顧問税理士と契約解除する時の注意点

公開日:2018年11月06日
最終更新日:2021年08月02日

目次

  1. 顧問税理士との契約解除の理由
    • (1)思ったほど節税効果がない
    • (2)相性が合わない
    • (3)必要な手続きや税法上の特例を教えてくれない
    • (4)税務調査で税務署の言いなりだった
    • (5)業界に詳しくなかった
  2. 顧問税理士と契約解除する時の注意点
    • (1)契約書の内容を確認する
    • (2)新しい顧問税理士は早めに見つけておく
    • (3)契約解除の申し入れを行う
    • (4)書類やデータを返却してもらう
    • (5)新しい顧問税理士と契約を締結する
  3. 税理士を変更して成功した具体例
    • (1)経理作業が楽になった
    • (2)銀行融資の相談ができるようになった
    • (3)経営に相談ができるようになった
    • (4)顧問料が下がった
    • (5)経営状態を改善できた
  4. まとめ
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この記事のポイント

  • 税理士と契約解除をしたいと思ったら、まず契約書を確認する。
  • 契約解除する前に、十分な話し合いをして説明を受けることも大切。
  • 新しい税理士に引き継いでもらう書類やデータも、確認しておく。

 
いくら信頼し合っていた顧問税理士でも、なかには事業が拡大したことに伴い顧問税理士を変更しなければならなくなることもありますし、トラブルが起きたりして契約を解除したいと思うケースがあります。

基本的には、顧問税理士は自社の事情に精通した、経営のパートナーですから、話し合いで解決できることも多いでしょう。

しかし、なかにはどうしても顧問税理士と解約したいと思うケースもあります。このような時には、どのような点に注意して、どう進めればスムーズに契約を解除して、新しい税理士に引き継ぐことができるのでしょうか。

顧問税理士との契約解除の理由

税理士を変更したい理由で、「顧問料が高い」「サービス内容に不満がある」など個々で違いますが、ここでは最も多い事例についてご紹介します。

(1)思ったほど節税効果がない

少しでも税金を安くしてほしいと思って、顧問税理士と契約したのに、節税効果を感じないというケースもよく見られます。
しかし、多くのケースは思い違いであることが多く、税理士からしてみれば、「豊富な経験と知識に基づいて、精一杯の適切な節税対策を提案しているのに」という気持ちをぬぐいきれないことも多いようです。
そして、このようなケースは、税理士と話し合えば、納得できるケースがほとんどです。
したがって、たとえば「この領収書は経費算入できるはずだ」という不満があるのであれば、遠慮なく税理士に説明を求める方がよいでしょう。

確かに経営者にとって税金を払うのはいやなものではありますが、無理な節税はキャッシュフローを悪化させることがあります。正しく税金を払って、手元に資金を残すことこそが、経営の王道ともいえるのです。「無理な節税はやめて、利益を確保し、手元の資金を残しましょう」とアドバイスしてくれる税理士こそ、真剣に経営を考えてくれる税理士ともいえるのです。

(2)相性が合わない

税理士を選ぶ際には、「相性が合うか否か」は大変重要です。
「自分が話しやすいと思ったかどうか」「何でも相談できるか」といった点は、税理士を選ぶうえで、最も大切なポイントだからです。

なかには、「丁寧な説明をしてくれない」「親の代から付き合いで、顧問税理士の方がずっと年齢が上で、気軽にいろいろなことを相談できない」というケースもあります。

顧問税理士に相談しづらい何らかの理由があり、それが事業に支障をきたしていると感じるのであれば、その時には契約解除を視野に入れるのもやむを得ないでしょう。

(3)必要な手続きや税法上の特例を教えてくれない

税理士が必要な手続きを行わなかったり、活用できる税法上の特例を教えてくれなかったりしたことで、必要以上に税金を支払う羽目になったというケースもあります。なかには、「特例を受けられる要件に、該当していなかった」など、経営者の思い違いであるケースもありますが、仮に税理士側のミスがあったとしたら、それは、税理士が委任契約の受任者としての義務に違反したことになりますから、当事者同士の話し合いで解決することは難しいでしょう。
なかには、損害賠償を請求できることもありますので、税理士会や弁護士に相談することをおすすめします。

