生前贈与|贈与税が非課税になる10個の方法

公開日:2019年06月01日
最終更新日:2020年01月15日

目次

  1. 生前贈与とは
    • 贈与税は相続税より税率が高い
  2. 贈与税を減らす10の方法
    • (1)暦年贈与
    • (2)子や孫の住宅取得資金等の贈与
    • (3)子や孫の教育費の贈与
    • (4)子や孫の結婚・子育て資金の贈与
    • (5)配偶者に自宅を贈る「おしどり贈与」
    • (6)使いたい時に贈与「相続時精算課税」
    • (7)生命保険の非課税枠を利用する
    • (8)ジュニアNISA
    • (9)家族信託は贈与税がかからない
    • (10)おしどり贈与と居住用財産の特例の組み合わせ
  3. まとめ
    • 相続税に強い税理士をお探しの方
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生前贈与は、相続税の節税対策として行う人も多いのですが、納税資金の確保や財産の有効活用という面から見ても非常に効果的です。
ただし、計画的に行わないとせっかく生前贈与を行っても、かえって税金がかかってしまうことがあります。
そこで、ここでは、相続税の節税にもなり、贈与税もゼロになる方法をご紹介します。

生前贈与とは

生前贈与とは、相続税の節税対策を行うために贈与を利用するものです。
生前贈与をして生きているうちに次の世代に財産を移転して、相続財産を減らすことができ、節税対策として効果がありますが、納税資金の確保や財産の有効活用という面から見ても非常に効果的な方法です。

贈与税は相続税より税率が高い

贈与すればそこには「贈与税」がかかります。しかも贈与税は相続税より高い税率で課税されます。

生前に財産を移転して相続税を減らしても、高い贈与税を払うことになっては意味がありませんので、生前贈与は贈与税の非課税枠(税金がかからない枠)や、特例を上手に利用して、賢い贈与をしなければなりません。

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贈与税を減らす10の方法

上手に生前贈与を行うことで、贈与税も相続税もゼロにできる場合があります。
しかし生前贈与はさまざまな要件が必要です。要件を満たさずに贈与と認められないと、相続税の課税対象となってしまうことがあります。さらに「相続税の申告納税がない」と指摘されて追徴課税の対象となってしまうことがあります。
ここでは、贈与税を減らす10の方法をご紹介します。それぞれのメリット・デメリットを正しく理解し、最も最適な対策を検討するようにしましょう。

(1)暦年贈与

暦年贈与とは、1月1日~12月31日までの間(暦年)に110万円以下の贈与を行うことをいいます。
暦年贈与の基礎控除は110万円なので、この基礎控除枠を利用して毎年110万円ずつ贈与すれば、贈与税がかかりません。
例えば、子ども2人に10年間贈与を行えば2,200万円を非課税で贈与することができますし、1年間で10人に贈与すれば1,100万円を非課税で贈与することができます。
ただし、暦年贈与にはデメリットもあります。
毎年同じ時期に同じ金額を贈ると、税務署に「最初の年に同じ金額を贈る約束をした」「暦年贈与ではなく、連年贈与だ」とみなされてしまいます。したがって、贈与する時期や贈与する金額を年ごとに変えたり、贈与契約を締結しておいたりするなどの工夫が必要です。

「「暦年課税制度」(暦年贈与)の方法と申告方法(記載事例付)」を読む

また、相続開始前の3年以内の贈与は、相続財産に持ち戻されてしまうので、この点も注意が必要です。
この場合には、孫や子の配偶者など相続人ではない人に贈与をするのがおすすめです。相続人とならない人に贈与をすれば、3年以内であっても持ち戻されることがないからです。

(2)子や孫の住宅取得資金等の贈与

「住宅取得資金の贈与の特例」とは、子や孫などが自宅を新築・購入したり増改築したりする時に、その資金を親や祖父母から贈与された場合には、一定金額まで非課税とすることができる制度です。さらに、この特例は相続開始前の3年以内に贈与が行われた場合には、相続財産に持ち戻す必要がありません。

ただし、贈与された額を使い残してしまった場合には、その残額分について贈与税がかかってしまいます。したがって、贈与された資金は、きっちり使い切ることができるよう、計画的に贈与をする必要があります。

非課税の限度額は、工事契約・売買契約を締結する年月によって異なります。
特に消費税率8%と10%の場合には、非課税限度額が大きく異なるので、注意が必要です。

(3)子や孫の教育費の贈与

「教育資金の贈与の特例」とは、子や孫に教育資金を贈与する場合、1,500万円までは非課税で贈与をすることができるという制度です。ただし、塾など学校以外への支払は、このうち500万円までしか認められません。
「教育資金の贈与の特例」は、一括で1,500万円を非課税で贈与できるという点も大きなメリットがありますが、この制度は合計1,500万円までであれば、何度贈与しても非課税となるというメリットがあります。
ただし、30歳までに使い切れなかった分には贈与税がかかってしまうので、計画性を持って贈与をすることが大切です。
また、平成31年(2019年)の税制改正によって、教育資金贈与を行ってから3年以内に、その贈与をした人が亡くなってしまった場合には、その時点で使い切れていない金額は、相続財産に持ち戻されることになりました。

