iDeCo(イデコ)|個人型確定拠出年金を知識ゼロから理解する

公開日:2019年04月14日
最終更新日:2019年04月16日

目次

  1. iDeCo(イデコ)とは
    • そもそも「確定拠出型年金」とは
    • iDeCo(イデコ)の対象者
  2. iDeCo(イデコ)のメリット
    • 「積立時」掛金がそのまま控除できる
    • 「運用時」運用益が非課税
    • 「受取時」税制控除が適用
  3. iDeCo(イデコ)のデメリット
    • 60歳まで払出し、解約ができない
  4. iDeCo(イデコ)の始め方
    • (1)金融機関(運営管理機関)を選ぶ
    • (2)口座を開く
    • (3)選べる商品は大きく2種類
    • (4)掛金の振り分けは「割合」
    • (5)「受取時」は3種類
  5. まとめ
    • あわせて読みたい

この記事のポイント

  • iDeCo-イデコ(個人型確定拠出年金)は、自分のための年金制度。
  • 20歳から60歳未満で国民年金・厚生年金加入者なら誰でも加入できる。
  • 掛金の上限額は、加入者の働き方によって異なる。

 

iDeCo-イデコ(個人型確定拠出年金)とは、自分のための年金を自分で積み立てる制度です。
平成29年(2017年)の改正によってiDeCoの利用対象者は大幅に拡大され、原則として20歳以上60歳未満の国民年金・厚生年金加入者なら誰でも加入することができるようになりました。
運用益が非課税になるばかりでなく、掛金を支払った時にも税金(所得税・住民税)が安くなるという大変大きなメリットがあることで、大きな注目を集めています。

iDeCo(イデコ)とは

iDeCo(イデコ)とは個人型確定拠出年金の愛称で確定拠出年金法に基づいて実施されている制度で、簡単にいうと、「節税しながら、老後資金を自分で準備できる制度」です。

掛金を払いながら預金や投資信託などで運用して、60歳以降にその運用してきたお金を受け取るしくみです。
平成30年11月時点で、加入者数は1,093,000人と年々増加傾向にあります。

参照:国民年金基金連合会「最新iDeCo加入者数等について(平成30年11月)」

そもそも「確定拠出型年金」とは

確定拠出型年金には、「個人型」と「企業型」があり、iDeCo(イデコ)は個人型確定拠出型年金の愛称です。

「個人型」とは、個人が任意で加入し自分で掛け金を払う制度で、「企業型」とは、会社が掛金を支払い社員が運用し、将来の年金の元を作っていく制度です。

「確定拠出」とは、拠出が確定しているという意味で、支払う掛金は決まっていても受け取る額は運用成果によって変わるという意味です。

「年金」とは、60歳以降に年金か一時金(併用可)として受け取ることができるという意味です。
なお、老後を支えるお金としては、大きく①公的年金、②企業年金、③私的年金の3つがありますが、企業型確定拠出年金はこのうちの②企業年金に該当し、iDeCo(イデコ)は③私的年金に該当します。

iDeCo(イデコ)の対象者

個人型確定拠出年金iDeCo「イデコ」は、原則として20歳から60歳未満で国民年金・厚生年金加入者なら、誰でも加入することができます。
ただし、加入者の働き方や勤務先の状況によって掛金の上限は異なります。
サラリーマンは、企業型確定拠出年金の有無によっても掛金の上限額に変化があるので、注意しましょう。

(1) 自営業者やその家族、フリーランス、学生などで国民年金加入者
20歳以上60歳未満の自営業者やその家族、フリーランス、学生などで国民年金加入者を国民年金の第一号被保険者といいます。年間の掛金限度額は816,000円(月々68,000円)です。

(2) 勤務先に確定給付企業年金や厚生年金基金といった制度がないサラリーマン
第二号被保険者のうち、勤務先に確定給付企業年金や厚生年金基金といった制度がないサラリーマン年間の掛金限度額は276,000円(月々23,000円)です。
勤務先の企業年金が確定給付年金だけの場合には、自分の判断で、iDeCo(イデコ)に加入するかどうかを選択できることもあります。

(3) 企業型確定拠出年金に加入しているサラリーマン
第二号被保険者のうち、勤務先に確定給付企業年金や厚生年金基金といった制度があるサラリーマンの年間の掛金限度額は144,000円~240,000円(月々12,000円から20,000円)です。
ただし、サラリーマンで企業型確定拠出年金に加入している人が、別途個人として個人型確定拠出年金に加入できるかどうかについては、企業年金の実施状況によります。
現状は、企業型確定拠出年金は、会社の退職金給付制度の一環として設計されているので、それに対応した規約を作成しているケースが多いからです。規約の変更まで対応してくれる会社は、個々の会社対応次第ということになります。

