相続後の手続きの方法|相続開始後から相続税申告まで

公開日:2018年11月06日
最終更新日:2019年06月07日

目次

  1. 相続開始後のスケジュール
    • 死亡届の提出・葬儀
    • 遺言書の確認
    • 相続財産・相続人の確定
    • 準確定申告
    • 遺産分割協議
    • 相続税の申告・納税
  2. 相続後の手続き
    • 預貯金の名義変更
    • 不動産の相続登記・名義変更
    • 生命保険の保険金請求
    • 遺族基礎年金、遺族厚生年金、寡婦年金の請求
    • 死亡一時金の請求
    • 株式、自動車の名義変更
    • 光熱費など公共料金の名義変更
    • 青色申告承認申請
  3. まとめ
    • 相続税に強い税理士をお探しの方

相続開始後は、葬儀や死亡届の提出、預貯金、株式、自動車の名義変更を行わなければなりません。また、遺言書の確認や遺産分割協議、相続税の申告などが必要になることがあります。

相続税の申告・納税期限は相続開始があったことを言った日から10カ月以内に行う必要がありますが、それまでに遺言書の確認や遺産分割協議など行う必要があります。

ここでは、相続開始後に必要な手続きやスケジュールについて、ご紹介します。

相続開始後のスケジュール

相続後には、さまざまな手続きが必要です。死亡届の提出や葬儀、遺産分割協議、相続税の申告などのほか、預貯金や株式、自動車などの名義変更や、公共料金の名義変更も必要です。

なかには期限が決まっている手続きもありますし、想像以上にお金と手間がかかることもありますので、あらかじめスケジュールを確認しておきましょう。

死亡届の提出・葬儀

第一に、市町村役場に、亡くなった人の死亡届を提出する必要があります。
この死亡届は、死亡診断書と合わせて提出する必要があります。死亡診断書は、葬儀の見積もりをとる時に必要になることもあります。
なお、葬儀社によっては死亡診断書の手配から死亡届の提出まで、手続きを代行してくれることもあります。

葬儀をとり行うにあたっては、まずはよい葬儀社をみつけることが大切ですが、葬儀費用の準備も必要です。
家族葬などの小規模な葬儀を行う場合でも、ある程度の費用がかかるものです。
この時、葬儀費用を亡くなった方の口座から引き落とそうとしても、亡くなった人の口座は凍結されてしまいますので、自由に引き出すことができなくなりますので、注意が必要です。

葬儀費用については、埋葬費用、火葬費用、お布施など、控除(差し引く)が認められる費用もありますので、領収書はきちんと保存しておきましょう。どの費用に控除が認められるのかは判断するのが難しいので、税理士に確認するとよいでしょう。

遺言書の確認

遺言書の有無について、確認しましょう。
封がしてある遺言書は、家庭裁判所で開封し検認を受ける必要があるので、勝手に開封しないようにしましょう。勝手に開封してしまうと、5万円以下の過料が科せられることもあります。

遺言書は、公正証書遺言、自立証書遺言などの種類がありますが、代表的なのは公正証書遺言です。
公正証書遺言とは、相続人が生前に公証役場に行き、公証人が筆記して作成した遺言のことをいいます。費用と手間がかかるというデメリットがありますが、一番安全で確実であり、前述した家庭裁判所の検認も必要ありません。
さらに、遺産分割協議などを行わずに相続手続きを開始することができるなど多くのメリットがあります。

ただ、公正証書遺言であれば、常にその内容が有効となるというものではありません。
例えば、遺言書の内容が「家族以外の者に、すべて相続させる」「長男に全て相続させる」などとなっていると、残された遺族の生活が保障されなくなったり、他の相続人が納得出来ず不満に思ったりすることもあるでしょう。
そこで、民法では一定範囲の相続人に対して、最低限財産をもらえる権利を保証しています。これを「遺留分」といいます。もし、遺言書の内容に納得できない場合には、遺留分減殺請求を行うことで、自分がもらえる財産を取り戻せることができます。
早めに弁護士に相談しましょう。

相続財産・相続人の確定

相続財産は何か、相続人は誰かについて把握する必要があります。
主な相続財産としては、不動産と金融資産などがありますが、これらの財産をすべて合計した金額が「3,000万円+600万円×法定相続人」の額を超えると相続税が課税されることになります。

