税務調査-対象となる会社はこんな会社

公開日:2019年04月20日
最終更新日:2019年07月27日

目次

  1. 税務調査とは
    • 税務調査の種類
    • 書面添付制度
  2. 税務調査対象会社の選ばれ方
    • 中小企業も対象となる
    • 赤字の会社でも税務調査の対象になる
  3. 税務調査で問題視されるポイント
    • 売上と経費
    • 人件費
    • 交際費
    • 修繕費
    • 減価償却費
    • 寄付金
    • 印紙税
  4. まとめ
    • 税務調査に強い税理士をお探しの方
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この記事のポイント

  • 通常は3年~5年に1度は税務調査の対象になる可能性がある
  • 過去に不正を行っていた会社では、毎年でも税務調査の対象になることも。
  • 税務調査で問題視されるポイントを知ることで必要な対策を行うことができる。

 

税務調査とは、法人や個人などの納税者が、適切に申告納税しているかを国が調査する制度です。
国税庁が平成30年(2018年)11月に発表した「法人税等の調査事績」の資料によると、平成29年(2017年)には、法人税の実地調査が9,8000件実施されました。
中小企業や赤字の会社でも調査対象となる可能性は高く、通常は3年~5年に1度は調査対象になる可能性があるとされています。
特に過去に不正を行っていたような会社は、毎年でも税務調査の対象となることがあります。

税務調査とは

税務調査とは、公正で適正な申告納税制度を維持するために行われる調査です。
国税庁では、データベースに蓄積された所得税や法人税の申告内容などの各種資料情報から売上金額・所得金額・税額などに誤りがないか細かく分析して、対象となる会社を選択しています。
その結果「この売上はどうもおかしい」「経費が昨年と比べて多すぎる」などの疑問点や不明点があると、税務調査が行われるわけです。
そして、違法な処理や誤った処理が為されている場合には、税法に従って適正な金額かどうか検討し、正しい申告や納税に改めるよう指摘されることになります。
国税庁が平成30年(2018年)11月に発表した「法人税等の調査事績」の資料によると、平成29年(2017年)には、大口・悪質な不正計算が想定される法人など調査必要度が高い法人9,8000件について法人税の実地調査を実施されました。


引用:国税庁「適正・公平な課税の推進」

また、法人消費税については、94,000件の実地調査が実施されました。

引用:国税庁「平成29事務年度 法人税等の調査事績」

税務調査の種類

税務調査は、大きく「任意調査」と「強制調査」に分けることができますが、通常税務調査というと「任意調査」を意味します。

強制調査とは、悪質な脱税犯に対して行われる調査で、捜索・差押えなどをすることができます。納税者の許可なく家屋に立ち入ったり、所有物を捜索したり、証拠物を押収したりします。
任意調査には強制調査のような強制力はありませんが、納税者には税務署に対応する義務があります。

任意調査は、調査目的などから準備調査と実地調査に区分され、下記のように区分されます

準備調査
準備調査とは、主に税務署内で行う調査のことをいいます。
準備調査の段階で対象となる納税者に問合せを行うこともありますが、準備調査は主に実地調査が必要かどうかを判断するために行われるケースがほとんどです。

①机上調査
納税義務者が提出した決算書や申告書を、税務署内で確認する調査です。

②外観調査
調査対象者として選定するかどうかの資料収集を目的として、取引先を確認したり来客数を確認したりする調査です。

③書面調査
納税義務者が提出した決算書や申告書の内容について、調査官が不明点や疑問点がある場合に、対象者に書面で問合せを行う調査です。

④呼出調査
対象となる納税者を税務署に呼び出して、申告書の内容などについて説明を求める調査です。

実地調査
実地調査とは、納税者の事業所や店舗などに出向いて帳簿書類などを調査することで、一般的に税務調査というと、この実地調査のことをいいます。

①一般調査
帳簿や伝票などの資料をもとに、納税者が提出した申告書が、税法に基づいて作成しているか、その内容が正確かどうかを確認していく調査です。

②現況調査
納税者の状況を把握するために、抜き打ちで行われる調査で、現金取引が主である業種など、税務署が特に現況調査が必要であると判断した場合に行われる調査です。
例えば、飲食業や美容院などの店舗がある業種の場合には、誰がレジを打っているのか、領収書を渡しているか、別の帳簿類に記帳などしていないかなどもチェックされます。

