税理士とは|仕事内容・公認会計士との違い・資格取得の方法

公開日:2019年11月19日
最終更新日:2019年11月19日

目次

  1. 税理士とは
    • 税理士と公認会計士との違い
    • 税理士になる方法
  2. 税理士の仕事
    • (1)顧問業務
    • (2)申告業務
    • (3)税務調査立ち会い
    • (4)個人の確定申告
    • (5)相続対策・相続税申告
    • (6)起業支援
    • (7)事業計画策定
    • (8)認定支援機関業務
    • (9)国際税務・海外進出サポート
    • (10)M&Aサポート
  3. まとめ
    • 税理士をお探しの方

この記事のポイント

  • 税理士は、税務代理業務や税務書類の作成などを行う専門家である。
  • 税理士の独占業務は①税務代理業務、②税務書類の作成業務、③税務相談業務で、公認会計士の独占業務は「監査業務」。
  • 税理士になるためには税理士試験に合格する他、法的に税理士資格が付与されることもある。

 

税理士というと、「税金の計算をして税務署に申告をする専門家」というイメージを持つ人も多いですが、実際はそれだけでなく相続対策や起業支援、海外進出サポートを行っているケースも多々あります。また、経営コンサルタント業務を主にして、補足的に税理士業務を行っている人も増えています。

この記事では、税理士の仕事内容や、税理士の資格の取り方、税理士と公認会計士の違いなどについてご紹介します。

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税理士とは

税理士とは、税理士法という法律によって付与された国家資格であり、税務代理業務や税務書類の作成などを行う専門家です。

税理士法では、税理士でなければできない「税理士の独占業務」として、①税務代理業務、②税務書類の作成業務、③税務相談業務の3つを規定しています。

実際にはもっと幅広い業務を行っていますが、まずは税理士のこの3つの独占業務についてご紹介します。

①税務代理業務
税務署などに法律で定められた書類を期限までに提出する必要がある場合に、この税務関係の書類を納税者に代わって、税理士が代理で提出することができます。

②税務書類の作成業務
所得税や消費税、法人税などの確定申告書類や、年末調整、法定調書の作成など、税務書類の作成支援代理を行います。

③税務相談業務
税金を計算するために、納税者から税法の相談を受ける業務も税理士でないと行うことができません。

これらの3つの業務は、税理士法第2条で掲げられていて、税理士資格を登録した人しか行えない無償独占業務と言われています。したがって、これらの業務を無資格の人がたとえ無償で行ったといても、それは法律違反ということになります。

税理士と公認会計士との違い

税理士については、「公認会計士との違いが分からない」という人も多いようです。
税理士も公認会計士も、どちらも「お金に関する専門家」というイメージはあるものの、違いはよく分からないということなのでしょう。

前述したとおり、税理士の独占業務は①税務代理業務、②税務書類の作成業務、③税務相談業務ですが、公認会計士の独占業務は「監査業務」です。

監査業務とは、会社の決算書が正しく作成されているかをチェックして監査報告書を発行し、監査意見を表明する業務です。
上場企業や一部の大企業については、決算書を作成して公認会計士の監査を受けることが義務づけられています。

なお、公認会計士は税理士登録をすることもできるので、公認会計士・税理士という肩書で会計事務所を経営するケースもあります。一方、税理士は公認会計士に合格しない限り公認会計士業務を行うことはできません。

税理士と公認会計士の違い

公認会計士 税理士
専門分野 会計 税務
独占業務 会計監査 税務関連
登録の要件 ・公認会計士試験に合格し一定の実務経験を積んだ人 ・税理士試験に合格し一定の実務経験を積んだ人
・公認会計士
・弁護士
・税務署で一定期間勤務した人
得意分野 ・財務分析・会計コンサルティング
・デューデリジェンス業務
・税務相談、税務申告書作成業務
・経営コンサルティング、資金調達コンサルティング
・中小企業の顧問

税理士になる方法

税理士になる方法として最もオーソドックスなのは税理士試験に合格することですが、法的に、税理士資格が付与されることで税理士業務を行える人もいます。

①税理士試験合格者
年に1度実施される税理士試験に合格すると、税理士資格を取得することができます。
1度に全科目(5科目)を受験して一括合格する必要はなく、1科目あたり60%以上の点数を取れればその科目は合格となり、合格した科目を積み上げ最終的に5科目合格となった時点で最終合格となります。

