所得拡大促進税制(令和3年3月31日まで)とは|メリット・デメリットは?

公開日:2019年12月27日
最終更新日:2019年12月27日

目次

  1. 所得拡大促進税制とは
    • そもそも「○○税制」とは
    • 所得拡大促進税制のメリット
    • 所得拡大促進税制のデメリット
  2. 平成30年度税制改正のポイント
    • 税額控除額の変更
    • 適用要件が緩和
    • 上乗せ措置の追加
  3. まとめ
    • 税理士をお探しの方

この記事のポイント

  • 所得拡大促進税制とは、一定の要件を満たした場合に税額控除できる制度。
  • 令和3年3月31日までに開始される事業年度が対象となる。
  • 適用できる事業年度や要件に制限があるので、早めに税理士に相談するのがおすすめ。

 

所得拡大促進税制とは、国内雇用者に対して給与等を支給し、要件を満たした場合に受けることができる税額控除です。
所得拡大促進税制個人所得の拡大を図り、所得水準の改善を通じた経済成長を達成するために、企業の給与等の支給額の増加を促す措置として創設されました。
平成30年の税制改正によって、適用要件や控除税額の算定方法が見直され、控除限度額が改正前の法人税額の10%から20%(中小企業で一定の要件を満たす場合には25%)に引き上げられました。

ただし、所得拡大税制の適用を受けるためには適用の可否判定のために、さまざまな計算や手続きが必要です。

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所得拡大促進税制とは

所得拡大促進税制とは、個人所得の拡大を図り、所得水準の改善を通じた経済成長を達成するために、一定の要件を満たし前年度より給与を増加させた企業について、その増加額の一部を法人税(個人事業主は所得税)から税額控除できる制度です。

賃上げと設備投資に積極的な企業は法人税が減税になる一方で、平成30年度からは賃上げと設備投資に消極的な大企業は、優遇措置が受けられなくなりました。

大企業が一定以上の賃上げと国内設備投資、教育訓練費の増額などを行うと、最大で給与増加額の20%が税額控除されます。
また、中小企業の場合には、一定以上の賃上げと教育訓練費などを増加させると、最大で給与増加額の25%が税額控除されます。
平成30年4月1日から、令和3年3月31日までに開始される事業年度が対象となります。

参照:経済産業省「中小企業向け 所得拡大促進税制 ご利用ガイドブック」

そもそも「○○税制」とは

所得拡大促進税制のほかにも、「中小企業等投資促進税制」など「○○税制」とつく制度は数多くありますが、そもそも「税制」とは何なのでしょうか。
これは、「政府が促進したい特定の政策について貢献した場合には、税制措置で優遇します」という制度です。
たとえば、中小企業の投資を促進したいという政策を進めるために設けた優遇措置が「中小企業等投資促進税制」ということになります。

そして、「個人所得の拡大を図り、所得水準を改善したい」という政策を進めるために設けた優遇措置が、ここでご紹介する「所得拡大促進税制」ということになります。

税制措置でよく使われるのが税額控除と減価償却の特別償却です。
どちらも企業にとっては、法人税が減税されるのと同じ意味を持つので、適用要件を満たす場合には積極的に活用したいものです。
ただし、これらの税制はそれぞれ適用できる事業年度や要件に制限があります。したがって、活用を検討する場合には早めに税理士に相談し、十分に確認する必要があります。

所得拡大促進税制のメリット

所得拡大促進税制のメリットは、何といっても法人税が減税されることです。

具体的には、継続雇用者給与等支給額が前年度比で1.5%以上増加した場合には、給与総額の前年度からの増加額の15%が税額控除されます。
さらに、継続雇用者給与等支給額が前年度比で2.5%以上増加し一定の要件を満たす場合には、給与総額の前年度からの増加額の25%が税額控除されることとなりました。

所得拡大促進税制のデメリット

所得拡大促進税制のデメリットは、「前年度から給与が増加した」「前年度から教育訓練費が増加した」ということなどを証明するための集計が煩雑であることです。
適用を受けるためには、「給与が増加したこと」を証明するためにさまざまな数字を集計する必要があり、その中には所得拡大促進税制の適用の可否判定のために特に集計しなければならないものもあります。

さらに、25%が税額控除となる上乗せ措置を利用する場合には、適用年度終了の日までに中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けており、経営力向上計画に基づき経営力向上が確実に行われたことにつき証明がなされていることが必要です。

経営力向上計画とは、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資など自社の経営力を向上するために実施する計画で、認定された事業者は、税制や金融の支援等を受けることができます。経営力向上計画の作成・申請については、経営革新等支援機関に認定された税理士のサポートを受けることができます。

「経営革新等支援機関(認定支援機関)とは」を読む

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平成30年度税制改正のポイント

所得拡大促進税制は、平成30年4月1日以降に開始される事業年度(個人事業主については平成31年分)からは制度が大きく変更されました。

税額控除額の変更

改正前は、①給与総額が前年度以上、②継続雇用者給与等支給額が前年度比で1.5%以上増加していることが要件でしたが、改正後は、前年度からの給与総額の増加額に対して、15%の税額控除されることとなり、さらに人材投資や生産性向上に取り組む企業は税額控除率を25%に上乗せされることになりました。

適用要件が緩和

改正前は、給与総額が基準年度(平成24年度)比で3%以上増加していることが適用の要件でしたが、この要件が廃止されました。

【主な改正点】
①基準年度(H24年度)の給与総額と比べて、適用年度において一定割合増加していること →廃止

②平均給与等支給額が前年度以上 →「継続雇用者給与等支給額が前年度比1.5%以上増加」に変更 (「継続雇用者」の定義を見直し、計算方法を簡素化)

③税額控除 • 基準年度からの給与総額の増加額の10%(一部22%)→前年度からの給与総額の増加額の15%(通常)/25%(上乗せ)

上乗せ措置の追加

平均給与が対前年度比で2.5%以上増加しており、人材投資(新たなスキル獲得のための研修やセミナーなどの実施)や生産性向上に取り組む場合には、給与総額の前年度からの増加額に対して、25%の税額控除されることになりました。
ただし、この上乗せ措置を利用するためには、前述したとおり経営力向上計画の認定を受け、経営力向上報告書を作成し、経済産業省に提出しなければなりません。

参照:中小企業庁「中小企業向け所得拡大促進税制平成30年度税制改正のポイント」

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まとめ

以上、所得拡大促進税制の内容や、平成30年度の改正ポイントなどについてご紹介しました。所得拡大促進税制は、法人税が減額される税制ですが、適用を受けるためにはさまざまな集計作業が必要ですし、上乗せ措置を利用する場合にはさらに必要な書類があります。
これらの作業に時間がかかることも予想されるため、適用を受けたいと考える場合には、早めに所得拡大促進税制に精通している税理士に相談し、経営力向上計画の作成や認定などについてサポートを受ける必要があります。

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