寄附金控除と寄附金税額控除の違いとは

公開日:2019年11月07日
最終更新日:2019年12月02日

目次

  1. 寄附金控除(所得控除)とは
    • 寄附金控除(所得控除)の具体例
    • 平成23年からスタート「市民公益税制」
    • 政党等寄附金特別控除(税額控除)
    • ふるさと納税の場合
  2. 寄附金控除を受けるための確定申告の方法
    • 所得控除か税額控除かで、記入方法が異なる
    • 所得控除の場合
    • 税額控除の場合
    • 必要書類
    • 寄附金控除を受ける際の注意点
  3. まとめ
    • 税理士をお探しの方

この記事のポイント

  • 寄附金控除は、寄附をした時に受けられる控除。
  • 認定NPO法人などに寄附をした人は寄附金特別控除か寄附金控除(所得控除)を選ぶことができる。
  • 一般的には、税額から直接差し引くことができる「寄附金特別控除」が有利になる。

 

「寄附金控除」とは、地方自治体や日本赤十字社、認定NPO法人などに寄附をした時に受けられる控除で、確定申告をすると税金が安くなったり納めた税金が還付されたりするので、節税することができます。

ただし①公益社団法人等への寄附金、②認定NPO法人への寄附金、③政治活動に関する寄附金の3つのケースに該当する場合には「寄附金税額控除」を受けることができます。①②③に該当する場合には、「寄附金税額控除」の方が有利になるケースがほとんどです。

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寄附金控除(所得控除)とは

「寄附金控除」とは、地方自治体や日本赤十字社、認定NPO法人などに寄附をした時に受けられる控除のことです。
確定申告をすると税金が安くなったり納めた税金が還付されたりするので、節税することができます。
ただし、寄附をすれば何でも控除の対象となるわけではありません。
寄附金控除の対象とされる寄附金は限定されていて、そのうち①公益社団法人等への寄附金、②認定NPO法人への寄附金、③政治活動に関する寄附金の3つの場合には「寄附金税額控除」という、税額から直接控除額を差し引ける控除の適用を受けることもできます。

①②③に該当する場合には、「政党等寄附金特別控除(税額控除)※後述」の方が有利になるケースがほとんどです。

寄附金控除(所得控除)の具体例

寄附金控除で控除される寄附金は、以下のケースに限定されていて、これを「特定寄附金」といいます。平成28年からは、国立大学法人、公立大学法人、独立行政法人国立高等専門学校機構又は独立行政法人日本学生機構への一定の寄附も控除の対象となりました。

①国または地方公共団体に対する寄附金

②指定寄附金
(民法の規定によって設立された法人や、その他公益を目的とする事業を行う法人、団体に対する寄附金)

③特定公益増進法人に対する寄附金
(教育や科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献に寄与すると認められた一定のもの)

④特定公益信託の信託財産とするために支出した金額
(主務大臣の証明を受けた特定公益信託のうち、教育や科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献に寄与すると認められた一定のもの)

⑤政治活動に関する寄附金
(個人が支出した政治活動に関する寄附金のうち、政党、政治資金団体、国会議員、知事などに対する寄附金)

⑥認定NPO法人に対する特定寄附金
(NPO法人のうち、国税庁長官等の認定を受けたもの)

なお、寄附金控除額は、寄附したすべての金額が控除の対象となるわけではありません。その上限はその年の所得金額の40%と決められています。

寄附金特別控除(所得控除)の控除額は、以下のいずれか少ない方となります。

その年中に支出した特定寄附金の額の合計額-2,000円
(総所得金額×40%)-2,000円

平成23年からスタート「市民公益税制」

平成23年から、認定NPO法人や一定の公益社団法人に寄附して、その寄附金が2、000円を超える時には、市民公益税制の適用を受けられることになりました。
ただし、これは前述した寄附金控除とどちらかを選択しなければなりません。

市民公益税制の税額控除額は、以下のとおりです。また、所得税額の25%が限度です。

(所得金額の40%または特定寄附金の額のいずれか少ない方-2,000円)×40%
※所得控除と税額控除どちらかを選択

政党等寄附金特別控除(税額控除)

政党や政治資金団体に対する寄附については、これまでご紹介した寄附金控除のほかにも受けられる控除があります。この控除を「政党等寄附金特別控除(税額控除)」といい、前述した寄附金控除と比較して有利な方を選択することになります。

一般的には、税額から控除額を直接差し引くことができる政党等寄附金特別控除(税額控除)の方が有利になります。
特定の政治献金のうち、政党や政治資金団体への寄附については課税所得金額が900万円以下なら「政党等寄附金特別控除(税額控除)」、課税所得金額が900万円超なら「寄附金控除(所得控除)」が有利になります。

