税理士にコンサルタントを依頼する8つのメリット

公開日:2019年11月01日
最終更新日:2024年02月05日

この記事のポイント

  • 税理士には、経営コンサルタントを依頼することもできる。
  • 税理士のサポートを受けることで、資金繰りが改善されるなど多くのメリットがある。
  • 税理士の指摘によって自社の課題が明確になり、早期に対策をとることができる。

 


 
税理士に決算書のカウンセリングを依頼することで、会社の強みや弱み、これから目指す方向性などが明確になります。
また、税理士に依頼すれば、決算書などの資料から「効率よく稼げているか」「安定的に儲けているか」「資金繰りに問題はないか」などを分析し、「これから何を改善すればよいのか」「これからどのような経営目標を立てればよいのか」「資金ショートのリスクはないか」などについて、アドバイスをもらうことができます。
 

税理士の豆知識

税理士のなかには、税理士業務だけでなく経営コンサルタントとして中小企業支援に取り組んでいる税理士もいます。とくに中小企業にとっては、資金調達や資金繰りといったお金の問題がついて回ります。事業を回すことは理想ではありますが、実際には事業の利益だけで事業を回すのは難しいケースが多いものです。そこで必要となるのが、外部からの資金調達です。
企業は損益がどんなに赤字であっても、資金繰りが回っている間は倒産することはありません。逆に損益が黒字でも、資金繰りがうまくいかなければ倒産してしまいます。これを黒字倒産といいます。
また、売上を拡大するチャンスが訪れたときにも、同様に資金が必要になることがあります。
つまり、必要なときに必要なだけの資金を調達できなければ、事業を発展させることも難しく、ときには黒字倒産するリスクがあるのです。
そして、このような中小企業の資金繰りの対応に的確なアドバイスができる専門家が、資金調達に力を入れている税理士です。資金調達ノウハウと財務の知識を持つ税理士の存在は、大企業と比べて財務が脆弱である中小企業にとって欠かせない存在と言っても過言ではないのです。

税理士に経営コンサルタントを依頼する8つのメリット

税理士というと、「領収書を渡して決算書を作成してもらう」「節税対策を提案してくれる」など、経理や会計処理の専門家というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
しかし税理士には、経営コンサルタントを依頼することもできます。
税理士のなかには、会社設立時からサポートをしてくれて、設立後には決算書の数字から会社の収益性、資金性、安全性、生産性などを評価したうえで会社の状況や問題点を明確にし、その改善策まで提案してくれる税理士がいます。

(1)会社設立からサポートしてくれる

会社を設立する際には、定款の作成・認証、登記などさまざまな手続きが必要です。また、「資本金はいくらにすればよいのか」「事業目的はどのように決めればよいのか」「決算期はいつにすればよいのか」など、さまざまな事項について検討する必要があります。
この時注意が必要なのが、資本金の額や決算期によって会社設立後の税負担が大きく変わることがあるという点です。

たとえば、資本金は1,000万円未満に設定すると、設立後2年間は原則として消費税を納めなくてもいいことになります。また、法人住民税の均等割(赤字であっても毎年納めなければならない税金)の額も、資本金によって変わります。

また、決算期についても売上予定によっては設立第1期を7カ月以下にするか7カ月以上にするかで、税負担が変わることがあります。
たとえば、設立当初6カ月間の売上と給与のいずれかが1,000万円以下であれば、第2期も消費税がかかりません。また、いずれも1,000万円を超えたとしても、第1期が7カ月以下であれば第2期は消費税がかからないことになります。
また、インボイス制度がスタートしたことで、あえて課税事業者となった方がよいケースもあります。

税理士に相談すれば、他士業と連携して定款の作成・認証、登記までの手続きはもちろん、資本金の額や決算期の決め方までアドバイスしてもらうことができます。

(2)融資に必要な対策を講じてくれる

会社を経営するうえで最も重要なのがお金です。
よく会社の「お金の流れ」は、人間の身体の「血液の流れ」に例えられますが、これはお金の流れが止まってしまえば、会社はあっという間に倒産してしまうからです。

特に起業して2~3年は、資金繰りに苦しむ経営者が多いものですが、起業して間もない会社には融資してくれる金融機関はほとんどありません。

しかし税理士に依頼すれば、民間の金融機関だけでなく日本政策金融公庫など、起業したての企業にも融資をしてくれる金融機関から融資を受ける手続きをサポートしてくれたり、業種によって活用できそうな補助金や助成金の情報を教えてくれますし、申請書類を取り寄せたり作成をサポートしてくれたりすることもあります。

