販売促進費とは?広告宣伝費との違いとは(仕訳例付き)

公開日:2019年11月15日
最終更新日:2024年06月03日

この記事のポイント

  • 販売促進費とは、商品等の販売を促進し売上を増やすための支出を処理する時に使う勘定科目。
  • 販売促進費には、商品サンプルや景品の配布費用などが該当する。
  • 販売促進費と広告宣伝費・外注費の違いに注意する。

 

「販売促進費」とは、商品の販売を促進して売上を増やすために支出する費用です。
「販売促進費」は、「広告宣伝費」と混同しがちですが、「広告宣伝費」は企業や商品の名称を広めるための費用を処理するための勘定科目であるという点が異なります。

この記事では、「販売促進費」や該当するケース、広告宣伝費など「販売促進費」と似た勘定科目との違い、「販売促進費」のよくある仕訳例についてご紹介します。

 

販売促進費の豆知識

販売促進費とは、売上の増加や販売の促進のために支出する費用の総称です。展示会の費用や代理店に支払う手数料、サンプル費用、金品引換券付販売費用などが該当しますが、別途「販売手数料」「販売奨励金」といった勘定科目を設けて処理するケースもあります。
なお、税理士や弁護士など外部の専門家に支払う報酬は、販売を促進するための費用ではないので「支払手数料」を使います。
また、一定期間に多額・多量の売上をあげた取引先に対して、売上代金の一部を免除した場合には、「売上割戻し」として処理をして、売上高から控除します。
販売促進費は、交際費と区別がつきにくく、税務調査では税務上の交際に当たるのではないかと指摘されやすい勘定科目なので、支出の目的に応じて適切に処理を行い、説明ができるように書類の準備などを行っておくことが大切です。
なお、決算書や申告書は、税理士に作成してもらいましょう。このとき税理士法33条の2による書面を添付してもらうことで申告書の信頼が向上し、そもそも税務調査の対象となりにくいというメリットがあるからです。

「販売促進費」とは

「販売促進費」とは、販売を促進して売上を増やすために支出した費用を処理する時に使用する勘定科目です。
販売する市場が未開拓で、販売する商品や製品が他社と競合している地域などで、販売を促進する目的で交付する金品を処理する時に使用します。

「販売促進費」に該当する費用
・商品サンプルの配布費用
・ノベルティグッズの製作・配布費用
・景品(販売促進用」の配布費用
・キャンペーン費用
・販売店に配布するカタログの制作・配布費用
・展示会、見本市、コンテストに支出した費用 など

「販売促進費」と「広告宣伝費」の違い

「販売促進費」と似た勘定科目に「広告宣伝費」があります。
「広告宣伝費」とは、不特定多数の人に会社名や商品名を宣伝するための費用で、商品の販売を促進するための「販売促進費」とは異なります。ただし、「販売促進費」を広告宣伝費とあわせて処理することもあります。

広告宣伝費に該当する費用
・パンフレット制作代
・チラシ制作代
・カタログ制作代
・ホームページ制作代
・看板(少額)…30万円以上のものは「構築物」や「工具器具備品」として、固定資産。
・会社案内
・PR費用
・社名入りうちわ・カレンダー
・年賀状印刷代
・ポスター制作費
・展示会費用

「販売促進費」と「外注費」の違い

「外注費」とは、自社の業務の一部を外部に委託した時の費用を処理する勘定科目です。
「外注費」は、あくまで業務の一部を外部に委託した場合で販売促進を目的とした支出ではないという点が、「販売促進費」と異なる点です。

外注費に該当する費用
・業務委託費用
・アウトソーシング費用

「販売促進費」と「売上割戻し高」の違い

「売上割戻し高」とは、取引先に売上高に応じたリベートを支払った時に使用する勘定科目です。

たとえば、取引先に対して一定の期間に多額または多量の商品を販売した時に、値引きすることがあります。
この場合には、「売上割戻し高」で処理をします。

販売促進に使える「小規模事業者持続化補助金」

「小規模事業者持続化補助金」とは、小規模事業者の地道な販路開拓等の取り組みや、業務効率化(生産性向上)の取り組みを支援するために支給される補助金です。
原則50万円を上限に補助金(補助率:2/3)を受給できる他、販路開拓の計画の作成や販路開拓等の実施について、商工会議所の指導・助言を受けることもできます。
展示会等出展費、開発費、資料購入費などに活用することができます。

参照:日本商工会議所「小規模事業者持続化補助金メニュー」

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「販売促進費」の仕訳

「販売促進費」を仕訳する際には「借方」に「販売促進費」と記入し、「貸方」に普通預金から支払った時には「普通預金」、現金で支払った場合には、「現金」と記入します。
なお、決算期に相当数の在庫がある場合(配布用にグッズを製作したものの決算期に相当数のグッズが残っているなど)には、貯蔵品として計上する必要があります。

「販売促進費」を普通預金から支払った場合

「販売奨励金の20万円を、特約店に普通預金から振り込んだ。」

借方 貸方
販売促進費 200,000 普通預金 200,000

「ノベルティグッズを製作し、製作会社に普通預金から30万円を振り込んだ。」

借方 貸方
販売促進費 300,000 普通預金 300,000

「販売促進費」を現金で支払った場合

「実演販売を行い、その費用30万円を現金で支払った。」

借方 貸方
販売促進費 300,000 現金 300,000

「街頭で無料配布する新商品のサンプルを、1個100円で5,000個製作し、代金50万円を現金で支払った。」

借方 貸方
販売促進費 500,000 現金 500,000

「販売促進費」の間違えやすい仕訳

販売促進を行った場合には、そのうちの一部が「交際費」に該当する費用であることもあります。たとえば、取引先を旅行に招待して現地で販売促進のための研修会を行い、その後懇親会を行った場合などです。
その場合には、「交際費」に該当する分と「販売促進費」に該当する分に分けて、仕訳を行います。

「取引先を旅行に招待して、現地で販売促進のための研修会を行ない、40万円を普通預金から支払った。40万円のうち20万円は、接待交際費に該当する支出である。」

借方 貸方
販売促進費 200,000 普通預金 400,000
交際費 200,000

配布用のグッズを製作したものの、そのまま決算期を迎えその時点で相当数のグッズが残っているということがあります。その場合には期末時点で残っているグッズを「貯蔵品」として計上する必要があります。

「決算期にノベルティグッズが30万円分残っている。」

借方 貸方
貯蔵品 300,000 販売促進費 300,000

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まとめ

以上、販売促進費の意味や広告宣伝費、外注費などとの違い、販売促進費のよくある仕訳についてご紹介しました。
販売促進費は広告宣伝費とまとめて処理することもありますが、自社の事業でどのような経費を使っているのか把握するためには、できれば分けて使用することがおすすめです。
どの支出をどの勘定科目で処理すればよいのか分からない場合には、税理士に相談するのもよいでしょう。

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この記事の監修者:アトラス総合事務所

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アトラス総合事務所

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販売促進費で処理するのは、売上を増加させるために支出する費用です。契約戦略上、販売促進が重要かつ多額であり支出が多い場合には、内容に応じて「販売奨励金」といった勘定科目で処理をするケースもあります。また販売促進費は、広告宣伝費等と混同しがちなので、その点も注意が必要です。
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