会計ソフトを導入するメリット&税理士活用法

公開日:2019年11月25日
最終更新日:2024年04月08日

この記事のポイント

  • 会計ソフトを活用すれば、確定申告の作業の8割を削減できる。
  • クラウド会計ソフトなら、税理士とデータをリアルタイムで共有できる。
  • 導入当初の初期設定などは、税理士のサポートを受けるのがおすすめ。

 

現在は、実にさまざまな会計ソフトが販売されていて、使用する人の目的やニーズに応じて多くの機能が実装されています。

会計ソフトには、パソコンにインストールするタイプと、インストールする必要なくすぐに使い始めることができるクラウド型のタイプがありますが、クラウド会計ソフトは場所を選ばず、パソコンやスマホでも使え、会計データを税理士とリアルタイムで共有でき、迅速に必要な対策について指摘を受けることができるという意味で、メリットが大きいと言えるでしょう。
 

クラウド会計の豆知識

クラウド会計は、ERPの機能を安価で利用できるため、システム投資にコストをかけられない中小企業において急速に普及しました。請求書や給与データを仕訳データとして自動で取り込みできるだけでなく、ネットバンキングやクレジットカードと連携した預金データの取り込みやAI機能による勘定科目の推測も可能となり、経理作業が大幅に省力化できました。
また、出張旅費などの経費精算業務に関しても、レシートを画像データで取り込み、ソフト上から経理に申請することができるため、仕訳入力作業が必要ない業務が増えつつあります。
また、クラウド会計の導入で、税理士との情報連携や活用方法も変わります。
これまでは、領収書や請求書を税理士に渡して仕訳をしてもらうという中小企業も多かったと思いますが、クラウド会計を導入すれば、税理士とリアルタイムでデータを共有することができるので、税理士にはデータが正しいかチェックしてもらうことができるので、時間が大幅に削減できます。

クラウド会計ソフトとは

決算前や確定申告の時期に、大量の領収書を整理して、ひとつひとつの領収書の内容を入力する作業を行わなければならず、膨大な時間を取られている方はたくさんいます。
また、難解な会計や簿記の用語に四苦八苦している人も多いことでしょう。

そんな時に活用したいのが、「クラウド会計ソフト freee会計」です。
「クラウド」会計ソフトとは、インターネット上のクラウドサービスを利用する会計ソフトで、インターネットにアクセスしIDとパスワードを入力すれば、どんな端末からも会計データにアクセスできるサービスです。

簿記の知識がない人には難しい複式簿記でも、「freee会計」なら、すぐに利用することができます。
たとえば、同じ顧客を毎週3回訪問するという場合、交通費の入力内容はいつも同じです。このようによく使うケースは「freee会計」で学習してくれるので、「freee会計」に登録しておけば、クリックひとつで入力を完了することができます。
また、古い領収書を見つけた、という場合でも、入力して日付順で並べ替えを行えば、問題なく帳簿に反映されます。
また、「freee会計」には、銀行の取引明細やクレジットカートの利用明細を読み取って会計情報に自動で仕訳を作成する機能があります。これまでのように、明細をひとつひとつ確認しながら入力作業を行う必要はなくなり、日々の経理作業をほぼ自動化することも可能となります。

(1)クラウド会計ソフトのメリット

「freee会計」は、従来の会計ソフトのようにパソコンにインストールする必要がなく、申し込みをしてIDとパスワードを入力すれば、今すぐに使い始めることができます。
会計データはクラウド上に保存されますから、「パソコンが壊れてしまい、データが消失した」といった心配もなくなります。
IDとパスワードがあれば、他の媒体(スマホやタブレットなど)から、すぐにデータにアクセスし編集することができます。

さらに、これまでは税制改正が行われるたびにソフトウェアのアップデートが必要でしたが、「freee会計」では、税制改正に伴うアップデートはすべてクラウドサービスの提供会社が無料で行うので、自社で行う必要もなくなります。
「freee会計」を利用するためには、利用料がかかりますが、この点についても従来の会計ソフトと比較するとやはりお得になるケースがほとんどです。なぜなら、従来の会計ソフトは、パソコンの数だけソフトが必要になることもあり、さらに税制改正があればソフトを買い替えなければなりませんでした。
その点、「freee会計」なら、決算書類の作成と記帳の効率化したいというだけなら、1,980円 / 月で利用可能。パソコンの数だけソフトを購入する必要がなく、税制改正のたびにソフトを買い直すことと比較すれば、コストパフォーマンスはかなり良いといえるでしょう。

(2)freee会計なら年次決算もかんたん

「freee会計」は、簿記や会計の用語が分からなくても、質問に答えていくだけで自動的に適切な勘定科目を選んでくれたり、領収書の写真を撮影するだけで記録してくれたりします。
また、ネットバンキングから預金データやクレジットカードデータと連携させれば、明細を自動で取り込む機能も備えているので、より経理作業を効率化することができます。

