一般社団法人の設立方法と必要書類

公開日:2018年11月09日
最終更新日:2018年11月09日

目次

  1. 一般社団法人とは
    • NPO法人・社会福祉法人との違い
    • 一般社団法人の税制上のメリット
    • 一般社団法人の機関
    • 一般社団法人の役員報酬・基金制度
  2. 一般社団法人の設立手続きの流れ
    • 定款の作成
    • 理事会を設置するか否か
    • 登記手続き
  3. 一般社団法人設立に必要な書類
    • ①定款
    • ②委任状
    • ③設立登記申請書
    • ④登記事項を記録したCD-R
    • ⑤設立時代表理事・理事・監事の承認承諾書
    • ⑥印鑑証明書
    • ⑦本人確認書類
    • ⑧設立時代表理事選定書
    • ⑨決議書
    • ⑩印鑑届出書
  4. 会社設立を税理士に依頼するメリット
    • 設立段階からの節税アドバイス
    • 本業に専念できる
    • 融資・資金調達サポート
    • 経理業務・記帳指導

一般社団法人とは、社団法人の一種で、営利を目的としない法人のことをいいます。
事業目的に制限がなく、定款を作成し登記を行うだけで設立することができます。

また、一般社団法人の場合は公益性がなくても構いませんし、普通法人(株式会社や合同会社など)と同じように営利事業を行うこともできます。

また、所轄庁の認可や認証を受ける必要もなく、監督を受けることもありませんので、基本的には自由に事業を行うことができます。

ここでは、一般社団法人の概要と設立手続き、必要書類等についてご紹介します。

一般社団法人とは

一般社団法人とは、営利を目的としない法人のことです。
介護事業や福祉事業を行う法人としては、社会福祉法人、NPO法人、一般社団法人などの組織を設立するのが一般的ですが、一般社団法人には、社会福祉法人、NPO法人と比較すると、設立手続きも容易で、事業目的に制限がないなどのメリットがあります。

NPO法人・社会福祉法人との違い

社会福祉法人、NPO法人、一般社団法人は、営利を追求するよりも、社会貢献活動や社会問題を解決したいという思いが活動内容の根幹にある場合に、設立することができる法人です。下記で簡単に説明します。

社会福祉法人:
社会福祉事業を目的とする場合に設立することができますが、設立するためには多くの厳しい基準があり、それらを満たしたうえで所轄庁の認可を受け、登記をしてから初めて設立することができるという、大変難易度の高い法人です。

NPO法人:
特定非営利法人として規定されている20種類の活動のうち、いずれかに該当している時に設立できる法人で、社会福祉法人ほど設立するのが大変というわけではありませんが、登記をすることと所轄庁の認証(社会福祉法人の場合は『認可』)を受けることが必要です。

一般社団法人:
事業目的に制限がなく、定款を作成し登記を行うだけで設立することができ、所轄庁の認可や認証を受ける必要もありません。
また、社会福祉法人やNPO法人のように事業年度終了後に決算書類などを所轄庁に提出する必要もありません。

したがって、一般社団法人は、社会福祉法人、NPO法人と比較すると、比較的簡単な手続きで設立することができるというメリットがあります。

一般社団法人の税制上のメリット

NPO法人、一般社団法人、社会福祉法人は、法人税や住民税の法人税割、事業税については、収益事業から得られた利益を除き、原則として課税されません。

株式会社や合同会社であれば、事業の種類を問わず、獲得した利益全てが課税の対象になりますので、それと比較すると、税制上大きなメリットがあるといえることになります。

なお、法人税率は、NPO法人、一般社団法人、社会福祉法人ともに適用されます。
特例として、年間の所得のうち800万円までの部分については、15%の法人税率が適用されます。

