事務用品費|雑費・消耗品費との違いは?

公開日:2021年12月10日
最終更新日:2022年03月10日

この記事のポイント

  • 「事務用品費」とは、事務作業で使われるものを購入した時に使用する勘定科目。
  • 文房具以外の少額の備品について処理する時は「消耗品費」を使用する。
  • 決算時に未使用分がある時には「貯蔵品」に振り替える。

 

事務用品費とは、事務作業(鉛筆、ボールペン、はさみ、ファイル、付箋など)で使われるものを購入した時に使用する勘定科目です。
事務用品費は頻繁に出てくる勘定科目であり、処理も分かりやすいのですが、決算時に未使用分がある時には「貯蔵品」に振り替えるなど、いくつかのポイントがありますので注意が必要です。

事務用品費とは

事務用品費とは、鉛筆、ボールペン、はさみ、ファイル、付箋など、事務作業で使われるものを購入した時に使用する勘定科目です。
このような事務用品はいくつかの種類をまとめて購入することが多いですが、決算時に未使用のものがある場合には、原則として「貯蔵品」に振り替え、翌期首に再び「事務用品費」に振り替える必要があります。

(1)事務用品費に該当する費用

事務用品費に該当する主な費用は、以下のようなものがあります。

・ボールペン
・鉛筆
・消しゴム
・ノート
・のり
・クリアファイル
・コピー用紙
・ゴム印
・印鑑
・セロハンテープ
・バインダー
・はさみ
・クリップ
・穴あけパンチ
・カッターナイフ
・定規
・便せん/封筒
・電卓
・請求書用紙
・領収書用紙
・帳票用紙
・名刺
・小切手帳
・インクカートリッジ
・SDメモリカード
・USBメモリ

印刷費用についても事務用品費で処理しますが、事務用品費で処理するものは社内で使用する印刷物に限られ、広告宣伝用の印刷物の費用は「広告宣伝費」で処理します。

(2)事務用品費と消耗品との違い

「消耗品費」は、文房具以外の少額の備品について処理する時に使用します。
たとえば、トイレットペーパーや清掃用具、石鹸、タオル、洗剤などは「消耗品」です。
事務用品費か消耗品費かの区別が分からない場合には、神経質に悩まず臨機応変に対応します。後々大きな問題になることはないでしょう。ただし一度「○○を購入した時には○○費で処理した」と決めたら、継続的にその勘定科目を使用するようにします。

(3)事務用品費と貯蔵品への振替処理

事務作業で使われる事務用品はいろいろな種類があるため、いくつかをまとめて大量に購入することがあります。このような場合には、「購入した時点」で費用計上しますが、決算時に未使用分がある場合には、原則として未使用分については「貯蔵品」として資産に振り替え、翌期首に再び「貯蔵品」から「事務用品費」に振り戻します。
特売の時に通常よりも多く購入し期末に残ってしまったような場合にも、未使用分を数えて、購入時の金額から未使用分の金額を計算して「貯蔵品」に振り替える必要があります。

ただしコピー用紙など、2カ月ごとなどある程度定期的に購入する場合には、期末に未使用のものがあっても「貯蔵品」に振り替える必要はありません。

事務用品は、なくなってから購入するよりいつも一定の在庫を保管しているものですから、期末在庫に注意しましょう。

(4)不要になった事務用品の処分

会社の移転などさまざまな理由で、住所が印刷されている封筒や名刺などを大量に処分することがあります。この処分にかかった費用(業者に支払った処分代など)や貯蔵品に計上していた部分の金額は、実際に処分してから「雑費」などに計上します。期末間際に処分する場合には、税務署等から指摘された時にきちんと説明できるように、処分した日や内容が確認できる資料を保管しておくようにしましょう。

事務用品費のよくある仕訳

事務用品費は、購入した時点で費用計上します。ただし期末日に発注するなどした場合には、発注しただけでは原則として購入したとはいえず、未払いとして処理をすることはできないので注意が必要です。
また、大量に事務用品を購入し、期末に未使用分がある時には、貯蔵品に振り替える必要がありますので、期末の処理については注意が必要です。

(1)ボールペン等を購入した

「ボールペン、ノート、便せん、コピー用紙をまとめて購入し、代金3万円を現金で支払った。」

借方 貸方
事務用品費 30,000 現金 30,000

「コピー用紙1万円分を、事業用カードで支払った。」

借方 貸方
事務用品費 10,000 未払金 10,000

「領収書用紙を5,000円分インターネットで注文し、送料525円含めて事業用カードで決済した。」

借方 貸方
事務用品費 5,525 未払金 5,525

(2)事務用品をまとめ買いし、決算時に未使用分がある

コピー用紙やボールペンなどをまとめ買いした時には、購入した時に「事務用品費」で処理をします。そして、原則として決算時に未使用分がある場合には「貯蔵品」に振り替えます。
ただし、税法上コピー用紙などを毎年一定数量を継続して購入している場合で、購入時に費用計上している場合には、「貯蔵品」に振り替えないことも認められます。

【購入時】「コピー用紙3万円分を購入し、代金を普通預金から支払った。」

借方 貸方
事務用品費 30,000 未払金 30,000

【決算時】「決算時に未使用のコピー用紙を調べたところ、1万円分の未使用分があった。」

借方 貸方
貯蔵品 10,000 事務用品費 10,000

【翌期首】「翌期首に、再び「事務用品費」に振り替えた。」

借方 貸方
事務用品費 10,000 貯蔵品 10,000

(3)不要になった事務用品を処分した

不要になった事務用品を処分する場合には、実際に処分してから雑費などで計上します。

「不要になった事務用品を処分して、2万円を現金で支払った。」

借方 貸方
雑費 20,000 現金 30,000

まとめ

以上、事務用品費についてご紹介しました。
事務用品は大量にまとめ買いすることが多いですが、購入した時点で費用計上します。
決算時に未使用分がある時には「貯蔵品」に振り替え、翌期首に再び「事務用品費」に振り替える必要があります。
ただし、毎年一定数を購入し継続して購入した時点で費用計上している場合には、決算時に「貯蔵品」に振り替えないことも、税法上認められています。
決算時の事務用品費の適切な処理の仕方については、税理士にアドバイスを受けることをおすすめします。

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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」

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