株の税金|株取引でかかる税金と節税対策

公開日:2019年06月01日
最終更新日:2021年02月08日

目次

  1. 株取引でかかる税金
    • 株の売却にかかる税金
    • 配当にかかる税金
    • 税金の計算
  2. 確定申告が必要な人とは
    • 特定口座
    • 特定口座以外(一般口座など)
    • 確実に確定申告が必要な人
  3. 株取引の節税対策
    • 損失が出たら利益から差し引ける
    • 利益が38万円以下なら還付が受けられる
    • 非課税のNISA口座の活用
  4. 株取引の確定申告で必要な書類
    • 確定申告書B(第一表)
    • 確定申告書B(第二表)
    • 確定申告書第三表(分離課税用)
    • 株式等に係る譲渡所得者の金額の計算明細書
    • 所得税の確定申告書付表
  5. まとめ
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この記事のポイント

  • 株取引を行って利益が出た時には、税金がかかる。
  • 株取引は、口座によっては確定申告が必要となる。
  • 売却して損失が出てしまった場合には、損益通算をすると節税することができる。

 

個人が株取引を行って利益が出た時には、税金がかかります。
なお、株取引で損失が出てしまった場合には、その損失を利益から差し引くことで、税負担を軽くすることができます。

ここでは、株式の譲渡益にかかる税金や税金の計算方法、確定申告で必要な書類などについてご紹介します。

株取引でかかる税金

個人が株取引を行って利益が出た時には、税金がかかります。
そして、その税額は、給与所得や不動産所得、事業所得などの総合課税の対象となる所得とは分離して課税される「分離課税方式」で計算されます。
所得税は、原則として所得が多くなればなるほど税率が高くなる「累進課税」ですが、株取引の場合には、分離課税なので、いくら多くの利益を出しても累進課税が適用されることはありません。

総合課税とは:
対象となるすべての所得の合計を計算し、その合計金額が課税対象となる方法
(給与所得、雑所得、配当所得など)

分離課税とは:
所得の種類ごとに個別に課税される方法
(山林所得、土地建物等の譲渡による譲渡所得、株式等の譲渡所得、退職所得等)

「所得税とは?10種類の所得税率と計算方法!」を読む

株の売却にかかる税金

株を売却したことによる利益(売却益)に対しては、所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%の合計20.315%の税金がかかります。
売却して損失が出てしまった場合には、税金はかかりません。そしてその年の他の取引で生じた売却益やその年に受け取った配当と相殺することができます。これを「損益通算」といいます(※後述)。
株取引で利益が出た場合には原則として確定申告が必要ですが、証券会社の口座が「特定口座(源泉徴収あり)」の場合と、サラリーマンで売却益が20万円以下の場合には、確定申告が不要となります。

配当にかかる税金

株式の配当に係る税金は、売却益と同様20.315%です。
2013年12月31日までの上場株式の配当に対する税金は、2013年12月31日までは、原則10.417%でしたから、2014年以降、一気に2倍に増税されたということになります。

税金の計算

所得税や住民税は、その人の1年間の所得に対して課税されます。そして株取引の売却や配当にかかる税金も、1年間のトータルを集計して確定し、計算するのが原則です。
税金は、株取引における「譲渡所得」に対して課税されるので、株取引の税額を計算する際には、まず「譲渡所得」を算出する必要があります。
「譲渡所得」とは、譲渡価額から必要経費(取得費+譲渡費用+借入金利子)を差し引いた額です。
そして、譲渡所得の金額を算出したら、これに税率20.315%をかけて所得税額を求めます。

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確定申告が必要な人とは

証券会社の口座には、「特定口座」と「一般口座」の2種類があります。
そして、特定口座はさらに「源泉徴収あり(源泉徴収選択口座)」と「源泉徴収なし(簡易申告口座)」に分類されます。

このうち、確定申告が必要なのは、一般口座と源泉徴収なしの特定口座(簡易申告口座)です。
※2014年から始まった通称「NISA」では特定の株式や投資信託(MMFやMRFなどを除く)を購入した場合、税金がそもそも非課税となる優遇税制なので、確定申告は不要です。

「NISAとは|メリット・デメリット・始め方」を読む

特定口座

特定口座とは、証券会社等に開設する口座で、売却損益の計算や税金の計算を証券会社等で行ってくれる口座です。
特定口座は、「源泉あり」と「源泉なし」に分けられますが、源泉ありを選択しておけば、証券会社等で売却損益の計算や税金の計算を行ってくれたうえに、税金を売却代金から差し引いてもらうことができますので、確定申告は不要です。
ただし、口座内の損益が年間トータルでマイナスの場合には、あえて確定申告をした方が得することがあります。

「源泉なし」を選択した場合には、証券会社等で売却損益の計算や税金の計算を行ってくれますが、納税まではしてもらうことができませんので、年間トータルで利益が出た場合には、原則として確定申告が必要となります。
損益が年間トータルでマイナスの場合には、確定申告は必要ありませんが、「特定口座(源泉あり)」の時と同様に、確定申告をした方が得することがあります。

「特定口座とは|源泉あり、源泉なしのメリット・デメリット」を読む

特定口座以外(一般口座など)

証券会社の「一般口座」などで保有している上場株式や、証券会社を通さずに保有している非上場株式を売却し、利益が出た場合には、確定申告が必要です。
損益が年間トータルでマイナスの場合には、確定申告は必要ありませんが、「特定口座」の時と同様に、確定申告をした方が得することがあります。