また、相続財産には借金も含まれますので、この場合には相続放棄手続きなどを行う必要があります。相続放棄手続きは、相続開始を知った時から3カ月以内に行う必要があります。「相続財産がプラスかマイナスか判断できない」という場合には、限定承認申述書を提出すれば、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を受け継ぐことになります。
相続税が課税される場合には、さらにさまざまな手続きが必要となりますので、相続税が課税されるか否か含めて、早めに税理士に相談することをおすすめします。

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相続財産の評価、確定とともに行うのが、相続人の確定です。
ほとんどのケースでは、誰が相続人かは明確になっているものですが、行方不明の相続人がいたり、思わぬところに相続人がいたりする場合もあります。
必ず戸籍謄本を取り寄せて、確認するようにしましょう。
戸籍謄本は、出生時から死亡時までのすべての戸籍を取り寄せる必要があり手間がかかりますので、司法書士や税理士に相談するのもよいでしょう。

準確定申告

準確定申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内に行う必要があります。亡くなった人は、自分で確定申告を行なうことができませんので、相続人が代行して行うことになります。
提出は、被相続人(亡くなった人)の所轄の税務署で行います。提出は、相続人全員の共同提出が原則となっています。

参照:国税庁「納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」

遺産分割協議

公正証書遺言がない場合には、遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議は、相続人のうち1人でも反対すれば成立しませんし、行方不明の相続人がいるからといって、その人を除外することも許されません。
「相続人が全国各地に散らばっていて、一堂に会して協議をすることが難しい」といった事情がある場合には、遺産分割協議書を相続人の人数分作成して郵送し、署名捺印をしてもらって返送してもらうこともできます。
遺産分割協議がまとまらないと、調停や審判手続きを利用することになります。

遺産分割件数は、年々増加傾向にありますので、なかには何年も争うケースもあります。このような相続トラブルを回避するためにも、トラブルが起きる心配がある場合には、ぜひ遺言書を作成することをおすすめします。

参照:裁判所 司法統計「遺産分割件数」

相続税の申告・納税

相続税が課税される場合には、相続税を申告します。申告書は相続が開始したことを知った日の翌日から10カ月以内に税務署に提出します。
相続税も申告書の提出期限までに納税しなければなりません。
申告書を提出しても、納税をしなければ延滞税がかかりますので、注意しましょう。

相続税の申告で必要となる書類は、個々のケースで異なりますが、一般的には以下の書類が必要です。

①相続税の申告書
②戸籍謄本
③相続人全員の印鑑証明書
④被相続人及び相続時精算課税適用者の戸籍の附票の写し(相続時精算課税適用者の場合)

申告書は、申告期限の1カ月前くらいに税務署から郵送されてきます。
ただし、郵送されないからといって相続税を申告しなくてもよいというわけではなく、その場合には自分で申告書を取り寄せる必要があります。
相続税の申告をしないと、後々税務調査の対象となった時に指摘を受けて、追徴税や延滞税が加算されることになってしまいますので、注意しましょう。
なお、納税が必要ない場合でも、小規模宅地の評価減などの特例を利用したい場合には、申告が必要です。

申告期限までに遺産分割協議がまとまらない場合には、「未分割による申告」として、とりあえず法定相続人が法定相続分で相続したものとして申告することになります。
しかし、未分割の申告配偶者の税額軽減が適用されず、小規模宅地の減税とくれも適用されないなどのデメリットがあります。

また、相続税を現金で納付できない場合には、延納を検討します。
延納は、最長20年の分割払いが認められますが、利息がかかることになりますので、納税資金は計画的に準備しておくようにしましょう。

「相続税対策の3つのポイント|争続対策・相続税対策・納税資金」を読む

相続後の手続き

相続開始後は、前述した遺言書の確認や遺産分割協議のほか、各種名義変更手続きなども必要となります。

預貯金の名義変更

相続が開始すると、金融機関の口座は凍結されます。
決められた書類を提出して、口座の名義変更手続きを行わないと1円も引き出すことができなくなります。
必要書類は、各金融機関によって異なりますが、一般的には遺産分割協議書や通帳、届出印、キャッシュカードの提出が求められますので、準備しておくと良いでしょう。

不動産の相続登記・名義変更

亡くなった方に所有する不動産がある場合には、相続登記手続きを行います。
相続登記手続きは、いつまでに行わなければならないという期限があるわけではありませんが、登記手続きを行わなければ、第三者に主張することができません。後々思わぬトラブルにつながることもありますので、早めに手続きを行うようにしましょう。
なお、登記を行う際には、「固定資産税評価額×0.4%」によって登録免許税が必要となります。
例えば、評価額が2,000万円の不動産について、相続登記を申請する際の登録免許税は、
2,000万×0.4%=8万円ということになります。

