配偶者控除が2018年改正|103万・150万・201万の壁

公開日:2019年12月24日
最終更新日:2020年02月10日

目次

  1. 配偶者控除と配偶者特別控除の概要
  2. 配偶者控除とは
    • 配偶者控除の適用要件
    • 配偶者控除の改正ポイント
  3. 配偶者特別控除とは
    • 配偶者特別控除の適用要件
    • 配偶者特別控除の改正ポイント
  4. 103万円・150万円・201万円の壁
    • 103万円の壁
    • 150万円の壁
  5. 「150万円の壁」とは
    • 201万円の壁
  6. 他にもある「配偶者控除」
    • 相続税の配偶者優遇措置
    • 贈与税の配偶者控除
  7. まとめ

2018年に配偶者控除配偶者特別控除の取扱いが変更されました。
この改正によって、合計所得金額が1,000万円を超える納税者には、配偶者控除も配偶者特別控除適用は受けることができなくなりました。

また、配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下(収入103万円以上123万円以下)となり、控除額も変更されました。

103万円を超えると、超えた額に対して自分で所得税を納めるようになることから、配偶者がパートで働く場合には「103万円の壁を超えないように」と言われていましたが、配偶者の収入が150万円を超えると配偶者控除で控除される額が減少し始め、201万円を超えると控除額はゼロになることから、「103万円」の壁に加え、「150万円の壁」「201万円の壁」ができたとも言われるようになりました。

そこで、この記事では、「103万円」「150万円」「201万円」を境に、配偶者控除と配偶者特別控除がどのように適用されるかご紹介します。

配偶者控除と配偶者特別控除の概要

配偶者控除とは、収入の少ない配偶者(夫や配偶者)を養っている人が受けられる所得控除です。

配偶者控除・配偶者特別控除については、適用条件や控除額が、平成30年(2018年)から大幅に変更になり、配偶者控除、配偶者特別控除ともに、控除額は納税者本人の所得区分によることになり、納税者本人の合計所得金額が1,000万円(例:給与所得収入1,220万円)を超える所得者については、適用を受けられなくなりました。

なお、配偶者控除と配偶者特別控除は、いずれかひとつしか受けることができません。どちらの控除を受けられるかは、合計所得金額などで判断することになります。

また、控除を受けようとする人が給与所得者ではなく、個人事業主など自分で確定申告を行なう人で事業専従者(白色申告の場合)や青色事業専従者(青色申告の場合)になっている人は、配偶者控除も配偶者特別控除も認められません。

配偶者控除とは

配偶者控除とは、合計所得金額が38万円以下(令和2年から48万円以下)で、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下の人が受けられる控除です。

配偶者控除は、基本的に配偶者に収入がないことを前提としている控除です。
しかし、現実的には収入が全くゼロというケースがほとんどありません。そこで、実情に合わせて合計所得金額が38万円以下なら、控除対象配偶者と認めることとしています。
※令和2年(2020年)から控除額は48万円以下となります。

平成30年分より、控除対象配偶者(70歳未満)または、老人控除対象配偶者(70歳以上)のいる納税者本人については、適用される配偶者控除の額は下記の通りとなり、合計所得金額が1,000万円を超える納税者には、配偶者控除の適用はありません。

配偶者控除の適用要件

配偶者控除を受けることができるのは、以下の条件にあてはまる人です。

・納税者の配偶者で生計を一にする人
・配偶者の年間合計所得金額が48万円以下である人
・青色事業専従者、事業専従者でない人

配偶者控除の改正ポイント

配偶者控除額は、平成29年(2017年)までは、一律38万円でしたが、税制改正によって平成30年(2018年)からは納税者本人の合計所得金額によって異なることになりました。
この改正によって、納税者本人の合計所得金額1,000万円超(年収1,220万円超)は、配偶者控除の適用対象外となりました。また、配偶者の合計所得金額が48万円以下となりました。