(4) 公務員
自分の判断で、iDeCo(イデコ)に加入するかどうかを選択することができます。
年間の掛金限度額は144,000円(月々12,000円)です。

(5)専業主婦(専業主夫)など
専業主婦や専業主夫など、第二号被保険者の被扶養配偶者である第三号被保険者は、自分の判断で、iDeCo(イデコ)に加入するかどうかを選択することができます。
年間の掛金限度額は276,000円(月々23,000円)です。

加入対象者 自営業者 会社員 公務員 専業主婦など
月々同額で掛けると 68,000円 企業年金がない場合:場合:23,000円
企業年金がある場合:12,000円~20,000円
12,000円 23,000円
年間の掛金控除限度額 816,000円 企業年金がない場合:場合:276,000円
企業年金がある場合:144,000円~240,000円
144,000円 276,000円

iDeCo(イデコ)のメリット

iDeCoの最大のメリットが、「積立時」「運用時」「受取時」の3段階で税制特典があるという点です。iDeCoの掛金は、全額が所得控除の対象となり、運用益は非課税です。
受取時は課税されますが、一定額までは非課税となります。

「積立時」掛金がそのまま控除できる

iDeCoの最大のメリットが、「積立時」の毎月の掛け金全額が所得控除の対象となることで、その年の所得税と翌年の住民税が軽減されるという点です。
つまり、将来のお金を積み立てながら税負担を軽減させることができるのです。
なお、年収が高く毎月の掛け金額が大きい人ほど、その節税効果は高くなります。
例えば、年収500万の人と1,000万円の人で毎月10,000円(年間120,000円)を積み立てた場合では、年間の控除額については15,600円の差があります。

「運用時」運用益が非課税

投資信託などの金融商品で運用する場合には、通常だと決済時に運用益に対して20.315%の税金(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)かかります。
しかし、iDeCoで運用した場合には、その運用益がすべて非課税となります。
例えば、運用して1万円の利益が出た場合には、投資信託などの金融商品の場合、2,031円の税金がかかりますが、iDeCoなら税金は0円です。もし100万円以上の運用益が出た場合には、この差は20万円以上にもなるということになります。
このことからも、iDeCoの節税効果がいかに大きいのかが分かります。

「受取時」税制控除が適用

iDeCoは、「積立時」「運用時」は非課税ですが、「受取時」には一括して課税されるしくみになっています。ただし、ここでも手厚い税制控除が適用されます。
一時金で受け取る時には「退職所得控除」、年金として受け取る時には「公的年金等控除」が提要されて、一定額までは非課税となります。

iDeCo(イデコ)のデメリット

メリットの多いiDeCoではありますがデメリットもあります。それは、原則として60歳まで引き出すことができないという点です。実際「子どもの教育費や住宅購入など、お金がかかる時に引き出せないのは困る」と心配される人もいるようです。

iDekoのメリットデメリットについて詳しく知りたい方は下記の記事を併せてご覧ください。

「個人型確定拠出年金(iDeCo)|5つのメリットと2つの注意点」を読む

60歳まで払出し、解約ができない

iDeCoで積み立てた資産は、原則として60歳まで引き出すことはできません。
しかし、iDeCoの本来の目的が「老後のための資産形成」という観点でいえば、お金を引き出せないことはむしろメリットということができます。
必要だからといって、簡単に引き出せたり解約できたりするようだと、ついついお金を引き出してしまって「結局老後のための資金が貯まらなかった」ということになってしまいます。

そもそも、お金は目的に応じて管理方法を変えていかなくてはなりません。
子どもの教育資金なら定期預金やつみたてNISAを活用したり、万が一の場合には保険に加入したりする必要もあります。
iDeCoを始める場合にも、iDeCo以外の方法でしっかり資産形成を行うことをおすすめします。

iDeCo(イデコ)の始め方

iDeCoを始めるためには、まず金融機関(運営管理機関)を選択して、口座を開設することが必要です。
運営管理機関を選ぶ際には、商品のラインナップやサービスだけでなく、口座管理手数料など総合的な観点から判断することが大切です。

(1)金融機関(運営管理機関)を選ぶ

iDeCoを始めるうえで、まず行わなければならないのが「金融機関(運営管理機関)選び」です。金融機関を選ぶ際のポイントは、大きく分けて①手数料、②商品のラインナップ、③利便性・サービスの3点です。

