人を雇うときに必要な社会保険・労働保険の手続き

公開日:2019年04月14日
最終更新日:2022年07月14日

この記事のポイント

  • 公的保険には、社会保険と労働保険がある。
  • 人を1人でも雇用したら労働保険に加入しなければならない。
  • 社会保険は、事業所単位で適用される。

 

事業が軌道に乗ってくると1人では仕事を回しきれなくなって、人を雇うことを考えることもあるでしょう。
しかし、当然のことですが人を雇うということは、重い責任を伴うものです。いろいろな手続きも必要となりますので、もれなく手続きを行いましょう。
まず、従業員が入社した時には、必ず労災保険に加入しなければなりません。これは正社員に限らず、アルバイトやパートを雇用した際にも必要となる手続きです。
雇用保険は、法律で適用除外とされる従業員を除いたすべての従業員が加入対象となります。
健康保険と厚生年金保険の両者をあわせて「社会保険」と呼びますが、これも法律で適用除外とされる従業員を除いたすべての従業員が加入対象となります。

人を雇うと必要となる手続き

従業員を1人でも雇ったら、労働保険に加入しなければなりません。
特に労災保険は強制加入なので、従業員が1人でもいる会社は加入手続きを行う必要があります。
また、雇用保険、社会保険については、法律で適用除外とされる従業員を除いたすべての従業員を雇用した際に必要となります。

(1)労災保険は必ず加入

労災保険は、正社員に限らずアルバイトやパートを雇った場合でも加入しなければなりません。たとえ短期のアルバイトを雇った場合でも、労災保険は加入する必要があります。
業務中や通勤途中に起きた事故によるケガの治療費は、労災保険から支給され通常の健康保険は使えないため、この労災保険の加入が必要となります。
労災保険に未加入のままでいると、万が一事故が起こった場合には、会社に重いペナルティがかかるので、必ず加入しましょう。

(2)雇用保険も必ず加入

雇用保険とは、労働者が失業した時の失業等給付や、育児や介護をするために休業する時に給付を受けられる保険です。
雇用保険も、1人でも従業員を雇い入れて事業が行われている限り、当然適用事業となりますから、必ず加入する必要があります。

(3)社会保険は事業所単位で適用される

社会保険(健康保険と厚生年金保険、介護保険)については、一定の事業所が強制適用となります。
社会保険は役員も強制的に加入しなければならないので、法人の場合には従業員を雇い入れない場合でも、新規適用の手続きが必要になります。

各保険の手続き・窓口・必要書類

保険関係における手続きは、各担当の役所で行います。
健康保険、厚生年金保険、介護保険の窓口は、年金事務所(または協会けんぽ)です。労災保険は労働基準監督署が窓口となり、雇用保険はハローワークが窓口となります。

(1)社会保険(健康保険・厚生年金)の窓口は年金事務所

健康保険・厚生年金・介護保険をあわせて、「社会保険」とよびます。
社会保険は、一定の事業所は強制適用となります。
法人の場合はすべての役員や従業員も加入対象です。
したがって会社に代表者が1人だけの場合でも、社会保険の加入手続きは行う必要があります。

業種 人数 強制・任意
法人 業種は問わない 人数は問わない 強制適用
個人 適用業種 5人以上 強制適用
5人未満 任意適用
非適用業種 人数は問わない 任意適用

社会保険の手続きをする際には、以下の書類が必要です。
事前に年金事務所または協会けんぽで確認しておくようにします。

社会保険の手続きに必要な書類

・健康保険厚生年金保険新規適用届
・健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届
・健康保険被扶養者異動届(被扶養者がいる場合)
・外国籍従業員の場合には、厚生年金被保険者ローマ字氏名届
・外国籍従業員の場合には、国民年金第3号日保険者ローマ字氏名届
・登記簿謄本、出勤簿・賃金台帳
・登記上の本店所在地と事業場が異なる場合には、賃貸借契約書
・法人番号指定通知書

社会保険の加入手続きは、年金事務所または協会けんぽで行います。
従業員が入社したら、5日以内に社会保険の資格取得手続きを行う必要があります。手続きをする際には、従業員の基礎年金番号(10桁の番号で、年金の加入記録などを管理する番号)が必要になるので、事前に入社時に確認しておくようにしましょう。

(2)労災保険の窓口は「労働基準監督署」

労災保険とは、労働者が業務中や通勤途中に災害にあったときに保証してくれる保険です。
労災保険は、従業員が1人でもいる会社は強制加入となります。
正社員にかぎらず、アルバイトやパートで雇用した場合でも、労災保険には加入しなければなりません。

労災保険の加入日は、初めて従業員を雇用した日です。
したがって、従業員を雇用したら速やかに労働基準監督署で労災保険の加入手続きをします。
原則として、加入日(はじめて従業員を雇用した日)から10日以内に労働基準監督署で加入手続きをする必要があります。
10日を過ぎでも受け付けてくれますが、なるべく早めに手続きをすることが大切です。

労災保険の加入手続きは、労働基準監督署で行います。
手続きには、法定の申請書類と会社の登記簿謄本(登記事項証明書)が必要になりますので、準備しておきましょう。
登記事項上野所在地と実際に事業をしている所在地が異なる場合には、実際にその場所で事業を行っていることを証明するために、「賃貸借契約書」のコピーが必要になります。

労災保険に加入手続きは、労働基準監督署で行います。また、手続きの際には以下の書類が必要です。
手続きをスムーズに進めるためにも、労働基準監督署で事前に必要書類を確認しておくとよいでしょう。

労災保険の手続きに必要な書類

・労働保険 保険関係成立届
・労働保険 概算確定保険料申告書
・登記簿謄本

複数の事業所や支店がある場合には、事業所ごと、支店ごとに同様の手続きを行う必要があります。

(3)雇用保険の窓口は「ハローワーク」

雇用保険とは、失業して収入が不安定な求職者の生活を保障したり、育児や介護のために休業するために休業したりする時に給付を受けられる保険です。失業等給付がメインの給付なので、一般的には「失業手当」「失業保険」と呼ばれています。

雇用保険は、従業員が入社した日の翌月の10日までに行なわなければなりません。
アルバイトやパートでも、一定の適用要件を満たせば、加入対象となりますので、事前に適用要件をしっかり確認するようにしましょう。

雇用保険加入手続きを行うためには、以下の書類が必要です。
必要な書類は、会社の状況によって異なるので、滞りなく進めるためにも、ハローワークで事前に必要書類を確認しておくとよいでしょう。

雇用保険の手続きに必要な書類

・雇用保険適用事業所設置届
・雇用保険被保険者資格取得届
・雇用保険被保険者証
・会社の登記簿謄本や従業員との雇用契約書
・タイムカード、労働者名簿
・賃金台帳
・登記上の本店所在地と事業場が異なる場合には、賃貸借契約書
・労働保険 保険関係成立届事業主控

初めて雇用保険の加入対象者を雇用した場合には、ハローワークで手続きを行います。
必要な書類は、会社の状況によって異なりますので、事前にハローワークや社会保険労務士などに確認しておくと、スムーズに手続きを進めることができます。
支店が複数ある会社の場合には、本店だけではなくそれぞれの視点を管轄するハローワークで事業所ごとに加入手続きが必要となります。

まとめ

以上、従業員が入社した時に必要な労働保険(労災保険、雇用保険)、社会保険の手続きについてご紹介しました。それぞれ適用除外が法律で定められているほか、必要書類も会社の状況によって異なります。漏れなくスムーズに手続きを行うためにも、必要な手続きや書類については社会保険労務士に確認しておくことをおすすめします。

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