公開日:2019年12月03日
最終更新日:2022年07月14日
マイナンバー制度とは、住民票を有する全国民に対して1人に1つの個人番号が市区町村で指定されるという制度です。社会保険などの手続きに利用されるほか、税金の申告書や届出書、税務署に提出する源泉徴収票などへも記載が必要です。
マイナンバー制度とは、平成28年(2016年)1月から開始された制度です。
社会保障、税、災害対策の分野限定で、国や地方公共団体などが保有する個人情報をマイナンバーと紐づけることで、効率的に情報を管理する目的で導入されました。
マイナンバーは、社会保険などの手続きに利用されるほか、所得税や法人税、相続税、贈与税などの税金の申告書、届出書、税務署に提出する源泉徴収票などには、マイナンバーの記載が求められます。
マイナンバーは、給与の支払いを受ける会社、証券会社、保険会社、銀行などから提示を求められることがあります。
また、個人事業主が確定申告を行う際にも、確定申告書にマイナンバーを記載する必要があります。
また、従業員が入社した場合にもマイナンバーを取得する必要があります。
従業員のマイナンバーは、税務署に提出する給与所得の源泉徴収票や、健康保険組合への提出書類、雇用保険関係の提出書類などに記載する必要があるからです。
マイナンバーは、住民登録のあるすべての人に与えられます。
大人も子どもも1人1つの番号を持つことになります。つまり、住民票に記載されていれば、生まれたばかりの赤ちゃんも外国籍の人も対象となります。
たとえば、外国人留学生も基本的にはマイナンバーを持つことになりますので、外国人留学生をアルバイトとして雇う時には、マイナンバーを提出してもらう必要があります。
マイナンバーとして与えられる番号は、数字のみで構成される12桁の番号で市町村から住民票の住所宛てに通知カードが郵送されていきます。
原則として1度指定されると、その番号は生涯変わりません。
ただし例外として、情報漏えい、盗用の恐れがある場合には新しい番号が付番されます。
したがって、会社で従業員のマイナンバーを管理する担当者は、就業規則等に記載をして従業員やその扶養家族のマイナンバーに変更があった場合には、速やかに会社に報告するよう、周知することが必要です。
マイナンバーは、市町村から住民票の住所宛てに紙の通知カードに記載されて郵送されてきます。通知カードが送付されて来たら、個人番号カード交付申請書に署名または記名・押印し、顔写真を貼り付けて、送付用封筒に入れて郵便ポストに投函します。
なお、交付申請用のWEBサイトにアクセスして申請することもできます。
申請をすると、マイナンバー、氏名、住所、生年月日、顔写真が表示された個人情報カードが送付されてきます。
市町村から郵送される通知カードには顔写真がないので、本人確認書類にはなりません。個人情報カードには、氏名や顔写真が表示されているので、それ1枚で番号確認と本人確認が可能となります。
マイナンバーは、前述した郵送で申請する方法のほか、パソコンやスマートフォンで申請することもできます。
パソコンで申請する
デジカメで顔写真を撮影してパソコンに保存し、交付申請用のWEBサイトにアクセスして、必要事項を入力し顔写真を貼付して送信します。 |
スマートフォンで申請する
スマートフォンのカメラで顔写真を撮影し、交付申請書のQRコードを読み込み、交付申請用のWEBサイトにアクセスして、必要事項を入力し顔写真を貼付して送信します。 |
証明写真機で申請する
証明写真機のタッチパネルから「個人番号カード申請」を選択し、料金を入れて交付申請書のQRコードをバーコードリーダーにかざします。 |
マイナンバーで取得した個人情報については、厳格な管理が求められます。
違反行為があった場合には重い罰則が定められていますし、たとえ故意でなくても信用失墜など社会的な制裁は計り知れません。適切な管理業務を行うことができるよう、業務を適宜見直して作業手順を明確にし、慎重に管理する必要があります。
個人番号は、従業員の同意の有無に関わらず、利用目的以外に利用することはできません。個人番号を取得する際には、本人に利用目的を明示し、取得した番号が正しいことを確認する必要があります。
明示する利用目的については、「源泉徴収票の作成事務」「健康保険の届出事務」など、具体的な利用目的を示しましょう。
なお、個人番号は正社員だけでなく、パートやアルバイト、外国人留学生、法人役員などからも取得する必要があります。
ただし、派遣社員については派遣元との間で雇用関係があり、派遣元で給与の支払いを受け労働社会保険に加入しているので、個人番号を取得したり確認したりする必要はありません。
個人番号を取得する時には、「個人番号利用目的通知書」を作成し、従業員に通知するようにしましょう。
なお、従業員の配偶者について手続きする際には、従業員が配偶者の代理人としてマイナンバーを提供することになります。そこで、従業員の配偶者から委任状を提出してもらう必要があります。
マイナンバーは、法律で定められた範囲で利用する場合のみ、保管が許されます。
したがって、従業員が退職した時や取引先との取引終了など、利用することがなくなった場合には、原則としてその時点でマイナンバーが記載された書類などは廃棄する必要があります。
ただし、扶養控除申告書など法定保存期間がある場合には、その期間中はマイナンバーが記載された書類を保管することができます。
「freeeマイナンバー管理」とは、低コストで導入・番号の収集から利用までクラウドで管理できるシステムのことです。
低コストでマイナンバーをクラウド管理することができるので、高価なシステム導入などは必要ありません。
マイナンバーの収集から保管、利用、破棄までがクラウド上で完結することができるため、これらの作業を大幅に効率化することが可能です。
マイナンバーの管理については、「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」で細かく示されているので、このガイドラインに沿って取得、保管、廃棄を行う必要があります。また、個人番号利用目的通知書や委任状の作成については、特にフォーマットが決まっているわけではありませんので、個々の会社の状況に応じて適切な文書を作成するようにしましょう。
参照:個人情報保護委員会「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」
繰り返しになりますが、マイナンバーで取得した個人情報の管理に関しては、厳しい罰則が定められています。
たかが番号と安易に取り扱うことがないよう、社会保険労務士などに相談しながら、厳格に管理を行うようにしましょう。
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監修:「クラウドfreee人事労務」
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