個人が税務調査の対象になった時の対処法と対策

公開日:2018年11月06日
最終更新日:2019年10月01日

目次

  1. 税務調査とは
  2. 税務調査の対象になる個人とは
    • 税務調査の対象になる個人事業主
    • 相続税の税務調査
  3. 個人の税務調査対策
    • 誠実に対応する
    • 領収書は整理しておく
    • 税理士に相談する
  4. 税務署もOK!の個人事業主の経理のコツ
    • 書類の整理と保管方法
    • 自宅兼仕事場は按分
    • 税務調査のときも、freeeなら安心に

税務調査とは

日本は、納税者が納税額を計算し納税する「申告課税方式」をとっていて、適正に納税をしているかどうかを国が調査する制度を税務調査といいます。

税務調査というと、会社がされる調査というイメージを持つ人も多いようですが、個人事業主やフリーランスで事業を行っている人、相続税を納めた個人や、ネット取引などを行っている個人も、税務署の税務調査を受けることがあります。

また、税務調査は大別すると「任意調査」と「強制調査」に分けることができます。テレビで見るものの多くは強制調査で基本的には任意調査ですので、しっかり税理士に相談しておけば怖いものではありません。

任意調査:強制調査のような強制力はありませんが、納税義務者には質問に答える義務があります。
強制調査:悪質な脱税犯に対して行われる一種の犯罪調査です。

税務調査の対象になる個人とは

税務調査の対象となる個人は、個人事業主やフリーランス、相続税を納めた人などです。風俗業やキャバレー、プログラマーは、1件当たりの申告漏れ所得金額が高額なケースが多いとされています。
また国税庁は、インターネット取引を行っている個人に対して、積極的に調査を実施するという姿勢を打ち出しています。

税務調査の対象になる個人事業主

個人は、法人と比較すると税務調査を受ける確率はかなり低くなります。
しかし、個人でも不動産の売買などの多額のお金が動いたケースや、ネット取引で多額の収入があったケースでは、税務調査の対象となることがありますし、「売上が前年より極端に増えた」「利益率が良くなった」「現金商売である」「過去税務調査の対象となり、多額の修正申告をしたことがある」などの事情がある場合には、調査の対象となることがあります。

個人事業主の税務調査で、1件当たりの申告漏れ所得金額が最も多いのは、風俗業で、2,083万円とかなり高額な申告漏れ所得金額を指摘されています。
次いでキャバレー、プログラマー、畜産農業(肉用牛)、防水工事となっています。

○事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種

引用:国税庁「事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」

また、国税庁は、インターネット取引を行っている個人に対して、「あらゆる資料情報を収集・分析するなどして、積極的に調査を実施する」という姿勢を打ち出しています。

2016(平成28)事務年度におけるインターネット取引を行っている個人に対する実地調査(特別・一般)の調査件数は、1,956件(2015年・平成27事務年度は2,013件)となっています。

○インターネット取引を行っている個人の調査状況(取引区分別)


ネットトレード:347件
ネット広告:246件
ネットオークション:414件
コンテンツ配信:34件
ネット通販:628件
その他のネット取引:287件

引用:国税庁「1件当たりの申告漏れ所得金額(取引区分別)」

ネット取引のうち、1件当たりの申告漏れ所得金額が最も多いのは、「ネットトレード」次いで、「コンテンツ配信」「ネットオークション」「ネット広告」の順となっていて、件当たりの申告漏れ所得金額の平均は、1,197万円に上るとされています。

ネットトレード:1,582万円
コンテンツ配信:1,426万円
ネットオークション:1,093万円
ネット広告:1,012万円
ネット通販:901万円
その他のネット取引:1,660万円

引用:国税庁「1件当たりの申告漏れ所得金額(取引区分別)」

相続税の税務調査

相続税の税務調査については、相続税の申告を行なった人のうち、30%ほどの割合で行われていると言われています。
平成28(2016)事務年度実地調査の件数は12,116件で(平成27(2015)事務年度11,935件)、このうち申告漏れ等の非違があった件数は9,930件(平成27(2015)事務年度9,761件)で、非違割合は82.0%(平成27(2015)事務年度81.8%)となっています。

相続税の税務調査で重加算税が課せられることになった件数は、1,300件で、追徴課税されることになった額は、実地調査1件当たりでは591万円となっています。

○相続税の調査実績

引用:国税庁「平成28事務年度における相続税の調査の状況について」

「相続税の税務調査当日に聞かれる質問ベスト5」を読む

「相続税の税務調査~最大のポイントは名義預金」を読む

個人の税務調査対策

これまで述べてきたように、法人より件数は少ないものの、個人も税務調査の対象となる可能性があります。
税務調査は、強制調査の場合を除き、原則として電話で事前に連絡が入ります。
電話連絡があったら、その場で即答をせず、担当者の名前を確認して税理士に連絡するようにして下さい。

