税額が決まっています。トラック、ライトバンなどの貨物車は車両操縦用(車両重量+最大積載量+乗車定員の重さ)に対して、課税されます。
小型二輪車、軽自動車は1台ごとに定額で定められています。
軽自動車を取得した時には、軽自動車税環境性能割が課税されます。
軽自動車税環境性能割とは、三輪以上の軽自動車(特殊自動車を除く。)を取得したときに課税される市町村税です。
軽自動車の取得価額(1,000円未満切り捨て)×税率=税額(100円未満切り捨て) |
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軽自動車税環境性能割も、環境性能(燃費性能)に応じて税率が決まります。
自動車税種別割とは、従来の自動車税から名称変更されたものです。毎年4月1日現在の自動車の所有者に対して課税されるもので、都道府県が課税します。
自動車は、乗用車、トラック、バスに分類され、さらに営業用と自家用に区別されます。1台あたりの年間の税額は、営業用・自家用の区分と総排気量で決まります。
自動車税種別割は、納税義務者に5月31日期限の納付書が送られてきます。この納付書には証明書がついていて納付をしないと車検が受けられないしくみになっています。
排気量 | 引下げ前の税率 | 引下げ後の税率 (引下げ額) |
---|---|---|
1,000cc以下 | 29,500円 | 25,000円(▲4,500円) |
1,000cc超1,500cc以下 | 34,500円 | 30,500円(▲4,000円) |
1,500cc超2,000cc以下 | 39,500円 | 36,000円(▲3,500円) |
2,000cc超2,500cc以下 | 45,000円 | 43,500円(▲1,500円) |
2,500cc超3,000cc以下 | 51,000円 | 50,000円(▲1,000円) |
3,000cc超3,500cc以下 | 58,000円 | 57,000円(▲1,000円) |
3,500cc超4,000cc以下 | 66,500円 | 65,500円(▲1,000円) |
4,000cc超4,500cc以下 | 76,500円 | 75,500円(▲1,000円) |
4,500cc超6,000cc以下 | 88,000円 | 87,000円(▲1,000円) |
6,000cc超 | 111,000円 | 110,000円(▲1,000円) |
参照:総務省「2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります」
平成22年(2010年)から、「自動車税のグリーン化税制」(環境配慮型税制)という特別措置が導入されています。この特別措置は、燃料基準に応じて、50%か75%かの減税があります。
軽自動車税種別割は、軽自動車税から名称変更されました。
軽自動車は、原動機付自転車・軽自動車・小型特殊自動車、二輪の小型自動車に分類され、自動車税種別割と同じようなしくみで課税されます。
自動車税は、都道府県税ですが、軽自動車税は市町村税で、毎年4月1日現在の所有者に納税義務があります。
自動車重量税とは、自動車の重量に対して課される国税です。
自動車検査証の交付を受ける人(車検を受ける自動車の使用者)や車両番号の指定を受ける人(軽自動車の使用車)は、自動車重量税を国に納めなければなりません。
自動車重量税は、自動車検査証の交付等または車両番号の指定を受ける時までに、原則としてその税額に相当する金額の自動車重量税印紙を、自動車重量税納付書に貼って納付します。
また、いわゆる「エコカー減税」が延長されています。これは、1回目と2回目の車検の自動車重量税が、環境性能に応じて25%か40%の減税または、100%免税となるものです。
令和3年5月1日~令和5年4月30日の間、減税対象車について、適用期間中に新車新規登録等を行った場合に限り、特例措置が適用されます(1回限り)。
また、自動車重量税については、使用済自動車の不法投棄の防止及びリサイクル促進を目的とした自動車リサイクル法にもとづき、たとえば車検残存期間が1カ月以上ある場合には、申請することで残存期間に相当する金額が還付されます。
自動車リサイクル法対象外となるもの ・被けん引車 ・二輪車(原動機付自転車、側車付きのものも含む) ・大型特殊自動車、小型特殊自動車 ・その他農業機械、林業機械、スノーモービル等 |
あまり意識したことはないと思いますが、自動車を走行させる際、ガソリン車・軽自動車であれば「揮発油税・地方揮発油税」、ディーゼル車であれば、「軽油引取税」、LPG車であれば「石油ガス税」が課税されます。
揮発油税については、令和16年4月1日より、税率が48,300円(本則税率:24,000円)、地方揮発油税の税率については5,500円(本則税率:4,700円)となる予定です。
参照:財務省「自動車関係諸税・エネルギー関係諸税に関する資料」
以上、自動車にかかる税金についてご紹介しました。
自動車にかかる税金は、車種と重量によって税額が決まることが多く、総排気量によっても区分されます。
排出ガスなど環境負荷の小さい自動車については、その性能に応じて自動車税が軽減されたり重課されたりしますので、自動車を購入する前にはこれらの点についてよく検討してから購入することをおすすめします。
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