起業時だけでなく、資金難に悩んでいるなら、まずは顧問税理士に相談してみてください。顧問税理士がいない場合でも、資金調達に精通している税理士であれば、事務所を訪問してどのような資金調達方法があるか、相談することをおすすめします。

(3)自社の課題が明確になる

「売上をもっと伸ばしたい」「事業を拡大させたい」「従業員の数を増やしたい」といった事業意欲を持つことは大切ですが、自社の状況を把握したうえで本当に必要なプランを練らないと、最悪の場合、倒産という事態を招きかねません。
事業意欲が大きければ大きいほど、どんぶり勘定ではいずれ経営は行き詰ってしまいます。実際、新規設立企業の多くが倒産するというデータもあります。このような倒産を回避するために大切なのが自社の課題を明確にすることです。

そして、倒産を回避し、自社の課題を明確にするための材料が「決算書」です。
どんな会社でも、1年に1度は決算書を作成しています。この決算書を「税金を払うために、納税額を計算する書類」と思っている人もいますが、決算書には、企業の会計上のデータがすべて詰まっています。
この決算書を適切に分析すれば、自社の課題や強みなどが明確になります。

決算書とは、貸借対照表や損益計算書、キャッシュ・フロー計算書などの資料のことで、決算書を見れば会社の業績が伸びているのか、危ない状態なのかを見極めることができます。それに銀行などの金融機関は、決算書を見て会社に貸し出す金額や金利を決めます。

税理士のアドバイスを受けながら、決算書の読み方そして分析方法を理解することは、経営者として必須のスキルともいえます。

(4)5年後の経営目標が明確になる

決算書から課題が明確になったら、今期の目標、5年後の目標を設定します。
この中期目標を短期目標に落とし込み、具体的な行動目標を決めていきます。この時立てる目標は、「売上が3倍になったらいいな」というような漠然としたものではありません。
目標達成のためにはどれだけの商品を仕入れて売るべきか、販売するために人件費はどれだけかかるかなど、細かく計算したうえで検討する必要があります。

税理士に経営コンサルタントを依頼すれば、目標をクリアするための数値を提示してもらうことができるので、有効かつ具体的な対策を検討することが可能になります。

(5)事業が無理なく成長させることができる

言うまでもありませんが、税理士は会社の数字のプロです。
決算書から「今期は、○○円くらいの黒字が見込まれるので、○○円くらいの法人税を納付することになりますが、そのまま支払いますか。それとも設備投資を行いますか。それとも○○も部門を強化するために人材を確保しますか」といった節税に関するアドバイスをしながら、事業が成長できるための提案をしてくれます。

決算書の数字をもとに判断しているのですから、無理な設備投資を行うリスクもなく、無理に人材を雇用することもなくなります。
つまり、税理士は事業を無理なく成長させてくれるために必要不可欠な存在なのです。

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(6)資金繰りのリスクを未然に防げる

資金繰りについて、「売上が増えれば、自動的にお金が増えていくだろう」と漠然と考えている経営者がいます。とくに中小企業の経営者は、マーケティングには強くても財務に弱い人が多いものです。

しかし、経営者というものは、会社を倒産させないためには、翌月、翌々月、3カ月先、半年先に会社の資金がどうなっているのかを常に把握しておくことが重要です。

まずは、過去の実績表を作成して経営の特性を把握し、お金の流れをつかむことです。資金繰り表は単に未来のキャッシュ・フローの状況を把握するためのものではなく、過去のお金の流れを分析して経営の特徴(あるいは問題点)を明確にするためにも必要となるものです。
そして、経営の特徴や問題点が明確になったら、未来の資金繰り表を見直していきます。
この資金繰り表を作成するためには、簿記の知識が必要となりますから、早めに税理士に資金繰り表の作成を依頼して、経営の実態を把握することが大切です。

(7)税務調査の対象となりにくい

顧問税理士がいることで、税務調査の対象となりにくくなり、会社にお金を残すことが期待できます。なぜなら、申告書に「税理士法第33条の2第1項に規定する添付書面」が添付されていると、その申告書は資格のある税理士によってしっかり検査されたものであることを示すため「顧問税理士がいるのであれば、いい加減な処理はしていないだろう」という印象を税務署に与えることができるからです。
仮に税務調査の対象となっても、事業の内容をよく理解している税理士がいれば、税務調査の準備について十分なサポートを受けることができ、税務調査の結果に大きな差が出ることもあるのです。

