社宅を経費にして節税する方法

公開日:2019年11月01日
最終更新日:2020年06月08日

目次

  1. 社宅を利用して節税
    • 社宅を経費にする時のポイント
  2. 役員の自宅を社宅にする
    • 役員の自宅を社宅にするメリット
    • 役員の社宅家賃はいくらにすべきか
  3. 従業員社宅で節税する
    • 従業員側のメリット
    • 会社側のメリット
    • 従業員の社宅家賃はいくらにすべきか
    • 従業員社宅は無償もOK?
    • 社宅規定を作成する
  4. まとめ
    • 税理士をお探しの方

この記事のポイント

  • 社宅制度を導入すると、節税することができる。
  • 受け取る賃料が少なすぎると、給与として課税されてしまうので注意が必要。
  • 会社がで住宅を購入せずに借りる場合も「借上住宅」とすることができる。

 

会社が住宅を借りて、その住宅を社長などの役員や従業員に社宅として貸し付けた場合、支払った賃料と受け取った賃料の差額を、会社の損金とすることができるので、節税効果があります。
社宅は、会社にとっても従業員にとってもメリットのある方法なので、積極的に活用することを検討しましょう。

社宅を利用して節税

社宅と聞くと、大企業の制度とイメージする人もいますが、たとえば社長1人従業員1人という会社でも、会社が住宅を借りてその住宅を社長や従業員に貸し付けることで社宅とすることができます。
社宅を活用する際には、まず会社が賃貸物件を借りて貸主に賃料を支払い「地代家賃等」として経費にします。そして、入居者である社長や従業員から受取賃貸料として一定の賃料を受け取ります。
会社が支払った賃料と、役員や従業員から受け取った賃料の差額を会社の経費とすることができます。

社宅制度を導入すれば役員や従業員の家賃負担を抑えることができ、従業員にとっては福利厚生としても有効です。

社宅を経費にする時のポイント

社宅制度を導入して経費にする場合に、最も問題となるのは入居者から受け取る賃料です。受け取る賃料が少なすぎると、給与として課税されてしまう可能性があるので、注意してください。
税務署に必ず認めてもらえるラインという意味でいえば賃料の50%程度ということになりますが、これではあまりメリットがありません。計算方法は「住宅の種類」「役員か従業員か」によって異なりますが、まずはおおよそ賃料の10%~20%程度を目安と考えておきましょう。

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役員の自宅を社宅にする

会社が住宅を購入したり借りたりして、その住宅を役員に社宅として貸与することで、会社の経費とすることができます。
ただし、役員だからと言って無償で貸すと給与として課税されてしまいます。
役員の賃料の決め方は、住宅の広さなどによって異なります。

役員の自宅を社宅にするメリット

①会社が住宅を購入した場合
会社が住宅を購入して社長に貸し付けた場合、その住宅は会社の資産として計上されて、建物について毎年減価償却することができます。

※減価償却とは、購入代金を一度に費用として計上するのではなく、その価値の減少を資産の金額に反映(償却)していくことです。
建物、車両、パソコン、機械など、ある程度高額なものを買った時には、その費用を何年かに分けて経費にしていきます。

また、減価償却費だけでなく固定資産税や維持費も経費とすることができます。社長個人で住宅を購入しても会社の経費とすることはできませんので,
節税効果があります。

②会社が住宅を借りる場合
会社がで住宅を購入せずに借りる場合でも、社長や社員にその住宅を貸して「借り上げ住宅」とすることができます。この場合、会社が負担した家賃は会社の経費にできます。
ただし、社長がすでに個人で購入した住宅を会社が借り上げてさらに社長に貸し付ける場合には、メリットはありません。

役員の社宅家賃はいくらにすべきか

定められた金額以上の家賃を社長個人が負担しないと、家賃負担全額が給与として課税されてしまいます。したがって、賃借料の一部は必ず社長個人が負担するようにしてください。
役員に貸与する社宅でも、豪華なものは社宅にすることはできません。また、小規模な住宅でない場合には受領すべき家賃の計算方法が変わりますので、注意が必要です。

一般住宅の場合
以下の①、②いずれか高い方の金額
①(家屋の固定資産税課税標準額×12%+敷地の固定資産税課税標準額×6%)×1/12
②支払い賃料の50%相当

小規模住宅の場合
小規模宅地とは、建物の耐用年数が30年以下の場合には、家屋の床面積が132㎡以下、建物の耐用年数が30年超の時は家屋の床面積が99㎡以下のもの

以下の①、②いずれか高い方の金額
①家屋の固定資産税課税標準額の0.20%+12円×家屋の床面積(㎡)/3.3㎡+敷地の固定資産税課税標準額×0.22%
②支払い賃料の50%相当