「株の税金|一般口座で株取引を行っている人の確定申告」を読む

確実に確定申告が必要な人

サラリーマンで年末調整を受けている場合でも、副業で年間20万円を超える所得があった場合には、確定申告をする必要があります。
したがって、サラリーマンで年末調整を受けている場合で、給与所得以外の所得が20万円以下であれば、口座の種類が「要申告」の口座でも、確定申告の必要はありません。
また、個人事業主などのように会社に勤めてない人で、自分で確定申告をしなければならない人でも、年間の損益が年間トータルでマイナスである場合には、所得税の申告を行なう際に株の売買を含める必要はありません。
ただし、損失が出ている場合でその損失を繰越して税金を安くしたい場合には(※後述)、確定申告が必要となります。

つまり、確実に確定申告が必要なのは、一般口座が、特定口座(源泉なし)で株を売買し、譲渡益が20万円を超えている人ということになります。

確定申告の要否や確定申告をした方が得なのか否かについては、自分で一度試算をしてみるか、税理士に相談してから判断するようにしましょう。

「サラリーマンの確定申告|副業で所得20万円を超えた人」を読む

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株取引の節税対策

株取引で損失が出た場合には、「損益通算」と「繰越控除」で損失を取り戻すことができます。
この「損益通算」と「繰越控除」の適用を受ける場合には、確定申告が必要です。

損失が出たら利益から差し引ける

ある口座内の株取引で損失が出た場合でも、別の口座や投資信託の売買などで利益が出ている場合には、その利益や配当金から損失を差し引くことで、所得税を減らすことができます。これを「損益通算」といいます。
そして、すべての口座で損益通算をしても、まだ利益がマイナスになった場合には、その損失を翌年以降3年間にわたって、利益や配当利益と損益通算することができます。
これを「繰越控除」といいます。

つまり、損失を出してしまった年の翌年から3年以降は損失分を繰越利益と相殺することで、税金を設託することができるのです。

なお、損益通算や繰越控除の適用を受けるためには、確定申告が必要です。

利益が38万円以下なら還付が受けられる

株取引で利益が出た場合でも、その利益が38万円以下の場合には、確定申告することで、還付を受けられることがあります。
たとえば、他に収入のない専業主婦である場合には、基礎控除(所得税や住民税の計算をする際に、一律で差し引かれる控除)である38万円を譲渡所得から差し引くことができます。つまり、税率が課される課税所得は0円となり、確定申告をすれば税金が戻ってきます。

「副業、株などで会社員が損しないための確定申告!」を読む

非課税のNISA口座の活用

NISAとは、投資の税金が非課税となる優遇税制です。
NISAには、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAがありますが、1年間で決まった額の投資を行うことができ、一定期間その利益に税金がかかりません。
NISA口座での株取引は非課税なので、確定申告の必要はありません。
ただし、前述した例のように利益が38万円以下で他に収入のない人は、確定申告をすることで、税金が戻ってくることがあります。

「つみたてNISA|3つのメリットと4つのデメリット」を読む

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株取引の確定申告で必要な書類

株取引の確定申告を行なう際に必要な書類は、利益が出た場合が4種類、損失が出た場合には繰越控除を行うために「所得税の確定申告書付表」が必要となります。
なお、申告書を提出する際には、源泉徴収票と年間取引報告書(特定口座の場合)を添付して提出する必要があります。

確定申告書B(第一表)

確定申告書にはAとBがありますが、株取引の場合には、確定申告書Bを使用します。
確定申告書B(第一表)には、収入金額や所得の金額、所得から差し引かれる金額を記載し、税金の計算を行います。

確定申告書B(第二表)

確定申告書B(第二表)には、所得の内訳や所得から差し引かれる医療費控除、社会保険料控除などの各所得控除の内容、住民税、事業税に関する事項を記入します。
源泉徴収票は添付書類台紙に貼ります。

確定申告書第三表(分離課税用)

確定申告書第三表(分離課税用)は、分離課税の所得がある時に使う用紙です。
前述したとおり、株取引による利益は譲渡益であり分離課税(他の所得とは別に計算する税金)となるので、この確定申告書第三表(分離課税用)が必要となります。
確定申告書第三表(分離課税用)には、株取引の内容を取りまとめて記載します。

株式等に係る譲渡所得者の金額の計算明細書

確定申告書第三表(分離課税用)を提出する場合には、原則として「株式等に係る譲渡所得者の金額の計算明細書」を添付する必要があります。
株式等に係る譲渡所得者の金額の計算明細書には、株取引の損得の内訳を計算し、記入します。

所得税の確定申告書付表

「所得税の確定申告書付表」は、株取引で損失が出て譲渡損失の繰越控除を利用したい時に使う書類です。
繰越控除を受ける1年の損失を記入します。

「株取引で損失が出た場合は確定申告でトクをする」を読む

まとめ

以上、株取引でかかる税金や、確定申告の要否、株取引で損失が出た時に税負担を軽くする方法などについてご紹介しました。
株取引は、口座によって確定申告すべきか否か違いますし、確定申告が不要な場合でも、あえて確定申告をした方が得することもあります。
「自分が確定申告すべきなのか」「確定申告をした方が得するのか」「確定申告書には何を記載すべきなのか」など、株取引に関する税金で分からないことがあれば、早目に税理士に相談することをお勧めします。

税理士をお探しの方

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