引用:国税庁「法人税の税率」

一般社団法人の機関

一般社団法人には、社員総会、理事会、業務監査、監事などの機関があります。

理事
一般社団法人は、最低でも1人以上の理事を置かなければならないことになっています。

監事
監事は理事の活動を監視する役割を担っています。

社員総会
社員総会は、株式会社でいうところの「株主総会」に当たる機関で、最高意思決定機関です。

理事会
理事会は、応神の業務執行機関で、株式会社でいうところの「取締役会」に当たる機関です。

会計監査人
大規模一般社団法人の場合には、会計監査人を置きます。

一般社団法人の役員報酬・基金制度

理事や監事の報酬の額は、社員総会の決議で定めることができます。
定款に金額を定める必要はありませんし、役員が受け取る報酬、受けられる人数ともに特に制限がありません。
NPO法人は、「役員報酬を受けることができるのは、役員の総数の3分の1以下でなければならない」という制限がありますので、この点が一般社団法人とは大きく異なります(※ただし、NPO法人の場合も労務の対価としての賃金は、受け取ることができます)。

基金とは、社員以外の第三者から一般社団法人に対して搬出してもらう金銭などのことをいいます。
基金制度は、あってもなくても問題ありませんが、基金を募らないと運営するのが大変なこともありますので、制度を導入するケースが多いようです。なお、基金制度を導入した場合も特に法令上の制限などはなく自由に利用することができます。
基金を募る場合には、募集する財産の総額を記載した募集要項を規定する必要があります。

一般社団法人の設立手続きの流れ

一般社団法人の設立手続きは、①定款を作成し②登記の手続きを済ませれば、設立に関する手続きは、すべて完了したことになります。
社会福祉法人は、設立までの2年~3年という長い期間がかかることが多く、NPO法人も設立までに半年ほどかかるケースが多いことと比べると、比較的容易に設立することができるというメリットがあります。
しかし、他の法人と比較すると、社会的な知名度が高くないため、信用度は若干低くなってしまうというデメリットもあります。

定款の作成

一般社団法人を設立するためには、最低でも2人以上の設立者が集まって、どのような組織にするか話し合い、定款を作成する必要があります。
定款は、設立時社員全員の署名・捺印、及び公証人による認証を受ける必要があります。

定款作成時に、理事を定めていない場合は、認証後遅滞なく理事を選任しなければなりません。
そして、選任された理事は、設立手続きが法令や定款に違反していないかを調査する必要があります。
違反や問題点がない場合には、設立登記手続きを行います。

一般社団法人の設立登記手続きは、NPO法人のように所轄庁への届出をする必要はなく、法務局で登記手続きを行えば、手続きがすべて完了したことになります。

理事会を設置するか否か

一般社団法人は、定款で「理事会を設置するかしないか」を自由に決めることできます。
理事会は、株式会社の取締役会のような機能を持つ機関なので、意思決定が早まるというメリットがあります。
理事会を設置するかどうかで、設立時に必要となる書類が異なります。

登記手続き

後述する「一般社団法人設立に必要な書類」でご紹介する必要書類、印鑑を用意して、所轄の法務局に出向いて登記し、設立登記手続きを行います。
登記手続きは、数日から数週間程度で完了することになります。

一般社団法人設立に必要な書類

一般社団法人を設立するためには、定款、設立登記申請書、就任承諾書など、さまざまな書類の準備が必要です。
前述したように、理事会を設置するかどうかで、設立時に必要となる書類が異なりますが、ここでは、理事会を設置するケースで必要となる書類についてご紹介します。

①定款

定款とは、一般社団法人の事業目的や根本規則などを規定したもので、設立する際には、必ず作成しなければなりません。定款は、設立時社員が作成しただけでは効力を生じません。
なので、定款の効力を生じさせるために、公証人による認証を受けなければなりません。

定款には、必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」と必ずしも記載する必要がない「相対的記載事項」があります。

○絶対的記載事項(必要的記載事項)
絶対的記載事項(必要的記載事項)とは、定款に必ず記載しなければならず、その事項について記載がない場合には、定款全体が無効となる記載事項です。
・目的
・名称
・主たる事務所の所在地
・設立時社員の氏名または名称および住所
・社員の資格の得喪に関する規定
・公告方法
・事業年度

○相対的記載事項
相対的記載事項とは、定款をもって規定しておかなければその事項について効力が生じない事項です。
・社員総会以外の機関(理事会、監事、会計館参院)設置の定め
・任意退社に関する別段の定め
・社員総会の招集の通知機関に関する1週間を下回る期間の定め
・理事の任期を短縮する場合の定め
・基金を引き受けるものの募集に関する定め