配偶者特別控除とは

配偶者特別控除とは、配偶者の収入が201万円以下で、かつ納税者本人(たとえば夫)の収入が1,220万円以下(所得は1,000万円以下)の人が受けられる控除です。

配偶者控除の場合、配偶者の合計所得金額が48万円(※令和2年より)を1円でも超えてしまうと、いきなり控除額が0円になってしまいます。これを改めて、配偶者の収入増に合わせ徐々に控除額が減るように設けられたのが、配偶者特別控除です。

配偶者特別控除の適用要件

配偶者特別控除の適用を受けるためには、以下の条件にあてはまる必要があります。

・納税者の配偶者で生計を一にする人
・配偶者の年間所得金額が、38万円超123万円未満、給与収入では103万円超201万円以下である人
・申告者の給与収入1,220万円以下(合計所得金額1,000万円以下)
・青色事業専従者、事業専従者でない人

配偶者特別控除の控除額は、合計所得金額によって、以下の通り異なります。

配偶者特別控除の改正ポイント

また、配偶者特別控除についても見直しがされ、配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下(従前:38万円超76万円未満)となり、控除額は納税者本人の所得区分となりました。

103万円・150万円・201万円の壁

納税者本人は、一律に基礎控除38万円が認められます。そのうえで、合計所得が一定以下の配偶者や親族がいる場合には、その人に状況に応じた額の配偶者控除や扶養控除が受けられます。また、配偶者の所得が38万円超123万円未満の場合も配偶者特別控除が受けられます(納税者の合計所得が1,000万円以下の場合)。
また、給与所得者であれば、最低65万円の給与所得控除があり、配偶者特別控除は配偶者の合計所得85万円までで、控除額は38万円です。

そこで、配偶者の所得が65万円+85万円の合計150万円までなら、納税者本人は38万円の控除を受けることができます。以前は、給与所得控除65万円+38万円の合計103万円が上限だったため「103万円の壁」と言われていましたが、これが「150万円」に引き上げられたわけです。

また、配偶者特別控除は、123万円以上の所得(収入201万円)以上だと、適用がありません。これは、「201万円の壁」と言われるものです。

103万円の壁

年収103万円を超えると、配偶者控除の対象外となってしまうため「103万円の壁」と言われることがあります。
これは、配偶者控除が適用されるのが103万円までであり、しかもパートによる収入は、年間103万円までは無税だからです。

パートによる収入も、サラリーマンと同じように「給与所得」となりますが、給与所得の金額は、給与収入から給与所得控除額を差し引いて計算します。
給与所得控除とは、給与所得者の給与から一定額差し引くことのできる控除額のことで、最低65万円(2020年から55万円)です。
つまり、パート収入が103万円の場合も、給与所得控除65万円が差し引かれることになります。

103万円-65万円=38万円

さらに、所得のある人には、38万円の基礎控除(2020年から原則48万円)がありますから、さらに38万円を差し引くことができます。

38万円-38万円=0円

つまり、「103万円の壁」とは、自分が所得税を支払わなくて済み、同時に夫も配偶者控除が受けられ所得税が軽減されるギリギリのラインという意味を示すものでした。
※2020年からは、基礎控除は48万円、給与所得控除は55万円ですが、48万円+55万円は同じく103万円です。
配偶者の収入から引かれるのは住民税(地域によって異なる)と雇用保険料だけで、収入103万円のほとんどが手取りとして手元に残るということになります。

150万円の壁

103万円を超えると、配偶者控除が適用されなくなりますが、配偶者特別控除が適用されることになります。
控除額も変わらないので、「103万円の壁」と呼ばれていたのが、150万円まで引き上げられたとも言われます。

しかし、納税者本人の所得税について、配偶者に関する所得控除分として満額の38万円が適用されても、配偶者本人が支払う所得税のボーダーラインは現在まだ103万円のままです。住民税は地域によって税額が異なりますが、こちらも変わらず収入93万円~100万円がボーダーラインとなります。
つまり、配偶者の収入が103万円を超~150万円までは配偶者(特別)控除の適用を満額で受けることができますが、配偶者には税金がかかる可能性があるというわけです。

