公開日:2023年12月12日
最終更新日:2023年12月16日
特別取締役とは、取締役会設置会社で取締役が6名以上いて、社外取締役がいる場合に設置することができる制度です。特別取締役を設けると、その議決を取締役会の決議とすることができます。
特別取締役を設置するためには、取締役会の決議が必要ですが、定款変更は必要ありません。ただし、特別取締役を設置したことについて登記をすることは必要です。
特別取締役とは、取締役会設置会社で取締役が6名以上いて、社外取締役がいる場合に設置することができる制度です。
特別取締役は、一定の事項については取締役会で決議しなくても、特別取締役の議決を取締役会の決議と同じように取り扱うことができます(会社法373条)。
取締役が多数いる会社では、取締役会決議事項について、その都度取締役会を開催し決議しなければならないとすると、機動的な決定ができなくなってしまいます。
特別取締役を設置すれば、一定の事項については特別取締役の議決だけで取締役会の決議として取り扱うことができるため、機動的な対応が可能となるというメリットがあります。
重要な財産の処分や譲受け、多額の借財など一定の事項について、取締役会が特別取締役の議決に委ねることができれば、特別取締役が事実上会社の執行部として重要な機能を果たすことができます。
特別取締役会を設けるためには、取締役会の決議が必要です。
特別取締役は、取締役の中から3名以上を選定する必要があります。
定款の変更は不要ですが、特別取締役を設置したことを登記する必要があります。
取引の相手方は、この登記を見ることで、取締役会の決議が必要なのか、それとも特別取締役の議決でOKなのかを判断することができるようになるからです。
特別取締役を設置するためには、以下の要件を満たす必要があります。
①指名委員会等設置会社でない取締役会設置会社であること
②取締役が6名以上いること ③3名以上の取締役を、取締役会で特別取締役に選任すること ④社外取締役を設けること(特別取締役のなかに、社外取締役がいる必要はありません) ⑤特別取締役について登記をすること |
特別取締役は、取締役の中から3名以上を選定する必要があります。
特別取締役は、取締役会の決議によって選定しますが、事実上会社の執行部としての機能を果たすことが予想されますから、上級レベルの取締役がメンバーになるものと考えられます。
なお、特別取締役は、「取締役会設置会社で取締役が6名以上いて、社外取締役がいる場合」に設けることができる制度ですが、社外取締役を特別取締役に加える必要はありません。
むしろ、社内取締役だけで固めた方が、機動的な意思決定が可能となると思われます。
会社法で「社外取締役がいること」を要件としている理由は、特別取締役を認める代わりに、社外取締役がいる取締役会のチェック機能を果たすよう求めているだけで、社外取締役が特別取締役に加わることは求められていません。
特別取締役を設けた場合には、出席した特別取締役の過半数が出席することが必要です。ただし、取締役会決議で「過半数よりも上回る割合を定足数とする」と定めた場合には、その割合以上が出席することが必要です。
そのうえで、原則として、出席した特別取締役の過半数が賛成して可決します。ただし例外として、「過半数よりも上回る割合が必要」と取締役会で定めた場合は、その割合以上の賛成が必要となります。
なお会社法では、定足数も決議要件も、原則はそれぞれ過半数としており、その割合を引き上げることはできますが、過半数以下とすることは認められません。
特別取締役会は、原則として各特別取締役が招集できます。
原則として1週間前に各取締役と各監査役に通知する必要がありますが、特別取締役と監査役の全員が同意している場合には、招集手続きをしないで開催することもできます。
この時、特別取締役以外の取締役は、重要な財産の処分と譲受、多額の借財に関する決定をする特別取締役会に参加する必要はありません。
また、取締役会と同じく、決議事項について特別な利害関係を有する特別取締役はこの決議には参加できず、参加できない取締役がいる場合には、その数は定足数には含まれません。
特別取締役会開催後は、議事録を作成します。
同会で決議した事項は、取締役会による決議が成立した後、遅滞なく他の取締役に決定事項を報告しなければなりません。
特別取締役は、取締役会決議事項を機動的に決定し、業務を円滑化するために認められた制度です。
特別取締役を設置すると、一定の事項について取締役会の決議と同じように取り扱われることになるため、その議決だけで取締役会の決議として取り扱うことができるようになります。
取締役の人数が多い会社では、導入を検討したい制度といえます。
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