引用:国税庁「関与税理士から損害賠償金を受け取った場合の課税関係について」

(4)税務調査で税務署の言いなりだった

「税務調査の対象となり、その際に立ち会った税理士が税務署の言いなりだった」という理由も、税理士と契約解除をした理由として多い事例です。

税理士法の第1条では、以下のように規定しています。

「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公平な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする」

つまり、税理士は中立な立場で税務署にきちんと対応しなければならないわけです。したがって、税務署に指摘された箇所について納得できなければ、納税者に代わって、主張すべき立場であるといえます。
また、税務署に否認された事項については、なぜ否認されたのかという理由を説明し、今後同じような指摘を受けないよう、納税者に対してきちんと指導を行うことも求められます。

したがって、税務調査の対象となった事項について十分な説明をしてくれたうえで、税務署に対しては毅然とした態度で、納税者に代わって意見を根拠と共に主張してくれる税理士が、本当の意味でのいい税理士といえるでしょう。

(5)業界に詳しくなかった

どの業界にも、業界特有の事情や慣習があります。
そのような業界事情というのは、やはりその業界の顧問先を多く抱えている税理士がよく理解しているもので、結果的に適切なアドバイスをすることができるものです。
したがって、経営者が「自分の業界は、特殊な業界だ」と思う場合には、その業界に精通している税理士に依頼するのが得策といえるでしょう。

顧問税理士と契約解除する時の注意点


 

「顧問税理士を変更したい」と思った時には、今まで付き合ってきた顧問税理士との契約を解除して、新しい税理士に書類やデータを引継ぎ、業務に支障がないようにしなければなりません。

税理士と顧問契約を解除する時の流れは、以下のとおりです。

(1)契約書の内容を確認する
(2)新しい顧問税理士は早めに見つけておく
(3)契約解除の申し入れを行う
(4)書類やデータを返却してもらう
(5)新しい顧問税理士と契約を締結する

(1)契約書の内容を確認する

契約締結の時には、税理士と顧問契約を締結していますが、その際に契約内容をきちんと確認していないケースも多いようです。
しかし、契約書の条項の中には、「契約期間完了日の3カ月前までに双方より意思表示がない限りは、自動更新する」といった内容が書いてあるケースもあります。

そのような条項がある時には、急に1カ月前になって「契約解除したい」と申し出ても、認められません。その条項の期間に合わせて解約を申し出る必要があります。

(2)新しい顧問税理士は早めに見つけておく

新しい顧問税理士は、早めに見つけておく方がよいでしょう。
税理士と契約解除をする際の注意点についてアドバイスをもらうことができますし、「顧問税理士がいない期間」がなく、業務に支障が出ることはありません。
正式に契約を締結するのは、以前の顧問税理士と契約を解除してからで十分ですが、相談だけでも先にしておいた方が、スムーズに引継ぎができますし、業務に支障が出ることも少ないでしょう。

(3)契約解除の申し入れを行う

契約解除の申し入れを行う時には、今までの顧問税理士に不満があったとしても、「今までありがとうございました」という感謝の気持ちは、しっかり伝えるようにしましょう。
「顧問契約を解除すれば、もう関係ない」という態度は、しこりを残してしまいます。
契約を解除する場合にも、社会人としての礼儀やマナーは、忘れないようにしたいものです。

(4)書類やデータを返却してもらう

請求書や領収書、総勘定元帳などの重要書類は、契約を解除したら確実に返却してもらうようにしましょう。
忘れがちなのが、e-Taxのパスワードです。

パスワードを顧問税理士しか知らないという場合には、新たにパスワードを設定することになり過去のメールボックスが見られなくなります。もし新しい顧問税理士が決まっているのであれば、どのようにデータ類を引き継ぐかについてアドバイスをもらうことができます。

