税理士の探し方・注意したいポイントとは

公開日:2019年12月26日
最終更新日:2024年02月06日

この記事のポイント

  • 税理士には税務代理業務・税務書類の作成業務・税務相談業務の独占業務がある。
  • 税理士には、独占業務以外にもさまざまな相談ができる。
  • 税理士を探す時には、最低限知っておきたい5つのポイントがある。

 

税理士というと「申告書や申請書などを作成してくれる人」というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。しかし、税理士に相談できるのは申告書などの作成だけではありません。

税理士には、申告書の作成や決算書を作成する業務などを通じて、経営に関するさまざまな悩みを相談することができます。
この記事では、自社にとって最適なよい税理士を探すために知っておきたい5つのポイントについてご紹介します。

 

税理士探しの豆知識

税理士を探す方法としては、知人からの紹介、ネットで検索するなどの方法が考えられます。
知人から紹介してもらう方法は、もっとも無難な探し方と言えますが、その知人にとってよい税理士が必ずしも自分に合うとは限らないという懸念があります。なぜなら会社の業種や規模の違いがありますし、相性が合う・合わないという点も考慮する必要があるからです。また契約した後で合わないと感じても、知人からの紹介だと契約解除しづらいといった点もデメリットのひとつです。
ネットで探す方法は手軽で便利ですが、やはり面談をしなければ相性が合うかどうかまでは分かりません。
いずれの方法で探すにしても、まずは自社が税理士に求めるのは何かを明確にしておく必要があります。決算だけでいいのか、積極的な節税対策を提案してもらいたいのか、融資についてもアドバイスしてほしいのかなど、探すイメージが明確でなければ、自社に合った税理士を見つけるのはなかなか難しくなってしまいます。
税理士は、一度顧問契約を締結すれば長い付き合いになるものです。
長く付き合う税理士だからこそ、何人かの税理士と面談し納得いくまで話を聴いてみることをおすすめします。

税理士を探す前に知っておきたいこと

税理士探しに限ることではありませんが、何かを探す時には、探す対象が明確でないと探すことができません。
そこでまずは、どんな税理士を探したいのか明確にする必要があります。
税理士と言っても、その業務は多々あり、税金の相談だけでなく、資金繰りや補助金・助成金の申請、事業承継まで相談できる場合があります。
また、税理士とは長い付き合いになることから、相性が合う・合わないは非常に大切なポイントです。
そこで、まずは税理士を探す前に知っておきたいポイントをご紹介します。

(1)税理士に相談できること

まずは、税理士に相談できることは何かを知っておきましょう。
税理士の独占業務と言われるものに「税務代理業務」「税務書類の作成業務」「税務相談業務」があります。独占業務とは、ある業務に対して、資格を持っている人だけが行うことができるというもので、この3つの業務については税理士資格を登録した人しか扱うことができません。無資格の場合には、無料で代行したとしても法律違反となります。

・税務代理業務
税務署への申告や、その申告に関する税務調査への対応を納税者に代わって行う業務
具体的には税務関係の書類を作成して税務署に提出し、税務調査に立ち会い、納税者の立場に立って、税務署等に主張をしたりする業務をいいます。その後も税額確定の交渉、修正申告書の作成も納税者の代わりに行います。

・税務書類の作成業務
納税者の税務書類の作成を代理で行う業務
会計帳簿の記帳代行、決算書等の財務諸表の作成などを行います。
最近は、「freee会計」の性能が飛躍的に向上していることから、日々の記帳や決算書の作成までは自社で行い、申告書の作成のみ税理士に依頼するケースもあります。

・税務相談業務
税金を算出するために、納税者から税法の相談を受ける業務
税金の計算方法や、納税手続き、申告方法、ゼミ調査への対応などについて、納税者からの相談に対応します。

以上の税理士の独占業務は、有償無償を問わず税理士資格を持たない者が行うと、税理士法違反となります。
ただ税理士は「税務の専門家」として、これらの独占業務以外にも、さまざまな業務を行っていて、決算書をもとにした経営分析や、金融機関から融資を受ける際に提出が求められる事業計画の作成、補助金申請のサポートなどについても依頼することもできます。

(2)税理士と公認会計士との違い

公認会計士の独占業務は、「監査業務」と呼ばれるものです。
ただ、公認会計士は税理士登録することができるので、実際には公認会計士が税理士として業務を行っている場合も多く、その場合には仕事の中身はほぼ一緒だと言ってよいでしょう。