決算作業も期末時点の残高チェックを行い、期末に向けて必要な固定資産や在庫の棚卸の設定・登録作業を行えば、ほぼ作業を完了することができます。
固定資産の減価償却費は、事前に登録しておけば自動計算されます。

▶ クラウドツール(IT)に強い税理士を探す

クラウド会計ソフトと税理士活用法

「freee会計」を活用することで、税理士との付き合いも大きく変わります。
従来は、月次決算でも年次決算でも、データを税理士に渡してから税理士に処理をしてもらい、その処理された会計データをもらって検証することができるようになるまで1カ月ほどかかるケースもありました。
しかし、「freee会計」を活用すれば、タイムリーに税理士とデータを共有することができるので、複数拠点とつないだZoomなどで打ち合わせを行い、必要があればその場で修正していくことができます。

(1)クラウド会計ソフト導入からのサポート

「freee会計」には導入からサポートをしてもらえる認定アドバイザー制度があります。
認定アドバイザー制度とは、freee株式会社が、税理士事務所や会計事務所、社労士事務所などに対し、6段階の評価でfreeeの習熟度を判定する制度です。

事業の情報を入力いただくだけで、目的やニーズに合った認定アドバイザーをfreeeのコーディネーターが繋げるサービスもあり、認定アドバイザーである税理士から導入から初期設定までサポートをしてもらうこともできます。

▶ freee認定アドバイザーとは

(2)データを税理士にリアルタイムで共有できる

クラウド会計ソフトとクレジットカードやネットバンキングを連携すれば、日々の仕訳はほぼ自動化され、常に最新の会計データを確認することができます。

この会計データは、クラウド上で保存されており、そのまま顧問税理士にも共有することができるので、「今問題は起きているか」「その問題を解決するためには、どのような対応をとるべきか」「今後どのような問題が発生しそうか」などを、すぐに確認・検討してもらうことができます。
顧問税理士に会社の状況をすぐに把握してもらうことができれば、資金繰りの悪化にも迅速に対応することができるので「気づいたら、黒字倒産しそうだ」といったケースも回避できます。

また、「今期は売上が伸びそうだ」という時には、必要な節税対策をすぐに提案してもらうことができます。
節税対策は、決算前に慌てて行なうより中長期で行う方が、効果が出るケースがほとんどです。税理士に会計データを確認してもらいタイムリーな節税対策を提案してもらうことができれば、税負担を大きく軽減することが可能となるのです。

また、「freee会計」は、レポート機能が充実していて、さまざまレポートを活用して経営状態を分析することができます。

収益レポート

・直近6ヵ月間の売上品目構成が、どのように推移したか把握できます。
・得意先別の売上状況を、グラフで確認することができます。
・売上が多い月は何月だったのかなど、季節要因の分析に活用することができます。

▶ クラウド会計ソフト freee会計「収益レポート」

損益レポート

・ある部門の損益状況を、時系列で確認することができます。
・費用・収益の発生状況について、グラフで把握することができます。
・利益水準が高い月は何月だったのかなどを確認することで、経営戦略に活用することができます。

▶ クラウド会計ソフト freee会計「損益レポート」

レポートの種類 使い方のアイディア
収益レポート
  • 今月の売れ筋商品を確認する
  • 得意先ごとの売れ筋トップ10を確認する
  • 売上が多い月を確認する
費用レポート
  • 今月の費用内訳を確認する
  • 費用が多い月を確認する
損益レポート
  • 今月の損益のうち多かった商品は何かを確認する
  • 収支別の取引先トップ10を確認する
  • 損益の主要項目を時系列で確認する
売掛レポート
  • 来月の入金予定を確認する
  • 得意先ごとの金額を確認する
買掛レポート
  • 来月の支払い予定を確認する
  • 支払い先ごとの支払い予定を確認する
  • 一括振込用のファイルを出力する
  • 請求書が届いたので、いつの買掛金に対応しているかを確認したい
現預金レポート
  • 今月のお金はどれくらい動いたのかを確認する
  • 先週の現預金の残高を確認する
資金繰りレポート
  • 今月はどういった勘定科目で一番お金を使ったのかを確認する
  • 今後のお金の出入りを踏まえた上で、資金ショートを起こさないかを確認する
集計表
  • 「売上高」として入力した取引の件数を確認する
  • 複数の条件で絞り込みをかけて集計結果を知る

(3)顧問料を削減できる

税理士の顧問料は、依頼する業務内容などによってさまざまですが、月額3万円~5万円程度、確定申告は3万円から10万円程度が相場です。つまり税理士に領収書を渡して記帳から依頼すれば、その分顧問料がかかるというわけです。
確かに自分で記帳を行って間違いがあった場合の追徴課税や自分で気付かなかった節税と比較すれば、税理士に顧問料を払った方が得するケースがほとんどでしょう。
しかし、「freee会計」を活用すれば、クレジットカードやネットバンキングを連携するので、税理士に記帳作業を依頼する必要はなくなります。つまり、税理士の顧問料を削減することができるのです。
 