○規定しても無効となる事項
・社員に剰余金または残余財産の分配を受ける権利を与える定め

②委任状

手続きを代理人(司法書士や弁護士)が行う場合には、委任状が必要です。

③設立登記申請書

登記の申請は、法務局でもらうか、ホームページからダウンロードすることができます。
記載事例に沿って申請書を作成します。

引用:法務省「理事会及び監事を設置しない一般社団法人の設立」一般社団法人設立登記申請書の記載事例

一般社団法人の設立については、登記を申請した日が設立日です。
早ければ数日で登記完了しますが、混雑の程度によって数週間ほどかかることもあります。

なお、登記の申請は、オンラインで申請することもできます。

参照:法務省「会社等の設立登記のオンライン申請について」

登記の申請時には登録免許税として、6万円を納付します。
現金もしくは、収入印紙を貼付して納めます。

④登記事項を記録したCD-R

申請書に記載する事項のうち登記すべき事項については、申請書の記載に代えて電磁的記録媒体CD-Rを提出することができます。

参照:法務省「商業・法人登記申請における登記すべき事項を記録した電磁的記録媒体の提出について」

⑤設立時代表理事・理事・監事の承認承諾書

設立時の役員や、代表理事に選ばれた人がそれを承諾することについて、就任承諾書を作成します。

⑥印鑑証明書

印鑑証明書については、承認承諾書に押印した印鑑であり、市区町村長が発行したものを貼付します。
理事会を設置する場合には、設立時代表理事の印鑑証明書が必要です。
理事会を設置しない場合には、設立時の理事全員の印鑑証明書が必要です。

⑦本人確認書類

前述したとおり、理事会を設置する場合には、代表理事の印鑑証明書は必要ですが、その他の理事については印鑑証明書の添付が必要ありません。そのため、その他の理事については、住民票の写しなどの本人確認書類の提出が必要になります。

⑧設立時代表理事選定書

設立時の役員や、代表理事に選ばれたことを決定する旨の決議書を作成します。

⑨決議書

決議書については、定款で設立時役員、主たる事務所の所在場所を定めている場合であれば、添付する必要はありません。ただし、定款で「渋谷区」「港区」など具体的な番地まで定めていない場合には、具体的な所在場所を記載した決議書を貼付することが必要です。

⑩印鑑届出書

印鑑届出書は、法人の印鑑
(実印)を届け出るための書類です。登記事項は磁気ディスクに記載することになります。印鑑届出書は、申請を行う法務局内に置いてあります。

会社設立を税理士に依頼するメリット

会社設立手続きについては、煩雑な手続きが多いですし、書類に不備があるとその都度法務局に出向く必要がありますが、設立前に税理士に相談すれば、司法書士や行政書士などと連携し、定款や議事録などの書類の作成などについてアドバイスをもらうことができます。

また、会社設立後には税務署への届出が必要となりますので、会社設立前から税理士に相談すれば、税金に関する相談のほか、税務署などに提出する申告書、申請書の作成や提出についても、併せて依頼することができます。

設立段階からの節税アドバイス

設立時だからこそ可能な節税対策や、税務面からみてメリットのある資本金の額や決算時期、事業目的、役員の構成等についてアドバイスを受けることができます。
そして、設立後の運営をスムーズに進めていくためのアドバイスなども受けることができます。

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本業に専念できる

創業期は次から次へと対応すべき業務や手続きが発生する大変な時期です。
煩雑な設立手続きを専門家に依頼することで、時間を大幅に節約することが可能となります。

融資・資金調達サポート

会社設立サポートに力を入れている税理士は、創業助成金や各種補助金の申請、資金調達や融資を引き出すための支援も積極的に行っています。
各種助成金は、申請のタイミングも重要なので、後々後悔することがないよう、早めに相談しましょう。

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経理業務・記帳指導

会社設立後は、記帳や、決算処理、税務申告書作成や提出といった業務が必要になります。
税理士に相談すれば、簿記の専門知識が不要な会計システムの指導を受ける子事ができますし、節税対策や税務調査対策など、税務・会計・経営に関する疑問や悩みについて相談することができます。

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