なお、例外として、飲食店など店舗などで営業している場合には、ある日突然調査官がやってくることがあります。これは、現金残高を確認するためですが、対応する場合には、必ず身分証明書を確認してください。

また、調査官が事前に客を装って、お店に食べに行くという内定調査が行われることもあります。これは、来客数から売上の推定計算をするためです。

誠実に対応する

税務調査というだけで、「何か疑われているのか」と不快なイメージを持つ人もいます。
しかし、税務調査は疑いのある会社や個人だけを対象としているわけではなく、正しく納税押している人や、収入額が少なく納税額がゼロになる可能性のある人に対しても、行われる可能性があります。

また、単に添付書類の不足や計算ミスの確認で、税務署が確認したいと思っているだけのケースもあります。

税務署から連絡があるだけで、「税務調査だ」と決めつけて居留守を使ったり、折り返し連絡をしなかったりすると、かえって「何かやましいことがあるのでは」と疑われてしまうこともあります。

必要以上に税務署を怖がるのは意味のないことなので、税務署からの問い合わせには誠実に対応し、不安であるのなら税理士に相談するようにしましょう。

領収書は整理しておく

領収書などの帳簿書類は、7年間保存しておかなければなりません。
一部の書類については5年でよいことになっていますが、曖昧になりがちなので、「7年間」で統一して保存しておくのがおすすめです。
電子帳簿保存法により、帳簿をデータにして保存しておくことが認められていますが、その場合には、税務署に申請書を提出することが必要です。

「帳簿づけ-フリーランスが知っておきたい基礎知識」を読む

税理士に相談する

税務調査には、税理士に立会いを依頼することができます。
税務署から税務調査の連絡が入ったら、担当者の名前を聞いて、すぐに税理士に連絡をしましょう。顧問税理士がいない場合でも、税務調査だけ依頼することもできます。

税理士に相談すれば、どのような書類を準備しておくべきか、調査当日はどのように対応するべきかなど、細かくアドバイスをしてもらうことができます。

事前準備にかけられる時間は限られていますので、すべての対策をとることは現実的ではありませんが、指摘されそうな問題がある場合には、その部分について重点的に対策をとることができます。

税理士の立会いがあるか否かが、税務調査の結果に影響を与えることもあります。
可能な限り税理士に相談して、アドバイスを受けるようにしましょう。

「税務調査を税理士に相談するメリット」を読む

また、税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」でアンケート結果をまとめたので、一つの目安として税理士選びの参考にしていただければと思います。

税務調査に強い税理士を探す

税務署もOK!の個人事業主の経理のコツ

日頃から、帳簿類や証憑、契約書を整理し、しっかり帳簿をつけて申告・納税していれば、税務調査はとくに怖がる調査ではありません。
ここでは、税務調査の連絡がきても問題ない、税務署もOKの経理のコツについて、ご紹介します。

書類の整理と保管方法

税務調査にスムーズに対応するためにも、帳簿や請求書、領収書などの書類は、しっかり整理しておくことが大切です。
現金取引は極力減らし、入出金は事業専用の口座を通して行えば、帳簿の記帳作業の負担を減らすことができます。

領収書や請求書は年度ごとにまとめて保管するとよいでしょう。
勘定科目ごとに整理しようとすると、その手間がかかるので、整理が後回しになってしまいがちです。
税務調査の場合には、「経費の証明になる書類を紛失しないこと」が大切なので、無理なく継続できる方法で行うようにしましょう。

自宅兼仕事場は按分

自宅を事務所や店舗の一部として使用している場合には、必要経費を按分します。
按分する経費とは、賃貸家賃や水道光熱費、電話、FAX、ネット接続料、車の保険料、修繕費などです。
按分割合は、「どのくらいを事業用として使用しているか」をもとに算出します。
きちんと按分して計算していること、その按分の根拠を説明できることは、税務調査での印象を、格段に良くすることができます。

税務調査のときも、freeeなら安心に

個人事業主への税務調査は年間約11万件(注)行われており、税務調査官の専門知識による対応に苦慮するケースが多々発生しています。
このような課題を解決するため、税務調査対象となった個人事業主にfreeeが税理士を無料で紹介し、調査立会に要した費用を、50万円を限度に補償するサービスが会計freeeの「プレミアムプラン」に自動付帯されております。
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(注)出典:国税庁「平成29事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について」

「会計ソフトって何?「クラウド会計ソフト」って何?」を読む

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