「2019年税制改正で延長決定!教育資金の贈与の特例のメリットとデメリット」を読む

(4)子や孫の結婚・子育て資金の贈与

「結婚・子育て資金の一括贈与の特例」とは、結婚・子育ての支払に充てるために贈与された資金については、1,000万円まで非課税とする制度です。
この特例は、平成27年(2015年)の税制改正で新たに導入された制度です。
このうち、結婚費用に充てられるものは300万円までです。
この「結婚・子育て資金の一括贈与の特例」も、資金の使用期限が決められていて、50歳までに使い切らないと残額に贈与税がかかります。

「2019年税制改正で延長決定!結婚・子育て資金の一括贈与の特例」を読む

(5)配偶者に自宅を贈る「おしどり贈与」

「贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)」とは、夫婦間で居住用の不動産を贈与した時には、暦年贈与の基礎控除である110万円に追加して、2,000万円までの控除が受けられるという制度です。
夫婦として婚姻期間が20年以上過ぎていることが要件で、かつその後も引き続き住み続けることも必要です。
なお、事実婚は対象外となります。また、同じ配偶者から贈与を受ける場合には、一生に1度しか控除が適用されません。

(6)使いたい時に贈与「相続時精算課税」

相続時精算課税とは、被相続人である親と相続人である子や孫の間で、将来相続される財産を前渡しできる制度です。
贈与される2,500万円までは当面非課税となり、相続が発生した段階で、先渡ししていた財産に相続税がかかります。
「相続まで待たずに、今ある財産を必要な時に使わせてあげたい」という時に活用したい制度です。
相続時精算課税を使うと、暦年贈与に戻ることができなくなるので、どちらの制度を利用するかは、しっかり検討することが必要です。

「相続時精算課税制度を活用するポイントと必要な手続き」を読む

(7)生命保険の非課税枠を利用する

生命保険は、契約形態によってかかる税金の種類が異なります。
受け取った生命保険金には相続税や所得税、贈与税が課せられますが、どの税金がかかるかは、契約形態によって決まります。
例えば、相続税のかかる契約形態の死亡保険金の場合は、法定相続人が受け取る場合に、「500万円×法定相続人の数」までの控除を受けることができます。
例えば、妻と子ども2人が相続人の場合には、1,500万円までは税金がかかりません。

「生命保険を活用した相続税対策5つのポイント」を読む

(8)ジュニアNISA

ジュニアNISAとは、日本に居住する0歳から19歳の未成年者を対象としたNISAです。
1年間に80万円までの資金を5年間非課税で運用することができます。
子や孫の大学進学資金を準備したいという時に、資金を有利に運用しながら、かつ非課税で用意をすることができます。通常、金融商品を運用して利益が出れば、税金がかかるので、これから投資を考える人にとっては見逃せない、お得な制度といえるでしょう。

「ジュニアNISA|5つのメリットと3つのデメリット」を読む

「NISAとは|メリット・デメリット・始め方」を読む

(9)家族信託は贈与税がかからない

信託とは、信頼できる人に財産を託して、あらかじめ決めておいた目的に従って、財産から利益を得る人のために管理をする制度です。
信託された財産は、名義上は受託者(子ども)のものとなりますが、この場合受託者が親であっても相続財産の対象とはならず、相続税がかかりません。

(10)おしどり贈与と居住用財産の特例の組み合わせ

「居住用財産の特例」とは、自宅などの居住用財産を売却して利益を得た場合3,000万円の控除が受けられるという制度です。
前述した「おしどり贈与」は、配偶者に自宅用の不動産または取得資金を贈与する制度ですが、おしどり贈与と居住用財産の特例の組み合わせることで、控除できる金額を2倍にして、節税効果を大きくすることができます。

①まず、自宅などのうち2,000万円の持分を、配偶者に贈与します。この「おしどり贈与」を利用すれば、贈与税はかかりません。

②一定の時期がきたら、この自宅を売却します。この時「居住用財産の特例」が適用され、3,000万円の控除を受けます。3,000万円の控除は、夫婦それぞれが受けることができるので、2人分の6,000万円が控除されることになります。

特例を利用しなければ6,000万円×20%の税金がかかります。しかし、おしどり贈与と居住用財産の特例を組み合わせて活用すれば、最大600万円もの税金を節税することができることになります。

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まとめ

  • 生前贈与は、節税対策だけでなく納税資金の確保や財産の有効活用も行うことができる。
  • 贈与税は相続税より税率が高いので、生前贈与は計画的に行うことが大切。
  • 個々の状況に合わせて贈与の特例を利用すれば、贈与税はゼロにできる。

以上、贈与税が非課税になる10個の方法をご紹介しました。
これまでご紹介してきたように、贈与の基礎控除や特例を上手に活用すれば、大きな節税効果が生まれます。
ただし、そもそも扶養義務者に渡す生活費や教育費は、金額に関係なく税金はかかりません。
特例にすぐ飛びつくのではなく、税理士に相談しながら計画を立て、タイミングを合わせて最適な生前贈与を行うことが大切です。

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