大企業(資本金5億円以上または負債額200億円以上の法人)の場合には、法律で公認会計士による監査が必要とされていますが、このような監査業務は大手の監査法人が独占していますので、個人で公認会計士を行っている場合には税理士会に登録して税理士として業務を行っているので、通常は税理士とほぼ同じ業務を行っているケースがほとんどです。

(3)税理士とファイナンシャル・プランナーとの違い

ファイナンシャル・プランナー(FP)は、ファイナンシャル・プランナーの試験(金融資産運用設計、不動産運用設計、タックスプランニングなど)に合格しなければなりません。

相談者のライフスタイルや価値観、経済環境などをヒアリングしたうえで分析し、アドバイスや資産設計を行い、実行までをサポートしてくれます。

ただし前述したとおり、税務代理業務・税務書類の作成業務・税務相談業務は、税理士の独占業務なので、ファイナンシャル・プランナーにこれらの業務を依頼することはできません。

税理士を探す時に注意したい5つのポイント

税理士業務内容のイメージが固まったら、次に税理士を探す時に注意したいポイントを知っておきましょう。
税理士に依頼した後で「期待したようなサポートがなかった」「思ったより報酬が高かった」などの不満を持つケースが数多くあるからです。

(1)その税理士と相性が合うか

税理士を探す時に、「スタッフが何人もいる」「事務所が大きい」「一等地に事務所がある」「ビルが立派だ」「ホームページの内容が充実している」といった点を気にする人もいます。しかし、税理士を選ぶうえで最も大切なポイントは「その税理士と、相性が合うかどうか」です。

税理士は、経営者からの相談を受け、その会社に適切なアドバイスを行ったりサポートを行ったりする存在です。
会社の資金繰りの悩みを相談することもあれば、節税対策について相談することもあります。親しくなれば、住宅ローンや子どもの教育費、相続対策について相談することもあるかもしれません。
税理士事務所のホームページを見ていると、「税理士は、会社のホームドクターである」といった謳い文句が記載されていることがあります。どんな悩みも打ち解けて相談できる相性が合う税理士は、まさにホームドクターといえる存在です。

そして、ホームドクターと言えるほど相性が合う税理士を選ぶためには、電話やメールのやり取りだけで済ますのではなく、事務所まで出向き、実際に面談し色々なことを質問してみるのがおすすめです。

何人かの税理士と面談し、それぞれの税理士と1時間ほど話せば、自分と相性が合う税理士を見極めることができるでしょう。実際に、税理士を探した方に聞いてみると、「同性で話しやすいから」「年齢が近いので事情を理解してもらいやすいと思った」といったことが実際に税理士を選ぶ決め手となったケースが多いようです。

(2)税理士報酬が明確か

税理士への報酬は、相談する内容や事業規模などによって違ってきますので、一概に言うことはできませんが、法人の場合なら、毎月の顧問料は3万円以上、決算料は20万円以上が基本となるケースが多いようです。
ただし、大切なのは、報酬が低いか高いかよりも、作業内容と報酬について明確に提示してくれるかどうかです。
「ホームページでは1万円と書いてあったのに、実際は違った」というトラブルもたまにありますが、これは単に相談する内容に応じて、税理士の業務が増えたに過ぎないケースがほとんどです。

「この作業はこれくらいの量なので、毎月○万円かかります。それとは別に申告手続きの際には、これくらいの作業が必要となるので、○万円かかります」と明確に費用について説明を受けることができれば、後々のトラブルを防ぐことができます。

なお、税理士の報酬は事務所によって違いますので、「税理士の費用・報酬相場と顧問料まとめ」で、税理士選びの金額の参考にしていただければと思います。

(3)その税理士はどこまでサポートしてくれるか

税理士に依頼する業務はさまざまです。
経理は自社で行い、決算だけ依頼することもできますし、経理業務をすべて依頼することもできます。
そこで、税理士に相談する時には、どのような業務をどのようにサポートしてくれるかについて、説明を受けるようにしましょう。
そのうえでその作業に対応した報酬がいくらかについては、契約書などで明確にしておくことがおすすめです。

なお、税理士は記帳代行や記帳指導、決算業務を通じて会社の経営成績と財政状態を日々把握していますので、その会社に適切な情報を提供してくれたり、他の専門家と連携してサポートしてくれる存在でもあります。
そのような役割を税理士に望むのであれば、その希望をきちんと伝えたうえで、顧問契約を結ぶことをおすすめします。