(5)新しい顧問税理士と契約を締結する

新しい顧問税理士と契約を締結する際には、税理士にどのような業務を依頼するのか、そしてその仕事に対する報酬がいくらなのかをきちんと説明を受けることが大切です。
毎月の試算表の作成まで依頼するのか、年末調整まで依頼するのかによって、報酬は変わってきます。
「税理士だから、経理業務や税務関連の業務はすべて引き受けてくれると思った」というわけにはいかないのです。税理調査の対象となったり銀行融資について相談したりすれば、別途報酬が発生することがあります。
この点については、契約締結の際にきちんと確認をしておかないと、後々トラブルにつながることもありますので、注意が必要です。

税理士を変更して成功した具体例

税理士を変更しても、その税理士とどのように付き合っていくかは、会社を成長させていくうえで大変重要です。
ここでは、税理士を変更して成功した具体例についてご紹介します。

(1)経理作業が楽になった

「今までは領収書を整理して、自己流で経理作業を行っていました。しかし、税理士に経理指導を受けて、正しい勘定科目や仕訳方法についてアドバイスをもらうことができました。また、「クラウド会計ソフト freee会計」の導入支援も受け、経理作業をほぼ自動化することができました。
その結果、今までの経理作業にかけていた時間を大幅に削減することができ、本業に専念できる時間を増やすことができました。」(居酒屋オーナー)

(2)銀行融資の相談ができるようになった

「以前の税理士には、決算業務しか依頼していませんでしたが、新しい税理士は『今は、融資を受けやすい』『今は融資条件について交渉しやすい』といったアドバイスをしてくれます。また、融資に必要な書類の作成についても、依頼することができます。
いつ赤字になるか分からないこのご時世で、大変助かっています。」(花屋オーナー)

(3)経営に相談ができるようになった

「親の代から同じ税理士に相談していました。自分のことを、子どものころから知っているので頭が上がらず、経営上の悩みがあっても『お父さんの時には、こうだった』といったアドバイスしかもらえず、不満がありました。
今の税理士は年も近く、同じ経営者として親身なアドバイスをもらうことができます。経営のパートナーを得たようで、心強いです。」(建設会社代表)

(4)顧問料が下がった

「顧問料について深く考えることもなく、長い間同じ税理士さんに依頼をしていました。『こんなものなのだろう』と思っていたんですね。
しかし、新しい税理士さんは『「freee会計」を導入して、自計化したらどうですか。報酬もその分だけ下げることができますよ』とアドバイスをしてくれました。「freee会計」の導入で、自社の状況がリアルタイムで把握できますし、データを税理士と共有することで、問題が起こりそうであれば、事前に教えてもらうことができるので、早期に対策を講じることができます。大変助かっています。」(不動産会社代表)。

(5)経営状態を改善できた

「今までは、パソコンにインストールするタイプの会計ソフトを導入していました。しかし、「freee会計」を導入し、認定アドバイザーである税理士にサポートを受けるようになってから、最新の会計データを共有できるようになりました。『今、資金繰りはどのような状態か』『この問題を解決するためには、いつまでにどのような対応をとるべきか』について、タイムリーなアドバイスをもらうことができ、経営状態を改善することができました。」(カフェオーナー)

まとめ

以上、顧問税理士と契約解除する際の注意点や、契約解除をしたいと思った理由、契約を解除した成功例についてご紹介しました。
税理士は、日々の経理作業や決算業務を依頼できるだけの存在ではありません。
コンサルティング機能を担い、経営者とともに経営の振り返りができる税理士が増えています。
税理士が経営のパートナーとなって、損益計算書と資金繰り表を作成し、経営計画と照合して経営がどのようになっているか、資金繰りは円滑か、是正すべきところはないか、アドバイスをしてもらうこともできます。
そのような役割を税理士に求めるならば、コンサルティング料を払ってでも、新しい税理士と契約を締結するのも良いでしょう。

また、税理士にもサービス業、飲食業、建設業などを専門とした税理士がいます。もし税理士に自社の業種の専門性を求めるのであれば、その点も検討するとよいでしょう。

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