税務相談|子会社を設立するメリットとは

公開日:2019年11月01日
最終更新日:2019年11月01日

目次

  1. 子会社を設立するメリット
    • 軽減税率を活用できる
    • 交際費の限度額を増やせる
    • 消費税を節税できる
    • 欠損金を活用して節税できる
    • 子会社支援の特例を活用できる
  2. 「子会社設立」以外の節税ポイント
    • 消費税の節税ポイント
    • 福利厚生の節税ポイント
    • 役員給与の節税ポイント
  3. まとめ
    • 税理士をお探しの方

この記事のポイント

  • ひとつの会社で異なる事業を行っている場合には、子会社を設立することで軽減税率が適用できるケースがある。
  • 子会社を設立することで、交際費の限度額を増やせる
  • 退職金を支給したり欠損金を活用して、節税することができる。

 

会社の節税対策はいくつもありますが、その中のひとつが子会社を設立することです。
子会社を設立すると軽減税率が適用されるケースがありますし、交際費の損金算入の限度額を増やせるなどのメリットがあります。

子会社を設立するメリット

子会社とは、他の会社等に意思決定機関を支配され支配従属関係にある会社のことをいいます。

子会社を設立して法人数を増やすことで、軽減税率の恩恵を受けることができる他、交際費を損金算入できる額が増やせるなどのメリットがあります。

分社化する方法は、主に以下の3つがあります。

①事業譲渡による分社
新たに会社を設立して、資産や負債を譲渡する分社化です。譲渡した会社は、資産等の帳簿価額と時価の差額が譲渡損益となります。

②吸収合併
事業を分割して既存の別会社に承継させる方法です。
一定の要件を満たせば資産等を帳簿価額で移転することができます。

③新設分割
分割した事業を、新設の会社として承継させる方法です。

状況によっては、既存事業を分割して新会社を設立した場合に子会社を設立したことによる節税メリットを受けられなくなることもありますので、必要な要件などについては、必ず税理士などの専門家に相談するようにして下さい。

軽減税率を活用できる

ひとつの会社で異なる事業を行っている場合には、子会社を設立することで軽減税率が適用できるケースがあります。

法人税は原則として23.2%ですが、資本金1億円以下の一定の法人の場合には、所得金額が年間800万円までは軽減税率の恩恵を受けることができ15%に軽減され、年800万円を超える部分については、23.2%となります。

さらに地方法人税額として法人税額の4.4%相当額が加算されます。
この軽減税率は地方税にもあり、たとえば東京都の場合には法人事業税は3段階の税率に分かれます。課税所得金額が年400万円以下の部分は3.4%、年400万円超から年800万円以下の部分は5.1%、年800万円を超える部分は6.7%です。
そこで、利益が発生している法人は、分社化して利益を分散した方が節税メリットは大きくなるのです。

たとえば、課税所得金額が年2,000万円ある会社を分社化して子会社を設立した結果、親会社の所得が1,200万円、子会社の所得が800万円になったとします。

分社化する前の法人税は、398万円です。

800万円×15%=120万円
(2,000万円-800万円)×23.2%=278万円
120万円+278万円=398万円

ところが、分社化して利益を分散すると、法人税は332万円になります。

親会社
800万円×15%=120万円
(1,200万円-800万円)×23.2%=92万円
子会社
800万円×15%=120万円

120万円+92万円=332万円

つまり、法人税だけで66万円も節税できるということになります。

交際費の限度額を増やせる

交際費とは、取引先や仕入れ先など事業に関係する人に対して接待、供応、慰安、贈答などの行為をするために支出する費用のことをいいます。

交際費は原則として損金に算入することができませんが、中小企業の場合には年800万円までの交際費は全額損金に算入することができます。
分社化すれば、会社の数×800万円まで損金算入することができるので、交際費を多く使う業種の場合には、節税メリットが大きくなります。

なお、この適用期間は、令和2年3月31日までに開始した事業年度となります(延長の可能性あり)。

参照:国税庁「交際費等の範囲と損金不算入額の計算」

消費税を節税できる

資本金1,000万円未満の中小企業の場合には、消費税は、基準期間(原則としてその事業年度の前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下の場合、納税義務が免除されます。
新設法人の場合には1期目、2期目について基準期間がないので、原則として消費税は免税されます。
ただし、特定期間(原則としてその事業年度の前基準年度開始日以降6カ月の期間)の課税売上高および給与等の支払額が1,000万円超の場合には、2年目以降は免税事業者になることができなくなります。