②試験免除タイプ(大学院出身)
大学院で修士課程を修了し、かつ税法に属する研究論文で国税審議会の認定を受けた場合には、税法科目3科目のうち2科目が免除されます。
また、会計学に属する研究論文で、国税審議会の認定を受けた場合には、会計学科目2科目のうち1科目が免除されます。

③試験免除タイプ(国税職員など)
税務官公署職員で一定の勤続年数がある場合には、税法に属する科目などが免除されます。

④弁護士タイプ
弁護士は、弁護士業務以外の税理士の業務を行うこともできます。

⑤公認会計士タイプ
公認会計士が税理士会に登録すると、税理士業務を行うことができます。

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税理士の仕事

税理士の独占業務は、前述したとおり①税務代理業務、②税務書類の作成業務、③税務相談業務ですが、実際には非常に幅広い業務を行っています。
ここでは、税理士が行っているさまざまな仕事のうち、主な10個の業務についてご紹介します。

(1)顧問業務

顧問業務は、税理士の中心ともいえる業務です。顧問契約を締結し、会社や個人事業主の経営全般に関するさまざまな相談にのります。
記帳代行業務から引き受けて経理全般業務をすべて行うこともありますし、経理体制の構築サポートを行うこともあります。

経理体制の構築を行うにあたっては、クラウド会計などのIT導入サポートを行うこともあります。従来の会計ソフトでは通帳を1行ずつ確認し、勘定科目や日付などを入力する必要がありましたが、クラウド会計を導入すれば、これらの作業をほぼ自動化することが可能になり、人件費などのコストダウンを図ることが可能となります。

中小企業の場合には、毎月の経営会議に出席して、経理面の指摘や損益状況、資金繰りなどについて報告を多なうこともあります。また、投資計画や財務計画を確認し、経営計画を修正、チェックするのも顧問業務のひとつです。

なお、株式公開を準備している会社の場合には、内部の経営管理能力を強化するために、経営部門が日々の経理処理を行い、経営企画部門が予算管理を行うという仕組みを構築するためのサポートも行います。

(2)申告業務

所得税の申告・法人の決算申告・相続申告・年末調整・法定調書・償却資産税などの申告業務は、税理士の独占業務でもあります。

決算書からは、会社の強み・弱み、これから目指す方向性などを読み取ることができますので、この時税理士があわせて決算書のカウンセリングを行うこともあります。
前期から繰り越された資産と負債を使って、その会社がどのような事業活動を行い、効率よく設けているか、返済能力に問題はないかなどについて分析し、来期に向けてどのような資産と負債を繰り返したのかを検証していきます。

(3)税務調査立ち会い

税務調査とは、申告納税制度で税金を納めることになっている所得税・法人税・相続税などの確認を行う調査です。
この税務調査の立ち会いも税理士の大切な業務のひとつです。

大体3年から5年に1度の割合で行われますが、毎年税務調査の対象となることもありますし10年間一度も税務調査の対象とならないこともあります。

調査の対象となるのは会社がほとんどですが、個人事業主の所得税や相続税の申告についても規模が大きい場合には税務調査の対象となることもあります。

税務調査の結果に不服がある場合には、「不服申し立て」という裁判制度を利用することもできます。
この不服申立制度を利用する場合には代理人として弁護士に依頼することになりますが、税法は頻繁に改正されるので弁護士だけでは対応が難しいという理由から、税理士に対して「補佐人」という資格が与えられることになりました。
補佐人となった税理士は、訴訟代理人である弁護士とともに裁判に参加することになります。

(4)個人の確定申告

個人は、その年の1月1日から12月31日までの所得を確定し、翌年の2月16日から3月15日までに確定申告を行い納税する必要があります。
この確定申告をサポートするのも税理士の仕事です。

電子申告制度の普及で、税務申告や各種届出、納税などを電子データで行うことができるようになり、申告業務は大幅に省力化されることになりましたが、この時期は12月決算の会社の決算業務などが重なるので、税理士にとっては、毎年2月16日から3月15日が1年でもっとも忙しい時期となります。