豪華な住宅の場合
豪華な住宅とは、家屋の床面積が240㎡超または240㎡以下のものでもプールなど個人の嗜好が強く反映されたものです。
この場合には、一般的な市場価格の家賃と同額が社長の家賃となります。

参照:国税庁「役員に社宅などを貸したとき」

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従業員社宅で節税する

賃貸物件を会社で借りて所有者に家賃を支払う場合、会社が家賃の一部を負担することで、従業員の家賃負担を抑えることができ会社としても家賃を損金に算入することができます。節税というメリットだけでなく、福利厚生としても有効な手段です。

従業員側のメリット

従業員にとっては家賃の負担が少なくなり、手取り収入が増えるというメリットがあります。

たとえば、家賃が月10万円の部屋を借りて社宅として、従業員から3万円家賃を受領してその分従業員の給与を7万円下げたとします。

この場合、従業員の給与は7万円減りますが10万円の部屋に3万円で住むことができるので家賃負担は7万円下がることになります。
こうしてみると、一見従業員には何のメリットがないように見えますが、給与が7万円下がれば所得税・住民税・社会保険料が下がりますので、結果として従業員の手取りが増えることになります。

なお、住宅手当として住宅費を給与に上乗せして支給する方法もありますが、住宅手当は給与の一部とみなされるので、所得税や社会保険料が上がってしまうというデメリットがあります。

会社側のメリット

社宅の費用は会社の経費となります。

たとえば、前述した家賃が月10万円の部屋を借りて社宅として、従業員から3万円家賃を受領したケースでいえば、負担する家賃10万円が損金となり従業員から受け取る3万円は益金となります。その差額の7万円が経費として計上できるわけです。

従業員の給与を7万円下げたことで、給与としての経費は7万円減少するので、トータルで見れば会社負担に変更はありません。つまり、会社の負担を増やさずに従業員の手取りを増やすことができるということです。また、住宅手当の支給と違って給与に含まれないことから、会社負担の社会保険料も増えません。

従業員の社宅家賃はいくらにすべきか

従業員の社宅家賃の計算方法は、固定資産税の課税標準額が分かる場合と、固定資産税の課税標準額が分からない場合とで、計算方法が異なります。

①固定資産税の課税標準額が分かる場合
次のアからウの合計額で計算します。

ア (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
イ 12円×(その建物の総床面積{㎡}÷3.3㎡)
ウ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

参照:国税庁「使用人に社宅や寮などを貸したとき」

②固定資産税の課税標準額が分からない場合
賃貸物件を社宅にして、固定資産税の課税標準額が分からない場合には、支払家賃の半分以上を社宅家賃として受け取っていれば問題はありません。

なお、固定資産税標準額は、固定資産税の納税通知書に記載してあります。この通知書は納税者である家主宛に送付されるので、賃借人は知ることができませんが、市区町村の固定資産税課に賃貸契約書を持参すれば、課税標準額を閲覧することができます。

従業員社宅は無償もOK?

これまでご紹介したように、従業員からは必ず一定額以上の家賃を従業員から受け取らなくてはいけません。
また、住宅手当を支給した場合や入居者が直接契約している物件の家賃負担は、社宅の貸与とは認められないので、給与として課税されます。

ただし、看護師や守衛などのように、仕事をするうえで勤務先から遠い場所に住むことが困難な従業員に社宅や寮を貸与する場合には、「仕事に従事させる都合上やむを得ない」として、無償で貸与しても課税されないケースもあります。

社宅規定を作成する

こ社宅制度を利用する場合には、入退去の要件・手続き、光熱費などの費用負担について明確にして、社宅規定を策定する必要があります。

社宅として借りている部屋に、従業員が複数共同生活をしている場合には、各人がどれだけ使っているかわかりませんので、その全額を会社が負担しても問題はありません。
もし各人ごとの使用料が明確な場合には、それぞれが自己負担しなければなりません。
また、駐車場は家賃とは別に従業員の全額負担になります。もし会社が駐車場を負担していると、その駐車場代は従業員の給与に加算されることになります(ただし駐車場代がマンションの管理費に含まれている場合には家賃に含むことができます)。

社内規定を策定して従業員によく説明をしておかないと、後で思わぬトラブルに発展することもあります。税理士などと相談しながら自社に合ったカスタマイズを行いましょう。

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まとめ

以上、社宅を経費にして節税する方法についてご紹介しました。
会社負担の家賃相当額を給与から減額することで、会社の社会保険料の負担が減り、役員や従業員個人にとっても所得税、住民税、社会保険料の負担が減って手取りが増えるなどのメリットがあります。
ただし、一定の金額は個人が負担しないと、全額が給与課税されてしまうので、その点について注意するようにしましょう。

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