税理士選びの豆知識

税理士と顧問契約をすると、税務調査のターゲットとなりにくいというメリットがあります。決算書に税理士の印鑑があると、「この会社は顧問税理士ときちんと契約している」という印象を税務署に与えることができるからです。
一方、税理士の印鑑が押されていない決算書だと、「正確な経理処理ができているのか」という疑問を持たれてしまうことも考えられます。
「うちみたいな小さな法人は、税務調査の対象にはならないだろう」と安心することはできません。税務署は、担当地域すべての法人の決算書に目を通しているといわれています。

クラウド会計ソフト導入と税理士との連携【事例】

「freee会計」の導入で、税理士との関わり方は大きく変わります。
ここでは、「freee会計」を導入し、さらに税理士と連携して経営管理は大きく変化した事例をご紹介します。

【事例①】税理士とのやり取りをクラウド会計ソフトで効率化

エグゼクティブリンク株式会社様は、「freee会計」導入後、従来の会計ソフトと比べ、経理にかける時間が4分の1ほどになり、さらに税理士さんとのやりとりが効率化されたそうです。

「以前の経費処理では、交通費など同じ仕訳項目が多く、繰り返し入力することに労力がとられるため、税理士さんに記帳をお願いしていました。

領収書を郵送して税理士さんが入力作業を行い、そのデータをメールで送り返してもらい、私の会計ソフトにそのデータを反映させるという作業を繰り返していました。このデータのやり取りに2週間程度かかっていたと思います。「freee会計」はこのやり取りをゼロにしました。

私、もしくは、税理士さんが入力した情報はクラウド上でリアルタイム反映されるので、以前のように最新版のデータをメールでもらう必要がなくなりました。「freee会計」が経理作業を効率化した今では、売上やコストの予測・分析に時間を使えるようになり、大変助かっています。」

▶「税理士とのやり取りをクラウド会計ソフトで効率化」

【事例②】税理士任せの経理業務を内製化、コスト削減

合同会社みらいBASE様は、経理業務にかかる年間コストを1/10にまで削減し、経営状況をリアルタイムで把握できるようになったため、経営判断のスピードアップも実現させたといいます。
「当時の経理業務は、自分である程度の数字を把握してから、領収証などの書類を税理士に送り、先方で記帳をしてもらう流れで進めていました。面談は毎月実施していましたが、先方が作成した試算表を見ながら数字を確認するだけで終わることが多かったです。

自分で経理をやろうと決めた大きなきっかけは、コロナ禍です。開業から1年近い準備期間を経て、女性専用フィットネススタジオのオープンを間近に控えたタイミングで、兵庫県に緊急事態宣言が発令されたのです。その影響でオープンを延期せざるを得なくなり、経営状況は苦しくなっていきました。

売上が作れない中で経営を維持するには、経費を削るしかありません。そこで経費削減策の一環として、前々から考えていた経理業務の内製化を進めることにしました。前職で少しだけ使ったことがある「freee会計」を中心に、複数のクラウド会計ソフトを比較検討した結果、使い勝手に優れていてサポート体制も充実している「freee会計」の導入を決めました。税理士さんとの顧問契約料と比べると、経理業務にかかるコストは約1/10まで削減できています。」

▶「税理士任せの経理業務を内製化して、コスト削減とリアルタイム経営を実現」

まとめ

以上、「freee会計」を利用しながら、税理士を活用するメリットについてご紹介しました。「freee会計」を利用しながら、税務調査の対象となった時だけ税理士に立ち会いをお願いするという方もいますが、税務調査の連絡がきてから税理士を検索して依頼し、事業の内容から説明するのも大変ですし、その段階では身動きが取れない状態になっていたというケースも少なくありません。
売上がそれほどでもない場合には、税理士に依頼するコストを削減したいという気持ちも分かりますが、税理士にリアルタイムで会計データを確認してもらうことで、効果的な節税対策を行うことができれば、その方が得するケースがほとんどです。

経理作業の負担を減らし、効果的な節税対策を行いながら事業を行っていくために、「freee会計」を利用しながら税理士を上手に活用してくことをおすすめします。

クラウド会計ソフトについて相談できる税理士をさがす

freee税理士検索では数多くの事務所の中から「freee会計」の導入について相談できる税理士を検索することができます。
また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。

税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。
 

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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」

クラウド会計ソフトの「クラウド会計ソフト freee会計」が、税務や経理などで使えるお役立ち情報をご提供します。
「クラウド会計ソフト freee会計」は、毎日の経理作業を最小限で終わらせることができるクラウド型会計ソフトです。疑問点や不明点は、freee税理士検索で税理士を検索し、相談することができます。

 

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