配偶者の収入が103万円の場合

103万円-給与所得控除(65万円)-基礎控除(38万円)=0円

配偶者の収入が150万円となった時

150万円-給与所得控除(65万円)-基礎控除(38万円)=47万円

「150万円の壁」とは

配偶者の給与収入が103万円超150万円以下だと、配偶者控除の適用が受けられませんが、配偶者特別控除の適用を受けることができ、控除額も変わりません。
つまり、これまでは配偶者の給与収入が103万円以下でなければ、満額(38万円)の控除を受けられなかったのが、配偶者の給与収入が150万円までは、同じ額の控除を受けることができるようになったわけです。

150万円を超えると控除額が減り始める
税制改正によって、配偶者の給与収入が150万円までの収入でも103万円までの収入でも、同じ額の控除を受けることができるようになりましたが、配偶者特別控除の額は、配偶者の収入が150万円を超えると減り始めます。

たとえば、納税者本人の収入が900万円の場合配偶者の収入が150万円までなら控除額は38万円ですが、150万円を超えると36万円に減少します。155万円を超えると31万円まで減少します。

つまり「150万円の壁」とは、配偶者の収入が150万円までなら控除額は満額控除されますが、150万円を超えると控除額がその収入額に応じて減っていく境目のことをいいます。

201万円の壁

配偶者特別控除は、配偶者の収入が201万円以上になると控除額はゼロになります。
つまり、「201万円の壁」とは、配偶者特別控除が適用されなくなる壁のことを言います。

なお、配偶者特別控除の適用対象となる配偶者の合計所得金額は、令和2年から48万円超133万円以下となり、配偶者の合計所得金額の区分はそれぞれ10万円引き上げられます。

他にもある「配偶者控除」

ここまでは、主に所得税や住民税の配偶者控除、配偶者特別控除について述べました。
しかし、所得税や住民税以外の相続税や贈与税でも、配偶者への優遇措置が設けられています。

相続税の配偶者優遇措置

配偶者が相続人となった場合、相続財産が法定相続分か1億6000万円までは、相続税はかかりません。
これは、残された廃愚者の老後の生活を保障するためです。
もし、この金額を超えて相続財産をもらった時には、超えた金額の部分に対応する相続税を支払うことになります。

配偶者の相続税の税額軽減は、結婚している期間に関係なく、特例を受けることができます。つまり婚姻届が提出されて1日しか経過していなくても、この特例を受けることで相続税がゼロになることがあるということになります。
逆に、たとえ長い同居生活を送っていても、婚姻届が提出されていない場合には、この特例を受けることはできません。

贈与税の配偶者控除

婚姻期間が20年以上経過して、配偶者から居住用財産を贈与された時には、配偶者控除が認められます。配偶者控除は、居住用財産あるいは居住用財産を取得するための資金を贈与した時、基礎控除110万円(贈与税がかからない額)の枠以外に2,000万円まで控除されます。

まとめ

  • 2018年に配偶者控除・配偶者特別控除の取扱いが変更された。
  • 合計所得金額が1,000万円を超える納税者には、配偶者控除も配偶者特別控除適用はない。
  • 「103万円」「150万円」「201万円」で適用が異なる。

以上、配偶者控除・配偶者特別控除の2018年の改正ポイントや、103万円、150万円、201万円の壁の意味についてご紹介しました。
103万円の配偶者控除の額は取り払われましたが、配偶者個人の税金がかかってくることもあります。少しでも家計の足しにしようとパートを増やしても、その額によっては配偶者自身に所得税や住民税(地域によって異なる)が課税されることになり、かえって家計を圧迫することもあるかもしれません。
配偶者控除や配偶者特別控除の控除額を考える時には、配偶者個人の税金についてもあわせて検討することが大切です。

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