そこで、資本金1,000万円未満で新たに子会社を設立すれば、最大2年間消費税の納税義務が免除されることになります。
しかし、せっかく節税する目的で会社を設立しても、新規設立法人が他の法人または個人に支配されている(株式等の50%超を直接または間接に保有されている関係)など、特定新規設立法人に該当する場合には、設立1年目も2年目も免税事業者となることができなくなってしまいます。
免税事業者か否かの判定はかなり複雑なので、消費税を節税するために子会社を設立しようとする場合には、かならず税理士に相談してください。

欠損金を活用して節税できる

平成22年(2010年)10月1日以降、完全支配関係がある子会社が解散し、その法人の残余財産が確定した場合には、その子会社の青色欠損金(災害損失欠損金を含む)について、子会社の株主である親会社に、未処理欠損金額が引継がれることになりました。

ただし、子会社との支配関係(株式等の50%超を直接または間接に保有されている関係)が、残余財産確定日の翌日に属する事業年度開始の日以前に5年間継続していない場合には、その青色欠損金金の引継ぎが制限されるので注意しましょう。

子会社支援の特例を活用できる

業績が悪化して倒産する可能性がある子会社に対して、親会社が無利息または低金利で貸付を行った場合には、合理的再建計画にもとづく場合には寄付金には該当せず法人税上問題になりません。
ただし、寄付金に該当しないと認められるためには、「無利息で貸付を行わなければ、その子会社が倒産してしまい、親会社も多大な損失を被る危険性がある」などの必然性が求められます。

合理的な再建計画か否かは、以下のような点について合理的に判断されます。

①損失負担等を受ける法人は子会社等に該当するか
②子会社等は経営危機にあり倒産するリスクがあるか
③損失負担等の額が合理的か
④損失負担等の割合が、特定の者に不当に負担が重かったり軽かったりするなどせずに合理的であるか
⑤整理・再建について管理されているか

「子会社設立」以外の節税ポイント

会社は毎年必ず利益が出るとは限りませんから、利益が出た時には適切な節税対策を行って、翌期以降に利益を繰り延べ納税をコントロールするなどの節税対策はとても重要です。
ここでは、子会社を設立する以外で、会社で行える節税対策についてご紹介します。

消費税の節税ポイント

消費税は、基準期間(原則としてその事業年度の前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下の場合には納税義務が免除されます。
したがって、設立1期目は消費税の納税義務がありませんが、このメリットを受けるためには、資本金が1,000万円以下であるなどの要件が必要になりますので、設立時の資本金が1,000万円以下に抑えるのが、消費税を節税するためのポイントとなります。

福利厚生の節税ポイント

賃貸物件を会社が借りて社宅として従業員に貸付することによって、家賃の一部を会社が負担することができます。
会社負担分の家賃相当額をこれまでの給与から減額すれば、会社にとっては社会保険料の会社負担が減り、本人にとっては社会保険料や所得税、住民税が下がって手取りが増えることになります。
従業員の家賃負担を抑えることもできるので、福利厚生の面からみてもメリットがあります。

役員給与の節税ポイント

役員に対する給与や賞与は、一定の要件を満たせば損金に算入することができます。
損金に算入できるのは、①定期同額給与、②事前確定届出給与、③利益連動給与の3つに分けることができ、これらに該当する給与で不当に高額でない場合には、損金に算入することが可能となります。

①定期同額給与
毎月同額を支給している場合です。損金算入できる役員給与は、株主総会等の決議または定款の規定によって定めている報酬限度額以内となっています。

②事前確定届出給与
①の定期同額給与は「毎月同額を支給している場合」なので、役員に対する賞与は定期同額給与には当たらず損金に算入することができなくなってしまいます。
このような賞与については、「いつ、誰に、いくら払うか」などを記載して事前に所轄の税務署に届出をしておけば、損金に算入することができます。届出額と異なる支給を行った場合には、その支給額は損金に算入することができなくなりますので、注意しましょう。

③利益連動給与
会社の業績によって、役員の給与額が連動する場合です。
「同族会社には認められない」「その支給金額をどのように算定したのかについても事前に設定する必要がある」などの厳しい要件を満たす必要があります。

まとめ

以上、子会社を設立するメリットについてご紹介しました。
節税する目的は、会社にお金を残すことです。
「節税になるから」と言って、接待しても効果がない交際費を支出したりまだまだ使える備品を買い替えたりする人がいますが、それは節税ではなく単なる「経費の無駄遣い」です。
ここでご紹介した以外にも節税方法はいくつもありますので、税理士のアドバイスを受け賢く節税をしながら、税負担を軽減させましょう。

税理士をお探しの方

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