③反面調査
調査対象者の取引先などに対して、取引の実態について調査するために行われます。

④特別調査
脱税など、一般調査だけでは足りないと判断された時に行われる厳しい調査です。

⑤特殊調査
単独の個人や法人に対しての税務調査だけでは実態を把握できないと判断された時に、グループ企業も含めて総合的に行われる調査です。

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書面添付制度

書面添付制度とは、税理士や税理士法人が作成した申告書について作成する書面のことで、どのような項目について作成したか、どの資料をどの程度確認したかなどを記載します。添付書面の提出があった場合には、まず税理士に税務調査を実施したい旨の連絡が入り、税理士が意見を述べる機会が与えられることになります。
そして、税理士のこの意見聴取によって、税務調査が省略されたり短縮されたりする可能性もあります。

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税務調査対象会社の選ばれ方

税務調査の対象会社を選定するための明確な基準は特にありませんが、サイクルとしては3年~5年に1度程度となるケースが多いようです。
しかし、なかには「10年以上、一度も税務調査を受けていない」という会社もありますし、過去に不正が指摘されたような会社だと、毎年税務調査の対象となることがあります
また、不正がよく見つかる業種であったり、売上が伸びているがそれ以上に経費が延びたりといった事情がある会社については、税務調査の対象となりやすい傾向があります。

中小企業も対象となる

税務調査は、事業の規模や税額に関係なく、調査対象となる可能性があります。
特に好況な業種や、過去不正が多かった業種は特に対象となるケースが多いようです。
飲食店、酒屋、美容院、風俗業、貸金業、建設業、IT関連起業などは、特に調査対象として選ばれる傾向が高く、これらのなかから、税歴表を作成したり、コンピュータ処理などをしたりして、一定の条件に該当する企業を選び出します。
特に、売上や人件費が前年度と比較して大幅に変動したり、売上がアップしているに利益が少なかったりする会社は、ターゲットとなりやすいので、注意しましょう。
なお税務調査では、法人だけでなく個人事業主も対象となります。
個人事業主としてネットショップを経営している場合や、パートや内職をしている主婦などが対象となることもあります。また、相続税について税務調査が行われることもあります。

赤字の会社でも税務調査の対象になる

税務調査では、納税義務のあるものが税法の規定によって正しく申告納税しているかという点を確認するために行われる調査です。
したがって、「ここ数年ずっと赤字だ」という会社の場合でも、調査対象となる可能性は十分あります。
確かに業績不振の会社では、修正すべき項目を見つけることはできたとしても、マイナスの課税所得をプラスに転じることは簡単ではないケースがほとんどです。
特別な事情でもない限り、調査対象とはなりにくいだろうともいえそうです。
しかし、ここ数年は申告された企業全体に占める赤字企業の割合が7割を超えているので、「赤字だから税務調査の対象とはならないだろう」と油断することはできません。
そもそも決算が赤字であるといっても、申告内容が正しいとは限りません。なかには、黒字を出していてもおかしくないほど業績好調な会社なのに、決算を赤字にして脱税するような悪質な企業があることも事実です。
したがって、赤字決算と申告している会社でも、調査対象となる可能性は大いにあるといえるでしょう。

税務調査で問題視されるポイント

税務調査の日程が決まったら、調査が実施されるまでにできる限り帳簿や資料を整理して、どのような質問に対してもスムーズに答えることができるよう整理しておきましょう。税務調査では、一般的に過去3期にまでさかのぼって調査されることが多いので、その期間中の請求書や領収書はきちんと整理し、契約書などの証憑類や給与台帳などもできる限り用意しておくようにします。

常日頃からこれらの書類をきっちり記録し整理・保管するようにすると、税務調査時に安心です。
領収書の裏には、誰と会食したのかメモするなど、いつでも第三者に説明できる状態にしておくのが理想です。