① 手数料
iDeCoは、加入する金融機関だけでなく国民年金基金期間と事務委託先金融機関(信託銀行など)にも手数料を支払う必要がありますが、これらの手数料は一律で、加入時は2,777円、拠出時の103円と月額64円、給付時の432円と決まっています。
しかし、毎月かかる「口座管理手数料」は、金融機関によって異なります。
したがって、口座管理手数料が安い金融機関を選ぶことが大切です。
特に元本確保型の商品(定期預金など)をメインに積み立てを行う人は、口座管理手数料に着目するとよいでしょう。

②商品のラインナップ
金融機関を選ぶ際には、その金融機関が取り扱う商品のラインナップも重要です。しかし、単に商品数が多ければよいというわけではありません。
元本確保型商品であれば、金利の高いものを選ぶ必要がありますし、元本変動型商品であれば、運用コストの低い商品が揃っているかを確認する必要があります。

③利便性・サービス
利便性・サービスもしっかりチェックしたいものです。
Webサイトのユーザービリティ、コールセンターの対応時間など、細かい点もチェックしたいもの。iDeCoは60歳までの長期運用する制度なので、加入者の多様なニーズにいかに対応しているかは、大切なポイントとなってくるからです。

(2)口座を開く

加入したい金融機関が決まったら、ホームページやコールセンターから申込書類を取り寄せましょう。一部の金融機関では、店舗で資料を配布したり加入手続きについて説明したりしてくれるところもありますので、いくつかの金融機関をまわって、説明を受けるのもよいでしょう。
資料が送付されたら、申し込み書類に記入をして、返送します。
申込用紙には、基礎年金番号や被保険者の種別を記入する欄がありますので、予め準備しておきましょう。
申し込みした後は、加入審査がありますので、実際に口座が開設されるまでには1~2カ月かかります。

審査が完了すると、国民年金基金連合会から「個人型年金加入確認通知書」が届きます。また、別途記録関連運営管理機関から、WebサイトにログインするためのIDとパスワードが届きます。
書類を提出する際に配分指定(iDeCoで運用する商品を選択すること)をしていない場合には、ホームページで初回の配分設定を行います(※後述)。

(3)選べる商品は大きく2種類

iDeCoに加入する際は、金融機関から提示された商品の中から、自分が購入する商品を選択します。
iDeCoで選べる金融商品は、「元本確保型」と「元本変動型」の2種類があります。
元本確保型(定期預金や保険など)は、あらかじめ決められた金利で運用される商品で、満期時に元本と利息が確保されますが、運用でのリターンもほとんど期待できません。
元本変動型(投資信託など)は、元本割れのリスクはありますが、その分運用で資産を増やせるという期待ができます。特にiDeCoは運用益が非課税ですから、資産をほったらかしでどんどん増やせるといったことも期待できます。

(4)掛金の振り分けは「割合」

iDeCoを開始する時には、毎月の掛け金をどの商品に振り分けて運用するかを指定する「配分指定」を行います。
例えば、毎月の掛金が1万円の場合、商品Aを50%、商品Bを30%、商品Cを20%といったように指定すると、購入額は商品A=5,000円、商品B=3,000円、商品C=2,000円となります。
最初に配分指定をすれば、その後は自動的に指定した配分で毎月商品を購入することができます。途中で配分を変更したくなった場合には、変更することもできます。回数制限もありませんし、手数料もかかりません。

(5)「受取時」は3種類

iDeCoの受け取り方法は、「一時金」「年金」「一部を一時金+残りを年金」の3つの方法があります。
一時金として一括で受け取る時には、「退職所得控除」が適用されます。
例えば、30年間積み立てて60歳の時に一括で受け取る時には、1,500万円まで非課税で受け取ることができます。

年金として受け取る時には、「公的年金等控除」が適用されます。
例えば、65歳まで働くつもりで、65歳から年金形式で受け取る場合には、公的年金と合算して年120万円まで非課税となります。

一部を一時金、残りを年金で受け取る場合には、上記2つの控除を受けることができます。例えば30年間積み立てた場合で、60歳で一時金として一定額を受け取りつつ、年金形式でも受け取る時には、60歳から64歳までは年70万円まで非課税、1,500円まで非課税で一時金を受け取ることができます。

まとめ

以上、iDeCoの内容やメリット・デメリット、加入方法などについてご紹介しました。
なお、iDeCoで所得控除を受けるためには、サラリーマンの場合は年末調整が必要ですし、自営業の場合には確定申告が必要です。

あわせて読みたい

iDeCoについては、下記の記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。

個人型確定拠出年金(iDeCo)|5つのメリットと2つの注意点

iDeCo(イデコ)|個人型確定拠出年金の年末調整と確定申告

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