寡婦(夫)控除とは|適用される要件と節税効果

公開日:2019年11月06日
最終更新日:2019年11月06日

目次

  1. 寡婦控除とは
    • 特定の寡婦とは
    • 寡夫控除とは
    • 寡婦控除・寡夫控除の判定フローチャート
    • 寡婦控除と配偶者控除のダブル適用
  2. 寡婦(夫)控除の税額計算
    • 住民税の控除額
  3. まとめ
    • 税理士をお探しの方
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この記事のポイント

  • 寡婦(寡夫)控除とは配偶者と離婚または死別した場合に受けられる所得控除。
  • 27万円(特別の寡婦の場合は35万円)を所得から差し引くことができる。
  • 寡婦(寡夫)控除が適用されれば、節税効果がある。

 

寡婦(寡夫)控除とは、配偶者と死別または離別した場合で、一定の要件に該当する時に受けることができる控除です。
離別か死別か、または性別や年収によって控除額が変わります。

寡婦・寡夫の判定基準は、その年の12月31日の時点です。
なお、事実婚や内縁関係であった場合には、寡婦(夫)控除の適用はありません。
再婚をすると、適用されなくなります。

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寡婦控除とは

寡婦・寡夫控除とは、離婚をしたか死別したかによって配偶者をなくし、かつ生計を一にする子ども(扶養親族)がいる人の事情を考慮して、税負担を軽くするための所得控除のひとつです。
寡婦控除を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。

① 夫と死別、もしくは離婚した後婚姻をしていない人、または夫の生死が明らかでない一定の人で、扶養親族がいる人又は生計を一にする子がいる人。
※この場合の子は、総所得金額等が38万円以下で、他の人の同一生計配偶者や扶養親族となっていない人に限られます。

② 夫と死別した後婚姻をしていない人、または夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人です。
※この場合は、扶養親族などの要件はありません。

寡婦の控除額:27万円

参照:国税庁「寡婦控除」

特定の寡婦とは

特定の寡婦に該当する場合で、かつ以下の要件のすべてを満たすときは、「特定の寡婦」に該当し、控除額が35万円となる特例があります。

①夫と死別し又は離婚した後婚姻をしていない人や夫の生死が明らかでない一定の人
②扶養親族である子がいる人
③合計所得金額が500万円以下であること。
特定の寡婦の控除額:35万円

つまり、扶養親族の子がいて、合計所得金額500万円以下の「特定の寡婦」に該当する場合には、寡婦控除の27万円に8万円が上乗せされ、控除額が35万円となります。

寡夫控除とは

寡夫控除とは、妻と死別や離別したあと、再婚しておらず、生計を一にする子(総所得金額等38万円以下)がいて、合計所得金額500万円の人が受けられる控除です。
控除額は27万円です。

寡夫の場合には寡婦よりも要件が厳しくなり、寡夫控除を受けられるのは。納税者本人が、原則としてその年の12月31日の現況で、次の3つの要件のすべてに該当する必要があります。

① 合計所得金額が500万円以下であること。
②妻と死別、または妻と離婚した後婚姻をしていないこと。または妻の生死が明らかでない一定の人であること。
③生計を一にする子がいること。
※この場合の子は、総所得金額等が38万円以下で、他の人の同一生計配偶者や扶養親族になっていない人に限られます。
寡婦の控除額:27万円

参照:国税庁「寡夫控除」

寡婦控除・寡夫控除の判定フローチャート

これまでご紹介してきたように、寡婦・寡夫控除の控除額は、離別か死別か、または性別や年収によって控除額が変わります。
また、寡夫の場合は、合計所得金額が500万円以下で、かつ扶養親族である子どもがいることが条件となります。控除額は27万円です。以下のフローチャートで、寡婦・寡夫控除額を判定してみましょう。

寡婦控除と配偶者控除のダブル適用

配偶者が年の途中で亡くなって、その時点での配偶者の合計所得金額が38万円以下である場合には、配偶者が亡くなった年に限って寡婦・寡夫控除に加えて配偶者控除をあわせてダブル適用が可能となり、その場合にはその分、税額を減らすことができます。

このダブル適用は、年金受給者の夫を亡くし、かつ所得のある未亡人の場合に該当するケースが多いようです。
寡婦控除の要件と、亡くなった配偶者の所得金額を確認して、ダブル適用が可能か確認をしましょう。

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寡婦(夫)控除の税額計算

これまでご紹介してきたように、寡婦・寡夫控除が受けられる場合には、27万円または35万円が所得から控除され、所得税を減らすことができます。
寡婦・寡夫控除は、所得控除のひとつですが、所得控除は全部で14種類あり、適用される所得控除の種類や額が多ければ多いほど、節税効果があります。

① 所得金額の計算
まず所得金額を計算します。
「所得」とは、働いて得た「収入」から「必要経費」を差し引いた金額です。

「収入」-「必要経費」=「所得」

② 所得控除を差し引く
課税される所得金額を計算したら、次に「所得控除」を差し引いて「課税所得金額」を求めます。この課税所得に応じて、課税するための税率が決まります。
つまり、差し引くことができる「所得控除」が多ければ多いほど節税効果があります。
寡婦控除の場合には、27万円または35万円を「所得」から差し引きます。

「所得」-「所得控除」=「課税所得金額」

③ 基準所得税額の計算
「基準所得税額(差し引かれる金額を差し引いた後の所得税額)」とは、「課税所得金額」に「税率」を掛けて適用します。この税率は、所得が多くなるにしたがって段階的に税率が高くなる「累進課税制度」で課税されます。

「課税所得金額」×「税率」=「基準所得税額」

④ 復興特別所得税の計算
2037年までは、東日本大震災からの復興施策として復興特別所得税(基準所得税額×2.1%」が課税されます。この復興所特別所得税と基準所得税が、納めるべき所得税ということになります。

「納税額」×2.1%=復興所特別所得税

⑤ 差引所得税額の計算税額を計算する
最後に「税額控除」を差し引いて「差引所得税額」を計算します。先程の所得控除とは別に、所得税から直接差し引けるのが「税額控除」です。
税額控除としては、いわゆる住宅ローン控除などがあります。
税額控除は、所得税の金額から直接差し引ける控除なので、所得控除より節税効果があります。該当する控除がある場合には、忘れずに適用を受けるようにしましょう。

住民税の控除額

これまでご紹介してきたのは、所得税の寡婦・寡夫控除ですが、住民税にも同じように寡婦・寡夫控除があります。
ただし、控除額は所得税より低く以下のとおりとなります。

寡婦控除の控除額:26万円
特定の寡婦の控除額:30万円
寡夫控除の控除額:26万円

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まとめ

サラリーマンの場合には、会社で年末調整をしてくれるので所得控除について申告する必要はありませんが、年末調整を受けていない場合には、原則として自分で申告しなければ所得控除の適用を受けることはできません。
適用できる控除があるのに申告しないままでいると、その分多く税金を支払ってしまうことになりますので、不明点がある場合には、早めに税理士に相談しましょう。

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