売上と経費

税務調査の事前調査では、まず3年間ほどの売上と経費の伸び率が比較されます。
例えば、売上が30%伸びているのに、経費が50%伸びていれば、「経費が水増しされているのではないか」と疑われます。
そして、同じ地域の同業他社と比較して、数値を細かく比較され、平均的な伸び率や経費の割合を算出して、大幅にはみだしていないかチェックされます。単に広告宣伝費や設備投資にお金をかけただけ、というケースもありますが、経費が大きく伸びている場合には、税務調査の際にはその点について、きちんと説明できることが大切です。

人件費

実際に会社に在籍していないのに、人件費を架空計上しているケースは、税務調査で最もチェックされるポイントのひとつです。
従業員を雇用した場合には、従業員の住所や氏名などを市町村に提出しなければならないので、架空の人件費が簡単に発覚してしまいます。
したがって、アルバイトなど、社会保険の加入義務がない人が人件費として架空計上されるケースが多いのですが、このような架空人件費でねん出した資金が代表者個人にわたっている場合には、代表者個人に対する役員賞与として、源泉所得税としても課税されることになります。

交際費

交際費については、交際費に該当する書類を偽造して処理していないか、交際費ではないのに交際費として計上されていないかなどをチェックされます。
元帳などから交際費に該当する費用を一覧にして、その内容を検討し細かく経理や経営者に質問しながら、内容を調査されます。
交際費は、取引先を飲食接待した場合の費用は当然交際費に該当しますが、1人あたり5,000円以下のものについては、交際費に含めずに、支出のあった事業年度においては全額損金に算入することが認められるようになりました。
ただし、会社の役員や従業員またはこれらの親族に対して行われる飲食接待については、適用されませんので、この点についてはミスがないようにしましょう。

修繕費

修繕費は、計上時期が妥当か否か、架空の修繕費の計上はないかなどがチェックされます。
期末直前に計上した修繕費については、翌期に費用化すべきものが含まれていないかなどチェックされますので、きちんとした証拠が必要です。
なお、修繕費としていても、資産の使用可能期間や効用を増加させるような内容は「資本的支出」となりますので、この点も注意しましょう。

減価償却費

法人や取得した減価償却資産のうち、使用可能期間が1年未満もしくは取得価額が消費税を含み10万円未満のものについては、「少額資産」として損金経理してその取得価額に相当する金額を損金に加入することができます。
しかし、パソコンのディスプレイが8万円、本体が8万円、キーボードやプリンターが8万円だった場合、個々の金額は10万円未満ですが、これらはそれぞれ単体では機能しないことから、合計金額24万円となり、通常の減価償却資産として処理することになります。

なお、中小企業については、少額減価償却資産の取得価額について特例が設けられていて、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成18年4月1日から平成32年(2020年)3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。

参照:国税庁「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」「節税効果大!減価償却する資産と償却する方法とは」を読む

寄付金

寄付金であっても、その寄付によって自己に便益が及ぶ場合には、寄付金とは認められずその費用は繰延資産とされます。繰延資産とは、支払った費用のうち会社にとって便益をもたらす効果のあるものをいいます。
また、寄付を行ったとしてもそれが本来は代表者や役員個人が行うべきである場合には、その費用の額は代表者や役員個人に対する賞与と解釈されます。

印紙税

見落としがちなのが印紙税です。
契約書については、内容によって印紙を貼付しなければならないものが多くありますが、印紙を貼付すべきか否かは、文書の表題ではなくその内容で判断されます。
また、印紙は消印をして初めて印紙税を納めたと解釈されますが、購入して添付しただけという書類はかなり多いので、改めて確認するようにしましょう。
印紙税は、税務調査で必ず確認される内容ですし、ペナルティは、本来の印紙税額の3倍とかなり高額となってしまいますので、日頃からしっかりチェックしておくことが必要です。

まとめ

以上、税務調査で対象となる会社の傾向や、税務調査の種類、税務調査でチェックされるポイントなどについてご紹介しました。
税務調査では、思いもかけない細かい点についても質問されますので、税理士のサポートが欠かせません。顧問税理士がいない場合でも、税務調査から対応してくれる税理士もいますので、可能な限り早めに相談してみることをおすすめします。

「税務調査を税理士に相談するメリット」を読む

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税務調査については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
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