賃貸住宅の場合には、賃貸住宅契約の名義変更をします。
相続人は、賃借権を相続できるので、家主の承諾は必要なく、家主との間で新たな建物賃貸契約書の名義変更手続きを行うことになります。
ただし、公営住宅などに入居していた場合には賃借権を行使できず、引き続き居住が認められないこともあります。

生命保険の保険金請求

亡くなった方が生命保険に加入していた場合には、保険金の請求手続きを行います。
受取人が請求しない限り、保険会社の方から連絡があることはありませんし、保険金の支払いもされませんので、必ず請求手続きを行うようにしましょう。

保険金の請求手続きを行う際には、証券記号番号や亡くなった人の氏名、亡くなった日、亡くなった原因、証券の有無などを質問されることがありますので、準備しておきましょう。

遺族基礎年金、遺族厚生年金、寡婦年金の請求

遺族に支払われる年金は、受給者が加入していた年金によって異なります。
国民年金に加入している場合には「遺族基礎年金」、厚生年金に加入していた場合には「遺族厚生年金」となります。

年金は、請求しなければ受け取れず、請求期限は亡くなった日の翌日から5年と決まっています。
この期限を過ぎてしまうと、請求する権利は消滅してしまいますので、注意しましょう。

国民年金の掛金を支払っていた夫が亡くなった場合で18歳未満の子どもがいない場合には、その妻は遺族基礎年金を受け取ることができませんので、その場合には、寡婦年金の請求を行います。
後述する死亡一時金を受け取る資格がある場合には、どちらか一方を選択することになります。

参照:日本年金機構「遺族基礎年金」

参照:日本年金機構「遺族厚生年金」

参照:日本年金機構「寡婦年金」

死亡一時金の請求

死亡一時金とは、遺族厚生年金や遺族基礎年金を受け取ることができない遺族を救済するための一時金です。
前述した寡婦年金と異なるのは、死亡一時金を請求できるのが妻だけでなく、子、父母、孫、祖父母など、対象が広いという点です。

死亡一時金も請求しなければ受け取れず、請求期限は亡くなった日の翌日から2年と決まっています。

参照:日本年金機構「死亡一時金」

株式、自動車の名義変更

株式は、名義書換をしなければ配当を受けることはできません。
したがって、亡くなった人の口座がある信託銀行に、相続を行う旨と名義書換の旨の連絡をする必要があります。
ただし、この時も口座は一時的に凍結されます。
相続人が複数いる場合には、遺産分割協議書や遺言書がないと、株式を渡すことができないからです。

自動車の名義変更は、道路運送車両法により、15日以内に名義変更をする必要があります。手続きは管轄の運輸支局で行います。
自動車ディーラーなどに依頼すれば、引き受けてくれることもあります。

光熱費など公共料金の名義変更

電気・ガス・水道などの公共料金も、名義変更が必要です。
請求書をコンビニエンスストアなどに持参し支払っていた場合には、電話1本で済ませることができるケースがほとんどですが、金融機関の口座から自動引き落とししていた場合には、口座が一旦凍結されるので引落ができなくなります。
電気やガスが止められると大変ですので、早めに金融機関の口座の変更手続きを行うようにしましょう。

青色申告承認申請

自営業で青色申告をしていた場合で、さまざまな特例を受けていた場合には、相続人が特例の選択届出書を提出しないと、特例を受けることができませんので、青色申告承認申請を行いましょう。
「親は白色申告だったけど、自分は青色申告をしたい」という場合には、承認申請書の提出期限は、相続開始の日から2カ月以内です。年明けから1月15日までの間に相続が開始した場合には、相続開始の年の3月15日が提出期限で、その期限を過ぎると白色申告になってしまいますので、注意しましょう。

「青色申告のメリット・デメリット・確定申告スケジュール」を読む

まとめ

以上、相続後の手続きの方法についてご紹介いたしました。
相続後には、さまざまな手続きが必要で、死亡届の提出、葬儀、遺産分割協議、相続税の申告などのほか、預貯金や株式、自動車などの名義変更や、公共料金の名義変更も必要です。また、不動産の相続登記などの諸手続きも早めに行った方が、さまざまなトラブルを回避することができるので、わからないことがあれば相続税に強い税理士に相談してみることをおすすめします。

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