(5)相続対策・相続税申告

平成27年に相続税が増税になる改正が行われ、相続税の課税対象者が増えたことから、相続税は今まで以上に身近な税金となってきました。
相続税を節税し財産の円滑な承継を実現するためには、高い専門知識をもとに早期の準備が必須であり、相続税の節税対策や納税資金の準備についてサポートを行うことも税理士の業務のひとつです。
また相続税申告は、相続が発生した翌日から10カ月以内に行う必要があり、その期間内で必要となる手続きが民法や相続税法などに定められています。税理士は、これらの手続きについてのサポートも行います。

(6)起業支援

ひとくちに起業支援といってもさまざまな分野がありますが、税理士が行うのは設立手続きサポートや、各種届出のサポート、事業計画の策定や金融機関からの開業資金の調達支援、起業時の経理事務支援などです。

会社を設立する際には、定款の作成・認証、登記などさまざまな手続きを行う必要がある他、「資本金はいくらにすればよいのか」「事業目的はどのように決めればよいのか」「決算期はいつにすればよいのか」などを検討する必要があります。
この資本金の額や決算期によって、会社設立後の税負担が大きく変わることがあります。また、最初から会社を設立するのではなく個人事業主としてスタートし、売上が伸びてから会社を設立した方が、メリットがあるケースもあります。
したがって、起業する前に税理士のアドバイスを受ける方が、設立後の税負担を軽減させることができます。

(7)事業計画策定

事業計画策定とは、会社の今後の事業計画を経営者とともに作成する業務です。
事業計画を作成する時には、未来の達成可能な利益と経費の金額を計算する必要がありますが、この時決算書の各数字を税理士と経営者で詳細に検討する必要があります。

経営者だけで作成した事業計画は、会社への思い入れは理想の高さから、どうしても数字が曖昧で抽象的になってしまいがちです。
一方、税理士は社外の人間ですから、決算書を分析しながら、利益計画に基づいた経営計画について、客観的にアドバイスをすることができます。

(8)認定支援機関業務

平成24年に「中小企業経営力強化支援法」が施行され、そのなかで経営不振企業の経営サポートを行う専門家の認定する仕組みが導入されました。これが「経営革新等支援機関」制度です。
この「経営革新等支援機関」に登録すると、税理士は中小企業を支援するために必要なさまざまな知識を活用して、中小企業の事業再生業務を行うことになります。また、金融支援や創業支援、ものづくり企業の支援などを行うこともあります。

(9)国際税務・海外進出サポート

最近は、中小企業が海外に進出するケースが増えてきました。特にASEAN諸国への進出が活発ですが、その進出サポートをする税理士も増えています。
海外進出の際には、進出先の国の税務を検討するのはもちろん、資金面や人材面でさまざまな検討が必要です。

たとえば資金面でいえば、日本政策金融公庫の「海外展開資金」の制度を使えないか経営者と一緒に検討したり、JETRO(日本貿易振興機構)がおおなっている支援サービスを受けることを検討したりします。

(10)M&Aサポート

M&Aというと一方的に会社が乗っ取られるというイメージを持つ人もいますが、中小企業のM&Aはほとんどが友好的M&Aです。
M&Aの際には、事業内容や財務状況、市場価値の査定などを行う必要がありますが、この査定方法を誤ると結果的に会社を安売りしてしまうというリスクがあります。
しかし、税理士が客観性や確実性を前提とした税務上の時価に基づいて査定を行えば、将来的な価値を見越して査定することができるので、適正なM&Aを実現することができます。
このM&Aを専門に扱い税理士も、最近は増加傾向にあります。

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まとめ

以上、税理士の仕事内容や税理士になる方法、公認会計士との違いなどについてご紹介しました。
税理士は、税務書類の作成や税務申告を行う専門家ですが、実際は事業計画やM&Aサポートなど、幅広い業務を行っていて、さまざまな視点から経営者などをサポートしてくれる存在です。
自身の相談内容や依頼したい内容にあわせて、ベストな税理士を見つける際の参考にしていただけたらと思います。

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