政党等寄附金税額控除の税額控除額は、以下のとおりです。
ただし、その年分の所得税額の25%相当額が限度となります。

(その年中に支出した政党等に対する寄附金の額の合計額-2,000円)×30%

ふるさと納税の場合

地方公共団体に寄附をすると、控除を受けられるうえに地方の特産品がもらえるとして人気のふるさと納税ですが、このふるさと納税の制度が拡充されました。

地方公共団体に対する寄附金の2,000円を超える部分については、個人住民税の所得割額の1割(平成28年度分以降の個人住民税より2割)を限度として、通常の寄附金控除に控除額が上乗せさせることになりました。

ふるさと納税の控除額は、以下の①②③の合計額です。

①所得税からの控除:(寄附金-2,000円)×所得税率
②個人住民税からの税額控除:(寄附金-2,000円)×10%
③特例分控除:(寄附金-2,000円)×(100%-10%-所得税率)

①+②+③=控除額

また、ふるさと納税の特例としてワンストップ特例制度が創設され、確定申告が必要ないサラリーマンがふるさと納税を行う場合には、5地方公共団体までの寄附であれば確定申告が必要なくワンストップで控除が受けられることになりました。

ワンストップ特例制度を利用すれば、寄附した本人に代わり地方公共団体がふるさと納税の控除を申請するので、確定申告が不要です。
ただし、代わりに「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を寄附した自治体に提出する必要があります。

このワンストップ特例制度を利用するためには、サラリーマンなどの給与所得者で寄附先が年間5自治体以下の人だけで、6自治体以上に寄附する場合や個人事業主など給与所得者ではない場合には、ワンストップ特例制度は利用できないので従来どおり確定申告を行なう必要があります。

「ワンストップ特例制度(ふるさと納税)の2つのメリット・2つのデメリット」を読む

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寄附金控除を受けるための確定申告の方法

寄附金控除を受けるためには、原則として確定申告を行なう必要があります(ふるさと納税のワンストップ特例制度を利用している場合は、確定申告は必要ありません)。確定申告をすることで、その年の分の所得税から控除・還付を受けられ、翌年の個人住民税から税額が減額されることになります。

所得控除か税額控除かで、記入方法が異なる

寄附金控除をするために確定申告を行なう場合には、所得控除か税額控除かで、記入方法が異なります。
通常は寄附金税額控除を受ける方が有利となりますが、どちらが有利なのか分からない場合や記入方法などについて不明点がある場合には税理士に相談するとよいでしょう。

所得控除の場合

① 申告書第二表の「寄附金控除」欄を記入します。
 例えば、ふるさと納税をした場合には、寄附先の所在地、名称、寄附額を記入します。
② 申告書第二表の「寄附金税額控除」を記入します。
 例えば、ふるさと納税をした場合には、領収書に記載された金額を「都道府県、市区町村分」欄に記入します。
③ 控除額を計算し、申告書第一表の「寄附金控除」欄に記入します。
 「寄附金控除額の計算」欄で算出した額を記入します。

税額控除の場合

① 計算明細書「平成○年分の所得税の額」欄の記入
 申告書第一表の「上の㉑に対する税額」欄を転記します。
② 申告書第一表の「政党等・寄附金等徳熱控除」欄の記
 計算した控除額を転記します。
③ 申告書第二表「特例適用条文等」欄に該当の番号を記入
 公益社団法人等寄附金の場合には「措法41の18の3」、認定NPO法人等寄附金の場合には「措方41の18の2」、政党等寄附金の場合には「措法41の18」と記入します。

必要書類

確定申告を行なう際には、寄附金の領収書や控除対象団体であることを証明する書類のコピーなどが必要です。
政治活動に関する寄附をした場合には、選挙管理委員会等の確認印がある「寄附金(税額)控除のための書類」が必要となります。
また、一定の特定公益増進法人に対する寄附や、特定公益信託の信託財産とするための支出を控除する場合には、さらに書類が必要となり、祖の法人や信託が適格であることを証明する書類や認定書のコピーを用意する必要があります。

寄附金控除を受ける際の注意点

寄附金控除は、税金を払っている人であればどなたでも受けることが可能な控除です。なお、ふるさと納税は地方の特産品をもらえることから特に主婦に人気の制度ですが、そもそも「寄附金控除」は税金を払っていない人が寄附をしても、税金は戻りません。
専業主婦や年収103万円以下のパートの人などが寄附をしても、そもそも所得税を納めていないので還付される税金はありません。

家族の中でもっとも所得の高い人が寄附をして寄附金控除を行うのが有利なので、注意しましょう。

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まとめ

寄附金控除と寄附金税額控除は、原則として確定申告が必要であり、その場合にどの控除を適用するか自分で選択する必要があります。
どちらが有利になるのかは、会計ソフトやe-Taxを利用する場合に、寄附金の種類を正しく入力すれば自動で判定してもらうことができますし、e-Taxで申告すれば寄附金の領収書の提出も不要となります。
ただし、どの寄附金に該当するか判定するのは難しいこともあるので、その場合には不明点や疑問点は事前に税理士に相談してみてはいかがでしょうか。

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