(8)会社の強みが明確になる

経営者は、常に決断することを迫られています。
それも、一般的な正解が何なのか分からない状態で決断しなければいけないことも多く、その不安は計り知れないものがあります。
しかし、だからと言っていつまでも決断しなければ機会損失につながってしまいかねません。

このような時、顧問税理士の力を借りることで、見えないものに対する不安が明確になり、結果として最善の選択をできる可能性が高くなります。
また、経営者は多忙であることからつい目の前の作業に追われ、会社の強みを活かせずに日々経営をしてしまっていることも多いものです。
しかし、税理士が客観的な立場でアドバイスをしてくれることによって、多くの気づきを得ることが可能となります。そのなかで自社の強みに気づき、それを活かした経営ができるようにもなります。
結果として決断のスピードもアップし、強みを活かした会社経営を行うことが可能となります。

税理士に経営コンサルを依頼する時のポイント

税理士に記帳や決算書の作成を依頼するだけなら、それほど相性は気にならないかもしれませんが、経営コンサルタントを依頼し今後事業をさらに大きくしたいと望むなら、経営の悩みを安心して相談できるような税理士を選びたいものです。
また、分かりやすくメリットのある提案をしてくれるか、業界に精通しているかなども重要な判断ポイントです。

(1)何を依頼したいのか明確にしておく

まず大切なのは、経営のパートナーとなってくれるような税理士を選ぶことですが、その際には「何を依頼したいのか」を明確にしておきましょう。

よく、「うちの税理士は、何も提案してくれない」と不満をもらす経営者がいますが、その経営者に「では、税理士にどのような提案をしてもらいたいのですか」と聞くと、そこが明確になっていない経営者は多いものです。
「税理士に経営コンサルタントを依頼したい」と思ったら、まずはどんな提案をしてほしいのか明確にしてください。「資金繰りを改善したい」「給与額は適切なのか知りたい」「融資を受けたい」など、具体的に依頼したい課題が明確でなければ、税理士も提案することができません。

そしてそのうえで経営者の悩みや痛みを共有してくれて、経営者にとってメリットのある提案をしてくれる税理士がいるかいないかは、その後の事業の成長を大きく変えます。
税理士を選ぶときには料金の高い低いに目が行きがちですが、料金より、自社に必要なサービスは何かを考え、そのサービスを最大限メリットのある形で提案してくれる税理士を探すことが大切です。

(2)業界に精通しているか確認する

最近は、「飲食業の税理士」「美容業界の税理士」「クリニック専門の税理士」など、業種や業務に精通した税理士が増えています。
業界に精通している税理士であれば、専門用語をいちいち説明する必要もありませんし、他社の成長過程を熟知しているので、現時点で本当に必要な対策を提案してもらうことができます。
また、近年は中小企業でも積極的に海外に進出しています。
このような場合には、国際税務に詳しい専門の税理士が必要となるでしょう。

また、会社を発展させるためには、複数の税理士を活用するのもおすすめです。
たとえば、記帳と申告を担当する税理士、経営計画の作成など経営コンサルタントを担当する税理士、海外進出を担当する税理士などと契約するのです。

このように税理士の得意とする分野ごとに税理士を活用することで、通常の顧問料以上のメリットを受けることができるようになります。

(3)クラウド会計ソフトに精通しているか確認する

クラウド会計ソフトとは、インターネット上のサービルを利用した会計ソフトです。
従来の会計ソフトのように、パソコンで会計データを保存するのではなくインターネット上に会計データが保存されるので、税理士と同じタイミングで最新の会計データを確認することができます。
「今、起きている問題は何か」「解決するためにはどのような対応が必要か」などを、会計データを確認しながら相談することができます。

今後は、クラウド会計ソフトに精通している税理士か否かも、税理士を選ぶ重要なポイントとなります。

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まとめ

以上、税理士にコンサルタントを依頼するメリットや、税理士を選ぶポイントなどについてご紹介しました。
これまで税理士に帳や決算書の作成だけ依頼してきたという方も多いと思いますが、税理士に決算書の分析やコンサルティングを依頼することで、事業の課題が明確になり必要な対策を把握することができます。
自社をさらに成長させるためにも、早めに経営コンサルタントを依頼できる税理士を探しましょう。

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税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。

 

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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」

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