公開日:2019年11月26日
最終更新日:2022年07月30日
日頃あまり意識することはないと思いますが、お酒やたばこには、酒税、たばこ税が含まれていて、お酒やたばこを買う場合には、その値段にこれらの税金が含まれています。
たばこ税は、令和元年より税額が引き上げられていますが、酒税についても酒税改革が始まり、税率が変更されます。
この記事では、たばこ税や酒税の税率改正についてご紹介します。
酒税とは、お酒などに課される税金のことです。
「酒税法」によると、酒税とはアルコール1度以上の飲料および溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のものをいうと規定されています。
酒税の納税義務者は、国内で製造される種類については製造者、輸入される酒類についてはこれを保税地域から引き取る人です。
これらの人が、製造場から移出し、もしくは保税地域から引き取る酒類の数量を課税標準とします。
酒税は国税で、税率はお酒の種類や品目、アルコール度数に応じて細かく区分されています。
主な酒税については、以下のとおりです。
酒税 | 負担率 | |
---|---|---|
日本酒(1,8 ℓ) アルコール度15度 小売価格2,055円 |
216円 | 10.5% |
瓶ビール(633 ml) 小売価格364円 |
139.26円 | 38.26% |
発泡酒(350 ml) 麦芽比率25%未満 小売価格168円 |
46.99円 | 27.97% |
ウイスキー(700 ml) アルコール度43度 小売価格2,068円 |
301円 | 14.56% |
連続式蒸留焼酎(1.8ℓ) 小売価格1,510円 |
450円 | 29.8% |
平成29年度の税制改正で酒税改革が行われました。これにより酒税は令和2年から令和8年の間に3段階に分けて、税率が改正されます。
ビール、発泡酒などのビール系飲料の税率は、令和8年(2026年)10月に、1キロリットルあたり15万5,000円(350mlあたり54.25円)に一本化されます(3段位階で実施)。
清酒、果実酒などの醸造酒類の税率は、令和5年(2023年)10月に、1キロリットルあたり10万円に一本化されます(2段階で実施)。
その他のチューハイ等の発泡性種類の税率は、令和8年(2026年)10月に、1キロリットルあたり10万円(350ml換算で35円)に引き上げられます。
参照:国税庁「酒税」
たばこ税は、国税である「たばこ税」と地方税である「道府県たばこ税」および「市町村たばこ税」、そして「たばこ特別税」があります。
たばこ税の納税義務者は、国内で製造されるたばこについては製造者(日本たばこ産業株式会社)であり、輸入たばこについては、保税地域から引き取る人です。
税率は、1,000本当たりの金額で表示されています。
たばこ税は、①たばこ税、②道府県たばこ税、③市町村たばこ税、④たばこ特別税の4本立てになっています。
「道府県たばこ税」と「市町村たばこ税」は、卸売販売業者等が小売販売業者に売り渡す場合に、その小売販売業者の営業所が所在する都道府県、市区町村によって、卸売販売業者に対して課税されます。税率は国税のたばこ税と同様に1,000本当たりの金額で表示されています。
たばこ税は、平成30年度の改正で、30年から令和2年の各年10月に3段階に分けて、紙たばこは1本1円ずつ、計3円増税されます。
1本当たり | たばこ税 | 道府県たばこ税 | 市町村たばこ税 | たばこ特別税 |
---|---|---|---|---|
平成31年 | 5.302円 | 0.860円 | 5.262円 | 0.820円 |
令和3年10月 | 6.802円 | 1.070円 | 6.552円 | 0.820円 |
たばこ税の増税と同じく、加熱式たばこも、紙巻たばこの7~9割程度の水準になるよう、令和4年までの各10月に5段階に分けて増税になります。
また、葉巻たばこは令和2年10月から2段階に分けて、同様に増税になります。
以上、お酒とたばこに含まれる税金についてご紹介しました。
たばこはともかく、お酒の増税は、お酒を仕入れることがある飲食店の経営者にとって大きな問題となります。
経営する店舗の規模が大きくなればなるほど、増税が資金繰りに影響することがありますので、どの程度影響を受けるかについては、早めに税理士に相談してシミュレーションしておくと安心です。
freee税理士検索では数多くの事務所の中から酒税やたばこ税の増税、税額が経営にどのように影響するかについて相談できる税理士を検索することができます。
また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。
税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。
監修:「クラウド会計ソフト freee会計」
クラウド会計ソフトの「クラウド会計ソフト freee会計」が、税務や経理などで使えるお役立ち情報をご提供します。
「クラウド会計ソフト freee会計」は、毎日の経理作業を最小限で終わらせることができるクラウド型会計ソフトです。疑問点や不明点は、freee税理士検索で税理士を検索し、相談することができます。
クラウド会計ソフト freee会計