(4)その税理士は業界に精通しているか

税理士のなかには、クリニック、サービス業、飲食業、社会福祉法人、建設業などを専門にした税理士がいます。もし自社の業種に精通している税理士に依頼したいというのであれば、業界に精通しているかも質問してみましょう。

業界に精通している税理士であれば、事業内容を理解してもらいやすいですし、他社の情報やノウハウを知っているので、マッチング等を行ってくれることも期待できます。

(5)その税理士はクラウド会計に精通しているか

クラウド会計ソフトとは、インターネット上のサーバーにデータを保存するクラウドサービスを使った会計ツールのことをいいます。
従来の会計ソフトと異なり、会計データをインターネット上で管理するので、会計データを顧問税理士にリアルタイムで共有することができ、何か問題があればすぐに指摘してもらうことができるというメリットがあります。
クラウド会計ソフトのなかでも、「freee会計」は、従来の会計ソフトに比べて簿記の知識がないユーザーでも、直感的に入力ができるように工夫されていますので、日々の経理業務をほぼ自動化することも可能です。

経理業務は自社で行い、必要に応じて税理士に確認してもらうようにすれば、経営状況をすぐに確認してもらうことはできるので、問題点があればすぐに対策を提案してもらうことができます。したがって、クラウド会計ソフトに精通しているかどうかも確認するようにしましょう。

よい税理士を探すためには

ここまでは、税理士を探す時に注意したいポイントなどについてご紹介してきましたが、それでは実際に税理士を探すためにはどうすればよいのでしょうか。

(1)freee税理士検索を活用する

もっとも効率よく税理士を探したいなら、freee税理士検索を活用するのがおすすめです。freee税理士検索は、全国の税理士を、都道府県別、業種別、依頼内容(確定申告、法人決算、経理・記帳業務、会社設立、相続・M&A、国際税務、給与計算など)などの条件から検索することができます。

それぞれの税理士事務所のページでは、強みのサービスや強みの業種などを確認することもできるので、どのような税理士かイメージしやすいというメリットもあります。

▶ 「freee税理士検索」で税理士を探す

(2)税理士コーディネーターを利用する

税理士紹介専任担当が、自社に合う税理士事務所を直接ご紹介するサービスを利用するという方法もあります。
前述したとおり、税理士を探すときには、税理士に何を求めるのかという点を明確にすることが大切です。けれども、「そもそも税理士が必要なのか分からない」「費用相場が分からないので不安だ」というケースも多いでしょう。
そのような場合には、まずコーディネーターに問い合わせて不明点や疑問点を質問し、探したい税理士を明確にするのもおすすめです。

 

(3)複数の税理士と面談してみよう

気になる税理士が見つかったら、ぜひ対面やオンラインで面談してみましょう。
前述したとおり、税理士を選ぶ際には「相性が合うかどうか」が最も大切なポイントであり、それを判断するためには、実際に面談することが必要だからです。
面談の際には、業務や報酬の話だけでなく、趣味や家族構成などについても質問してみるのもよいでしょう。そのうえで「話しやすいと思ったかどうか」を判断してください。

また、実際に面談する税理士は、1人ではなく何人かに面談することをおすすめします。「この税理士は、この前の税理士より年齢が近くて話しやすかった」「この税理士は、具体的な業務内容の説明が分かりやすかった」など、相対的な評価ができるようになるからです。
面談したうえで、もし相性が合わないなと感じた場合には、早めに新しい税理士を検索し、問い合わせて面談してもらいましょう。

まとめ

以上、税理士を探す時に注意したいポイントや活用方法についてご紹介しました。
ここでご紹介したポイントを参考にして、相談しやすい・話しやすい・相性の合う税理士を探す手助けとしていただければ幸いです。

税理士をお探しの方

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また、コーディネーターによる「税理士紹介サービス」もあるので併せてご利用ください。
 

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監修:「クラウド会計ソフト freee会計」

クラウド会計ソフトの「クラウド会計ソフト freee会計」が、税務や経理などで使えるお役立ち情報をご提供します。
「クラウド会計ソフト freee会計」は、毎日の経理作業を最小限で終わらせることができるクラウド型会計ソフトです。疑問点や不明点は、freee税理士検索で税理士を検索し、相談することができます。

 

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